花間集 訳注解説 (445)回目《魏承班巻八49菩薩蠻二首 其一》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10712
花間集 訳注解説 (445)回目《魏承班巻八49菩薩蠻二首 其一》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10712
(秋も深まり、菊と月を愛でる宴において、結ばれることになった妓優からひひんになって初めて寵愛を受けることに)
うす絹の裾から足元が透けて見えてきて秋景色の波はずっと色濃くしている。女の眉の間には花鈿が綺麗に点々と画かれて化粧を整えている。
秋を愛でるきれいな宴の花筵に互に見つめ合う二人がいる、愛し合う心はますます深くなり、ますます二人だけの世界に入っていくことを知る。
女は翡翠の羽を高く掲げるほど有頂天になって雲型の黒かにを動かしていく、服の乱れを整えて、金の鳳凰の飾りを奇麗に弾いて髪を調える。
やがて宴も終る、そして、蘭の香りの閨に入ってゆく、すべてを迎い入れ、佩び玉と耳飾りをといて、はじめて結ばれる。
巻 八49 | 菩薩蠻二首 其一 | 13 魏承班 | (改訂版Ver.2.1) | 《花間集》401巻八49 | 全詩訳注解説-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ- |
菩薩蠻の世界
歴史絵巻は私たちに唐代の女性の生き生きとした姿を示してくれる。
彼女たちはいつも外出して活動し、人前に顔をさらしたまま郊外、市街、娯楽場に遊びに行き、芝居やポロを見物した。毎年春には、男たちと一緒に風光明媚な景勝地に遊びに行き、思うぞんぶん楽しむことさえできた。
唐·施肩吾《少婦游春詞》
「簇錦攢花鬬勝遊,萬人行處最風流。無端自向春園裏,笑摘青梅呌阿侯。」
(錦を集め、花を潜めて 勝游を闘わせ、万人行く処 最も風流。端無くも自ら向う春園の裏,笑うて摘む青梅呌阿侯。)(七言絕句押尤韻)
「三月三日 天気新なり、長安の水辺 麗人多し」(杜甫「麗人行」)などの詩句は、みな上流階級の男女が春に遊ぶさまを詠んだものである。
杜甫《卷二41 麗人行》
三月三日天氣新,長安水邊多麗人。 | 三月三日 天氣新たに,長安の水邊 麗人多し。 |
態濃意遠淑且真,肌理細膩骨肉勻。 | 態は濃く 意は遠くして淑且かつ真に,肌理きりは 細膩さい ぢ にして 骨肉は勻ひとし。 |
繡羅衣裳照暮春,蹙金孔雀銀麒麟。 | 繍羅しう ら の衣裳は 莫春に 照はゆる,蹙金しゅくきんの孔雀 く じゃく 銀の麒麟 き りん。 |
頭上何所有,翠微盍葉垂鬢脣。 | 頭上何の有る所ぞ, 翠を盎葉おうようと爲して鬢びん脣しんに 垂たる。 |
背後何所見,珠壓腰衱穩稱身。 | 背後何の見る所ぞ,珠は腰衱えうけふを壓して穩やかに身に稱かなふ。』 |
就中雲幕椒房親,賜名大國虢與秦。 | 就中なかんづく 雲幕の椒房せうばうの親しん,名を賜ふ 大國 虢くゎくと秦しんと。 |
紫駝之峰出翠釜,水精之盤行素鱗。 | 紫駝しだの峰を翠釜すゐ ふ より 出いだし,水精の盤に 素鱗 行くばる。 |
犀箸厭飫久未下,鑾刀縷切空紛綸。 | 犀箸さいちょ 厭飫えんよして久しく未だ下さず,鸞刀らんたう 縷切る せつして 空しく紛綸たり。 |
