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花間集 巻六・七 顧敻 五十五首 

花間集 訳注解説 (332)回目顧敻巻六49玉樓春四首其二 》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9793

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332)回目顧巻六49玉樓春四首其二 》

 

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花間集 訳注解説 (332)回目顧巻六49玉樓春四首其二 》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9793

(春の日、あれほどの寵愛を受けていたがいつしか、香炉に火も消え、それからずっと長い間泣さられ続け、涙にぬれた顔には眉をかくことも出来ないと詠う。)

柳の緑を映し、後宮大掖池に高殿を水面に映して、春の日は暮れてゆく。春雨の小ぬか雨に、風がそよいで萌える池塘を満面にした春草を軽くなでてゆく。

鮮やかな色の壁の御殿の奥堂に、鸚鵡は彫刻で飾られた籠のなかで話している。花鈿の化粧をして、牀の傍の屏風の内にいつまでもなお,布団に半ば掩いかくされていたのだ。

ところが今は、香が消え、鳳凰の刺繍のとばりの内は、寂寂とした静けさ、どこにも行かないし、誰も来ないもはや高楼の檻の中だけで、何も、誰とも話さない、寵愛を思い、愁いの心さえも遠い日のこと。

それにしても、恨むのは心を奪ったあの阮郎、どこにいるのか、ほったらかしにし続けられて狂いそうだ。こんなにも長い間、泣さられ続け、涙にぬれた顔には眉をかくことも出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花間集 巻六 顧  十八首

 

 

     巻七 顧 三十七首

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顧敻 玉樓春四首

15

巻六48

玉樓春四首其一 

月照玉樓春漏促,颯颯風搖庭砌竹。夢驚鴛被覺來時,何處管絃聲斷續。惆悵少年游冶去,枕上兩蛾攢細綠。曉鶯簾外語花枝,背帳猶殘紅燭。

16

巻六49

玉樓春四首其二 

柳映玉樓春日晚,雨細風輕煙草軟。畫堂鸚鵡語雕籠,金粉小屏猶半掩。香滅繡幃人寂寂,倚檻無言愁思遠。恨郎何處縱疎狂,長使含啼眉不展。

17

巻六50

玉樓春四首其三 

月皎露華影細,風送菊香粘繡袂。博山爐冷水沉微,惆悵金閨終日閉。懶展羅衾垂玉淚,羞對菱花篸寶髻。良宵好事枉教休,無計那他狂耍壻。

18

巻六51

玉樓春四首其四 

拂水雙飛來去鷰,曲檻小屏山六扇。春愁凝思結眉心,綠綺懶調紅錦薦。話別情多聲欲戰,玉筋痕留紅粉面。鎮長獨立到黃昏,卻怕良宵頻夢見。

 

 

牛嶠

《巻四24玉樓春》  春入橫塘搖淺浪,花落小園空惆悵。此情誰信為狂夫,恨翠愁紅流枕上。小玉前嗔鷰語,紅淚滴穿金線縷。鴈歸不見報郎歸,織成錦字封過與。

魏承班

《巻九03玉樓春二首 其一》  寂寂畫堂梁上,高卷翠簾橫數扇。一庭春色惱人來,滿地落花紅幾片。愁倚錦屏低雪面,羅金縷線。好天涼月盡傷心,為是玉郎長不見。

魏承班

《巻九04玉樓春二首 其二》  輕斂翠蛾呈皓齒,鶯囀一枝花影裏。聲聲清迥遏行雲,寂寂畫梁塵暗起。玉滿斟情未已,促坐王孫公子醉。春風筵上貫珠色韶顏嬌旖旎

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲《玉樓春四首其一》顧

 

 

花間集 訳注解説

 

 

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9758

 

 

 


