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花間集 字解集

花間集 訳注解説 (330)回目顧敻【字解集】河傳 三首・甘州子五首》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9779

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330)回目顧【字解集】河傳 三首・甘州子五首

 

20171223

の紀頌之"6"つの校注Blog

#7 夢遊天姥吟留別

§4-1 元和聖德詩 #13

孟倉曹步趾領新酒醬二物滿器見遺老夫

【字解集】河傳 三首・甘州子五首

合歡詩五首其四 #3

酬李郢夏日釣

李白詩

韓愈詩

杜甫詩

花間集

玉臺新詠

中国古代史女性論

 

 

20171223

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10年のBLOGの集大成

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、現在、李白詩全詩 訳注

Ⅰ李白詩

(李白集校注)

746-018-#7卷一七四 夢遊天姥吟留別(卷十五(一)八九八)Ⅰ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集Blog9776

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746年【字解集】  14.答從弟幼成過西園見贈  15.酬中都小吏攜斗酒雙魚於逆旅見贈  16.張卿夜宿南陵見贈  17.經下邳圮橋懷張子房 Ⅰ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集Blog9728

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楚辞・九歌》東君

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10年のBLOGの集大成

●唐を代表する 中唐 韓愈 全500首 

Ⅱ韓昌黎詩集・文集校注

807年元和二年40歳- 巻一-01§4-1 元和聖德詩 #13 Ⅱ漢文委員会kanbuniinkai頌之韓愈詩集9770

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806年-集23- 韓昌黎集【字解集】送許郢州序 Ⅱ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之韓愈詩集9491

・李商隠詩 (1) 136首の75

・李商隠詩 (2) 135首の61

韓愈1 ・孟郊・張籍と汴州乱41

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index-11 819年『論佛骨表』左遷 38

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index-13 821年~822年 22

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韓愈 哲学・儒学「五原」

孟郊

 

10年のBLOGの集大成

 

 

 

●杜甫の全作品1500首を訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"

Ⅲ 杜詩

詳注

767年-187 孟倉曹步趾領新酒醬二物滿器見遺老夫(卷二○(四)一七五八)注(1203)「楚岸通秋屐」 Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9771

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767年-集-21 【字解集】 ・寄峽州劉伯華使君四十韻  Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9366

767年 【字解集】152.課小豎鉏斫舍北果,林枝蔓荒穢淨,訖移床,三首 155.反照 157.向夕 Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai頌之の漢詩ブログ9645

杜甫詩(1)736~751年  53

杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73

杜甫詩(3)45歳 安史の乱に彷徨う 26

杜甫詩(4)757年、左拾遺 43

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杜甫詩(7)759年秦州詩 66

杜甫詩(8)759年同谷紀行、成都紀行36

杜甫詩(9)760年、49歳 成都 45

杜甫詩(10)761年、50歳 成都82

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杜甫詩(12)762年 蜀中転々 49

(13)763年蜀中転々 96

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(16-1) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)80

(16-2) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)81

 

杜甫詩 (17-1)767年夔州・西閣・赤甲・瀼西132

杜甫詩 (17-2) 767年・瀼西・東屯 133

杜甫詩 (18)768年江陵・公安縣・岳州 78

杜甫詩 (19)769年・洞庭湖・潭州・衡州 78

杜甫詩 (20)770年・洞庭湖・潭州・衡州。27

杜甫詩 (21)洩れ分(未詳分)・散文

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花間集 訳注解説 (330)回目顧【字解集】河傳 三首・甘州子五首》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9779 (12/23)

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花間集 訳注解説 (313)回目和凝【字解集】11柳枝三首  12.漁父一首》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9639 (12/07)

 

 

 

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●花間集全詩●森鴎外の小説の”魚玄機”詩、芸妓”薛濤”詩。唐から五代詩詞。花間集。玉臺新詠連載開始

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花間集 訳注解説 (330)回目顧【字解集】河傳 三首・甘州子五首》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9779

 