黃門飛鞚不動塵,御廚絡繹送八珍。 | 黄門 鞚くつわを飛ばして塵を動かさず,御廚ぎょちゅう 絡繹らくえきとして 八珍を送る。 |
簫鼓哀吟感鬼神,賓從雜遝實要津。 | 簫管 哀吟して 鬼神をも感ぜしめ,賓從ひんじゅう 雜遝ざったふして 要津えうしんに實みつ。』 |
後來鞍馬何逡巡,當軒下馬入錦茵。 | 後れ來たる鞍馬は何ぞ 逡巡んする,軒に當たりて 馬より下りて 錦茵きんいんに入る。 |
楊花雪落覆白蘋,青鳥飛去銜紅巾。 | 楊花やうくゎ 雪のごとく落ちて 白蘋はくひんを覆ひ,靑鳥 飛び去りて 紅巾こうきんを銜ふくむ。 |
炙手可熱勢絕倫,慎莫近前丞相嗔。 | 手を炙あぶらば 熱す可べし 勢は絶倫なり,慎みて 近前する莫れ 丞相じょうしゃう 嗔いからん。』 |
麗人行 杜甫:kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 65
彼女たちは公然とあるいは単独で男たちと知り合い交際し、甚だしくは同席して談笑したり、一緒に酒を飲んだり、あるいは手紙のやりとりや詩詞の贈答をしたりして、貞節を疑われることも意に介さなかった。白居易の「琵琶行」という詩に出てくる、夫の帰りを待つ商人の妻は夜半に見知らぬ男たちと同船し、話をしたり琵琶を演奏しあったりしている。それで、宋代の文人洪遇は、慨嘆して「瓜田李下の疑い、唐人は譏らず」(『容斎三筆』巻六)といった。
「瓜田李下之疑, 唐人不譏也。」(瓜田李下の疑い、唐人は譏らず。)
「瓜田に履を入れず、李下(すももの木の下)に冠を正さず」 の格言に基づく、疑われやすい状況のたとえ。
宋の洪邁《容齋三筆‧白公夜聞歌者》「然鄂州所見, 亦一女子獨處, 夫不在焉。 瓜田李下之疑, 唐人不譏也。」
彼女たちは「胡服騎射」を好む気風があり、胡服戎装(北方民族の軍装)をしたり、男装したりすることを楽しみ、雄々しく馬を走らせ鞭を振い、「撃を露わにして〔馬を〕馳験せた」(『新唐書』車服志)。
またポロや狩猟などの活動に加わることもできた。
杜甫の《卷四32哀江頭》詩に「輦前才人帶弓箭,白馬嚼齧黄金勒。翻身向天仰射雲,一笑正墜雙飛翼。」(輦前の才人 弓箭【きゅうせん】を 帶び,白馬 嚼噛【しゃくげつ】す 黄金の勒【くつわ】。身を翻して天に向ひ 仰ぎて雲を射れば,一笑 正に堕つ 雙飛翼。)““天子の乗り物の前に才人などの騎兵隊の女官たちが、弓矢を腰に携えていたのだ。先導する白馬は、黄金製のくつわを噛んで堂々としたものだった。体の向きを変えるように、恩ある天子に向かって仰向(あおむ)いて、雲に反旗の矢を射掛ける。楊貴妃の微笑による王朝の頽廃は、梧桐のつがいになって翼を並べて飛んでいた鳥が、ちょうど墜されたのだ。”” 《卷四32哀江頭》と描写されている。馬上で矢を射る女たちの何と雄々しき姿であることか。彼女たちは勇敢かつ大胆で、よく愛し、よく恨み、また、よく怒りよく罵り、古来女性に押しつけられてきた柔順、謙恭、忍耐などの「美徳」とはほとんど無縁のようだった。誰にも馴れない荒馬を前にして、武則天は公衆に言った。「私はこの馬を制することができる。それには三つの物が必要だ。一つめは鉄鞭、二つめは鉄樋(鉄杖、武器の一種)、三つめは短剣である。鉄鞭で撃っても服さなければ馬首を鉄樋でたたき、それでもなお服さなければ剣でその喉を断つ」(『資治通鑑』巻二〇六、則天后久視元年)と。この話は唐代の女性たちに特有の勇敢で、剛毅な性格をじつに生々と表わしている。
