花間集 訳注解説 (427)回目《孫光憲巻八34玉蝴蝶 春欲》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10586
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 | |||||
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花間集 訳注解説 (427)回目《孫光憲巻八34玉蝴蝶 春欲》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10586
(春風に誘われ、花を見て、蝶の飛び交うのを見て、行楽に向かう、念奴が歌う歌は春の庭に響き、歌に合わせて追出れば、花がいっぱいに開いたようになる。)
今年の春も終ろうとしている。昼間の風景は次第に長くなる、この庭に咲く花々は念奴の歌と踊りのように満面黄色がいっぱいになる。
そこに蝶は二つの翅を広げてひらひらとゆっくりあがっていく、ひらひらとまってひくい土壁をこえてゆく。
新たな暖かいつむじ風も吹き付けてきて、それに牽かれ、つれだってゆき、飛び上がり、去ってゆき、とまって翅を合わせて立てる
蝶のように行楽に飛び交っていた妃嬪も向かい合っても互いに黙ったままでいる。抱き寄せれば、単衣のうす絹の舞衣には麝香の香りが染みついている。
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| 花間集 巻八 孫光憲 (7) | |
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定西番二首 其一 鷄祿山前游騎,邊草白,朔天明,馬蹄輕。 鵲面弓離短韔,彎來月欲成。 一隻鳴髇雲外,曉鴻驚。 定西番二首 其二 帝子枕前秋夜,霜幄冷,月華明,正三更。 何處戍樓寒笛,夢殘聞一聲。遙想漢關萬里,淚縱橫。 河滿子一首 冠劍不隨君去,江河還共恩深。歌袖半遮眉黛慘,淚珠旋滴衣襟。 惆悵雲愁雨怨,斷魂何處相尋。 玉蝴蝶一首 春欲盡,景仍長,滿園花正黃。粉翅兩悠颺,翩翩過短牆。鮮飇暖,牽遊伴,飛去立殘芳。無語對蕭娘,舞衫沉麝香。 八拍蠻一首 尾拖金線長,怕人飛起入丁香。越女沙頭爭拾翠,相呼歸去背斜陽。 竹枝二首其一 門前春水(竹枝)白蘋花(女兒),岸上無人(竹枝)小艇斜(女兒)。商女經過(竹枝)江欲暮(女兒),散拋殘食(竹枝)飼神鵶(女兒)。 竹枝二首其二 亂繩千結(竹枝)絆人深(女兒),越羅萬丈(竹枝)表長尋(女兒)。楊柳在身(竹枝)垂意緒(女兒),藕花落盡(竹枝)見蓮心(女兒)。 思帝鄉一首 如何?遣情情更多。永日水堂簾下,斂羞蛾。六幅羅裙窣地,微行曳碧波。看盡滿地疎雨,打團荷。 |
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| 孫光憲《花間集所収の全詩》(7) | |
| 玉蝴蝶一首 訳注解説 | |
| 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ | |
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花間集 教坊曲 『玉蝴蝶』 二首 | |
溫庭筠 | 巻一50玉蝴蝶秋風淒切傷離,行客未歸時。塞外草先衰,江南鴈到遲。芙蓉凋嫩臉,楊柳墮新眉。搖落使人悲,斷腸誰得知。 |
孫光憲 | 巻八32玉蝴蝶春欲盡,景仍長,滿園花正黃。粉翅兩悠颺,翩翩過短牆。鮮飇暖,牽遊伴,飛去立殘芳。無語對蕭娘,舞衫沉麝香。 |
玉蝴蝶
(春風に誘われ、花を見て、蝶の飛び交うのを見て、行楽に向かう、念奴が歌う歌は春の庭に響き、歌に合わせて追出れば、花がいっぱいに開いたようになる。)