【字解集】

河傳 三首其一 

河傳 三首其二 

河傳 三首其三 

河傳 三首其一              

鷰颺,晴景。小屏暖,鴛鴦交頸。菱花掩卻翠鬟欹,慵整。

海棠簾外影。繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。

東風,春正濃。愁紅,淚痕衣上重。

(河傳三首 其の一)

鷰颺【まいあが】り,景を晴らす。

は、屏は、暖かに,鴛鴦 頸を交わす。

菱花 卻を掩い翠鬟 欹【そばだ】つ,整を慵く。海棠 簾外の影。

繡幃 香斷し 金の鸂鶒【けいちょく】たり,消息無ければ,心事 空しく相い憶う。

東風あるも,春 正に濃ゆ。

紅に愁い,淚痕 衣の上 重る。

河傳三首 其の一

1.(水辺の娼屋の女が帰ってこない男を思って詠う。)(河を題材にした悲しい三つの逸話 其の一)

河傳三首

2. 【構成】『花間集』には顧夐の作が三首収められている。河傳三首 其一 双調五十一字、前段三十三字八句六仄韻、後段二十字六句四平韻二仄韻で、2❷47❷❼/❸②③②⑤の詞形をとる。

鷰颺   屏暖  鴛鴦交
●△  ○● ●?△●  ○○○△

菱花掩卻翠鬟  
○○●●●○○  ○●

海棠簾外  繡幃香斷金鸂
●○○●●  ●○○●○○?

無消  心事空相
○○●  ○●△△●

  春正   淚痕衣上

○△  ○△○ ○○  ●○△●△

【溫庭筠】

温庭筠の作は三首収められている。双調五十五字、前段二十七字七句二仄韻五平韻、後段二十八字七句三仄韻四平韻で、❷❷③⑥⑦②⑤/❼❸❺③③②⑤の詞形をとる。

   曉妝  仙景箇女採

○●  △● ●○○  ○●●●●△

請君莫向那岸  少年 好花新滿【セン】

△○●●△●○  ●○ ●○○●○

紅袖搖曳逐風 垂玉  腸向柳絲

○●○●●△● ○●●  ○●●○●

浦南  浦北 莫  晚來人已

●○○  ●●○ ●○  ●△○●○

 

【韋莊】

韋莊の作が三首収められていて双調五十三字、前段二十五字七句三仄韻三平韻、後段二十八字六句三仄韻二平韻で❷❷❹④4⑥③/❼❸❺4⑥③詞形をとる。

韋荘105《巻3-05 河傳三首 其一》
   隋堤春  柳色蔥
△●  ○● △△○●  ●●○▲

畫橈金縷  翠旗高颭香風 水光

●△○●  ●○○●○△ ●△○ 

青娥殿春妝 輕雲  綽約司花
○○●●○○● △○●  ●●○○△

江都宮闕  清淮月映迷 古今

○○○●  ○○●●○○ ●○○

 

鷰颺,晴景。

春の盛りの景色、燕が舞い上がる季節が訪れる。

3. 颺 風で舞い上がる.

 

屏暖,鴛鴦交頸。

小さな高窓に日が射し、屏風の閨も暖かくなり、園内の池の鴛鴦が頭を交わして喜んでいる。

 

菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。

菱の花が垂れる簪が翠鬟に欹て、覆っている、物憂げに整えると、海棠の花が簾に、日影を落とす。

4. 慵 なんとなく心が晴れ晴れしない。だるくておっくうである。苦しい。つらい。

5. 翠鬟 若いみどりの黒髪のもとどり 

牛嶠

巻四22酒泉子記得去年,煙暖杏園。花正發,雪飄香,江艸綠,柳絲長。鈿車纖手捲簾望,眉學春山樣。鳳釵低裊翠鬟,落梅粧。

張泌

巻四31浣溪沙十首其四依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

毛文錫

巻五11中興樂豆花繁煙豔深,丁香軟結同心。翠鬟女,相與共淘金。紅蕉葉裏猩猩語,鴛鴦浦,鏡中鸞舞。絲雨隔,荔枝陰。

和凝

巻六16臨江仙二首其一  海棠香老春江晚,小樓霧縠濛。翠鬟初出繡簾中,麝煙鸞珮蘋風。碾玉釵搖鸂鶒戰,雪肌雲鬢將融。含情遙指碧波東,越王臺殿蓼花紅。

顧夐

巻六40河傳三首其一鷰颺,晴景。小屏暖,鴛鴦交頸。菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。東風,春正濃。愁紅,淚痕衣上重。