彼女たちは積極的に恋愛をし、貞節の観念は稀薄であった。未婚の娘が秘かに男と情を通じ、また既婚の婦人が別に愛人をつくることも少なくなかった。女帝(武則天)が一群の男寵(男妾)をもっていたのみならず、公主(皇女)、貴婦人から、はては皇后、妃嬢にさえよく愛人がいた。離婚、再婚もきわめて普通であり、唐朝公主の再婚や三度目の結婚もあたりまえで珍しいことではなかった。こうした風習に、後世の道学先生たちはしきりに首をふり嫌悪の情を示した。『西廟記』『人面桃花』『侍女離魂』『蘭橋遇仙』『柳毅伝書』等の、儒教道徳に反した恋愛物語が、どれも唐朝に誕生したことは、この常よい証拠である。
彼女たちの家庭における地位は比較的高く、「婦は強く夫は弱く、内(女)は齢く外(男)は柔かい」(張鷲『朝野愈載』巻四)といった現象はどこにでも見られた。唐朝の前期には上は天子から下は公卿・士大夫に至るまで、「恐妻」がなんと時代風潮にさえなったのである。ある道化の楽人は唐の中宗の面前で、「かかあ天下も大いに結構」(孟築『本事詩』嘲戯)と歌ったことで、韋皇后から褒美をもらったという。御史大夫の襲談は恐妻家としてたいへん有名であったばかりか、妻は恐るべしという理論までもっていた。妻たちが家で勝手気ままに振舞っているのを見聞したある人は、大いに慨嘆して次のようにいった。「家をもてば妻がこれをほしいままにし、国をもてば妻がそれを占拠し、天下をもてば妻がそれを指図する」(干義方『異心符』)と。
この時代には、まだ「女子は才無きが輒ち是れ徳なり」(清の石成金の『家訓抄』が引く明の陳眉公の語)という観念は形成されていなかった。宮廷の妃嫁、貴婦人、令嬢から貧しい家の娘、尼僧や女道士、娼妓や女俳優、はては婦女にいたるまで文字を識る者がきわめで多く、女性たちが書を読み文を作り、詩を吟じ賊を作る風潮がたいへん盛んであった。これによって唐代には数多くの才能ある女性詩人が生れたのである。女道士の魚玄機はかつて嘆息して、「自ら恨む 羅衣の 詩句を掩うを、頭を挙げて空しく羨む 模中の名(女に生れて詩文の才を発揮できないのが恨めしい。むなしく科挙合格者の名簿を眺める)」(「崇真観の南楼に遊び、新及第の題名の処を括る」)と詠んだ。この詩句は、女性が才能の点で男性に譲らぬ自信をもってはいるが、男とともに金棒(科挙合格者発表の掲示板)に名を載せ、才能を発揮できない無念さをよく表している。
花間集 巻八 魏太尉承班二首 / 花間集 巻九 魏太尉承班十三首
魏承斑(生卒年未詳、およそ九三〇年前後に在世) |
前蜀の詞人。字、出身地ともに未詳。魏承斑の父親の魏宏夫は、前蜀の王建の養子となり、王宗弼の名を賜り、斉王に封じられた。蜀承斑は鮒馬都尉(皇女の婿に与えられる官職)となり、官は大尉に至った。その詞は、専ら抒情を主とし、淡白にして明噺で、人々は好んでその詞を模倣したと言われ、薛昭蘊や牛橋には譲るが、毛文錫には勝ると評価されている。『花間集』には十五首の詞が収められている。全唐詩によりなお六首を補うことができる。詞風は溫庭筠に近い。 |
