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巻7・巻8 孫光憲

花間集 訳注解説 (405)回目《孫光憲巻八12後庭花二首其二》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10390

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  (405)回目《孫光憲巻八12後庭花二首其二》 

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花間集 訳注解説 (405)回目《孫光憲巻八12後庭花二首其二》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10390

(歓楽街の若い美人たちも、宮女たちも絶世の美女、陳の張貴妃もやがては散り去って、誰も覚えていない。悲しい女の定めを詠う。)

金陵の石頭城は六朝の王朝は滅んだものの、むなしく城郭だけは残っている長江下流域、江南の要衝の都市である。ここに立てば、昔の宮殿はすっかり春の景色である。それは、二メートルもある長く青い絹糸は陳の張貴妃の黒髪のようであり、香りのよい春の草は、萌黄色にそまる。歓楽街に美女たちはいるけれど、張貴妃という絶世の傾国美女は得難いものだ。美しい花びら、若い盛りの美人というものはやがて散り、尽き果ててしまうものである。その上更に、散ってしまったものを誰が覚えていようか。こりんごの花と葉、それに実というものはしげれば織物のように美しいものである。ただ、人にとっては「陳の後主は、逃げおくれて愛妃張麗華・孔貴人とともにこの井戸に隠れた」とかなしい思いを思い出させるものである。美人たちみんな、盛りを過ぎれば悲しく、うらめしいことが果てしがないのである。

 

 

 

花間集 巻八

 

 

 

 巻八06  河瀆神二首其一    

汾水碧依依,黃雲落葉初飛。翠蛾一去不言歸,廟門空掩斜暉。

四壁陰森排古畫,依舊瓊輪羽駕。小殿沉沉清夜,銀燈飄落香

 

巻八07   河瀆神二首其二    

江上草芊芊,春晚湘妃廟前。一方柳色楚南天,數行斜鴈聯翩。

獨倚朱欄情不極,魂斷終朝相憶。兩槳不知消息,遠汀時起鸂鶒。

 

巻八08   虞美人二首其一    

寂寂無人語,暗澹梨花雨。繡羅紋地粉新描,博山香炷旋抽條,

睡魂銷。天涯一去無消息,終日長相憶。交人相憶幾時休?不堪悵觸別離愁,淚還流。

 

巻八09   虞美人二首其二    

好風微揭簾旌起,金翼鸞相倚。翠簷愁聽乳禽聲,此時春態暗關情,

獨難平。畫堂流水空相翳,一穗香搖曳。交人無處寄相思,落花芳艸過前期,沒人知。

 

巻八10   後庭花二首其一    

景陽鐘動宮鶯囀,露涼金殿。輕飇吹起瓊花綻,玉葉如翦。

晚來高閣上,珠簾卷,見墜香千片。

 

巻八11   後庭花二首其二    

石城依舊空江國,故宮春色。七尺青絲芳草綠,世難得。

玉英凋落盡,更何人識,野棠如織。只是教人添怨憶,悵望無極。

 

 孫少監光憲四十七首

菩薩蠻五首

河瀆神二首

虞美人二首

後庭花二首

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臨江仙二首

酒泉子三首

清平樂二首

更漏子二首

女冠子二首

風流子三首

定西番二首

河滿子一首

玉蝴蝶一首

八拍蠻一首

竹枝一首

思帝一首

上行盃二首

謁金門一首

思越人二首

陽柳枝四首

望梅花一首

漁歌子二首

 

 

 遊園驚夢01

 

 

 

 

花間集 教坊曲《河瀆神二首》孫光憲

 

 

 

 

 

 

後庭花二首其一

(後宮には、妃嬪がたくさんいて、その妃嬪1人に宮女100人付く、丁度それは瓊花をいう。天子は今宵もまた新しい宴会をもよおす。)

景陽鐘動宮鶯囀,露涼金殿。

陳の景陽宮殿には後主が妃嬪とかくれて捕縛された井戸のある庭があり、夜明けを告げる鐘が鳴り、鶯がなきはじめても、酒宴をやめることなく、夏が過ぎ秋が過ぎても金で飾った宮殿には華燭の宴が絶やすことがない。

輕飇吹起瓊花綻,玉葉如翦。

後宮の庭で、風が吹き上げ軽く頬を撫でてゆく、小さな錠の瓊花の香りが漂う、それは、香り良い葉を鋏みできった時のように香りである。

晚來高閣上,珠簾卷,見墜香千片。

夕刻になれば、高楼の上に昇り、玉の簾を巻き上げて、見下ろせば先ほど庭先で見た瓊花の花びらがたくさんしきつめるかのようで、香りもとどく。

脩蛾慢臉陪雕輦,後庭新宴。

妃嬪たちは化粧をきれいにし、ゆったりと落ち着いた顔つきで、天子の彫刻の輦に付き従っている、亦今夜もここの後宮の庭では新しい宴がひらかれる。

(後庭花二首其の一)

