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花間集 巻六・七 顧敻 五十五首 

花間集 訳注解説 (362)回目顧敻【字解集】-6》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ10012・楊柳枝・遐方怨・獻衷心・應天長・訴衷情二首其一・訴衷情二首其二

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 362)回目顧【字解集】-6》・楊柳枝・遐方怨・獻衷心・應天長・訴衷情二首其一・訴衷情二首其二

  

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、現在、李白詩全詩 訳注

Ⅰ李白詩

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●唐を代表する 中唐 韓愈 全500首 

Ⅱ韓昌黎詩集・文集校注

807年-04元和二年40歳《【字解集】》〔三星行・剝啄行〕Ⅱ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之Blog10002

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・李商隠詩 (1) 136首の75

・李商隠詩 (2) 135首の61

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韓愈 哲学・儒学「五原」

孟郊

 

10年のBLOGの集大成

 

 

 

●杜甫の全作品1500首を訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"

Ⅲ 杜詩

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杜甫詩(11)762年蜀中転々43

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(16-2) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)81

 

杜甫詩 (17-1)767年夔州・西閣・赤甲・瀼西132

杜甫詩 (17-2) 767年・瀼西・東屯 133

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杜甫詩 (19)769年・洞庭湖・潭州・衡州 78

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花間集 訳注解説 (313)回目和凝【字解集】11柳枝三首  12.漁父一首》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9639 (12/07)

 

 

 

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巻七16

楊柳枝

秋夜香閨思寂寥,漏迢迢。鴛幃羅幌麝煙銷,燭光搖。

正憶玉郎遊蕩去,無尋處。更聞簾外雨蕭蕭,滴芭蕉。

巻七17

遐方怨

簾影細,簟紋平。象紗籠玉指,縷金羅扇輕。

嫩紅雙臉似花明,兩條眉黛遠山橫。

風簫歇,鏡塵生。遼塞音書,夢魂長暗驚。

玉郎經負娉婷,教人爭不恨無情。

巻七18

獻衷心

繡鴛鴦帳暖,畫孔雀屏欹。

人悄悄,月明時,想昔年懽笑,恨今日分離。

銀釭背,銅漏永,阻佳期。

小樓煙細,虛閣簾垂。幾多心事,暗地思惟。

被嬌娥牽役,魂夢如癡。

金閨裡,山枕上,始應知。

巻七19

應天長

瑟瑟羅裙金線縷,輕透鵝黃香畫袴。

垂交帶,盤鸚鵡,裊裊翠翹移玉步。

背人勻檀炷,慢轉橫波覷。斂黛春情暗許,倚屏慵不語。

巻七20

訴衷情二首其一

香滅簾垂春漏永,整鴛衾。羅帶重,雙鳳,縷黃金。

外月光臨,沉沉。斷腸無處尋,負春心。

 

巻七21

訴衷情二首其二

永夜人何處去,來音。香閣掩,眉斂,月將沉。

怎忍不相尋?鴛孤衾。換我心為你心,始知相憶深。

 

 

【字解集】・楊柳枝

楊柳枝

1. (別れは柳が繁る春のこと、寵愛を失うことは別れることに等しい、悲愁の秋思う心と違って寂しい日を送る)

2. 【解説】楊柳枝は北の塞に役務で出かけるおとこの無事で帰還することを願ってサイクル上に枝を折ることをいう。春別れを告げることをいう。それが秋に音沙汰がない悲しみを詠うのである。秋は夜が長く、身もだえに苦しむことを意味する。男目線の秋の閏怨の詞。後段は、愛する男を恋しく思い、ただでさえ悲しいのに、しとしとと降る雨の芭蕉の葉に降り落ちる音が、さらに悲しみを誘うことを言う。彼女は雨音が耳について眠れぬままに、おそらく秋の長夜を明かしてしまったことであろう。この詞でも鴛鴦は女性の孤独を際立たせており、彼女は物思いに沈んでいて、気付いた時には香炉の火も消えており、これもまた女の失意消沈を強調する働きをしている。

3. 『花間集』には顧夐の作が一首収められている。双調四十字、前段二十字四句四平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、⑦③⑦③/❼❸⑦③の詞形をとり、既出の温庭第の楊柳枝⑦⑦7⑦とかなり異なる。皇甫松、牛嶠は溫庭筠と同じである。

楊柳枝

秋夜香閨思寂,漏迢

鴛幃羅幌麝煙,燭光

正憶玉郎遊蕩,無尋

更聞簾外雨蕭,滴芭

○●○○△●△  ●○○

○○○●●○○  ●△○

△●●○○●●  ○○●

△△○●●○○  ●○○

 