毛熙震

《巻九45女冠子二首其一》  碧桃紅杏,遲日媚籠光影,彩霞深。香暖薰鶯語,風清引鶴音。翠鬟冠玉葉,霓袖捧瑤琴。應共吹簫侶,暗相尋。

張泌

巻四31浣溪沙十首其四依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

和凝

巻六16臨江仙二首其一海棠香老春江晚,小樓霧縠濛。翠鬟初出繡簾中,麝煙鸞珮蘋風。碾玉釵搖鸂鶒戰,雪肌雲鬢將融。含情遙指碧波東,越王臺殿蓼花紅。

顧夐

巻六40河傳三首其一鷰颺,晴景。小屏暖,鴛鴦交頸。菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。東風,春正濃。愁紅,淚痕衣上重。

毛文錫

巻五11中興樂豆花繁煙豔深,丁香軟結同心。翠鬟女,相與共淘金。紅蕉葉裏猩猩語,鴛鴦浦,鏡中鸞舞。絲雨隔,荔枝陰。

毛文錫

巻五11中興樂豆花繁煙豔深,丁香軟結同心。翠鬟女,相與共淘金。紅蕉葉裏猩猩語,鴛鴦浦,鏡中鸞舞。絲雨隔,荔枝陰。

張泌

巻四31浣溪沙十首其四依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

張泌

巻四31浣溪沙十首其四依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

和凝

巻六16臨江仙二首其一海棠香老春江晚,小樓霧縠濛。翠鬟初出繡簾中,麝煙鸞珮蘋風。碾玉釵搖鸂鶒戰,雪肌雲鬢將融。含情遙指碧波東,越王臺殿蓼花紅。

6. 海棠 バラ科の落葉小高木。枝は紫色で垂れ下がり、葉は楕円形。4月ごろ、紅色の花が下向きに咲き、実は丸く、黄褐色に熟す。中国の原産で、庭木などにする。垂枝(すいし)海棠。花(はな)海棠。

 

繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。

刺繍のとばりの閨にお香は断たれるも、金糸の鸂鶒が残される。いまも音沙汰なく、心に思うことは、その時の事が、空しく思い出す。

7. 鸂鶒(オシドリに似た水鳥)が描かれている。オスは凛とした様子で岸辺に立ち、メスは地面に伏せている。風に揺れるガマの葉、枯れて萎びた蓮、水面にうっすらと影が映っていることを連想させる。

 

東風,春正濃。

また、春風が吹き始め、春はまさに緑濃くなっていく。

 

愁紅,淚痕衣上重。

また、悲愁の秋にその葉が赤く色づく、涙の後は頬に残り、流れた涙は上衣に重なって残る。

 

 

河傳 三首其二              

曲檻,春晚。碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,枝繁鶯囀,野蕪似剪。

直是人間到天上,堪遊賞,醉眼疑屏障,對池塘,惜韶光,斷腸為花須盡狂。

(河傳三首 其の二)

曲の檻,春の晚に。

碧の流れ 紋細やかに,綠の楊 絲軟らかに,露の花,鮮やかな杏に,

枝繁り 鶯囀く,野の蕪 剪に似る。

直ちに是れ人間 天上に到り,遊賞に堪える,

醉眼 屏障【びょうしょう】を疑い,池塘に對す,

韶光を惜み,花の為に斷腸し須らく盡く狂う。

河傳三首其二

8. (池のほとりにある奥まったところにある御殿に、はるの景色は広がるが、寵愛を失った妃賓は酔いつぶれてしまっている、もう長いこと寵愛を受けることないので苦しく春の日を過ごす。)

