花間集訳注解説 (94)回目韋莊二十二首-3《巻二30 浣溪沙五首其三》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8126

 (94)回目韋莊二十二首-3《巻二30 浣溪沙五首其三》 

 

 

花間集訳注解説 (94)回目韋莊二十二首-3《巻二30 浣溪沙五首其三》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8126

(選ばれて後宮に入ってきたが、毎夜、寵愛を受けるため、お香を朝霧がただよったかのように焚いているが、全く寵愛を受ける事は無い、妃嬪は、家柄もいいとされた美人であってもそのまま年老いていくとある日の早春の妃嬪を詠う。)

恨めしくて毎夜夢を見てしまう、うとうととして外を見るともう名残の下弦の月が山に傾いている。一つだけ燈火が部屋の壁に影がゆらめき、その向こうの絹布窓にも影を映す。後宮に小殿の離れがあり、その高樓のある部屋に選ばれて此処に来た、貴族の娘の生娘がいる。

ここに来てから、あのお方のことをひそかに思うだけ、これほどの美しい顔と姿はどこを探してもいないほどで、春未だ来のあの枝に咲いた一輪の花のようであり、春先の雪のようであり、早梅の花は凍りつくほど寒い朝、雪のように咲き誇るようである。ここでは、寵愛だけを考え、寵愛を受けるため全身に香を浴び、その部屋にはお香を一杯にして、朝霧のようにお香を焚いていて、それでも、寵愛を受けることもなく、時は過ぎ去ってゆく。

 

 

 

 

 

 

花間集 巻二

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲《浣溪沙五首》韋莊

 

 

 

 

 

 

『浣渓沙五首』 其一 ---079

浣溪沙五首 其一

(また、春が訪れ、寒食、清明、科挙の合格発表、春の行楽を待ち望んでいるが、やはりお声はかからなかったそれでも寵愛を受けられるように準備をして待つ毎日だと詠う。)

淸曉妝成寒食天,柳球斜嫋間花鈿,捲簾直出畫堂前。 

寵愛を失ったとはいえ、清明節が近くなり、行楽にお声をかけてもらって出掛けたいと心躍らせて朝早くから起きだして、化粧をととのえ、寒食の日を迎える。柳花球が左右になまめかしくゆらゆらと揺れ動いていて、額の花鈿も艶めかしい。そして、すだれを巻き上げて、庭に直接出て、少し歩くと美しく彩色してある雅堂の前にくる。

指點牡丹初綻朶,日高猶自凭朱欄,含顰不語恨春殘。

ボタン花がはじめてほころんだばかりの枝を指で差して数えて歩く。やがて、日が高くなってくると、もうお声はかからないと思うものの、なお、朱色の欄干に寄り添って遠くを見つめ、昔を思い出す。寂しくて眉をひそめることが癖になってしまい、移ろいゆく春の名残を惜しんで臨み、だけど、恨み言を口にすることができないし、どんな時でも寵愛を受ける事だけ思って生きていく人生なのだ。

(浣溪沙五首 其の一)

淸曉に妝成す 寒食の天,柳球 斜嫋【しゃじょう】して 花鈿を 間【へだ】つ,簾を捲き 直ちに出づ  畫堂の 前。

指 點【さ】す 牡丹の初めて綻【ほころ】べる朶【えだ】,日高きも 猶自【な】おも 朱欄に 凭【よ】り,顰【ひん】を含み 語らず 春殘を恨むを。

 

(改訂版)-2韋荘80《巻2-30 浣渓沙五首 其二 (欲上鞦韆四體傭)》二巻30-80

浣渓沙五首 其二

(また、春が訪れ、寒食、清明の行事でブランコを用意してもらったものの、乗る気にならない。ただ漠然と時は過ぎてゆく。科挙の合格発表、春の行楽を待ち望んでいるが、やはりお声はかからなかったそれでも寵愛を受けられるように準備をして待つ毎日だと詠う。)

欲上鞦韆四體傭、擬教人送又心忪、畫堂簾幕月明風。

春の到来を祝う寒食と清明節にはブランコに乗ろうと思ったのに四肢・五体がだるくてしかたがない。あのお方からの連絡もないので心が不安だらけになっていて、こちらからの使いの者を遣わしたいと思っているけれどできないでいる。美しく彩色に描かれた高堂にかかっている簾や帷幕に月影を映し、そこに風が抜けて時は過ぎてゆく。