菩薩蠻二首 其一
(秋も深まり、菊と月を愛でる宴において、結ばれることになった妓優からひひんになって初めて寵愛を受けることに)
羅裾薄薄秋波染,眉間畫時山兩點。
うす絹の裾から足元が透けて見えてきて秋景色の波はずっと色濃くしている。女の眉の間には花鈿が綺麗に点々と画かれて化粧を整えている。
相見綺筵時,深情暗共知。
秋を愛でるきれいな宴の花筵に互に見つめ合う二人がいる、愛し合う心はますます深くなり、ますます二人だけの世界に入っていくことを知る。
翠翹雲鬢動,斂態彈金鳳。
女は翡翠の羽を高く掲げるほど有頂天になって雲型の黒かにを動かしていく、服の乱れを整えて、金の鳳凰の飾りを奇麗に弾いて髪を調える。
宴罷入蘭房,邀入解珮璫。
やがて宴も終る、そして、蘭の香りの閨に入ってゆく、すべてを迎い入れ、佩び玉と耳飾りをといて、はじめて結ばれる。
(菩薩蠻二首 其の一)
羅裾 薄薄として秋波染め,眉間 畫時 山兩點たり。
相い見る 綺筵の時を,深く情す 暗く共に知るを。
翠翹して 雲鬢動き,態を斂めて 金鳳を彈く。
宴罷み 蘭房に入る,邀えて入る 珮璫を解く。
菩薩蠻二首 其二
羅衣隱約金泥畫,玳筵一曲當秋夜。
聲戰覷人嬌,雲鬟裊翠翹。
酒醺紅玉輭,眉翠秋山遠。
繡幌麝煙沉,誰人知兩心。
『菩薩蠻二首 其一』 現代語訳と訳註
(本文)
羅裾薄薄秋波染,眉間畫時山兩點。
相見綺筵時,深情暗共知。
翠翹雲鬢動,斂態彈金鳳。
宴罷入蘭房,邀入解珮璫。
(下し文)
(菩薩蠻二首 其の一)
羅裾 薄薄として秋波染め,眉間 畫時 山兩點たり。
相い見る 綺筵の時を,深く情す 暗く共に知るを。
翠翹して 雲鬢動き,態を斂めて 金鳳を彈く。
宴罷み 蘭房に入る,邀えて入る 珮璫を解く。
(現代語訳)
(秋も深まり、菊と月を愛でる宴において、結ばれることになった妓優からひひんになって初めて寵愛を受けることに)
うす絹の裾から足元が透けて見えてきて秋景色の波はずっと色濃くしている。女の眉の間には花鈿が綺麗に点々と画かれて化粧を整えている。
秋を愛でるきれいな宴の花筵に互に見つめ合う二人がいる、愛し合う心はますます深くなり、ますます二人だけの世界に入っていくことを知る。
女は翡翠の羽を高く掲げるほど有頂天になって雲型の黒かにを動かしていく、服の乱れを整えて、金の鳳凰の飾りを奇麗に弾いて髪を調える。
やがて宴も終る、そして、蘭の香りの閨に入ってゆく、すべてを迎い入れ、佩び玉と耳飾りをといて、はじめて結ばれる。
(訳注)
菩薩蛮二首其一
(秋も深まり、菊と月を愛でる宴において、結ばれることになった妓優からひひんになって初めて寵愛を受けることに)
『花間集』には魏承斑の作が二首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/➎➎⑤⑤の詞形をとる。
菩薩蠻二首 其一
羅裾薄薄秋波染,眉間畫時山兩點。
相見綺筵時,深情暗共知。
翠翹雲鬢動,斂態彈金鳳。
宴罷入蘭房,邀入解珮璫。
○○●●○○● ○△●○○●●
△●●○○ △○●△○
●△○●● ●●△○●
●△●○○ ○●●●○
羅裾 薄薄秋波染,眉間畫時山兩點。
うす絹の裾から足元が透けて見えてきて秋景色の波はずっと色濃くしている。妃嬪の眉の間には花鈿が綺麗に点々と画かれて化粧を整えている。