9. 詩題の『河傳』の水際の高楼の盛春から晩春にかけての景色を述べる。この事によって妃嬪の盛りを過ぎることを連想させる。

 

10. 【構成】『花間集』には顧夐の作が三首収められている。双調五十一字、前段二十八字八句六仄韻、後段二十八字六句四平韻二仄韻で、❷❷4❹❻2❹❹/❼❸⑤③③⑦の詞形をとる。

河傳三首 其二

,春

碧流紋細,綠楊絲,露花,鮮

枝繁鶯,野蕪似

直是人間到天,堪遊

醉眼疑屏,對池

惜韶,斷腸為花須盡

●●  ○●

●○○●  ●○○● ●○  △●

○○○●  ●○●●

●●○△●○●  ○○●

●●○△△  ●○○

●○△  ●○○○○●△

河傳三首 其一 双調五十一字、前段三十三字八句六仄韻、後段二十字六句四平韻二仄韻で、2❷47❷❼/❸②③②⑤の詞形をとる。

鷰颺   屏暖  鴛鴦交
●△  ○● ●?△●  ○○○△

菱花掩卻翠鬟  
○○●●●○○  ○●

海棠簾外  繡幃香斷金鸂
●○○●●  ●○○●○○?

無消  心事空相
○○●  ○●△△●

  春正   淚痕衣上

○△  ○△○ ○○  ●○△●△

【溫庭筠】

温庭筠の作は三首収められている。双調五十五字、前段二十七字七句二仄韻五平韻、後段二十八字七句三仄韻四平韻で、❷❷③⑥⑦②⑤/❼❸❺③③②⑤の詞形をとる。

   曉妝  仙景箇女採

○●  △● ●○○  ○●●●●△

請君莫向那岸  少年 好花新滿【セン】

△○●●△●○  ●○ ●○○●○

紅袖搖曳逐風 垂玉  腸向柳絲

○●○●●△● ○●●  ○●●○●

浦南  浦北 莫  晚來人已

●○○  ●●○ ●○  ●△○●○

 

【韋莊】

韋莊の作が三首収められていて双調五十三字、前段二十五字七句三仄韻三平韻、後段二十八字六句三仄韻二平韻で❷❷❹④4⑥③/❼❸❺4⑥③詞形をとる。

韋荘105《巻3-05 河傳三首 其一》
   隋堤春  柳色蔥
△●  ○● △△○●  ●●○▲

畫橈金縷  翠旗高颭香風 水光

●△○●  ●○○●○△ ●△○ 

青娥殿春妝 輕雲  綽約司花
○○●●○○● △○●  ●●○○△

江都宮闕  清淮月映迷 古今

○○○●  ○○●●○○ ●○○

 

曲檻,春晚。

奥まったところの欄干に晩春の夕闇が迫っている。

 

碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,

碧水は澄み緩やかに波紋が細やかにながれ広がり、緑のしだれ柳は柔らかに枝を揺らす。杏の花が露をためて鮮やかに映える。

11. 詩題の『河傳』の水際の高楼の盛春から晩春にかけての景色を述べる。この事によって妃嬪の盛りを過ぎることを連想させる。

 

枝繁鶯囀,野蕪似剪。

枝が茂れば、鶯は囀り、野の蕪はきれいに切りそろえた様に頭をそろえる。

12. 此の二句は妃嬪は多ければ100人を超える場合もあり、数人、数十人というのはどんな時でも当たり前のことである。春の宴、行楽において妃嬪、美女を並べたことをしめす。妃嬪、美人を常に集めて選ぶというのは、春の一大行事である。それを商売にしているものがいることがうかがえる。

 

直是人間到天上,堪遊賞,

こんな人の世のことが天上でも行われている、そこでは遊び事であっても耐えるだけである。

 