秋夜香閨思寂寥,漏迢迢。

秋の夜長、閏にはお香が広がり、さびしく、しずかなうちに恋しい思いばかりふかくなっていく、はるか遠くで水時計の音が聞こえてくる。

5. 漏迢迢 夜の長いこと。漏は水時計。ここでは時間の意であるが、迢迢ははるか遠くなのに聞こえてくる、きっとあの人が聞いている水時計の音だろうというほどの意味である。

6. ・秋夜:秋の夜。夜の時間が長くなっている。後出の「漏迢迢」に続く。 

7. ・香閨:婦人の住むすばらしい建物や部屋。かぐわしい、婦人の部屋。 

・香:すばらしい。 

8. ・閨:婦人の部屋。 

9. ・思:おもう。おもい。 

10. ・寂寥:さびしい。ここでは、男性が、女性の部屋に訪れなくなったことをいう。

11. ・漏:漏刻。古代の水時計のこと。ここでは時間の経過をいう。 

12. ・迢迢:遥かに遠いさま。ここでは、時間がゆったりと流れる感じをいう。

 

鴛幃羅幌麝煙銷,燭光搖。

寵愛を受ける準備はおろそかになって、鴛鴦の戸帳、薄絹の幌もそのままに、薫香の煙も消えたままだ、灯火の炎だけが揺らぐのをみている。

13. 男性が、女性の部屋に訪れなくなって久しいため、香を焚く必要が無くなったことをいう。女性の心の動揺、また空しく訪れる人の気配を感じて揺れ動いていることを暗に示している。

14. ・鴛帷羅幌:女性の部屋をいう。 

・鴛:オシドリ。夫婦を指す。 

 ・帷:とばり。たれぎぬ。婦人の部屋。 

17. ・羅幌:うすぎぬのたれぎぬ。女性の部屋をいう。 

・幌:ほろ。おおい。とばり。たれぎぬ。 

18. ・麝煙:ジャコウ(麝香)の香の煙。 

19. ・銷:きえる。へる。おとろえる。

20. ・燭光:灯火の輝き。 

21. ・搖:ゆらぐ。焔が揺れ動く。

 

正憶玉郎遊蕩去,無尋處。

秋の夜長に思うことは愛しいあのお方のこと、今もどこかで放蕩されているだろう、訪ねてはいけない、探してはいけない、それでも待つだけ。

22. どこにいったのか、寵愛を失うことは別れることに等しい。

23. ・正憶:ちょうど思い起こしている。 

24. ・玉郞:愛しい男性。大切な方。かの君。美男。ここでは愛しい男の意。 

25. ・遊蕩:遊び呆ける。酒などに耽ってだらしなく遊ぶ。放蕩する。 

26. ・去:さる。行く。

 

更聞簾外雨蕭蕭,滴芭蕉。

今夜も眠れぬままに五更の鐘が聞え、簾の外の降る雨は蕭蕭と降り続く、時に風に舞い芭蕉の葉に雨が滴足ると、あの方の傘に落ちる雨音と間違えたとわかると心は砕ける。

27. 眠れぬ夜、雨は焦燥感を強くするもの、傘に落ちる雨かと紛う芭蕉の葉に落ちる雨音は心を砕く。

28. ・更:その上に。おまけに。 

29. ・聞:聞こえてくる。受動的な場合によく使われる。 

30. ・簾外:窓のカーテンの外で。屋外で。 

31. ・雨:雨。雨降る。雨が降る。 

32. ・蕭蕭:ものさびしいさま。

33. ・滴:したたる。滴り落ちる。 

34. ・芭蕉:ここでは、バショウの葉。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【字解集】・遐方怨

遐方怨

1. (真夏になっても、快適に過ごし、部屋も自分にもきれいにしたものであったが、寵愛を失えば、部屋の繕いもしても音沙汰なく過ぎてしまう。いつしか、女性は古来からの道徳観で生きてゆくだけである)

2. 遐方 遠方の土地。

夫が家に帰ってこない妻、愛妾の此処も地を詠うものでその夫というのは、①寵愛を失った妃嬪。②浮気性な男の妻愛妾。③行役で遠くの地に赴任したまま連絡してこない高官の妻、愛妾。④旅商人の妻、愛妾。⑤国境の守りにつぃている夫を思う。この詩の場合①~④の可能性がある。当時の状況として、どの場合も、正妻、第一夫人ではないというのは基本である。この詩の雰囲気から、妃嬪、高官の愛妾ということであろう。

『花間集』全詩訳注解説(改訂)-1溫庭筠53《巻2-03 遐方怨 二首之一》溫庭筠66首巻二3-〈53〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5462

『花間集』全詩訳注解説(改訂)-1溫庭筠54《巻2-04 遐方怨 二首之二》溫庭筠66首巻二4-〈54〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5467

 

