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花間集 巻六・七 顧敻 五十五首 

花間集 訳注解説 (370)回目顧敻巻七29荷葉杯九首其八》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10068

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花間集 訳注解説 (370)回目顧巻七29荷葉杯九首其八》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10068

(後宮の庭には花がいっぱい咲き、蝶がとぶ、春、真っ盛り、妃嬪は最盛期のなまめかしさを振りまいていると詠う)

寝殿の奥の御殿のみぎり、花壇に蝶が飛び、春霞の陽だまりは暖かさがひろがる、春は真っ只中。

花は一杯に開き、柳の枝も葉をいっぱいにつけ、垂れかけて、春の盛りである。妃嬪は春の盛りで、両の瞼は花が開いたようであり、その細い腰つきは柳を揺らせるように美しい。

艶めかしというのか、なよなよと愛らしいいというものだろうか。うつくしいのか、愛らしく艶めかしいのだ。

 

 

 

 

花間集 全詩 訳注解説

荷葉杯九首      顧夐

 

 

《巻七22 荷葉杯九首其一》 

春盡小庭花落,寂寞。凭檻斂雙眉,忍教成病憶佳期。知摩知?知摩知?

《巻七23 荷葉杯九首其二》 

歌發誰家筵上,寥亮。別恨正悠悠,蘭釭背帳月當樓。愁摩愁,愁摩愁。

《巻七24 荷葉杯九首其三》 

弱柳好花盡拆,晴陌。陌上少年郎,滿身蘭麝撲人香。狂摩狂,狂摩狂。

《巻七25 荷葉杯九首其四》 

記得那時相見,膽戰。鬢亂四肢柔,泥人無語不擡頭。羞摩羞,羞摩羞。

《巻七26 荷葉杯九首其五》 

夜久歌聲怨咽,殘月。菊冷露微微,看看濕透縷金衣。歸摩歸,歸摩歸。

《巻七27 荷葉杯九首其六》 

我憶君詩最苦,知否。字字盡關心,紅牋寫寄表情深。吟摩吟,吟摩吟。

《巻七28 荷葉杯九首其七》 

金鴨香濃鴛被,枕膩。小髻簇花鈿,腰如細柳臉如蓮。憐摩憐,憐摩憐。

《巻七29 荷葉杯九首其八》 

曲砌蝶飛煙暖,春半。花發柳垂條,花如雙臉柳如腰。嬌摩嬌,嬌摩嬌。

《巻七30 荷葉杯九首其九》 

一去又乖期信,春盡。滿院長莓苔,手挼裙帶獨徘徊。來摩來,來摩來。

 

 

 

 《荷葉杯九首 其六》

 

 

訳注解説

 

 

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10054

 

 

 

8.

荷葉杯九首其一

(春には逢えると約束していたのに、花が散り落ちるように寵愛を失えばもう戻ることはない。しかし、自分の立場は認識したし、病気になっても耐えるしかないと諦める女、妃嬪を詠う)

春盡小庭花落,寂寞。

春が今終ろうとしている寝殿奥の庭の花は散りおちてしまった、ひっそりとした寂しさが漂う。花が落ちることは、寵愛を失うことは、もう元に戻らない。

凭檻斂雙眉,忍教成病憶佳期。

手摺にもたれかかり二つの眉をひそめている。こうして堪えることを教えられ、病気になろうともただあのお方との逢瀬の約束の日を楽しみに思うだけなのだ。

知摩知?知摩知?

現実を知り、此れを本当に知ったということなのか。此れでわかったということなのか本当にわかったのか。

(荷葉杯九首 其の一)

春盡く 小庭の花落つ,寂寞たり。

檻に凭【もた】れ 雙眉に斂じ,教を忍び 病を成し 佳期を憶う。

知らんや知らん?知らんや知らん?

 

荷葉杯九首其二

(いつかは寵愛を失うと覚悟はしていたが、妃嬪は愁うことしかできないと詠う)

歌發誰家筵上,寥亮。

歌う声が聞こえてくる、どこの御殿の宴筵席で歌を謡っているのか。澄んだ音色で響き渡ってくる。

別恨正悠悠,蘭釭背帳月當樓。

はっきりとお別れをしたわけではないが寵愛を失なえば恨んでばかり、まさにこころがはるか遠くに行ってしまった。御殿の閨には蘭型の燈火がともる、しかし、とばりを背にすわる、名月がこの高楼を照らす。

愁摩愁,愁摩愁。

思いが募れば愁えが増し、忘れようと思っても、やっぱり愁えているのか。また、愁えている、やっぱり愁えるのか。

(荷葉杯九首 其の二)