春欲盡,景仍長,滿園花正黃。
今年の春も終ろうとしている。昼間の風景は次第に長くなる、この庭に咲く花々は念奴の歌と踊りのように満面黄色がいっぱいになる。
粉翅兩悠颺,翩翩過短牆。
そこに蝶は二つの翅を広げてひらひらとゆっくりあがっていく、ひらひらとまってひくい土壁をこえてゆく。
鮮飇暖,牽遊伴,飛去立殘芳。
新たな暖かいつむじ風も吹き付けてきて、それに牽かれ、つれだってゆき、飛び上がり、去ってゆき、とまって翅を合わせて立てる
無語對蕭娘,舞衫沉麝香。
蝶のように行楽に飛び交っていた妃嬪も向かい合っても互いに黙ったままでいる。抱き寄せれば、単衣のうす絹の舞衣には麝香の香りが染みついている。
玉蝴蝶
春 盡んと欲す,景 仍て長く,園の花 正に黃なるに滿つ。
粉翅して 兩つながら悠颺【ゆうよう】し,翩翩として 短牆を過る。
鮮飇【せんひょう】 暖がに,牽遊 伴い,飛び去り立ちて殘芳する。
語無く蕭娘に對し,舞衫 麝香沉す。
『玉蝴蝶』 現代語訳と訳註
(本文)
玉蝴蝶
春欲盡,景仍長,滿園花正黃。
粉翅兩悠颺,翩翩過短牆。
鮮飇暖,牽遊伴,飛去立殘芳。
無語對蕭娘,舞衫沉麝香。
(下し文)
(玉蝴蝶)
春 盡んと欲す,景 仍て長く,園の花 正に黃なるに滿つ。
粉翅して 兩つながら悠颺【ゆうよう】し,翩翩として 短牆を過る。
鮮飇【せんひょう】 暖がに,牽遊 伴い,飛び去り立ちて殘芳する。
語無く蕭娘に對し,舞衫 麝香沉す。
(現代語訳)
(春風に誘われ、花を見て、蝶の飛び交うのを見て、行楽に向かう、念奴が歌う歌は春の庭に響き、歌に合わせて追出れば、花がいっぱいに開いたようになる。)
今年の春も終ろうとしている。昼間の風景は次第に長くなる、この庭に咲く花々は念奴の歌と踊りのように満面黄色がいっぱいになる。
そこに蝶は二つの翅を広げてひらひらとゆっくりあがっていく、ひらひらとまってひくい土壁をこえてゆく。
新たな暖かいつむじ風も吹き付けてきて、それに牽かれ、つれだってゆき、飛び上がり、去ってゆき、とまって翅を合わせて立てる
蝶のように行楽に飛び交っていた妃嬪も向かい合っても互いに黙ったままでいる。抱き寄せれば、単衣のうす絹の舞衣には麝香の香りが染みついている。
(訳注)
玉蝴蝶
1.(春風に誘われ、花を見て、蝶の飛び交うのを見て、行楽に向かう、念奴が歌う歌は春の庭に響き、歌に合わせて追出れば、花がいっぱいに開いたようになる。)
2. ・胡蝶 西域の異民族の蝶ということであるが、ここでは上品な妃嬪、女性を云い、その女性が最も輝いているころのことを指している。
蛇足だが、胡蝶は[荘子斉物論](荘子が夢で胡蝶になって楽しみ、自分と蝶との区別を忘れ たという故事から)現実と夢の区別がつかないこと。 自他を分たぬ境地。また、人生のはかなさにたとえる。蝶夢。
3. 【題意背景】唐教坊曲,入“黃鐘宮”。“大中初,女蠻國入貢,危髻金冠,瓔珞被體,號'菩薩蠻隊'。”四十四字。 百字令 即《念奴嬌》
念奴
『開元天宝遺事』に見える。容貌に優れ、歌唱に長け、官妓の中でも、玄宗の寵愛を得ていた。玄宗の近くを離れたことがなく、いつも周りの人々を見つめていて、玄宗に「この女は妖麗で、眼で人を魅了する」と評された。その歌声は、あらゆる楽器の音よりもよく響き渡ったと伝えられる。唐代詩人の元稹の「連昌宮詞」に、玄宗時代の盛時をあらわす表現として、玄宗に命じられた高力士が、彼女を呼び、その歌声を披露する場面がある。清代の戯曲『長生殿』にも、永新とともに、楊貴妃に仕える侍女として登場する。
唐·元稹《连昌宫词》有诗云:
力士传呼觅念奴,念奴潜伴诸郎宿。须臾觅得又连催,特赦街中许燃烛。
春娇满眼泪红绡,掠削云鬓旋装束。飞上九天歌一声,二十五郎吹管篴。
元稹自注曰:念奴,天宝中名倡,善歌。
念奴