此夜有情誰不極、隔墻梨雪又玲瓏、玉容憔悴惹微紅。

此の夜こそ、情けを受けたいとしても誰もいないのも極まりがない程であり、中庭を隔てて垣根沿いに春の盛りに梨の花がゆきのようにさいている、妃嬪は宝玉が透き通るように美しいだけで、心を痛めていて、やせおとろえ薄紅を付けたその顔も涙で崩れている。

(浣渓沙五首 其の二)

鞦韆【しゅうせん】に上らんとして四体慵【ものう】し 人をして送らしめんと擬【ほっ】するも又心 忪【おどろ】く、畫堂の簾幕に月明らかに風ふく。

此の夜情有るを誰か極めざらん、墻【かき】を隔てて梨雪又玲瓏【れいろう】たり、玉容憔悴して微紅惹【みだ】る。

 

 

浣渓沙 其三 ----081

(選ばれて後宮に入ってきたが、毎夜、寵愛を受けるため、お香を朝霧がただよったかのように焚いているが、全く寵愛を受ける事は無い、妃嬪は、家柄もいいとされた美人であってもそのまま年老いていくとある日の早春の妃嬪を詠う。)

惆悵夢餘山月斜、孤燈照壁背窗紗、小樓高閣謝娘家。

恨めしくて毎夜夢を見てしまう、うとうととして外を見ると名残の下弦の月が山に傾いている。一つだけ燈火が部屋の壁に影がゆらめき、その向こうの絹布窓にも影を映す。後宮に小殿の離れがあり、その高樓のある部屋に選ばれて此処に来た、貴族の娘の生娘がいる。

暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、満身香霧簇朝霞。

ここに来てから、あのお方のことをひそかに思うだけ、これほどの美しい顔と姿はどこを探してもいないほどで、春未だ来のあの枝に咲いた一輪の花のようであり、春先の雪のようであり、早梅の花は凍りつくほど寒い朝、雪のように咲き誇るようである。ここでは、寵愛だけを考え、寵愛を受けるため全身に香を浴び、その部屋にはお香を一杯にして、朝霧のようにお香を焚いていて、それでも、寵愛を受けることもなく、時は過ぎ去ってゆく。

(浣溪沙五首 其の三)

惆悵す 夢の餘【あと】 山月斜なり、孤燈は壁背の窗紗を照らす、小樓 高閣 謝娘の家。

暗かに想ふ 玉容 何所に似たるや、一枝 春雪 梅花を凍らし、満身 香霧 朝霞簇【むら】がる。

 

『浣渓沙』其三 現代語訳と訳註

(本文) ----081

浣渓沙 其三

惆悵夢餘山月斜、孤燈照壁背窗紗、小樓高閣謝娘家。

暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、満身香霧簇朝霞。

 

 

(下し文)

(浣溪沙五首 其の三)

惆悵す 夢の餘【あと】 山月斜なり、孤燈は壁背の窗紗を照らす、小樓 高閣 謝娘の家。

暗かに想ふ 玉容 何所に似たるや、一枝 春雪 梅花を凍らし、満身 香霧 朝霞簇【むら】がる。

 

 

(現代語訳)

(選ばれて後宮に入ってきたが、毎夜、寵愛を受けるため、お香を朝霧がただよったかのように焚いているが、全く寵愛を受ける事は無い、妃嬪は、家柄もいいとされた美人であってもそのまま年老いていくとある日の早春の妃嬪を詠う。)

恨めしくて毎夜夢を見てしまう、うとうととして外を見るともう名残の下弦の月が山に傾いている。一つだけ燈火が部屋の壁に影がゆらめき、その向こうの絹布窓にも影を映す。後宮に小殿の離れがあり、その高樓のある部屋に選ばれて此処に来た、貴族の娘の生娘がいる。

ここに来てから、あのお方のことをひそかに思うだけ、これほどの美しい顔と姿はどこを探してもいないほどで、春未だ来のあの枝に咲いた一輪の花のようであり、春先の雪のようであり、早梅の花は凍りつくほど寒い朝、雪のように咲き誇るようである。ここでは、寵愛だけを考え、寵愛を受けるため全身に香を浴び、その部屋にはお香を一杯にして、朝霧のようにお香を焚いていて、それでも、寵愛を受けることもなく、時は過ぎ去ってゆく。