歌發すは 誰が家の筵の上に,寥亮。

別恨み 正に悠悠たり,蘭釭 帳を背にし 當樓に月る。

愁うや愁う,愁えんや愁う。

 

荷葉杯九首 其三

(春の行楽に美しい女たちが選ばれ、その家のボタンを自慢にして、庭先で酒宴が開かれる、都の貴公子に惚れてしまうと詠う)

弱柳好花盡拆,晴陌。

若い柳の細腰の女も選ばれ、艶やかな素敵なぼたんの花の様な女も選ばれるが、尽くした挙句、心は折られる。都大路は晴れやか。

陌上少年郎,滿身蘭麝撲人香。

都大路の貴公子の檀郎、体全身に蘭麝香の香り漂い、その香に女たちは心打たれてしまう。

狂摩狂,狂摩狂。

愛して狂っちゃいそうになるのではないか、もう狂ってしまった。もう狂ってしまったのではないか、キットどうにかなってしまった。

(荷葉杯九首 其の三)

弱【わか】い柳 好き花 拆り盡し,晴れたる陌。

陌上 少年の郎,滿身 蘭麝 人 香に撲【なげう】つ。

狂わんや狂わん,狂わんや狂わん。

 

荷葉杯九首其四

(成人してすぐに後宮に入ったが、それがどんなことをいわれても寵愛を受けることに喜びを感じるようになり、逢瀬を過ごすことから離れることできないという女のこころを詠う。)

記得那時相見,膽戰。

私の為に書いてくれた詩は、あの時のこと、そして、互にみつめあってから、互いの肝と肝を戦わせた。

鬢亂四肢柔,泥人無語不擡頭。

髪をかき乱し、肢体を柔らかにして許したし、汗まみれになって疲れ果て、もう言葉にすることもできないほどになったし、もう、頭を持ち上げることもできない。

羞摩羞,羞摩羞。

それは、愧ることか、恥でもいい、あれは、恥ることなのか、恥でもいい。

(其の四)

記 那の時 相い見るを得ん,膽戰。

鬢亂れるも 四肢柔らかなり,泥人となりて 語る無く 擡頭せざる。

羞らんや羞り,羞らんや羞る。

 

荷葉杯九首 其五

(寵愛を失っても、秋の夜、庭に出て、お越しを待ちわびる妃嬪の思いを詠う。)

夜久歌聲怨咽,殘月。

秋の夜は長く、歌声が響き届くと待つ身には、怨みがこみあげ、咽び泣く、空には名残の

月。

菊冷露微微,看看濕透縷金衣。

菊の花にうっすらと露に濡れ、冷ややかな夜がふける、居待ち月を見ていると夜露に濡れ金糸の縫い取りの衣は透けている。

歸摩歸,歸摩歸。

帰って来い、きっとここに、帰ってくる。果たして帰って来るのか、きっと帰って来る。(荷葉杯九首 其の五)

夜 久しく 歌聲 怨み咽【むせ】び,殘【なご】り月。

菊 冷やかに 露 微微たり,看看たり 縷金の衣を濕し透す。

歸らんや歸らん,歸らんや歸らん。

 

荷葉盃其六 其六

(逢瀬の時にうれしくて赤色の䇳紙に書き写し残した詩を見ては、苦い思いをしながらも、忘れることはできないと吟じてしまう妃嬪を詠う)

我憶君詩最苦,知否。

あのお方が残していった詩を見手は思い出す、それから、最も苦々しい思いにかられる。知っているのか、知らないのか。

字字盡關心,紅牋寫寄表情深。

その詩の一字一字一句一句にそんな気持ちになってしまうし、それ以外に考えられなくなる。しかも、その時はうれしくて赤色の䇳紙に書き写し、また寄せたりして心の底から愛していた。

吟摩吟,吟摩吟。

この詩を吟じるか、やっぱり吟じよう。吟じようか、やっぱり吟じよう。

(其の六)

君が詩に我が憶い 最も苦く,知るや否や。

字字 盡く關心,紅牋 寫し寄り 表情 深し。

吟じるや吟ぜん,吟じるや吟ぜん。

 

荷葉杯九首 其七

(寵愛を受けることに喜びを持ち、妃嬪はいま最高に妖艶であり可憐であると詠う。)

金鴨香濃鴛被,枕膩。

鴨形のかざりのある香炉に薫く香は閨に濃く広がり、楽しみにして鴛鴦の掛け布団をととのえる、枕は髪油に光っている。

小髻簇花鈿,腰如細柳臉如蓮。

夜化粧の小さく結い上げた髪をととのえ、額に花鈿飾りが美しい。柳のように細腰で美しく、柳の枝のごとくゆれ、白い頬に紅をさし、蓮の花のように妖艶である。

憐摩憐,憐摩憐。

可憐なるか、可愛いい、可愛いいですかとても可憐です。

(其の七)

