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巻7・巻8 孫光憲

花間集 訳注解説 (444)回目《孫光憲巻八48漁歌子二首其二》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10705

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 444)回目《孫光憲巻八48漁歌子二首其二》

 

 

花間集 訳注解説 (444)回目《孫光憲巻八48漁歌子二首其二》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10705

(船の旅情を詠うもので、江南の多くの湖をつなぐ運河を抜けて太湖・湖州、松江を抜けて我が家に帰る旅である。)

水に浮び流れるように蛍が飛び交う、その光を付けたり、消したりしながら飛んだりとまったりして、日中は暑かったが夜には水面をかすめた風は東の入り江に涼しさを運んできて、広がる。

風は水がみなぎり広がっている太湖の上を抜けてきて、横笛曲がひっそりとしてもの寂しい中聞えてくる。見渡す限りの広々とした水面に日が射し、金色に輝く、水は底まで見えるほど澄み切っている。

杜があるところは長江の中洲の砂がもりあがっているようで、そこからお香の強烈な匂いが流れてくる。霜の降りる季節になると、雁も飛んできて、ねぐらで、大きく一聲する。

湖州の霅溪を過ぎ、舟は進んで松江を下ってゆくと、川沿いには我が家のように見える人家がつぎつぎあって、ああ、風流の旅、今度はどのくらいの期間過せるのだろうか。

 

 

 

 

花間集 巻八

 

 

 

巻八42  楊柳枝四首其一   

閶門風暖落花乾,飛遍江城江城雪不寒。獨有晚來臨水驛,閑人多凭赤欄干。

巻八43  楊柳枝四首其二   

有池有榭即濛濛,浸潤飜成長養功。恰似有人長點檢,着行排立向春風。

巻八44  楊柳枝四首其三   

根柢雖然傍濁河,無妨終日近笙歌。驂驂金帶誰堪比,還共黃鶯不校多。

巻八45  楊柳枝四首其四   

萬株枯槁怨亡隋,似弔臺各自垂。好是淮陰明月裏,酒樓橫笛不勝吹。

巻八46  望梅花一首          

枝開與短牆平,見雪萼紅跗相映,引起誰人邊塞情。

簾外欲三更,吹斷離愁月正明,空聽隔江聲。

巻八47  漁歌子二首其一   

草芊芊,波漾漾,湖邊艸色連波漲。沿蓼岸,泊楓汀,天際玉輪初上。

扣舷歌,聯極望,槳聲伊軋知何向。黃鵲叫,白鷗眠,誰似儂家疏曠。

巻八48  漁歌子二首其二   

泛流螢,明又滅,夜涼水冷東灣闊。風浩浩,笛寥寥,萬頃金波澄澈。

杜若洲,香郁烈,一聲宿鴈霜時節。經霅水,過松江,盡屬濃家日月。

                           

巻八49  菩薩蠻二首 其一 

羅裾薄薄秋波染,眉間畫時山兩點。相見綺筵時,深情暗共知。

翠翹雲鬢動,斂態彈金鳳。宴罷入蘭房,邀入解珮璫。

巻八50  菩薩蠻二首 其二 

羅衣隱約金泥畫,玳筵一曲當秋夜。聲戰覷人嬌,雲鬟裊翠翹。

酒醺紅玉輭,眉翠秋山遠。繡幌麝煙沉,誰人知兩心。

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲《漁歌子二首》孫光憲

 

 

 