醉眼疑屏障,對池塘,

御殿に対面した池の堤防にびっしり春の草が生えていて、寵愛を失えばいつも酒に酔いつぶれた眼でいて、疑われるので屏風や障子や幔幕で仕切る。

13. 池塘 池の堤防にびっしり春の草が生えている、庭園の柳の梢に鳴いている小鳥たちも冬のものと違って聞こえてくる。謝靈運《登池上樓》「池塘生春草,園柳變鳴禽。」

登池上樓 #2 謝靈運<25>#2  詩集 396 kanbuniinkai紀 頌之漢詩ブログ1005

 

惜韶光,斷腸為花須盡狂。

うららかな春の光がいっぱいなのに、閨で酔い潰れるのは惜しむべきことであり、花が咲けば咲くほどに思いは切なく下腹が痛くなるほどせつなく、何もかも全てのこと、ことごとくのものが狂っているとしか思えない。

14. 韶光 うららかな春の光。また、のどかな春景色。

15. 腸斷 情愛(性欲)に満たされぬ思いを言う場合に断腸という語になる。心に思うことは別の語。

温庭筠『酒泉子 (一)』

羅帶惹香,猶系別時紅豆。

淚痕新,金縷舊,斷離腸。

一雙嬌燕語雕梁,還是去年時節。

綠陰濃,芳草歇,柳花狂。

『酒泉子』四首(一)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-21-3-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1700

李商隠『落花』

高閣客竟去、小園花亂飛。

参差連曲陌、迢遞送斜暉。

腸斷未忍掃、眼穿仍欲稀。

芳心向春盡、所得是沾衣。

高閣 客 竟に去る、小園 花 亂飛す。

参差(しんし)として 曲陌に連なり、迢遞として斜暉を送る。

腸斷れて未だ掃うに忍ばず、眼穿てば 仍 稀ならんと欲す。

芳心 春盡くるに向かい、得る所は 是れ 衣を沾すのみ。

落花 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-92

 

 

河傳 三首其三              

棹舉,舟去,波光渺渺,不知何處,岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰。倚蘭橈,無憀。魂消,小爐香欲焦。

(河傳三首 其の三)

棹は舉ぐ,舟は去る,

波光 渺渺たり,何れの處を知らず,

岸の花と 汀の草 共に依依たり,雨微にして,鷓鴣 相い逐いて飛ぶ。

天涯 恨を離れ 江に聲して咽し,啼いて猿は切なし,此の意 誰に向いてく。

蘭橈に倚れば,無憀たり。

魂消れば,爐香を小くし焦さんと欲す。

河傳三首其三

16. (港で見送る、船は天涯に消え、かわのながれ、泣き声に猿の鳴き声などが一緒になって響くと鷓鴣も飛び立って、それからは、もう何もする気にはなれないと詠う。)

 

17. 【構成】『花間集』には顧夐の作が三首収められている。河傳三首 其三 双調五十一字、前段二十六字七句三平韻三仄韻、後段二十五字六句四平韻二仄韻で、❷❷4⑦②⑤/❼❸❺③②⑤の詞形をとる。

,舟

波光渺渺,不知何

岸花汀草共依,雨,鷓鴣相逐

天涯離恨江聲咽,啼猿,此意向誰

倚蘭,無

,小爐香欲

●●  ○●

○△●●  △○△●

●○△●△△△  ●○ ●○△●○

○○△●○○△ ○○●  ●●●○●

△○△  ○○

○○  ●○○●○

 

棹舉,舟去,

棹を挙げて船で去って行く。

18. 棹舉 棹を挙げて出発する。李珣 《南子十首其二》「蘭棹舉,水紋開,競攜藤籠採蓮來。迴塘深處遙相見,邀同宴,淥酒一巵紅上面。」(蘭棹 舉げれば,水紋 開く,競うて藤籠を攜えて 蓮を採る來る。塘の深き處を迴り遙かに相い見て,同宴を邀え,淥酒 一巵 紅上の面。)

 

波光渺渺,不知何處,

波間に日が輝き、船は遠くはるかなさきにすすむ、舟が見えなくなり、その先どこに行くのかわかりはしない。

19. 渺渺 果てしなく広いさま。遠くはるかなさま。

 

岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

岸辺には花が咲いている、水際にまで草花が咲いてしなやかにゆれている、春の季節は変わりやすく小雨が降り始めて、鷓鴣が啼いて一斉に飛び立っていった。

20. 依依 依依恋恋をいう。恋い慕うあまり離れられないさま。「依依」は、思い慕って離れにくいさま。 また、木の枝などがしなやかなさまを指す。 「恋恋」は、思い焦がれていつまでもあきらめきれないさま。

21. 鷓鴣 『南越志』「常に日に向ひて飛ぶ。飛びて数ば月に随ふ。蓋し正月の如きは一飛して止む()。霜露を畏れ、早晩出づること稀なり。時有りて夜に飛ぶ。飛べば則ち木葉を以て自ら其の背を覆ふ。古牋に云ふ、偃鼠は河に飲むも腹を満たして止み、鷓鴣は葉を銜ふるも才かに能く身を覆ふとは、此れの謂ひなり。臆前に白円点文有り、多く対ひて啼く、志は常に南に嚮ひ、北に徂くを思はず。」、「鷓鴣は東西に回翔すと雖も、然れども開翅の始め必ず先づ南に翥ぶ」とは、亦胡馬は北に嘶くの義なり。『本草』「鷓鴣は形は母雞に似たり。鳴きて鉤輈格磔と云ふ」と。『嶺表異録』「肉は白くして脆なり。味は雞雉に勝る」と。

「早晩出づること稀なり」とあるのは餌をとる姿が観察されたためだろう。「時有りて夜に飛ぶ。飛べば則ち木葉を以て自ら其の背を覆ふ」とは、シャコの地上で生活し樹上で眠るという習性を指していると考えられるが、陸佃は『荘子』の言を引き、シャコの慎み深さを指していると考えている。ここでは、一羽が鳴きはじめると近くにいるものもすぐにこれに加わるというシャコの習性をいう。

 

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰

天涯の地に離れた恨みは、大江の流れの聲は嗚咽と泣き声がまじっている。それに合わせて猿が泣くと切なさが増す。だからといって、別れたままの気持ちは誰に話したらいいのだろう。

22. 天涯 空のはて。「彗星が―から来って」〈魯庵・社会百面相〉故郷を遠く離れた地。

 

倚蘭橈,無憀。

きれいなお蘭舟の船べりに倚りかかって、ボーっと立つ。

23. 蘭橈 お舟。舟の美称。蘭舟。木蘭で作った、かぢ。

『竹枝』  劉禹錫「日出三竿春霧消,江頭蜀客駐蘭橈。憑寄狂夫書一紙,住在成都萬里橋。」(日は 三竿を出で春霧消え,江頭の蜀客 蘭橈を駐む。狂夫に憑りて 書一紙寄す,成都 萬里橋に  住みて在り。)

 

魂消,小爐香欲焦。

慕う気持ちも何も消え失せ、香炉のお香も消えかかっている、気持ちを切り替えてまた胸を焦がそうかと思う。

 

 

 

 

 

【字解集】

巻六43甘州子五首其一  

一爐龍麝錦帷旁,屏掩映,燭熒煌。

禁樓刁斗喜初長,羅薦繡鴛鴦。

山枕上,私語口脂香。

(甘州子五首 其の一)

一爐の龍麝【りょうじゃ】錦帷【きんい】の旁ら,屏 掩て映し,燭 熒煌【けいこう】たり。

禁樓の刁斗【ちょうと】 初めて長きを喜び,羅薦【らせん】繡りの鴛鴦あり。

山 枕の上に,私語 口脂の香。

甘州子五首其一

1.(西域地方から来た娘が初めて寵愛をうける、龍涎香と麝香の香りが閨にひろがり、秋の夜長を過ごすのをうたう。)