金鴨の香 鴛被濃くし,枕 膩【てか】る。

小髻【しょうけい】花鈿に簇【むらが】り,腰は細柳の如く臉【ほほ】は蓮の如し。

憐れんや憐れむ,憐れんや憐れむ。

 

荷葉杯九首 其八

(後宮の庭には花がいっぱい咲き、蝶がとぶ、春、真っ盛り、妃嬪は最盛期のなまめかしさを振りまいていると詠う)

曲砌蝶飛煙暖,春半。

寝殿の奥の御殿のみぎり、花壇に蝶が飛び、春霞の陽だまりは暖かさがひろがる、春は真っ只中。

花發柳垂條,花如雙臉柳如腰。

花は一杯に開き、柳の枝も葉をいっぱいにつけ、垂れかけて、春の盛りである。妃嬪は春の盛りで、両の瞼は花が開いたようであり、その細い腰つきは柳を揺らせるように美しい。

嬌摩嬌,嬌摩嬌。

艶めかしというのか、なよなよと愛らしいいというものだろうか。うつくしいのか、愛らしく艶めかしいのだ。

(荷葉杯九首其の八)

曲砌 蝶飛び 煙暖か,春半ばなり。

花は發き 柳條を垂れ,花は雙臉の如く柳は腰の如し。

嬌せんや嬌し,嬌せんや嬌す。

 

荷葉杯九首其九

一去又乖期信,春盡。

滿院長莓苔,手挼裙帶獨徘徊。

來摩來,來摩來。

 

 

『荷葉盃九首其八』 現代語訳と訳註

(本文)

荷葉杯九首其八

曲砌蝶飛煙暖,春半。

花發柳垂條,花如雙臉柳如腰。

嬌摩嬌,嬌摩嬌。

 

(下し文)

(荷葉杯九首其の八)

曲砌 蝶飛び 煙暖か,春半ばなり。

花は發き 柳條を垂れ,花は雙臉の如く柳は腰の如し。

嬌せんや嬌し,嬌せんや嬌す。

 

(現代語訳)

(後宮の庭には花がいっぱい咲き、蝶がとぶ、春、真っ盛り、妃嬪は最盛期のなまめかしさを振りまいていると詠う)

寝殿の奥の御殿のみぎり、花壇に蝶が飛び、春霞の陽だまりは暖かさがひろがる、春は真っ只中。

花は一杯に開き、柳の枝も葉をいっぱいにつけ、垂れかけて、春の盛りである。妃嬪は春の盛りで、両の瞼は花が開いたようであり、その細い腰つきは柳を揺らせるように美しい。

艶めかしというのか、なよなよと愛らしいいというものだろうか。うつくしいのか、愛らしく艶めかしいのだ。

  

(訳注)

荷葉杯九首其八

1.(後宮の庭には花がいっぱい咲き、蝶がとぶ、春、真っ盛り、妃嬪は最盛期のなまめかしさを振りまいていると詠う)

2. 草花の春は毎年来るもので、美女の春最盛期は一度であること、それを師でどう表現するかが荷葉盃という詩なのである。

唐以降の中国王朝における宮廷に仕える楽人や妓女たちに宮廷音楽を教習させるための機関をさす。楽曲や歌舞の習得を主な目的とするが、官妓にあたる妓女を統括する役割もあった。その後の王朝に引き継がれ、清代まで続いたが、雍正帝の時に廃止された。

 