花間集には、教坊曲『漁歌子』は八首所収されている。

花間集 教坊曲 《漁歌子》 八首

顧夐

《巻七31漁歌子一首》  曉風清,幽沼綠,倚欄凝望珍禽浴。畫簾垂,翠屏曲,滿袖荷香馥郁。好攄懷,堪寓目,身閑心靜平生足。酒盃深,光影促,名利無心較逐。

孫光憲

《巻八47漁歌子二首其一》 草芊芊,波漾漾,湖邊艸色連波漲。沿蓼岸,泊楓汀,天際玉輪初上。扣舷歌,聯極望,槳聲伊軋知何向。黃鵲叫,白鷗眠,誰似儂家疏曠。

孫光憲

《巻八48漁歌子二首其二》 泛流螢,明又滅,夜涼水冷東灣闊。風浩浩,笛寥寥,萬頃金波澄澈。杜若洲,香郁烈,一聲宿鴈霜時節。經霅水,過松江,盡屬濃家日月。

魏承班

《巻九13漁歌子》  柳如眉,雲似髮。蛟綃霧縠籠香雪。夢魂驚,鐘漏歇,外曉鶯殘月。幾多情,無處,落花飛絮清明節。少年郎,容易別,一去音書斷

李珣

《巻十18漁歌子四首其一》  楚山青,湘水淥,春風澹蕩看不足。草芊芊,花簇簇,漁艇棹歌相續。信浮沉,無管束,釣迴乘月歸灣曲。酒盈罇,雲滿屋,不見人間榮辱。

李珣

《巻十19漁歌子四首其二》  荻花秋,瀟湘夜,橘洲佳景如屏畫。碧煙中,明月下,小艇垂綸初罷。水為,篷作舍,魚羹稻飯常飡也。酒盈杯,書滿架,名利不將心掛。

李珣

《巻十20漁歌子四首其三》  柳垂絲,花滿樹,鶯啼楚岸春山暮。棹輕舟,出深浦,緩唱漁歌歸去。罷垂綸,還酌醑,孤村遙指雲遮處。下長汀,臨淺渡,驚起一行沙鷺。

李珣

《巻十21漁歌子四首其四》  九疑山,三湘水,蘆花時節秋風起。水雲間,山月裏,棹月穿雲遊戲。皷清琴,傾淥蟻,扁舟自得逍遙志。任東西,無定止,不議人間醒醉。

  

漁歌子二首其一

(半隠のつもりで気ままに、漁夫をしていて帰らなくなってしまった、漁師の歌う舟歌を聞きながら、この夜も、釣り糸を垂れ、詞を詠う)

草芊芊,波漾漾,湖邊艸色連波漲。        

草草はのびて芊芊と茂ってきた、浪は岸辺を溢れんばかりに漾漾と打ち寄せる。湖の岸辺には草は伸びて若草色は連綿と続き、水面は波立って漲っている。

沿蓼岸,泊楓汀,天際玉輪初上。           

岸辺には蓼がしげる中を風がぬけてゆく、湊には船が停泊して、水内際に色づいた楓の木が水面に映す、やがて水平線から満月が昇り始める。

扣舷歌,聯極望,槳聲伊軋知何向。        

月が昇るのを待って漁師が「舷歌」歌いだす、歌が終われば続いて詠いだし、遠く望んで詠うのである。船の水きり音や櫂のきしむ音が歌に和せて舟は何処の港に向かっていくのか歌で知るのだ。

黃鵲叫,白鷗眠,誰似儂家疏曠。           

舟歌に合わせたように、鵲が叫ぶ、黃の鵲が啼けば、近しい親族に会えるというけれど、叫んでいるからすぐ会えるとはいうものの、白鷗はもう岸辺で眠ってしまったのだろうし、我が家は遠く、廣く、疎ましくなってしまったことは益々隠遁者となってゆく、誰が似てしまったのだろうか

(漁歌子二首其の一)

草 芊芊,波 漾漾,湖邊 艸色 連波漲る。    

蓼岸【りょうがん】に沿い,楓汀に泊る,天の際 玉輪 初めて上る。     

舷歌に扣き,聯とし極まりて望む,槳聲 伊に軋き 何に向うかを知る。  

黃鵲は叫び,白鷗は眠る,誰ぞ似る 儂家 疏曠するを。 

江邊 02  

漁歌子二首其二

(船の旅情を詠うもので、江南の多くの湖をつなぐ運河を抜けて太湖・湖州、松江を抜けて我が家に帰る旅である。)

泛流螢,明又滅,夜涼水冷東灣闊。

水に浮び流れるように蛍が飛び交う、その光を付けたり、消したりしながら飛んだりとまったりして、日中は暑かったが夜には水面をかすめた風は東の入り江に涼しさを運んできて、広がる。

風浩浩,笛寥寥,萬頃金波澄澈。

風は水がみなぎり広がっている太湖の上を抜けてきて、横笛曲がひっそりとしてもの寂しい中聞えてくる。見渡す限りの広々とした水面に日が射し、金色に輝く、水は底まで見えるほど澄み切っている。