3. 遐方怨:唐の教坊の曲名。単調と双調がある。単調は溫庭筠に始まり、双調は、顧夐、孫光憲にはじまった。『花間集』には三首所収。温庭筠の作は二首、顧夐一首収められている。雙調80字 前段四十字三平韻二仄韻,後段四十字三平韻二仄韻❸③❺⑤7⑦/❸③❺⑤7⑦の詞形をとる。

遐方怨  

簾影細,簟紋平。

象紗籠玉指,縷金羅扇輕。

嫩紅雙臉似花明,兩條眉黛遠山橫。

風簫歇,鏡塵生。

遼塞音書,夢魂長暗驚。

玉郎經負娉婷,教人爭不恨無情。

 

溫庭筠《遐方怨 二首之一》単調三十二字、七句四平韻(詞譜二)、3③42⑤⑦5③の詞形をとる。

花半坼 雨初
未卷珠簾 夢殘 惆悵聞曉

宿妝眉淺粉山 
約鬟鸞鏡裏 繡羅

 
  


 

溫庭筠《遐方怨 二首之二》単調三十二字、四平韻、三仄韻 ❸③4❷⑤⑦❺③の詞形をとる。

憑繡  解羅

未得君書 腸 瀟湘春雁

不知征馬幾時

海棠花謝  雨霏

○●● ●○○

●●○○ ○● ○○○●○

△○○●△○○

●○○●● ●○○

 

簾影細,簟紋平。

日がたかく簾影は細い、寝牀の簟の水紋模様は平らかに敷かれてここちよい。

4. この二句は、夏になったことを表し、御殿の寝牀の簟には通常水紋模様の編み込みが施され、ひんやりして心地よい。寵愛を受けて何事の憂いがない様子を言う。

 

象紗籠玉指,縷金羅扇輕。

象紗のうす絹を身に着けて藤の枕を細い指がきれいに整え、黄金のよじった飾の薄絹の扇を軽やかに揺らす。

5. この二句も、寵愛を受けて何事の憂いがない様子を言う。

6. 象紗 真夏用の通気性の良い透け透けの着物。・紗:織物の名称。2本の経糸を1本の緯糸にからませるところから搦織 (からみおりとも捩 (もじり織ともいわれる織物の一種。通気性に富み,清涼感に秀いでているところから,盛夏用の着尺や羽織地に用いられる。

7. 籠 簟と同様の熱のこもらない藤の枕。

 

嫩紅雙臉似花明,兩條眉黛遠山橫。

花鈿の若い緑に紅い口紅を、二つの瞳は顔に鮮やかな花が咲いたように若々しい、二筋の眉は春の遠くに山を見るようにひかれている。

8. 嫩 花鈿は額の蕊と口元にえくぼのように緑のポイントを付ける。新緑。【嫩い】わかい生じたばかりで柔らかい。新しく柔らかい。 【嫩草】わかくさ若々しく柔らかい草。 「若草」とも書く。「どんそう」とも読む。【嫩葉】わかば芽生えたばかりに柔らかい葉。  嫩葉 ( どんよう ) 」に同じ。 「若葉」とも書く。

 

風簫歇,鏡塵生。

風の笙笛さえも、ここにはなく、鏡には埃がたまって曇りはじめた。

9. 風簫歇 部屋に生気がないことを言う。この時代の一定以上の女子は、琴、瑟と笙の笛を吹くものであり、その音色で誰かわかるのであり、寵愛を失い、部屋の片づけもままならないようすをいう。風が笙の笛のようになっていたが吹きやんだという意味ではあるが、歳月が経ってしまって、聞かせる人がいないということ。

10. 鏡塵生 鏡に塵が積もっている、この時代の女性は、自分の意志で外に出ることはなく、待つ身の女性は閨で過ごすだけなので化粧をすることがなくなったことをいうのである。

 

遼塞音書,夢魂長暗驚。

音沙汰が全くなくなるのは、北の国境の遼塞から途絶えたようなものだし、いまは、夢にさえもあのお方は長い間出て来なくなったことに驚いてしまう。

11. 遼塞 はるかとおくの塞。

 

玉郎經負娉婷,教人爭不恨無情。

美しいあの人も年を重ねてきて、若い美しい女性を求めている、それにはどうしても負けてしまう、女が教育されるのは、「三従四徳」と従順であれと教えられ、嫉妬して爭うことはいけないし、恨み言を思う心などなしにしなくてはいけない「七情六欲」を捨て去って生きるということが現実に続いている。

12. 娉婷 【へいてい】.女性の)穏やかな美しさがある・こと(さま)。

教人爭不恨無情  「三従四徳」と従順であれと教えられ、「七情六欲」を捨て去って生きること。『礼記』「喜、怒、哀、催、愛、悪、欲の七情と、生、死、耳、目、口、鼻の六つから発する欲。《禮記,禮運篇》「何謂人情?喜、怒、哀、懼、愛、惡、欲七者,弗學而能。」 所謂六欲,就是聲、色、衣、香、味、室六種可欲的東西。七情六欲,如能克制,可以養生,這就是生存的途徑。