3. 『花間集』には顧夐の作が九首収められている。単調二十六字、六句二仄韻、四平韻、❷⑤⑦③③の詞形をとる。

荷葉杯九首其一

春盡小庭花,寂

凭檻斂雙,忍教成病憶佳

知摩?知摩

○●●○○●  ●●

△●●○○  ●△○●●○○

○△○ ○△○

荷葉杯九首 其二

歌發誰家筵,寥

別恨正悠,蘭釭背帳月當

愁摩,愁摩

○●○○○●  △●

●●△○○  ○○●●●△○

○△○  ○△○

荷葉杯九首 其三

弱柳好花盡,晴

陌上少年,滿身蘭麝撲人

狂摩,狂摩

●●●○●●  ○●

●●●○○  ●○○●●○○

△△△  △△△

荷葉杯九首其四

記得那時相,膽

鬢亂四肢,泥人無語不擡

羞摩,羞摩

●●△○△●  ●●

●●●○○  △○○●△○○

○△○  ○△○

荷葉杯九首 其五

夜久歌聲怨,殘

菊冷露微,看看濕透縷金

歸摩,歸摩

●●○○△△  ○●

●△●○○  △△●●●○△

○△○  ○△○

荷葉盃其六 其六

我憶君詩最,知

字字盡關,紅牋寫寄表情

吟摩,吟摩

●●○○●●  ○●

●●●○○  ○○●●●○△

△△△  △△△

荷葉杯九首 其七

金鴨香濃鴛,枕

小髻簇花,腰如細柳臉如

憐摩,憐摩
○●○○○●  △●

●●●○△  ○△●●△△△

○△○  ○△○

荷葉杯九首其八

曲砌蝶飛煙,春

花發柳垂,花如雙臉柳如

嬌摩,嬌摩

●●●○○●  ○●

○●●○○  ○△○△●△○

△△△  △△△

 

曲砌蝶飛煙暖,春半。

寝殿の奥の御殿のみぎり、花壇に蝶が飛び、春霞の陽だまりは暖かさがひろがる、春は真っ只中。

4. ・曲砌 建物のまわりに階があり、それの奥まった砌の所、そのには草花を植えているもので、蝶が飛んでいることから、花が一杯に咲いている庭の隈をいう。

5. ・春半 春の最盛期、これはここに登場する美女のことをいう。

 

花發柳垂條,花如雙臉柳如腰。

花は一杯に開き、柳の枝も葉をいっぱいにつけ、垂れかけて、春の盛りである。妃嬪は春の盛りで、両の瞼は花が開いたようであり、その細い腰つきは柳を揺らせるように美しい。

6. ・花・柳 花と柳は花柳界という名の起こりであり、細腰の女は傾国という表現をされた。

 

嬌摩嬌,嬌摩嬌。

艶めかしというのか、なよなよと愛らしいいというものだろうか。うつくしいのか、愛らしく艶めかしいのだ。

7. ・嬌 なよなよとして愛らしい、うつくしい、愛らしく艶めかしい。

8. ・摩 疑問を表す。〜かしら。

 

 

音楽と歌舞(3

古来から儀礼として重視されていた音楽と舞踊であったが、外来音楽と楽器の流入により、相当な発展をとげた。唐代には娯楽性も向上し、楽器の種類も大幅に増加した。合奏も行われ、宮廷では大規模な楽団による演奏が度々行われた。

初唐では九寺の一つである太常寺が舞楽を司る中心となり、宮廷舞楽のうちの雅楽を取り扱った。714年に「梨園」が設置され、300人の楽工が梨園弟子になり、後に宮女も加えられた。教坊は内教坊か初唐から置かれていた。この上、玄宗期に雅楽と区分された俗楽や胡楽、散楽を扱うことを目的とした左右教坊が増設された。胡楽は西域を中心とした外来音楽で、唐代の宮廷舞楽の中心であった十部楽のうちの大半を占めた。

 

宮廷音楽で歌われる歌の歌詞は唐詩が採用された。民間にも唐詩を歌詞にし、音楽にあわせて歌うものが現れ、晩唐には音楽にあわせるために書かれた詞を作られた。また、「闘歌」という歌の上手を競わせる遊びも存在していた。

舞踊は宮廷や貴族の酒宴ばかりでなく、民間の酒場や行事でも頻繁に行われた。外国から様々な舞踊が伝えられ、その種類も大きく増加した。様々な階層のものが舞踊を好み、楊貴妃や安禄山は胡旋舞の名手であったと伝えられる。

舞踊は、ゆったりした動きの踊りを「軟舞」、テンポが速い激しい踊りを「健舞」と分けられた。「胡旋舞」や「胡騰舞」は健舞に含まれた。伝統舞踊に外国からの舞踏が加わっていき発展していった。

唐代の宮廷では、楽団の演奏にあわせて大勢が舞踊を行うことで多かった。また、「字舞」と呼ばれる音楽とともに踊り、身体を翻す瞬間に衣の色を換え、その後に地に伏して全員で字の形を描くという集団舞踏も存在し、多い時は百人単位で行われた。

唐代の皇帝の中でも、玄宗が特に音楽がすぐれており、外国の音楽を取り入れた「霓裳羽衣の曲」を作曲したとされる。この曲とともに、楊貴妃が得意とした「霓裳羽衣の舞」が行われ、宮人が数百人で舞うこともあった。

安史の乱以後は、戦乱や、梨園の廃止、教坊の縮小とともに、楽工や妓女は地方に流れ、音楽や舞踊の普及は進んでいくことになった

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