杜若洲,香郁烈,一聲宿鴈霜時節。

杜があるところは長江の中洲の砂がもりあがっているようで、そこからお香の強烈な匂いが流れてくる。霜の降りる季節になると、雁も飛んできて、ねぐらで、大きく一聲する。

經霅水,過松江,盡屬濃家日月。

湖州の霅溪を過ぎ、舟は進んで松江を下ってゆくと、川沿いには我が家のように見える人家がつぎつぎあって、ああ、風流の旅、今度はどのくらいの期間過せるのだろうか。

(漁歌子二首 其の二)

流螢 泛び,明く又た滅して,夜涼 水冷 東灣 闊く。 

風浩浩として,笛寥寥とし,萬頃 金波 澄澈す。         

杜若の洲,香郁 烈し,一聲 宿鴈 霜の時節なり。      

霅水を經て,松江を過る,盡く屬す 家に濃す日月を。         

 

 

『漁歌子二首其二』 現代語訳と訳註

(本文)

漁歌子二首其二

泛流螢,明又滅,夜涼水冷東灣闊。              

風浩浩,笛寥寥,萬頃金波澄澈。    

杜若洲,香郁烈,一聲宿鴈霜時節。              

經霅水,過松江,盡屬濃家日月。    

 

(下し文)

(漁歌子二首 其の二)

流螢 泛び,明く又た滅して,夜涼 水冷 東灣 闊く。       

風浩浩として,笛寥寥とし,萬頃 金波 澄澈す。    

杜若の洲,香郁 烈し,一聲 宿鴈 霜の時節なり。              

霅水を經て,松江を過ぎれば,盡く屬す 家に濃す日月を。    

 

(現代語訳)

(船の旅情を詠うもので、江南の多くの湖をつなぐ運河を抜けて太湖・湖州、松江を抜けて我が家に帰る旅である。)

水に浮び流れるように蛍が飛び交う、その光を付けたり、消したりしながら飛んだりとまったりして、日中は暑かったが夜には水面をかすめた風は東の入り江に涼しさを運んできて、広がる。

風は水がみなぎり広がっている太湖の上を抜けてきて、横笛曲がひっそりとしてもの寂しい中聞えてくる。見渡す限りの広々とした水面に日が射し、金色に輝く、水は底まで見えるほど澄み切っている。

杜があるところは長江の中洲の砂がもりあがっているようで、そこからお香の強烈な匂いが流れてくる。霜の降りる季節になると、雁も飛んできて、ねぐらで、大きく一聲する。

湖州の霅溪を過ぎ、舟は進んで松江を下ってゆくと、川沿いには我が家のように見える人家がつぎつぎあって、ああ、風流の旅、今度はどのくらいの期間過せるのだろうか。

 

(訳注)

漁歌子二首其二

(船の旅情を詠うもので、江南の多くの湖をつなぐ運河を抜けて太湖・湖州、松江を抜けて我が家に帰る旅である。)

1 漁歌 若いころの放蕩を改め、風流、興を感じる隠士の生活を詠うものを基本とする。

漁歌子 本来、詩題ではなく形式名(正確には詞に着けられた曲名)だが、唐代に既にあった填詞形式のものを、変化させたもので、填詞の形式に準じてはいるものの、填詞の詞牌ではない。漁歌子など(宋詞以前の)初期のものは本意(詞の本来の意味、詞題の性質)の場合が多い。この作品もそうである。特に、『漁歌子』は、釣りをして暮らすなどの隠逸生活を詠う。中国では伝統的に、漁師や樵人は半仙の雰囲気を漂わせたものとして捉えられている。(『漁父』も、『漁歌子』の同調異名(形式は同じで、名称が異なるだけのもの))。

三峡001 

花間集には、教坊曲『漁歌子』は八首所収されている。双調五十字、前後二十五字六句四仄韻、3❸❼3❸❻/3❸❼3❸❻の詞形をとる。

 漁歌子二首其一

草芊芊,波漾,湖邊艸色連波              

沿蓼岸,泊楓,天際玉輪初    

扣舷歌,聯極,槳聲伊軋知何              

黃鵲叫,白鷗,誰似儂家疏    

●△△  ○●● ○○●●○○△

○●● ●○△  ○●●○○●

●○○  ○●△ ●○○●○△●

○●● ●○○  ○●○○△●

漁歌子二首其二 双調五十字、前後二十五字六句三仄韻、3❸❼33❻/3❸❼33❻の詞形をとる。

泛流螢,明又,夜涼水冷東灣              

風浩浩,笛寥寥,萬頃金波澄    

杜若洲,香郁,一聲宿鴈霜時              

經霅水,過松江,盡屬濃家日    

●○○  ○●● ●△●△○○●

△●● ●△△  ●△○○○●

●△○  ○●● ●○●●○○●

△●● △○○  ●●○○●● 

 