三従四徳

中国の女性は、数千年間もこのような哀れな境遇の中でもがき苦しんだのである。ずっと後の今世紀初頭になって、民主革命(辛亥革命)のかすかな光が彼女たちの生活にさしこみ、こうした状況に初めてわずかばかりの変化が生れたのであった。

女は幼い時は父に従い、嫁しては夫に従い、老いては子に従うという三従を守り、婦徳、婦言、婦容、婦功の四つの徳を持たねばならない、という儒教の教え。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【字解集】・獻衷心

獻衷心

1. (あれほどに寵愛を受けていたのに、いまその思い続ける気力も失われたけれど、こんな生活ができている最初の気持ちを思い出さねばならないと詠う。)

2. 皇帝は、後宮や太子、諸王のために妃を選ぶ時にはひじょうに家柄を重んじ、常に良家の中から広く娘を選び、「龍子龍孫」(皇帝の子や孫)が下賎の家の女から生れないようにした。玄宗皇帝は、皇太子や諸王のために「百官の子女」、「九品官(一品官から九品官に至る官僚)の息女」を選んで宮中に入れた(『全唐文』巻三五、玄宗「皇太子諸王妃を選ぶ勅」、『新唐書』十二宗諸子伝)。

十数歳に達した「良家の子女」は、この種の選抜をへて多数宮廷に入ったのであるが、彼女たちの中のほんの少しの者だけが幸運を得て妃嬢に列し、大多数の者は名もなき宮女のままで生涯を終えたのである。このように良家の子女を選抜するのが、宮廷女性の主要な来源であり、宮廷女性の中で少なからざる比率を占めていた。宮中の「良家の子は、千を以て数える」といい、辞調も『劉無双伝』の中で「後宮に選抜された宮嬢の多くは衣冠(公卿大夫)の家の子女である」と書いている。しかしながら、良家の子女の才智徳行あるものを厳格に選択するというのは、主に皇太子、諸王の妃を決める時だけであった。事実、歴代の皇帝は宮女を選別するのに、決してこれほど厳格な規定を持ってはいなかった。皇帝たちは名門の令嬢でも、貧しい家の娘でも、はては娼妓、俳優などの賎しい女たちであろうとも、ただ容姿、技芸が衆に抜きんでていれば、一様に選んで宮廷に入れたのであった。玄宗は、かつて「花鳥使」なる役人を四方に派遣して密かに美人をさがさせたが、家柄や才能、徳行などは必ずしも問題にしなかったようである。その他、唐の宮中には教坊などの役所があり、皇族の耳目を楽しませる多数の宮妓を専門に養成していた。この教坊もしばしば民間で女性を選抜した。たとえば憲宗の時、教坊は「密旨だとして良家の子女、及び衣冠の族の別宅の妓人を取り上げた」(『旧唐書』李緯伝)。宮妓を選抜するにはただ容姿、技芸を見るだけであったから、良家の出か、才智徳行がどうかは問題にしなかった。

 

獻衷心

3. 唐の教坊の曲名。『花間集』には二首所収。顧夐の作が一首、欧陽烱の作が収められている。六十四字、単調九平韻である。

 雙調六十六字、前半三十五字四平韻三仄韻、後半三十一字四平韻三仄韻、三字句が多く可愛らしさを印象づけるものである。(5⑤⑤33③ /④5④3③)(35 31

繡鴛鴦帳暖,畫孔雀屏

人悄,月明,想昔年懽,恨今日分

銀釭背,銅漏永,阻佳

小樓煙,虛閣簾

幾多心,暗地思

被嬌娥牽役,魂夢如

金閨,山枕上,始應

●○○●●  ●●●△○

○●●  ●○○ ●●○△●  ●○●△△

○○●  ○●● ●○○

●○○● ○●○○

△○○● ●●△○

●△○△● ○△△○

○○● ○△●  ●△○

 

繡鴛鴦帳暖,畫孔雀屏欹。

鴛鴦の刺繍がきれいな帳の内は暖かい、屏風にはきれいな孔雀が描かれていて寝牀の横に欹てている。

 

人悄悄,月明時,想昔年懽笑,恨今日分離。

この閨の人が陰鬱な気配、月がのぼり明るく照らすと、笑い転げて過ごした昔の歳月をどうしても思い出す。だけど今のこんな別れたままというのはやはり恨みに思う。

4. ・悄悄 物悲しさと失望でいっぱいの気鬱  鬱々たる  大腐り  陰々滅々  欝欝たる  湿っぽい  鬱鬱たる  暗然たる  鬱陶しげ  うっとうしい  気が重い

5. ・懽笑 笑い転げた。活発に笑う。懽:喜ぶ,楽しむ.2((方言)) 形容詞勢いがよい,活発である,盛んである.