每歳楼下酺宴,累日之后,万眾喧隘,嚴安之、韋黄裳辈辟易不能禁,眾樂爲之罷奏。玄宗遣高力士大呼于楼上曰:‘欲遣念奴唱歌,邠二十五郎吹小管篴 “笛”,看人能听否?’未嚐不悄然奉詔。【翻譯:念奴,天宝年间著名倡伶,歌唱得很好。每年辞歳宴会時間一長,賓客就吵鬧,使音樂奏不下去。嚴安之、韋黄裳等人禁止不住。玄宗叫高力士在楼上高呼:“我要請念奴出来唱歌,邠二十五郎吹小管笛了,你們能安静下来听鳴?”大家才慢慢安静下来。】
4. 構成 『花間集』には二首所収。孫光憲の作は一首収められている。双調四十二字、前段二十一字五句三平韻、後段二十一字四句三平韻で、❸③⑤⑤⑤/❸❸⑤⑤⑤詞形をとる
玉蝴蝶
春欲盡,景仍長,滿園花正黃。
粉翅兩悠颺,翩翩過短牆。
鮮飇暖,牽遊伴,飛去立殘芳。
無語對蕭娘,舞衫沉麝香。
○●● ●○△ ●○○△○
●●●○△ ○○△●○
△?● △○● ○●●○○
○●●○○ ●○○●○
春欲盡,景仍長,滿園花正黃。
今年の春も終ろうとしている。昼間の風景は次第に長くなる、この庭に咲く花々は念奴の歌と踊りのように満面黄色がいっぱいになる。
5. 仍とは。意味や日本語訳。やはり,依然として病仍不见好病気はやはりよくならない.仍旧 réngjiù[副]依然として,相変わらず白昼变得温暖,夜晚仍旧寒冷昼間は暖かくなってきたが,夜は相変わらず寒い.仍然 réngrán[副]依然として,元通り
滿園花正黃 黃鐘宮をいう。儒家的「中聲」指音高、速度適中的有節制的音樂。
粉翅兩悠颺,翩翩過短牆。
そこに蝶は二つの翅を広げてひらひらとゆっくりあがっていく、ひらひらとまってひくい土壁をこえてゆく。
6. 粉翅 蝶の翅。
鮮飇暖,牽遊伴,飛去立殘芳。
新たな暖かいつむじ風も吹き付けてきて、それに牽かれ、つれだってゆき、飛び上がり、去ってゆき、とまって翅を合わせて立てる。
7. りょうひょう【涼飇】. 涼しい風。
無語對蕭娘,舞衫沉麝香。
蝶のように行楽に飛び交っていた妃嬪も向かい合っても互いに黙ったままでいる。抱き寄せれば、単衣のうす絹の舞衣には麝香の香りが染みついている。
8. 蕭娘 愛妾のこと。
沈満願『戯蕭娘』
明珠翠羽帳、金薄綠綃帷。
因風時蹔擧、想像見芳姿
凊晨插歩揺、向晩解羅衣。
託意風流子、佳情詎肯私。
戯蕭娘 范靖婦沈満願 宋詩<120>玉台新詠集巻四 女性詩 557 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1488
9. 蕭娘: 沈満願の夫の范靖、梁の征西記室范靖の愛人、第二夫人、家妓とおもわれる。戯れるは「因風」「想像」「凊晨」「向晩」末の二句にあらわしている。
沈滿願 :生卒年不詳。吳の武康の人。沈約の孫娘。征西記室范靖(靜)の妻。
西暦540年ごろの梁武帝最盛期頃に評価を受けたようである。ただ、沈約(441年 - 513年)は学問に精励し学識を蓄え、宋・斉・梁の3朝に仕えた。南斉の竟陵王蕭子良の招きに応じ、その文学サロンで重きをなし、「竟陵八友」の一人に数えられた。その後蕭衍(後の梁の武帝)の挙兵に協力し、梁が建てられると尚書令に任ぜられ、建昌県侯に封ぜられた。晩年は武帝の不興をこうむり、憂愁のうちに死去したというので、身分地位についてはそれほど高いものではなかったのではなかろうか。ただ、女性の立場で、王昭君の悲劇を呼んでいるわけで、詩界に参列できるだけのものであったことは間違いない。
10. 蕭宏(しょうこう)は、蕭順之《梁武帝の父》の子で、梁武帝の異母弟にあたる。
彼は、長い間揚州の刺史を務めていたが、北魏との戦いで今の安徽省に出陣したとき、進軍を躊躇しているうちに暴風雨に遭い、恐怖心から敵前逃亡したため、数十万の自軍が大敗したという故事が残された。このため、「美貌軟弱、北魏これ蕭娘と称す」〔「娘」は、既婚の女性の意〕と史書にみえる。彼がもっとも愛した妾の子、蕭正立の石刻は南京に現存している。