 唐・張志和  《漁子 四首》 

其一 西塞山前白鷺,桃花流水鱖魚。青箬笠,綠簑,斜風細雨不須

○●○○●●○  ○○○●△○○ ○●●  ●?△ ○△●●△○○

其二 釣臺漁夫褐為,兩兩三三蚱。能縱棹,慣乘,長江白浪不曾

其三 霅溪灣裡釣漁,蚱為家西復,江上雪,浦邊,笑著荷衣不歎

其四 蟹舍主人,菰飯篿羹亦共,楓葉落,荻花,宿醉漁舟不覺

 

泛流螢,明又滅,夜涼水冷東灣闊。      

水に浮び流れるように蛍が飛び交う、その光を付けたり、消したりしながら飛んだりとまったりして、日中は暑かったが夜には水面をかすめた風は東の入り江に涼しさを運んできて、広がる。

13   広くゆとりがある。「闊達・闊歩・闊葉樹/寛闊・広闊」間があいている。うとい。「迂闊 (うかつ・久闊」[名のり]ひろ・ひろし。

 

風浩浩,笛寥寥,萬頃金波澄澈。  

風は水がみなぎり広がっている太湖の上を抜けてきて、横笛曲がひっそりとしてもの寂しい中聞えてくる。見渡す限りの広々とした水面に日が射し、金色に輝く、水は底まで見えるほど澄み切っている。

14 浩浩 水がみなぎり広がっているさま。果てしなく広々としているさま。

15 寥寥【りょうりょう】ひっそりとしてもの寂しいさま。また、空虚なさま。「―たる荒れ野」数の非常に少ないさま。

16 萬頃【ばんきょう】〔「頃」は百畝の耕地の意。アール〕 地面または水面が広々としていること。 

17 澄澈 ①水清く底まですみわたるさま。 ②清亮で明るくひろがろさま。月光澄澈|澄澈如 ③明白であること。

 

杜若洲,香郁烈,一聲宿鴈霜時節。      

杜があるところは長江の中洲の砂がもりあがっているようで、そこからお香の強烈な匂いが流れてくる。霜の降りる季節になると、雁も飛んできて、ねぐらで、大きく一聲する。

18 郁烈 香気が強烈にさかんなさま。文化の非常に高いこと。とても暖かい。はっきりとした綾模様。 《文選‧曹植<洛神賦>》: “踐椒塗之郁烈, 步蘅薄而流芳。” 李善注: “郁烈, 香氣之甚。・:香気がさかんなさま。文化の高いこと。暖かい。綾模様。・勢いがはげしい。「烈火・烈日・烈震・烈風・烈烈/苛烈(かれつ)・強烈・激烈・熾烈(しれつ)・峻烈(しゅんれつ)・鮮烈・壮烈・痛烈・熱烈・猛烈」2気性が強く、

19 宿鴈 雁も飛んできて、ねぐらにす。

 

經霅水,過松江,盡屬濃家日月。  

湖州の霅溪を過ぎ、舟は進んで松江を下ってゆくと、川沿いには我が家のように見える人家がつぎつぎあって、ああ、風流の旅、今度はどのくらいの期間過せるのだろうか。

20 霅水 即ち江南東道湖州の霅溪。霅の意味や日本語訳。ピンインZhà((方言)) 名詞 川の名に用いる.用例霅溪=浙江省にある川の名.

21 松江 751年(天宝10載)、唐朝により松江府府治として設置された華亭県を前身とする。1656年(順治13年)に婁県が分割設置されたが、1912年(民国元年)に華亭県に統合、1914年(民国3年)には松江県と改称された。1958年に江蘇省より上海市に移管、1998年に市轄区に昇格し現在に至る。

濃家 人家が多くある。

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