1 羅:絡み織を用いた、目の粗い絹織物の一種。 もともと羅とは鳥や小動物などを捕獲するための網を意味する言葉だったが、絹で織った網のような薄物を指す言葉にもなった。2 裾:膝から下という意味。転じて、衣服の下の方。
3 眉間山兩點 花鈿をかくこと。
相見綺筵時,深情暗共知。
秋を愛でるきれいな宴の花筵に互に見つめ合う二人がいる、愛し合う心はますます深くなり、ますます二人だけの世界に入っていくことを知る。
翠翹雲鬢動,斂態彈金鳳。
妃嬪は翡翠の羽を高く掲げるほど有頂天になって雲型の黒かにを動かしていく、服の乱れを整えて、金の鳳凰の飾りを奇麗に弾いて髪を調える。
4 翹《意味》. あげる。鳥の尾羽のように、高くかかげる。つまだてる。つま先だって背を高くする。 特に秀でた人。また、特にすぐれているさま。ぬきんでる。 【翹楚】ぎょうそ. 大勢の中でとびぬけてすぐれていること。また、その人。 「楚」は、特に丈の高い木。
5 斂態彈金鳳 服の乱れを整えて、金の鳳凰の飾りを奇麗に弾いて髪を調える。斂態:服の乱れをまとめること。
酒泉子三首其三
斂態䆫前,裊裊雀釵拋頸。
鷰成雙,鸞對影,耦新知。
玉纖澹拂眉山小,鏡中嗔共照。
翠連娟,紅縹渺,早粧時。
12孫光憲《巻八19酒泉子三首其三》『花間集』371全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7127
宴罷入蘭房,邀入解珮璫。
やがて宴も終る、そして、蘭の香りの閨に入ってゆく、すべてを迎い入れ、佩び玉と耳飾りをといて、はじめて結ばれる。
6 珮璫 佩び玉と耳飾り。・珮:① 身につけるもの。腰にさげる装飾品。 ② 奈良時代,礼服(らいふく)に用いた装飾品。組み糸に玉を通し,胸の下から沓(くつ)のところまで垂らし,歩くときに鳴るようにしたもの。おんもの。玉佩。・璫:耳珠・冠飾。〔「木尻」の意〕 ① 刀剣の鞘(さや)の末端。また,そこにはめる金物。 ② 〘建〙(「木尻」とも書く)部材の先端の総称。主として,破風板・垂木などの下方の端。
花間集 教坊曲《菩薩蠻》四十一首 | |
溫庭筠 | 巻一01菩薩蠻十四首其一小山重疊金明滅,鬢雲欲度香顋雪。懶起畫蛾眉,弄粧梳洗遲。照花前後鏡,花面交相映。新帖繡羅襦,雙雙金鷓鴣。 |
溫庭筠 | 巻一02菩薩蠻十四首其二水精簾裡頗黎枕,暖香惹夢鴛鴦錦。江上柳如煙,鴈飛殘月天。藕絲秋色淺,人勝參差剪。雙鬢隔香紅,玉釵頭上風。 |
溫庭筠 | 巻一03菩薩蠻十四首其三蘂黃無限當山額,宿粧隱笑紗窗隔。相見牡丹時,暫來還別離。翠釵金作股,釵上雙蝶舞。心事竟誰知,月明花滿枝。 |
溫庭筠 | 巻一04菩薩蠻十四首其四翠翹金縷雙鸂鶒,水紋細起春池碧。池上海棠梨,雨晴紅滿枝。繡衫遮笑靨,烟草粘飛蝶。青瑣對芳菲,玉關音信稀。 |
溫庭筠 | 巻一05菩薩蠻十四首其五杏花含露團香雪,綠楊陌上多離別。燈在月朧明,覺來聞曉鶯。玉鉤褰掛起翠幙,粧淺舊眉薄。春夢正關情,鏡中蟬鬢輕。 |
溫庭筠 | 巻一06菩薩蠻十四首其六玉樓明月長相憶,柳絲裊娜春無力。門外草萋萋,送君聞馬嘶。畫羅金翡翠,香燭消成淚。花落子規啼,綠窗殘夢迷。 |
溫庭筠 | 巻一07菩薩蠻十四首其七鳳凰相對盤金縷,牡丹一夜經微雨。明鏡照新粧,鬢輕雙臉長。畫樓相望久,欄外垂絲柳。意信不歸來,社前雙鷰迴。 |
