花間集 訳注解説 (423)回目《孫光憲巻八30風流子三首其三》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10551
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」。、現在、①李白集校注詩全詩、②昌黎先生集全40巻他全詩、③杜詩詳注、④花間集、⑤玉臺新詠、⑥薛濤詩 全訳注解説 | |||||
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花間集 訳注解説 (423)回目《孫光憲巻八30風流子三首其三》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10551
(馬で遠出をしての帰りに妃嬪のところに来る、いつものように柳の木に馬を繋いで入ってゆく、帰るのはいつも深夜頃である。)
黄金でつくった覊に、宝飾で輝くクツワを付いてきたこと知らせる様に馬を嘶かせている。鬱蒼と緑に茂った楊の樹のもとに馬をつなぐ。
南の正面の扉は閉められたままであり、刺繍が入った簾も垂らしている。奥まった中庭の国向って小川が流れているあれほど咲き誇った花も落ちてしまっている。
誰もがやがて歓談するのもやめて帰るとことになる。外に出ると深夜の九衢の大通りがある皇城も夜が更けてゆく。
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| 花間集 巻八 孫光憲 (6) | |
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更漏子二首其一
聽寒更,聞遠鴈,半夜蕭娘深院。扃繡戶,下珠簾,滿庭噴玉蟾。
人語靜,香閨冷,紅幕半垂清影。雲雨態,蕙蘭
更漏子二首其二
今夜期,來日別,相對秖堪愁絕。隈粉面,撚瑤簪,無言淚滿襟。
銀箭落,霜華薄,牆外曉雞咿喔。聽付囑,惡情
女冠子二首其一
蕙風芝露,壇際殘香輕度。蘂珠宮,苔點分圓碧,桃花踐破紅。
品流巫峽外,名籍紫微中。真侶墉城會,夢魂通。
女冠子二首其二
澹花瘦玉,依約神仙粧束。佩瓊文,瑞露通宵貯,幽香盡日焚。
碧紗籠絳節,黃藕冠濃雲。勿以吹簫伴,不同羣。
風流子三首其一
茅舍槿籬溪曲,雞犬自南自北。菰葉長,水葓開,門外春波漲綠。
聽織,聲促,軋軋鳴梭穿屋。
風流子三首其二
樓倚長衢欲暮,瞥見神仙伴侶。微傅粉,攏梳頭,隱映畫簾開處。無語,無緒,慢曳羅裙歸去。
風流子三首其三
金絡玉銜嘶馬,繫向綠楊陰下。朱戶掩,繡簾垂,曲院水流花謝。歡罷,歸也,猶在九衢深夜。
孫光憲 | 巻八26風流子三首其一 茅舍槿籬溪曲,雞犬自南自北。菰葉長,水葓開,門外春波漲綠。聽織,聲促,軋軋鳴梭穿屋。 |
孫光憲 | 巻八27風流子三首其二 樓倚長衢欲暮,瞥見神仙伴侶。微傅粉,攏梳頭,隱映畫簾開處。無語,無緒,慢曳羅裙歸去。 |
孫光憲 | 巻八28風流子三首其三 金絡玉銜嘶馬,繫向綠楊陰下。朱戶掩,繡簾垂,曲院水流花謝。歡罷,歸也,猶在九衢深夜。 |
風流子三首其一
(昔、寵愛を受け、後宮で暮らした妃嬪が、川辺の草堂の春を詠い、秋を詠う、隠遁者のように風流を詠う。)
茅舍槿籬溪曲,雞犬自南自北。
草ぶきの四阿にはムクゲの生垣に囲まれていて琴の「前溪曲」が聞えてくる、近くで鶏や犬の鳴き声が南から、北の方からも聞こえてくる。