 

銀釭背,銅漏永,阻佳期。

閨牀の枕元に置く燭台や銅の水時計も長い間そのままして、逢瀬の約束の日の楽しみもこばまれてしまった。

6. ・銀釭 銀の火灯し油皿。閨牀の枕元に置く燭台。

 

小樓煙細,虛閣簾垂。

寝殿奥の小さな高殿にはお香の煙が細やかに漂う、二人で過ごしていた高閣には誰もいなくてただ簾が下がっているだけだ。

 

幾多心事,暗地思惟。

どれだけ多くのことを考えたのだろうか、こんなにもこの地が暗いところなのか、ただ、思いつづける。

 

被嬌娥牽役,魂夢如癡。

美しい妃嬪に艶めかしく引き止められてそのまま過ごしているだろう、そんなことを夢にまで見るようでは、愚かな女になったというようなものではないか。

7. ・嬌娥 なまめかしい女妓

8. ・癡 愚かなこと。また、その人。

 

金閨裡,山枕上,始應知。

黄金で飾られた閨に、きちんとした牀に枕を高くして眠ることが出来ている、初めてそう思ったころのことを思い出して暮らそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【字解集】・應天長

應天長

1. (天子の寵愛はとこしえに続くものと誰もが認めるほど魅力を持った妃嬪であったが、当然の帰結として寵愛を失った、天の定めに従わざるを得ないことを詠う)

2. 【解説】 妃嬪は若くて魅力を振りまいて、寵愛を一手に受けていて、どんな男も妃嬪の色香に魅了された、歳を重ねると閨で誰とも話すこともなくなる妃嬪の一生を詠う。前段は、美しく着飾って、髪飾りを揺らしながら歩みを移す娘の姿について述べる。後段は、さらに魅力を増して、背を向けて口紅を整え、ゆっくりと流し目で様子を盗み見て、じらしながら、魅力を振りまいていた。いまでは屏風を壁に立てかけて使うこともなく、誰とも話すことがない。

韋莊

《巻二42應天長二首其一》 綠槐陰裡黃鶯語,深院無人春晝午。畫簾垂,金鳳舞,寂寞繡屏香一炷。碧天雲,無定處,空有夢魂來去。夜夜綠風雨,斷腸君信否。

韋莊

《巻二43應天長二首其二》 別來半音書,一寸離腸千萬結。難相見,易相別,又是玉樓花似雪。暗相思,無處,惆悵夜來烟月。想得此時情切,淚沾紅袖

牛嶠

《巻四09應天長二首其一》 玉樓春望晴煙滅,舞衫斜卷金調。黃鸝嬌囀聲初歇,杏花飄盡攏山雪。鳳釵低赴節,筵上王孫愁。鴛鴦對㘅羅結,兩情深夜月。

牛嶠

《巻四10應天長二首其二》 雙眉澹薄藏心事,清夜背燈嬌又醉。玉釵橫,山枕膩,寶帳鴛鴦春睡美。別經時,無恨意,虛道相思憔悴。莫信綵牋書裏,賺人腸斷字。

毛文錫

《巻五32應天長》 平江波暖鴛鴦語,兩兩釣舡歸極浦。蘆州一夜風和雨,飛起淺沙翹雪鷺。漁燈明遠渚,蘭棹今宵何處。羅袂從風輕舉,愁殺採蓮女。

顧夐

《巻七19應天長》 瑟瑟羅裙金線縷,輕透鵝黃香畫袴。垂交帶,盤鸚鵡,裊裊翠翹移玉步。背人勻檀炷,慢轉橫波覷。斂黛春情暗許,倚屏慵不語。

 

3. 花間集 教坊曲『應天長』 六首収められ、顧夐の作は一首収められている。双調四十九字、前段二十七字五句四仄韻、後段二十二字四句四仄韻で、❼❼3❸❼/❺❻6❺詞形をとる。

應天長

瑟瑟羅裙金線,輕透鵝黃香畫

垂交帶,盤鸚,裊裊翠翹移玉

背人勻檀,慢轉橫波

斂黛春情暗許,倚屏慵不

●●○○○●●  △●○○○●●

○○●  ○○● ??●△○●●

●○○○● ●●△○○●

●●○○●● △△○△●

 

瑟瑟羅裙金線縷,輕透鵝黃香畫袴。

さらさらと衣擦れがする、金糸の縫い取りのある薄絹のスカート、その下に薄く透く絵模様の黄のズボンから芳しい香りがしてくる。

4. 瑟瑟 【しつしつ】① 風が寂しく吹くさま。② 波の立つさま。瑟瑟座【しつしつざ】仏像の台座の一。スカートのすれ音の形容。なお、碧色の形容と解する説もある。

5. 鵝黃 淡黄色。

6. 袴 ズボン。

 