2. 長い夜の共寝の喜びを詠う。末尾、愛しの女のささやく口許から口紅の香りが漂うという表現、夜の濃密な男女の愛の姿を描き出している。

3. 甘州子は西域から来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

4. 甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。

5. 唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子五首 其一

一爐龍麝錦帷,屏掩映,燭熒

●○○●●○○  △●● ●○○ 

禁樓刁斗喜初,羅薦繡鴛

△○○●●○△ ○●●○○

山枕上,私語口脂

○△● ○●●○○

 

一爐龍麝錦帷旁,屏掩映,燭熒煌。

香炉より龍涎香と麝香の二つの香が一筋になって立ち上り、錦の帳の傍ら、屏風に照り映えて浮びあがり、招かれた閨に灯火きらめきあかるい。

6. 龍麝 龍涎香と麝香。龍涎は鯨の内分泌物が固まってできた動物性の香料。高貴な香料で大食国(サラセン国)の近海から採れる。麝香は麝香鹿から採れる香料。なお龍を龍脳香と解する説もある。

7. 掩映 屏風全体を掩い映える。

8. 熒煌 きらきらする、輝く。

 

禁樓刁斗喜初長,羅薦繡鴛鴦。

宮中で時刻を知らせるためにならせる鈴音が、今、初更の時を告げる。一緒に過ごす夜はまだこれからで長いから、嬉しくおもう。ベッドのうえには薄絹の鴛駕の縫い取り模様の敷物の上にまねかれる、

9. 禁楼刁斗 宮中で時刻を知らせるためにならせる鈴。刁斗は鈴。

10. 喜初長 夜の最初の時刻の知らせがあったばかりなのに、一緒にいる夜が長いのが嬉しいという意。

11. 羅薦 うす絹の床敷。

 

山枕上,私語口脂香。

女は横になり、ふたり枕をならべる、耳元にささやく時に口紅の香がする。

12. 山枕上 女性が横たわることを山という表現をする。

 

 

 

巻六44甘州子五首其二  

每逢清夜與良晨,多悵望,足傷神。

雲迷水隔意中人,寂寞繡羅茵。

山枕上,幾點淚痕新。

(甘州子五首 其の二)

逢う每に 清夜と良晨【りょうしん】となり,悵望すること多く,神を傷ましむに足りたり。

雲 迷えば 水 隔つもの 意中の人も,寂寞【せきばく】たり 繡の羅茵【らいん】には。

山 枕の上,幾ばくの點【てん】淚痕【るいこん】新たにせん。

甘州子五首其二

13. (出会うきっかけも、逢瀬をどんなに素晴らしく過ごしても心配で仕方なかったのが、現実になり、一年に一度の河を渡ってくることもなくなってしまった女を詠う。)

14. 【解説】出会いの時もほかの女から浮気心であった。だから、素晴らしい夜を重ねてても、心配な気持ちは拭い去られなかった。それが現実になって、何処にいるのかわからなくなってしまい、年に一度も来てくれなくなる。何処にいるのか、遠きにある男を思う女性の恨みを詠う。

甘州子は西域から花街に来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。

 

15. 唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子五首 其一

一爐龍麝錦帷,屏掩映,燭熒

禁樓刁斗喜初,羅薦繡鴛

山枕上,私語口脂

●○○●●○○  △●● ●○○ 

△○○●●○△ ○●●○○

○△● ○●●○○

 

甘州子五首 其二

每逢清夜與良,多悵望,足傷

雲迷水隔意中,寂寞繡羅

山枕,幾點淚痕

●○○●△○○  ○●△ ●△○

○○●●●△○ ●●●○○

○△● △●●○○

 

 

每逢清夜與良晨,多悵望,足傷神。

清々しい夜がくるといつもお逢いできた、それにともなって、素晴らしい夜明けを迎えた。それでも、将来のことが心配して遙か先を眺めたり、立ち直れないほど深く心を傷めたりした。

16. 恨望 将来のことが心配で仕方がない気持ちで遙か先を眺める。

17. 足傷神 深く心を傷める。神は心のこと。

 