『唐六典』 の内官制度の規定によると、后妃たちにも職務が決められていた。妃嬪は皇后を補佐し、「坐して婦礼を論じ」、「内廷に在って万事を統御する」、六儀(後宮にある六つの官庁)は「九御(天子に奉侍する女官たち)に四徳(婦徳・婦言・婦容・婦功)を教え、傘下の婦人を率いて皇后の儀礼を讃え導く」、美人は「女官を率いて祭礼接客の事を修める」、才人は「宴会、寝所の世話を司り、糸枲のことを理め、その年の収穫を帝に献じる」等々。しかしながら、これらの仕事も大半は形式的なもので、なんら実際の労働ではなかった。形式的な「公職」以外で、彼女たちの生活の最も重要なことは、言うまでもなく皇帝の側に侍り、外出の御供をすることであった。彼女たち自身の私的な生活はと言えば、ただいろいろな娯楽、遊戯を思いついては日時をすごし、いかにして孤独と退屈をまざらわすかということに尽きる。「内庭の嬪妃は毎年春になると、宮中に三人、五人と集まり、戯れに金銭を投げ表裏を当てて遊んだ。これは孤独と苦悶の憂さを晴らすためであった」、「毎年秋になると、宮中の妃妾たちは、美しい金製の小龍に蟋蟀を捉えて閉じ込め、夜枕辺に置いて、その鳴き声を聴いた」(王仁裕『開元天宝遺事』巻上)。これらが彼女たちの優閑無聊の生活と娯楽や気晴らしのちょっとした描写である。

 

玉樓春四首 其一

(春の酒宴の後必ず二人で過ごしたが春も終われば、青年の道楽者は去っていった、また春が来てももう一人で管弦の音楽を遠くに聞くだけである夜の嘆きを詠う。)

月照玉樓春漏促,颯颯風搖庭砌竹。

晴れ渡った夜、月光が照らし高殿がかがやく、春の夜は速く過ぎる、風はサーッと抜け、寝殿の庭のみぎりの竹を揺らす。

夢驚鴛被覺來時,何處管絃聲斷續。

風の音におどろいて、鴛蔦模様の掛け布団の中夢が覚めた時、何処の高殿から、笛と琴の聞き覚えのある音楽が途切れ途切れに聞こえてくる。

惆悵少年游冶去,枕上兩蛾攢細綠。

それにしてもうらめしいことはあの青年の道楽者は帰ってこない、妃嬪は枕辺にただひとり、二つなのは細き翠の蛾の眉を書いてまだ若い魅力を持っている。

曉鶯簾外語花枝,背帳猶殘紅燭。

夜明けの鶯が、簾の外で花の枝にとまって春を告げ、囁き交わす。帳を背にして、二人で夜を過ごすための紅蝋燭の火はなお燃えさかる。 

(玉樓春四首 其の一)

月 玉樓を照し 春 漏促し,颯颯として風 庭の砌の竹を搖す。

夢 鴛被に驚き 覺めて來たる時こそ,何處なるか 管絃 聲 斷續するを。

惆悵するは 少年 游冶に去るなり,枕上 兩蛾 細綠を攢【ひそ】む。

曉鶯 簾外に 花枝に語り,帳を背にして 猶お 紅の燭を殘す。

 

玉樓春四首其二

(春の日、あれほどの寵愛を受けていたがいつしか、香炉に火も消え、それからずっと長い間泣さられ続け、涙にぬれた顔には眉をかくことも出来ないと詠う。)

柳映玉樓春日晚,雨細風輕煙草軟。

柳の緑を映し、後宮大掖池に高殿を水面に映して、春の日は暮れてゆく。春雨の小ぬか雨に、風がそよいで萌える池塘を満面にした春草を軽くなでてゆく。

畫堂鸚鵡語雕籠,金粉小屏猶半掩。

鮮やかな色の壁の御殿の奥堂に、鸚鵡は彫刻で飾られた籠のなかで話している。花鈿の化粧をして、牀の傍の屏風の内にいつまでもなお,布団に半ば掩いかくされていたのだ。

香滅繡幃人寂寂,倚檻無言愁思遠。

ところが今は、香が消え、鳳凰の刺繍のとばりの内は、寂寂とした静けさ、どこにも行かないし、誰も来ないもはや高楼の檻の中だけで、何も、誰とも話さない、寵愛を思い、愁いの心さえも遠い日のこと。