垂交帶,盤鸚鵡,裊裊翠翹移玉步。

結んだ帯を垂らし、鸚鵡が寝牀にわだかまる、簪の翡翠の羽飾り揺らして思わせぶりに歩みを移す。 

7. 交帯 結んだ帯。

8. 裊裊 揺れるさま。

9. 翠翹 簪の翡翠の羽飾り。

 

背人勻檀炷,慢轉橫波覷。

今度は背を向けて口紅整え、ゆっくりすこし首をふって流し目にして見てくる。

10. 勻檀炷 口紅をさして整える。檀は赤色。ここでは口紅のこと。

11. 慢轉橫波覷 ゆっくりと流し目をしてちらっと見る。

 

斂黛春情暗許,倚屏慵不語。

眉を顰めて、色情を催しているものの、暗にもう許そうとしていたのに、それっきりになり、もう、屏風を壁に立てかけたまま、閨に過ごすも物憂さにして、話す人もいないのだ。

12. 斂黛 眉を寄せる。

13. 春情 ① 春らしいようす。はるげしき。春色。  いろけ。春機。色情。

14. 暗許 何かの不都合なのか、あの時から寵愛を失った。それでもすべてを忘れ、許すから一度でもいいから愛されたいというほどの意。

15. 倚屏 年を取って、男性が寄り付かなくなった閨の様子をいう。屏風はベットの横に立てかけて個室のようにするためにある。その屏風を壁に倚りかけておいてあることはベットに一人寝することを意味する。この句が現実の今であり、此の句の前にあるすべての句は女が若くて魅力があった時の様子をいうのである。

 

 

 

 16.

彼女たちは皇帝の妻妾であり、錦衣を着て山海の珍味を食し、ひとたび呼ばわれば百人の下婦が答える、最も高貴にして最も権勢の高い人々であった。しかし、その運命は逆にまた最も不安定であり、いつでも天国から地獄に堕ち、甚だしい場合には「女禍」の罪名を負わされ犠牲の羊にされた。

 

唐は隋の制度を参照して完壁で精密な「内官」制度をつくった。その規定では、皇后一人、その下に四人の妃(貴妃、淑妃、徳妃、賢妃各一人)、以下順位を追って、九嬪(昭儀、昭容、昭媛、修儀、修容、修媛、充儀、充容、充媛各一人)、捷好九人、美人九人、才人九人、宝林二十七人、御女二十七人、采女二十七人が配置される。上記のそれぞれの女性は官品をもち、合計で122人の多きに達した。皇后だけが正妻であり、その他は名義上はみな「妃嬪」-皇帝の妾とされた。

 

唐代三百年間に封ぜられた后妃のうち、皇后と地位が比較的高いか、あるいは男子を生んだ妃嬢だけが史書にいささかの痕跡を残した。その他の女性は消え去って名も知れない。『新・旧唐書』「后妃伝」 には、全部で二十六人の皇后、十人の妃嫁が記載されている。その他で史書に名を留めているものはおよそ五、六十人である。その内、高祖、玄宗両時代の人が最も多い。高祖には竇皇后の他に、万貴妃、ヂ徳妃、宇文昭儀、莫嬢、孫嬢、佳境、楊嬢、小楊嬢、張捷好、郭妊婦、劉捷好、楊美人、張美人、王才人、魯才人、張宝林、柳宝林などがいた。玄宗には王皇后、楊皇后、武恵妃、楊貴妃、趨麗妃、劉華妃、銭妃、皇甫徳儀、郭順儀、武賢儀、董芳儀、高娃好、柳娃好、鍾美人、慮美人、王美人、杜美人、劉才人、陳才人、鄭才人、闇才人、常才人などがいた。もちろん史書に名を残せなかった人はさらに多い。史書の記載から見ると、高祖、玄宗両時代の妃嫁がたしかに最も多かったようである。

 

唐代の皇帝たちは、後宮の女性を選抜したり寵愛したりするのに、あまり尊卑貴賎を気にかけなかったが、彼女たちに地位・品級を賜る時には家柄をたいへん重視した。とりわけ皇后に立てる時には絶対に家柄が高貴でなければならず、「天下の名族を厳選」しなければならなかった(『資治通鑑』巻一九九、高宗永徴六年)。漢代に歌妓の衛子夫(武帝の皇后。もと武帝の姉の歌妓)や舞妓の超飛燕(成帝の皇后。もと身なし児で歌妓)が皇后になったようなことは、唐代には完全に跡を絶った。后妃に封ずる時は、まず「地肖清華」(家柄の高貴)、「軒冤之族」(貴顕なる名族)等々の出身であることが強調され、その次にやっと徳行が問われた。