 

(訳注)

浣渓沙 其三 ----081

44.(選ばれて後宮に入ってきたが、毎夜、寵愛を受けるため、お香を朝霧がただよったかのように焚いているが、全く寵愛を受ける事は無い、妃嬪は、家柄もいいとされた美人であってもそのまま年老いていくと詠う。)

45. 「後宮に選抜された宮嬢の多くは衣冠(公卿大夫)の家の子女である」と書いている。しかしながら、良家の子女の才智徳行あるものを厳格に選択するというのは、主に皇太子、諸王の妃を決める時だけであった。事実、歴代の皇帝は宮女を選別するのに、決してこれほど厳格な規定を持ってはいなかった。皇帝たちは名門の令嬢でも、貧しい家の娘でも、はては娼妓、俳優などの賎しい女たちであろうとも、ただ容姿、技芸が衆に抜きんでていれば、一様に選んで宮廷に入れたのであった。数多く選出されるけれど、全員がもれなく寵愛を受けるというわけではなく、寵愛を全く受けずに年老いてゆくということもあるわけである。この詩は、多くの美しい娘が生娘のまま生涯を終えるということを詠ったものである。

46. 唐の教坊の曲名。『花間集』 には五十七首所収。韋莊の作は五首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で⑦⑦⑦/7⑦⑦の「AAA/AA」詞形をとる。

浣渓沙五首 其一

淸曉妝成寒食天 柳球斜嫋間花鈿 捲簾直出畫堂

指點牡丹初綻朶 日高猶自凭朱 含顰不語恨春

  

  

浣渓沙五首 其二

欲上鞦韆四體傭 擬教人送又心忪 畫堂簾幕月明

此夜有情誰不極 隔墻梨雪又玲瓏 玉容憔悴惹微

●●○○●●○  ●△○●●○○ ●○○●●○△

●●●○○△● ●○○●●○○  ●○○●●○○

惆悵夢餘山月斜 孤燈照壁背窗紗 小樓高閣謝娘

暗想玉容何所似 一枝春雪凍梅花 満身香霧簇朝

   

   

この詞は花間集巻二所収の浣溪沙其三である。

 

惆悵夢餘山月斜、孤燈照壁背窗紗、小樓高閣謝娘家。

恨めしくて毎夜夢を見てしまう、うとうととして外を見るともう名残の下弦の月が山に傾いている。一つだけ燈火が部屋の壁に影がゆらめき、その向こうの絹布窓にも影を映す。後宮に小殿の離れがあり、その高樓のある部屋に選ばれて此処に来た、貴族の娘の生娘がいる。

47・惆悵:うらめしい。うらみがましい。失意のさま。本来受けるべき情が全く受けられない時の心情。恨めしいことだが春が過ぎ去って帰っていくのを留めるることはできない。 
白居易《三月三十日題慈恩寺詩》「慈恩春色今朝盡,盡日裴回倚寺門。惆悵春歸留不得,紫藤花下漸黄昏。」(【三月三十日 慈恩寺に題す】 慈恩の春色 今朝 盡く,盡日 裴回して 寺門に倚る。惆悵す春の歸るは 留め得ざるを,紫藤花下 漸く黄昏。
『淸平樂』
野花芳草,  寂寞關山道。
柳吐金絲鶯語早,惆悵香閨暗老。
羅帶悔結同心, 獨凭朱欄思深。
夢覺半床斜月, 小窗風觸鳴琴。
淸平樂 () 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-261-5-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2687

『荷葉杯』

記得那年花下。 深夜。

初識謝娘時。

水堂西面畫簾垂。 攜手暗相期。

惆悵曉鶯殘月。 相別。

從此隔音塵。

如今倶是異鄕人。 相見更無因。

荷葉杯 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩紀頌之の漢詩ブログ2672

『應天長 之二』韋莊

別来半歳青書絶、一寸離腸千萬結。

難相見。易相別、又是玉楼花似雪。

暗相思、無虚説、惆悵夜来煙月。

想得此時情切、 涙沾紅袖

小樓高閣謝娘家。

暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、

應天長 二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩紀頌之の漢詩ブログ2667

『歸國遙』 韋荘

春欲暮、 滿地落花紅帶雨。

惆悵玉籠鸚鵡、單棲無伴侶。

南望去程何許、問花花不語。

早晩得同歸去、恨無雙翠羽。

歸國遙 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩紀頌之の漢詩ブログ2642

韋荘『菩薩蠻 一』
紅樓別夜堪惆悵。 香燈半捲流蘇帳。
殘月出門時。美人和涙辭。
琵琶金翠羽。絃上黄鶯語。
勸我早歸家。綠窗人似花。
菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集i紀頌之の漢詩ブログ2617