恨郎何處縱疎狂,長使含啼眉不展。

それにしても、恨むのは心を奪ったあの阮郎、どこにいるのか、ほったらかしにし続けられて狂いそうだ。こんなにも長い間、泣さられ続け、涙にぬれた顔には眉をかくことも出来ない。

(玉樓春四首其の二)

柳 玉樓を映し 春の日の晚,雨 細く 風 輕く 煙草 軟かなり。

畫堂 鸚鵡 雕籠に語り,金粉 小屏 猶お半ば掩う。

香 滅し 繡幃 人 寂寂たり,檻に倚り 言無く 愁思 遠くなる。

郎も恨み 何處にか 疎しく狂するを縱【ほいままに】し,長く含啼【がんてい】せしめて 眉 展びず。

 

其三

月皎露華影細,風送菊香粘繡袂。

博山爐冷水沉微,惆悵金閨終日閉。

懶展羅衾垂玉淚,羞對菱花篸寶髻。

良宵好事枉教休,無計那他狂耍壻。

 

其四

拂水雙飛來去鷰,曲檻小屏山六扇。

春愁凝思結眉心,綠綺懶調紅錦薦。

話別情多聲欲戰,玉筋痕留紅粉面。

鎮長獨立到黃昏,卻怕良宵頻夢見。

採蓮 03  

 

《玉樓春四首其二》 現代語訳と訳註

(本文)

玉樓春四首 其二

柳映玉樓春日晚,雨細風輕煙草軟。

畫堂鸚鵡語雕籠,金粉小屏猶半掩。

香滅繡幃人寂寂,倚檻無言愁思遠。

恨郎何處縱疎狂,長使含啼眉不展。

 

(下し文)

(玉樓春四首其の二)

柳 玉樓を映し 春の日の晚,雨 細く 風 輕く 煙草 軟かなり。

畫堂 鸚鵡 雕籠に語り,金粉 小屏 猶お半ば掩う。

香 滅し 繡幃 人 寂寂たり,檻に倚り 言無く 愁思 遠くなる。

郎も恨み 何處にか 疎しく狂するを縱【ほいままに】し,長く含啼【がんてい】せしめて 眉 展びず。

 

(現代語訳)

(春の日、あれほどの寵愛を受けていたがいつしか、香炉に火も消え、それからずっと長い間泣さられ続け、涙にぬれた顔には眉をかくことも出来ないと詠う。)

柳の緑を映し、後宮大掖池に高殿を水面に映して、春の日は暮れてゆく。春雨の小ぬか雨に、風がそよいで萌える池塘を満面にした春草を軽くなでてゆく。

鮮やかな色の壁の御殿の奥堂に、鸚鵡は彫刻で飾られた籠のなかで話している。花鈿の化粧をして、牀の傍の屏風の内にいつまでもなお,布団に半ば掩いかくされていたのだ。

ところが今は、香が消え、鳳凰の刺繍のとばりの内は、寂寂とした静けさ、どこにも行かないし、誰も来ないもはや高楼の檻の中だけで、何も、誰とも話さない、寵愛を思い、愁いの心さえも遠い日のこと。

それにしても、恨むのは心を奪ったあの阮郎、どこにいるのか、ほったらかしにし続けられて狂いそうだ。こんなにも長い間、泣さられ続け、涙にぬれた顔には眉をかくことも出来ない。

 

採蓮 01   

(訳注)