景陽 鐘動す 宮の鶯囀,露 涼す 金殿。

輕飇 吹起 瓊花の綻,玉葉は翦の如し。

晚 來し 高閣に上れば,珠簾 卷き,見墜すば 香千片。

蛾を脩め 臉を慢して 雕輦に陪し,後庭 新らたに宴す。

 

 

後庭花二首其二

(歓楽街の若い美人たちも、宮女たちも絶世の美女、陳の張貴妃もやがては散り去って、誰も覚えていない。悲しい女の定めを詠う。)

石城依舊空江國,故宮春色。

金陵の石頭城は六朝の王朝は滅んだものの、むなしく城郭だけは残っている長江下流域、江南の要衝の都市である。ここに立てば、昔の宮殿はすっかり春の景色である。

七尺青絲芳草綠,世難得。

それは、二メートルもある長く青い絹糸は陳の張貴妃の黒髪のようであり、香りのよい春の草は、萌黄色にそまる。歓楽街に美女たちはいるけれど、張貴妃という絶世の傾国美女は得難いものだ。

玉英凋落盡,更何人識,野棠如織。

美しい花びら、若い盛りの美人というものはやがて散り、尽き果ててしまうものである。その上更に、散ってしまったものを誰が覚えていようか。

只是教人添怨憶,悵望無極。

こりんごの花と葉、それに実というものはしげれば織物のように美しいものである。ただ、人にとっては「陳の後主は、逃げおくれて愛妃張麗華・孔貴人とともにこの井戸に隠れた」とかなしい思いを思い出させるものである。美人たちみんな、盛りを過ぎれば悲しく、うらめしいことが果てしがないのである。

石城 舊に依りて  空しき江國, 故宮は  春色。

七尺の靑絲  芳草 碧なり, 絶世  得難し。

玉英 凋【しぼ】み落ちて 盡き, 更に 何人か 識らん。

 野棠 織るが如く, 只だ是れ 人をして 怨憶を 添へ敎【し】む, 悵望 極り無し。

 

薛濤 02 

『後庭花二首其二』 現代語訳と訳註

(本文)

後庭花二首其二

石城依舊空江國,故宮春色。

七尺青絲芳草綠,世難得。

玉英凋落盡,更何人識,野棠如織。

只是教人添怨憶,悵望無極。

 

(下し文)

石城 舊に依りて  空しき江國, 故宮は  春色。

七尺の靑絲  芳草 碧なり, 絶世  得難し。

玉英 凋【しぼ】み落ちて 盡き, 更に 何人か 識らん。

 野棠 織るが如く, 只だ是れ 人をして 怨憶を 添へ敎【し】む, 悵望 極り無し。

 

(現代語訳)

後庭花二首其二(歓楽街の若い美人たちも、宮女たちも絶世の美女、陳の張貴妃もやがては散り去って、誰も覚えていない。悲しい女の定めを詠う。)

金陵の石頭城は六朝の王朝は滅んだものの、むなしく城郭だけは残っている長江下流域、江南の要衝の都市である。ここに立てば、昔の宮殿はすっかり春の景色である。

それは、二メートルもある長く青い絹糸は陳の張貴妃の黒髪のようであり、香りのよい春の草は、萌黄色にそまる。歓楽街に美女たちはいるけれど、張貴妃という絶世の傾国美女は得難いものだ。

美しい花びら、若い盛りの美人というものはやがて散り、尽き果ててしまうものである。その上更に、散ってしまったものを誰が覚えていようか。

こりんごの花と葉、それに実というものはしげれば織物のように美しいものである。ただ、人にとっては「陳の後主は、逃げおくれて愛妃張麗華・孔貴人とともにこの井戸に隠れた」とかなしい思いを思い出させるものである。美人たちみんな、盛りを過ぎれば悲しく、うらめしいことが果てしがないのである。

 

(訳注)

後庭花二首其二

1.(歓楽街の若い美人たちも、宮女たちも絶世の美女、陳の張貴妃もやがては散り去って、誰も覚えていない。悲しい女の定めを詠う。)

2. 『後庭花』とあるのは、後宮の庭に咲く花、杜甫は「先帝の侍女八千人」、白居易は「後宮の佳麗三千人」といっている。この時代は女性が人とされていないので、男も士族以上で人数として把握された。宮女は礼をもって迎い入れられたもの、貴族、富貴の者など家柄を重んじて選抜されたもの、一部の物を除いて、献上されたもの、罪人の家【藉跋・藉没】の女性、宮廷の官奴婢にされたものをいうのである。「後宮」は政治を営む場とは異なる、天子の私的生活の場。陳の後主(陳叔宝)が歓楽に溺れて国を亡ぼしたことに基づいてこの詩を読む。

 

3. 花間集に教坊曲『後庭花』は五首収められているが、孫光憲は二首である。双調四十六字、前段二十二字、三仄韻、後段二十五字、四仄韻で、❼❹7❹/5❸❺❼❹の詞形をとる。孫光憲と毛熙震とで独自の詞形を作ったもの。