 

唐代の記録にある二十六人の皇后の内、死後追贈された人、あるいは息子の即位によって尊ばれて太后に封ぜられた人、こうした若干の例外を除く他の大多数の皇后は、その時代の高官か名門の家柄の出であり、そのうちの八人はやはり皇族の出身であった。時に皇帝が家柄などにそう拘泥しないこともあったが、しかし大臣たちが家柄を最も有力な理由にして反対したので、皇帝でさえどうすることもできなかった。

 

皇后を立てることに比べて、妃嬪を立てることはわりあい簡単であり、家柄はそれほど厳格に問題にされることはなかった。彼女たちの大半は皇子を生むか、あるいは寵愛を受けたために妃嬢の品階を賜った者であったから、その中には身分の低い者もいくらか含まれていた。たとえば、玄宗の超麗妃は歌妓の出身であった。そうした例もあるが、しかし妃賓でも出身、家柄はやはり大切であった。太宗の楊妃は隋の場帝の娘であったから、「地位と名望が高く、内外の人々が皆注目した」(『新唐書』太宗諸子伝)。玄宗の柳捷好は名門大族の娘であり、玄宗は「その名家を重んじて」(『新唐書』十一宗諸子伝)特別な礼遇を与えた。

美人が雲のごとく集まっている後宮において、家柄は一頭地を抜くために必要な第一の跳躍台であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【字解集】・訴衷情二首其一

訴衷情二首其一

1. (寵愛を失っても、妃嬪にはなすすべはない、ただ寵愛を受ける準備をして整えるだけの毎日である、春の日も、秋の夜も待ち侘びて、毎日を過ごす妃嬪の心を詠う。)その一

2. 衷情 そいつわりのない心。まごころ。誠意。 「悶々の衷情」を訴える。

 

3. 『花間集』には顧夏の作が二首収められている。単調三十七字、十句七平韻二灰韻で単調三十三字、九句六平韻二仄韻で、7❸❷③⑤②⑤③の詞形をとる。

訴衷情二首 其一

香滅簾垂春漏永,整鴛

羅帶,雙,縷黃

外月光,沉

斷腸無處,負春

○●○○○●●  ●○○

○●△  ○● ●○○

?●●△△ ○○

●○○●○ ●○○

 

韋莊

《巻三17 訴衷情二首其一》 燭燼香殘簾半捲,夢初驚。花欲謝,深夜,月朧明。何處按歌聲,輕輕。舞衣塵暗生,負春情。

韋莊

《巻三18 訴衷情二首其二》 碧沼紅芳煙雨靜,倚蘭橈。垂玉珮,交帶,裊纖腰。鴛夢隔星橋,迢迢。越羅香暗銷,墜花翹。

毛文錫

《巻五30 訴衷情二首其一》 桃花流水漾縱橫,春晝彩霞明。劉郎去,阮郎行,惆悵恨難平。愁坐對雲屏,算歸程。何時攜手洞邊迎,訴衷情。

毛文錫

《巻五31 訴衷情二首其二》 鴛鴦交頸繡衣輕,碧沼藕花馨。隈藻荇,映蘭汀,和雨浴浮萍。思婦對心驚,想邊庭。何時解珮掩雲屏,訴衷情。

顧夐

《巻七20 訴衷情二首其一》 香滅簾垂春漏永,整鴛衾。羅帶重,雙鳳,縷黃金。外月光臨,沉沉。斷腸無處尋,負春心。

顧夐

《巻七21 訴衷情二首其二》 永夜人何處去,來音。香閣掩,眉斂,月將沉。怎忍不相尋?鴛孤衾。換我心為你心,始知相憶深。

魏承班

《巻九05 訴衷情五首其一》  高歌宴罷月初盈,詩情引恨情。煙露冷,水流輕,思想夢難成。羅帳香平,恨頻生。思君無計睡還醒,隔層城。

魏承班

《巻九06 訴衷情五首其二》  春深花簇小樓臺,風飄錦開。新睡覺,,山枕印紅腮。鬢亂墜金釵,語檀隈。臨行執手重重囑,幾千迴。

魏承班

《巻九07 訴衷情五首其三》  銀漢雲晴玉漏長,蛩聲悄畫堂。簟冷,碧涼,紅䗶淚飄香。皓月瀉寒光,割人腸。那堪獨自池塘,對鴛鴦。

魏承班

《巻九08 訴衷情五首其四》  金風輕透碧紗,銀釭影斜。倚枕臥,恨何,山掩小屏霞。雲雨別娃,想容華。夢成幾度遶天涯,到君家。

魏承班

《巻九09 訴衷情五首其五》  春情滿眼臉紅,嬌妬索人饒。星靨小,玉搖,幾共醉春朝。別後憶纖腰,夢魂勞。如今風葉又蕭蕭,恨迢迢。

 