玉樓春四首其二

 10. (春の日、あれほどの寵愛を受けていたがいつしか、香炉に火も消え、それからずっと長い間泣さられ続け、涙にぬれた顔には眉をかくことも出来ないと詠う。)

 

11. 『花間集』には七首所収。顧夏の作は四首収められている。双調五十六字、前段二十八字四句三仄韻、後段二十八字四句二仄韻で、❼❼7❼/77❼の詞形をとる。

玉樓春四首 其一

月照玉樓春漏,颯颯風搖庭砌

夢驚鴛被覺來時,何處管絃聲斷

惆悵少年游冶去,枕上兩蛾攢細

曉鶯簾外語花枝,背帳猶殘紅

●●●○○●●  ●●△○○●●

△○○●●△○  △●●△○●●

○●●○○●●  △●●△●●●

●○○●●○○  ●●△○○●●

玉樓春四首 其二

柳映玉樓春日,雨細風輕煙草

畫堂鸚鵡語雕籠,金粉小屏猶半

香滅繡幃人寂寂,倚檻無言愁思

恨郎何處縱疎狂,長使含啼眉不

●●●○○●●  ●●△△○●●

●○○●●○△  ○●●△△●●

○●●○○●●  △●○○○△●

●○△●△△△  △●○○○△●

 

柳映玉樓春日晚,雨細風輕煙草軟。

柳の緑を映し、後宮大掖池に高殿を水面に映して、春の日は暮れてゆく。春雨の小ぬか雨に、風がそよいで萌える池塘を満面にした春草を軽くなでてゆく。

12. 柳・春・雨・細・風・輕・煙・草・軟 寵愛を受け絶頂の時を過ごすのを表す語句である。別の意味では、性行為を連想させる語である。柳は男性、雨は女性、柳が揺れ、草が揺れると、いずれにしても、寵愛を受け仲良かったころの男女を表現するもの。

 

畫堂鸚鵡語雕籠,金粉小屏猶半掩。

鮮やかな色の壁の御殿の奥堂に、鸚鵡は彫刻で飾られた籠のなかで話している。花鈿の化粧をして、牀の傍の屏風の内にいつまでもなお,布団に半ば掩いかくされていたのだ。

13. 金粉小屏猶半掩 金の白粉は花鈿に使用されたもので、閨の二人の行為を連想させる語である。 花鈿: 仏粧は唐代に入ってからさらに中国の特徴的な化粧として完成した。〈的〉は紅で眉間にさまざまな紋様を描く〈花鈿(かでん)・花子(かし)〉に発達し,また唇の両側に黒点や緑点を描く〈靨鈿(ようでん)・粧靨(しようよう)〉がうまれた。さらに女子俑(よう)に見られるように両ほおに紅で華やかな草花模様を描くようになった。半掩:閨の二人の行為をいい、顧夐『甘州子五首其四』「露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。山枕上,翠鈿鎮眉心。」の「鎮眉心」という表現と同様の意味になる。 鎮眉心:上から押さえる。男の眉と女の眉を重ね、心を重ね合わすこと。

 

香滅繡幃人寂寂,倚檻無言愁思遠。

ところが今は、香が消え、鳳凰の刺繍のとばりの内は、寂寂とした静けさ、どこにも行かないし、誰も来ないもはや高楼の檻の中だけで、何も、誰とも話さない、寵愛を思い、愁いの心さえも遠い日のこと。

14. 倚檻 この時代の女性は自分の意志で何処かに行くことはできない。歳を重ねるとその閨だけの生活になってしまう。この二句は、女の寂しい様子をいうものである。

 

恨郎何處縱疎狂,長使含啼眉不展。

それにしても、恨むのは心を奪ったあの阮郎、どこにいるのか、ほったらかしにし続けられて狂いそうだ。こんなにも長い間、泣さられ続け、涙にぬれた顔には眉をかくことも出来ない。

15. 恨郎/阮郎 別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。しかし、もはや、怨みにしか思えない男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。

 

 

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