48・夢餘 同じ夢を見続けること。

49・山月斜 名残の月と云える下弦の月が山に傾いている。夕刻からすることもなく漫然と過ごすものの月が登り、西に傾くまでうとうととしていたと眠りにつけない状況を示す。

50・孤燈 閨に一人で眠れないままじっとしている状況を強調する語。

・照壁 燭灯の焔の明かりが壁の影を移す、その揺らめきを漫然と見ている孤独を強調する語。

51・背窗紗 絹を張った窓を背景にする、場面を外に移す常套語。

52・小樓 離れ家。樓は高く構えた建物。たかどの。遠くを見るためにつくった高い建物。ものみやぐら。望楼。

53・高閣 (1)高くて立派な建物。高楼。 (2)高い棚。

54・謝娘家 「良家」の出身、つまり一般の官僚あるいは士人の家の出であったおとめ。生娘。美女や妓女、あるいは愛妾の棲む家。十数歳に達した「良家の子女」は、一定種の選抜をへて多数宮廷に入ったのであるが、彼女たちの中のほんの少しの者だけが幸運を得て妃嬢に列し、大多数の者は名もなき宮女のままで生涯を終えたのである。謝家:唐の李徳祐が豪邸を築いて謝秋娘を池のほとりの楼閣に住まわせたことによる。比喩する相手が特定される場合は、晋の謝安であったり、謝靈運、謝朓を示す場合もある。

 

暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、満身香霧簇朝霞。

ここに来てからあのお方のことをひそかに思うだけである、これほどの美しい顔と姿はどこを探してもいないほどの者だ。春未だ来のあの枝に咲いた一輪の花のようで、春先の雪のようで、早梅の花は凍りつくほど寒い朝、雪のように咲き誇るようである。寵愛だけを考え、寵愛を受けるため全身に香を浴び、その部屋に香を一杯にして、朝霧のようにお香を焚いている。それでも、寵愛を受けることもなく、時は過ぎ去ってゆく。

55・暗想 ひそかに思う。

56・玉容 美しい姿、顔だち。

何所似 ・何所似:何に似ているだろうか。 ・何所-:どこ。どんな。何。後に動詞を附けて、行為の目標または帰着するところを謂う。杜甫《旅夜書懐》「飄飄何所似,天地一沙鷗。」(飄飄 何の似たる所ぞ,天地 一沙鷗。)自分のただようている境遇はいかなるものに似ているかといえば、それは天地のあいだにおけるひとつの沙鴎のようなものだ。

765年永泰元年54-38 《旅夜書懷》 杜甫index-15 杜甫<838 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4925 杜甫詩1500-838-1156/2500

57・春雪 春先に降る雪。

58・凍梅花 早春に葉より先だって花を開くが、凍りつくほど寒い朝をいう。

59・満身 体に満。杜甫《高都護驄行》「五花散作雲滿身,萬裡方看汗流血。」(五花散じて作す雲満身、万里方に看る汗血を流すを。)からだは五色の梅の花がたが散らばって雲が一ぱいにひろがっているようだ。我々は眼前この馬が万里の道中をして来て血の汗を流すのをみるのである。

高都護驄行 杜甫

60・香霧 杜甫《月夜》「香霧雲鬟湿、清輝玉臂寒。」(香霧(こうむ)に雲鬟(うんかん)湿(うるお)い、清輝(せいき)に玉臂(ぎょくひ)寒からん。)二人で過ごした室には香霧がこめ、雲の髪型もうるおいが生じる、清々しい月のひかり輝いて妻のうなじに、影を落としている、美しい姿もつめたく感じていることであろう。

月夜 杜甫  kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 144

61・簇朝霞 朝霧がむらがる。

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