 

香滅簾垂春漏永,整鴛衾。

閨にはお香は焚かれることがなく、簾はおろしたままで、春というのに時は日ごとに日が長くなってゆく、漏刻の音をいつまでもただ聞いているだけである、それでも、鴛鴦の布団を整えている。

4. 春漏永 日ごとに日が長くなってゆく、漏刻の音をいつまでもただ聞いているだけであるという意。

5. 整鴛衾 寵愛を受けるために鴛鴦の布団を整えている

 

羅帶重,雙鳳,縷黃金。

薄絹をつけ帯を重ねて、裾にはツガイの鳳凰があり、金の縁取りがしてある。

 

外月光臨,沉沉。

季節は秋に変わって、この夜も窓の外は、月が明るく照らすのを臨みつつ、 秋のよるは沉沉と更けてゆく。

6. 外月光臨 季節が秋に変わって、この夜も窓の外は、月が明るくてらすのをながめつつ、沉沉 秋のよるはしんしんと更けてゆく。秋の夜は日ごとに長くなってゆく様を言う。

 

斷腸無處尋,負春心。

腸が斬れるほど悶えていても尋ねるところも、術さえもない、春の夜を過ごしたいという思いは裏切られた。

7. ・斷腸 春の夜を二人で過ごすことが満たされなく悶々とすることをいう。

8. ・無處尋 どこにいるのか尋ねようもない。尋ねるところがない、探してはいけない

9. ・負春心 待ちのぞんでいるあの人と春の夜を過ごす思いに背くことしかできない。どうすることもできないことをいう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【字解集】・訴衷情二首其二

訴衷情二首其二

1. (どこかに出かけたきり帰らぬ男を待つ女、何時しか時が過ぎて愁いを持ったまま過ごし女ではなくなると恨みを詠う。)

 

2. 『花間集』には顧夏の作が二首収められている。

訴衷情二首 其一  単調三十七字、十句七平韻二灰韻で7❸❷③⑤②⑤③の詞形をとる。

香滅簾垂春漏永,整鴛

羅帶,雙,縷黃

外月光,沉

斷腸無處,負春

○●○○○●●  ●○○

○●△  ○● ●○○

?●●△△ ○○

●○○●○ ●○○

訴衷情二首其二  単調三十八字、九句六平韻二仄韻、7③❸❸③⑤③⑥⑤の詞形をとる。

永夜人何處去,

香閣,眉,月將

怎忍不相?鴛孤

換我心為你,始知相憶

●●○○△●●  ●△○

○●●  ○● ●△○ 

?●△△○ ○○○

●●○○●○  ●○△●△

 

永夜人何處去,來音。

秋の夜長を一人で過ごす、突然、私を放ってどこへ行ってしまったのか。この閨にくる足音などない。

3. 永夜 期間的に長いこと、1,2、年の長さではない。ずっと長く立ってしまった夜うをいう。

4. 人 出て行くこともわからず、突然に出て行ったこと、すてられることをいう。突然に寵愛を失う。

5. 来音 来信、知らせ。

 

香閣掩,眉斂,月將沉。

それでもなお、閏でお香を焚く、いつの間にか眉間を寄せるようになる、独りで過ごす夜はとても長いはずなのにまさに月が今しも沈みかかるようになっている。

6. 香閤 婦人の寝室。闇は関。

7. 月将沈 月は沈もうとしている。将は今に〜しそうだ、の意。月が沈むのは十日過ぎから二十日までの間、月は女性とされ女性でなくなることをイメージさせるもの。

 

怎忍不相尋?鴛孤衾。

この愁いは耐え忍ぶよりない、相手のことを訪ねることは許されない、鴛鴦用の寝牀に独りで布団に入るしかない。

8. 孤衾 寝牀は相当広く、そこでの布団もWベッド以上もある。そこで独り寝する意。

 

換我心為你心,始知相憶深。

私の心を、あなたの心にしたならば、その時初めて我が思いの深さを知るでしょう。

 

(衷情を訴える二首其の一)

香滅し 簾垂れ 春漏 永ければ,鴛衾を整う。

羅帶 重く,雙つながらの鳳,黃金を縷す。

外 月光臨み,沉沉たり。

斷腸 尋ぬる處無く,春心に負る。

 

其二

永い夜 人をち 何處にか去る,來音つ。

香閣 掩い,眉斂め,月將に沉まんとす。

怎で忍ばん 相いに尋ねざらんや?鴛 孤衾す。

我が心に換えて你の心を為せば,始めて知る 相いに深く憶うを。

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