菰葉長,水葓開,門外春波漲綠。
春は、離宮の前の川に生えている菰の葉は長く伸びているし、水葓草の花が開いている。南の門の向うに春の増水でと手の若草に水嵩が上がり漲り、波が立っている。
聽織,聲促,軋軋鳴梭穿屋。
秋には、蟋蟀の鳴き声を耳を澄ましていいていたら、今度はどこからでも聞こえてくる。車のキシミ音のように聞こえてくるけど、琴絃を弓で弾く音か「穿屋巷」に響き渡る。
(風流子三首其の一)
茅舍 槿籬 溪曲あり,雞犬は 南より 北より。
菰葉は 長く,水葓は 開く,門外 春波 綠漲る。
織を聽けば,促を聲く,軋軋として 穿屋に鳴梭す。
風流子三首其二
(神仙境といわれる後宮での今宵の佳き伴侶として過ごす妃嬪が選ばれる、まだ幼さを残した妃嬪は、まだあどけない素振りをくりかえす)
樓倚長衢欲暮,瞥見神仙伴侶。
日が堕ち、高殿欄干に寄りかかると、大通りに日は落ち、都には夕闇がせまる、神仙郷、後宮の寝殿において、よき伴侶として良く勤めてくれる妃賓を、ざっと目を通し選ばれる。
微傅粉,攏梳頭,隱映畫簾開處。
薄化粧でも充分美しいし、髪を梳く姿に魅了される、きれいな絵簾を開けようとしてそこまで行くと、美しい姿を隠れん坊をして、見え隠れする。
無語,無緒,慢曳羅裙歸去。
黙って寄り添い、離れるのは厭だというような顔をする。そして、はにかんで、ゆるゆると薄絹のスカートを引いて奥に去る。
(風流子三首其の二)
楼は長衢【ちょうく】に倚りて 暮れんと欲し、神仙の伴侶を瞥見す。
微かに粉を傳き、頭を攏し梳く、隠映す 画簾の開く処。
語ること 無く、緒 無し、慢に羅裙を曳きて 帰り去る。
風流子三首其三
(馬で遠出をしての帰りに妃嬪のところに来る、いつものように柳の木に馬を繋いで入ってゆく、帰るのはいつも深夜頃である。)
金絡玉銜嘶馬,繫向綠楊陰下。
黄金でつくった覊に、宝飾で輝くクツワを付いてきたこと知らせる様に馬を嘶かせている。鬱蒼と緑に茂った楊の樹のもとに馬をつなぐ。
朱戶掩,繡簾垂,曲院水流花謝。
南の正面の扉は閉められたままであり、刺繍が入った簾も垂らしている。奥まった中庭の国向って小川が流れているあれほど咲き誇った花も落ちてしまっている。
歡罷,歸也,猶在九衢深夜。
誰もがやがて歓談するのもやめて帰るとことになる。外に出ると深夜の九衢の大通りがある皇城も夜が更けてゆく。
(風流子三首其の三)
金絡 玉銜 嘶く馬,向に繫ぎて 綠楊 陰下にす。
朱戶 掩う,繡簾 垂れ,曲院 水流れ 花謝す。
歡罷め,歸る也,猶お九衢 深夜に在り。
『風流子三首其三』 現代語訳と訳註
(本文)
風流子三首其三
金絡玉銜嘶馬,繫向綠楊陰下。
朱戶掩,繡簾垂,曲院水流花謝。
歡罷,歸也,猶在九衢深夜。
(下し文)
(風流子三首其の三)
金絡 玉銜 嘶く馬,向に繫ぎて 綠楊 陰下にす。
朱戶 掩う,繡簾 垂れ,曲院 水流れ 花謝す。
歡罷め,歸る也,猶お九衢 深夜に在り。
(現代語訳)
(馬で遠出をしての帰りに妃嬪のところに来る、いつものように柳の木に馬を繋いで入ってゆく、帰るのはいつも深夜頃である。)
黄金でつくった覊に、宝飾で輝くクツワを付いてきたこと知らせる様に馬を嘶かせている。鬱蒼と緑に茂った楊の樹のもとに馬をつなぐ。
南の正面の扉は閉められたままであり、刺繍が入った簾も垂らしている。奥まった中庭の国向って小川が流れているあれほど咲き誇った花も落ちてしまっている。