溫庭筠 | 巻一08菩薩蠻十四首其八牡丹花謝鶯聲歇,綠楊滿院中庭月。相憶夢難成,背窗燈半明。翠鈿金壓臉,寂寞香閨掩。人遠淚闌干,燕飛春又殘。 |
溫庭筠 | 巻一09菩薩蠻十四首其九滿宮明月梨花白,故人萬里關山隔。金雁一雙飛,淚痕沾繡衣。小園芳艸綠,家住越溪曲。楊柳色依依,鷰歸君不歸。 |
溫庭筠 | 巻一10菩薩蠻十四首其十寶函鈿雀金鸂鶒,沉香關上吳山碧。楊柳又如絲,驛橋春雨時。畫樓音信斷,芳草江南岸。鸞鏡與花枝,此情誰得知。 |
溫庭筠 | 巻一11菩薩蠻十四首其十一南園滿地堆輕絮,愁聞一霎清明雨。雨後卻斜陽,杏華零落香。無言勻睡臉,枕上屏山掩。時節欲黃昏,無憀獨倚門。 |
溫庭筠 | 巻一12菩薩蠻十四首其十二夜來皓月纔當午,重簾悄悄無人語。深處麝煙長,臥時留薄粧。當年還自惜,往事那堪憶。花落月明殘,錦衾知曉寒。 |
溫庭筠 | 巻一13菩薩蠻十四首其十三雨晴夜合玲瓏日,萬枝香裊紅絲拂。閑夢憶金堂,滿庭萱草長。繡簾垂菉簌,眉黛遠山綠。春水渡溪橋,凭欄魂欲消。 |
溫庭筠 | 巻一14菩薩蠻十四首其十四竹風輕動庭除冷,珠簾月上玲瓏影。山枕隱穠粧,綠檀金鳳凰。兩蛾愁黛淺,故國吳宮遠。春恨正關情,畫樓殘點聲。 |
韋莊 | 巻二34菩薩蠻五首其一紅樓別夜堪惆悵,香燈半捲流蘇帳。殘月出門時,美人和淚辭。琵琶金翠羽,弦上黃鶯語。勸我早歸家,綠窗人似花。 |
韋莊 | 巻二35菩薩蠻五首其二人人盡說江南好,遊人只合江南老。春水碧於天,畫舡聽雨眠。鑪邊人似月,皓腕凝雙雪。未老莫還鄉,還鄉須斷腸。 |
韋莊 | 巻二36菩薩蠻五首其三如今卻憶江南樂,當時年少春衫薄。騎馬倚斜橋,滿樓紅袖招。翠屏金屈曲,醉入花叢宿。此度見花枝,白頭誓不歸。 |
韋莊 | 巻二37菩薩蠻五首其四勸君今夜須沉醉,罇前莫話明朝事。珍重主人心,酒深情亦深。須愁春漏短,莫訴金盃滿。遇酒且呵呵,人生能幾何。 |
韋莊 | 巻二38菩薩蠻五首其五洛陽城裡春光好,洛陽才子他鄉老。柳暗魏王堤,此時心轉迷。桃花春水淥,水上鴛鴦浴。凝恨對殘暉,憶君君不知。 |
牛嶠 | 巻四15菩薩蠻七首其一舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。門外柳花飛,玉郎猶未歸。愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。何處是遼陽,錦屏春晝長。 |
牛嶠 | 巻四16菩薩蠻七首其二柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。金鳳小簾開,臉波和恨來。今宵求夢想,難到青樓上。贏得一場愁,鴛衾誰並頭。 |
牛嶠 | 巻四17菩薩蠻七首其三玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。樓上望卿卿,䆫寒新雨晴。薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。何處有相知,羨他初畫眉。 |
牛嶠 | 巻四18菩薩蠻七首其四畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。朝暮幾般心,向他情漫深。風流今古隔,虛作瞿塘客。山月照山花,夢迴燈影斜。 |