後庭花二首其一

景陽鐘動宮鶯,露涼金殿

輕飇吹起瓊花綻,玉葉如

晚來高閣上,珠簾,見墜香千

脩蛾慢臉陪雕,後庭新

●○○●○○●  ●△○●

△?△●○○●  ●●△●

●△○●●  ○○△ ●●○○●

○△●△○○● ●○○●

後庭花二首其二 双調四十六字、前段二十二字、三仄韻、後段二十五字、四仄韻で、❼❹7❹/5❸❺❼❹の詞形をとる。

石城依舊空江,故宮春

七尺青絲芳草綠,世難

玉英凋落盡,更何人,野棠如

只是教人添怨,悵望無

●○△●△○●  ●○○●

●●○○○●●  ●△△●

●○○●●  △△○● ●○△●

△●△○○△● ●△○●

 

石城依舊空江國, 故宮春色。

金陵の石頭城は六朝の王朝は滅んだものの、むなしく城郭だけは残っている長江下流域、江南の要衝の都市である。ここに立てば、昔の宮殿はすっかり春の景色である。

4. 石城:石頭城。越は楚に滅ぼされ,この付近も楚の領域に入ったが,楚の威王のとき,この地に王気がみられるとして,これを鎮めるために金を埋め,今の清涼山付近に城を築いたことから,金陵と称したといわれる。これは秦淮河が長江に流入する地点をみおろす要害の地で,のちに孫権が石頭城を築く。 秦は金陵邑を秣陵県(ばつりようけん)とし,漢代に入ると周辺には丹陽,江乗,胡孰(こじゆく)などの諸県が設けられ丹陽郡に属した。石頭城は、秦淮河の畔にある古都の城郭。唐以前に六代の王朝が置かれた。古来、多くの詩人が石頭城を詠う。

劉禹錫『石頭城』「山圍故國週遭在,潮打空城寂寞回。淮水東邊舊時月,夜深還過女牆來。」、

韋莊『金陵圖』「江雨霏霏江草齊,六朝如夢鳥空啼。無情最是臺城柳,依舊烟籠十里堤。」、

欧陽炯『江城子』「晩日金陵岸草平,落霞明,水無情。六代繁華,暗逐逝波聲,空有姑蘇臺上月,如西子鏡,照江城。」、11 -16 江城子一首 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-426-11-#16  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3677

5 依舊 昔通りである。昔のままである。 

6 空江國 六朝の江南の古城は残っているが、王朝は皆滅亡し、城郭だけが変わらずに残っていることを「空」と表した。

7 故宮 昔の宮殿。 

18 春色 春の景色。

 

七尺靑絲芳草碧, 絶世難得。

それは、二メートルもある長く青い絹糸は陳の張貴妃の黒髪のようであり、香りのよい春の草は、萌黄色にそまる。歓楽街に美女たちはいるけれど、張貴妃という絶世の傾国美女は得難いものだ。

9 七尺靑絲 南朝・陳の張貴妃の黒髪のような美しくて長い柳の枝。・七尺:唐の大尺で、1尺は約29.4センチメートル、小尺は約24.6センチメートル。七尺では大尺で:約2.05メートル、小尺で:約1.72メートル。 

10 芳草 香りのよい春の草。 

11 碧 緑色をしている。綠とするのもある。

12 絶世 世に並ぶものがなく、すぐれていること。ここでは、前の「石城依舊」から、絶世の傾国、美女を指す、張貴妃のこと。 

13 難得 得難い。

 

玉英凋落盡, 更何人識。

美しい花びら、若い盛りの美人というものはやがて散り、尽き果ててしまうものである。その上更に、散ってしまったものを誰が覚えていようか。

14 玉英 ここは、美しい花びら、南京の歓楽街の美人を示している。 

15 凋落 しぼみ落ちること。 

16 盡 つきる。

17 更 その上。さらに。 

18 識 おぼえている。しる。ここは、前者の義。

 

野棠如織, 只是敎人添怨憶, 悵望無極。

こりんごの花と葉、それに実というものはしげれば織物のように美しいものである。ただ、人にとっては「陳の後主は、逃げおくれて愛妃張麗華・孔貴人とともにこの井戸に隠れた」とかなしい思いを思い出させるものである。美人たちみんな、盛りを過ぎれば悲しく、うらめしいことが果てしがないのである。

19 野棠 棠梨。こりんご。やまなし。ここではその花も指す。 

20 如織 野棠の花と葉の色の釣り合いが恰も織物の如くに美しいことをいう。

21 只是 ただこれ。(美しい野棠の花も)ただ人に(かなしい思いを思い出させる)だけだ。 

22 敎人 人をして…せしむ。人に…させる。人に(かなしい思いを思い出)させる。敎:使役の(助)動詞で、古語では、平声。 

23 添 そえる。一層(かなしい思いをするだけだ)。 

24 怨憶 うらめしい思い出。陳後主陳叔寶と張貴妃の故事等、六朝の哀史を指す。

25 悵望 うらめしげに見遣る。 

26 無極 極まり無い。果てしない。

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