誰もがやがて歓談するのもやめて帰るとことになる。外に出ると深夜の九衢の大通りがある皇城も夜が更けてゆく。
(訳注)
風流子三首其三
(馬で遠出をしての帰りに妃嬪のところに来る、いつものように柳の木に馬を繋いで入ってゆく、帰るのはいつも深夜頃である。)
唐の教坊の曲名。またの名を内家嬌、驪山石と言う。『花間集』には孫光憲の三首のみ所収。単調三十四字、八句六仄韻で、❻❻33❻❷❷❻の詞形をとる。
風流子三首其一
茅舍槿籬溪曲,雞犬自南自北。
菰葉長,水葓開,門外春波漲綠。
聽織,聲促,軋軋鳴梭穿屋。
△●●○○● ○●●○●●
○●△ ●○○ ○●○○△●
△● ○● ●●○○△●
風流子三首其二
唐の教坊の曲名。またの名を内家嬌、驪山石と言う。『花間集』には孫光憲の三首のみ所収。単調三十四字、八句六仄韻で、❻❻33❻❷❷❻の詞形をとる。
樓倚長衢欲暮,瞥見神仙伴侶。
微傅粉,攏梳頭,隱映畫簾開處。
無語,無緒,慢曳羅裙歸去。
○△△○●● ●●○○●●
○△● ●○○ ●●●○○●
○● ○● ●●○○○●
唐の教坊の曲名。またの名を内家嬌、驪山石と言う。『花間集』には孫光憲の三首のみ所収。単調三十四字、八句六仄韻で、❻❻33❻❷❷❻の詞形をとる。
風流子三首其三
金絡玉銜嘶馬,繫向綠楊陰下。
朱戶掩,繡簾垂,曲院水流花謝。
歡罷,歸也,猶在九衢深夜。
○●●○○● ●●●○○●
○●● ●○○ ●△●○○●
○△ ○● △●△○△●
金絡玉銜嘶馬,繫向綠楊陰下。
黄金でつくった覊に、宝飾で輝くクツワを付いてきたこと知らせる様に馬を嘶かせている。鬱蒼と緑に茂った楊の樹のもとに馬をつなぐ。
21. 金絡 黄金でつくったおもがい(馬の頭の上からくつわにかけて飾りにするひも)。
22. 玉銜 宝飾で輝くクツワ。
23. 繫向綠楊 白居易《売炭翁》「半匹紅綃一丈綾、繋向牛頭充炭直。」(半匹の紅綃 一丈の綾、牛頭に繋けて炭の直【あたひ】に充つ)一車の炭の重さは千餘斤ある、宮使がそれを持ち去るのはいかんともしがたい、半匹の紅綃と一丈の綾を、牛の首にかけて代金とした。
朱戶掩,繡簾垂,曲院水流花謝。
南の正面の扉は閉められたままであり、刺繍が入った簾も垂らしている。奥まった中庭の国向って小川が流れているあれほど咲き誇った花も落ちてしまっている。
24. 掩 おおう。上からおおい隠す。おさえる。 かくす。かばう。目立たないようにかくす。 不意に襲う。
25. 曲院 宮廷酒を造るところで、きれいな水を酒蔵処へ引き入れている。奥まったところにあることを想定できる。蓮の花の香りが風に乗って漂うことから、「曲院風荷」という名前がつけられたとされています。
歡罷,歸也,猶在九衢深夜。
誰もがやがて歓談するのもやめて帰るとことになる。外に出ると深夜の九衢の大通りがある皇城も夜が更けてゆく。
26. 九衢 枝の多く別れたもの。山海経「宣山の上に桑有り。その枝を衢という也。枝交互に四出るなり。」衢:ちまた。四方に通じる大通り。分かれ道。縱横交叉の大道;繁華的街市。『楚辞·天問』:「靡蓱九衢,枲華安居。」(靡蓱【びへい】は九衢【きゅうく】,枲華【しょか】安くにか居る。)靡蓱は九つの枝に別れているとのことである。枲華はどこにあるのだろうか。
長安の南北の大通りは九の交差点が東西に並んでいた。三門に三道の周禮に基づきつくられた皇都である。東、西、南面にそれぞれ三門有り、九通り、九筋ある。