牛嶠 | 巻四19菩薩蠻七首其五風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。門前行樂客,白馬嘶春色。故故墜金鞭,迴頭應眼穿。 |
牛嶠 | 巻四20菩薩蠻七首其六綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。䆫寒天欲曙,猶結同心苣。啼粉污羅衣,問郎何日歸。 |
牛嶠 | 巻四21菩薩蠻七首其七玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。須作一生拚,盡君今日歡。 |
和凝 | 巻六18菩薩蠻一首 越梅半拆輕寒裏,冰清澹薄籠藍水。暖覺杏梢紅,遊絲狂惹風。閑堦莎徑碧,遠夢猶堪惜。離恨又迎春,相思難重陳。 |
孫光憲 | 巻八01菩薩蠻其一月華如水籠香砌,金環碎撼門初閉。寒影墮高簷,鉤垂一面簾。碧煙輕裊裊,紅戰燈花笑。即此是高唐,掩屏秋夢長。 |
孫光憲 | 巻八02菩薩蠻其二花冠頻皷牆頭翼,東方澹白連䆫色。門外早鶯聲,背樓殘月明。薄寒籠醉態,依舊鈆華在。握手送人歸,半拖金縷衣。 |
孫光憲 | 巻八03菩薩蠻其三小庭花落無人掃,疎香滿地東風老。春晚信沉沉,天涯何處尋。曉堂屏六扇,眉共湘山遠。爭那別離心,近來尤不禁。 |
孫光憲 | 巻八04菩薩蠻其四青巖碧洞經朝雨,隔花相喚南溪去。一隻木蘭舡,波平遠浸天。扣舡驚翡翠,嫩玉擡香臂。紅日欲沉西,煙中遙解觽。 |
孫光憲 | 巻八05菩薩蠻其五木綿花映叢祠小,越禽聲裏春光曉。銅皷與蠻歌,南人祈賽多。客帆風正急,茜袖隈牆立。極浦幾迴頭,煙波無限愁。 |
魏承班 | 巻八49菩薩蠻二首 其一羅裾薄薄秋波染,眉間畫時山兩點。相見綺筵時,深情暗共知。翠翹雲鬢動,斂態彈金鳳。宴罷入蘭房,邀入解珮璫。 |
魏承班 | 巻八50菩薩蠻二首 其二羅衣隱約金泥畫,玳筵一曲當秋夜。聲戰覷人嬌,雲鬟裊翠翹。酒醺紅玉輭,眉翠秋山遠。繡幌麝煙沉,誰人知兩心。 |
尹鶚 | 《巻九33菩薩蠻》 隴雲暗合秋天白,俯䆫獨坐窺煙陌。樓際角重吹,黃昬方醉歸。荒唐難共語,明日還應去。上馬出門時,金鞭莫與伊。 |
毛熙震 | 《巻十11菩薩蠻三首其一》 梨花滿院飄香雪,高樓夜靜風箏咽。斜月照簾帷,憶君和夢稀。小䆫燈影背,鷰語驚愁態。屏掩斷香飛,行雲山外歸。 |
毛熙震 | 《巻十12菩薩蠻三首 其二》 繡簾高軸臨塘看,雨飜荷芰真珠散。殘暑晚初涼,輕風渡水香。無憀悲往事,爭那牽情思。光影暗相催,等閑秋又來。 |
毛熙震 | 《巻十13菩薩蠻三首 其三》 天含殘碧融春色,五陵薄倖無消息。盡日掩朱門,離愁暗斷魂。鶯啼芳樹暖,鷰拂迴塘滿。寂寞對屏山,相思醉夢間。 |
李珣 | 《巻十44菩薩蠻三首其一》 迴塘風起波紋細,剌桐花裏門斜閉。殘日照平蕪,雙雙飛鷓鴣。征帆何處客,相見還相隔。不語欲魂銷,望中煙水遙。 |
李珣 | 《巻十45菩薩蠻三首其二》 等閑將度三春景,簾垂碧砌參差影。曲檻日初斜,杜鵑啼落花。恨去容易處,又話瀟湘去。凝思倚屏山,淚流紅臉斑。 |
李珣 | 《巻十46菩薩蠻三首其三》 隔簾微雨雙飛鷰,砌花零落紅深淺。捻得寶箏調,心隨征棹遙。楚天雲外路,動便經年去。香斷畫屏深,舊懽何處尋。 |