雲迷水隔意中人,寂寞繡羅茵。

天の雲が迷えば、お慕いする人とは天の川の水に隔てられてしまう。鳳凰の刺繍の敷物の牀の上は寂寞としてさびしい限り。

18. 雲迷 雲は男で、雨が女。『高唐の賦』ここでは、男の浮気心をいう。多雲雨:多情である。雲雨:男女の交情をいう。楚の襄王が巫山で夢に神女と契ったことをいう。神女は朝は巫山の雲となり夕べには雨になるという故事からきている。宋玉『高唐賦』によると、楚の襄王と宋玉が雲夢の台に遊び、高唐の観を望んだところ、雲気(雲というよりも濃い水蒸気のガスに近いもの(か))があったので、宋玉は「朝雲」と言った。襄王がそのわけを尋ねると、宋玉は「昔者先王嘗游高唐,怠而晝寢,夢見一婦人…去而辭曰:妾在巫山之陽,高丘之阻,旦爲朝雲,暮爲行雨,朝朝暮暮,陽臺之下。」と答えた。「巫山之夢」。婉約の詩詞によく使われるが、千載不磨の契りといった感じのものではなく、もっと、気楽な契りをいう

19. 寂寞 1 ひっそりとして寂しいさま 。じゃくまく。2 心が満たされず にもの寂しいさま。

20. 茵/褥【しとね】座るときや寝るときに下に敷く物。しきもの。ふとん。

 

山枕上,幾點 淚痕新。

いつものように牀の枕に横になる、はらはらと落ちた涙の模様ができる、そして今宵もまた新しい模様が加わる。

12. 山枕上 女性が横たわることを山という表現をする。

 

 

 

巻六45甘州子五首其三

  曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。

  綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。

山枕上,長是怯晨鐘。

(甘州子五首 其の三)

曾て劉阮の如く仙を訪ねた蹤あり,洞を深くし客あり,此の時逢う。

綺筵 散後 繡衾 同じゅうし,曲を款めて韶を見て容く。

山 枕の上,是を長くして 晨鐘に怯る。

甘州子五首其三

21. (劉郎・阮郎といわれるものは仙郷にゆき、夢のようなひと時をすごす、その様子を詠う。)

4. 甘州子は西域から花街に来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

5. 甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。

22. 【構成】唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子五首 其一

一爐龍麝錦帷,屏掩映,燭熒

禁樓刁斗喜初,羅薦繡鴛

山枕上,私語口脂

●○○●●○○  △●● ●○○ 

△○○●●○△ ○●●○○

○△● ○●●○○

 

甘州子五首 其二

每逢清夜與良,多悵望,足傷

雲迷水隔意中,寂寞繡羅

山枕,幾點淚痕

●○○●△○○  ○●△ ●△○

○○●●●△○ ●●●○○

○△● △●●○○

 

甘州子五首 其三

曾如劉阮訪仙,深洞客,此時

綺筵散後繡衾,款曲見韶

山枕上,長是怯晨

○△○△●○○  △△● ●○○

●○●●●○○ ●●●○○

○△● △●●○○

 

 

曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。

かつて劉郎とか、阮郎のようにすごし、仙界に訪れた。仙郷の三洞の奥深い所に案内され、この時出逢ったのである

23. 劉阮 劉郎、阮郎 ○劉郎 別れ去る愛しい男。仙桃を味わった浦島太郎のような人物である劉晨=劉郎である夢心地の状態にある男、何年も訪れてくれなくなっているのでこのようにいう。12年もたっていることと、全く景色が変わって、ここにいる女を含めみんなが全く変わっていたというものだ。 劉禹錫『再遊玄都觀』「百畝庭中半是苔,桃花淨盡菜花開。種桃道士今何歸,前度劉郞今又來。」○阮郎 別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。・檀郎/安仁/潘郎 晋の潘岳のあざな。彼は美男子であり、詩人であったが、妻の死にあい「悼亡」の詩三首を作った。後世、妻の死をなげいた模擬作が多く作られた。潘岳の幼名が檀奴だったので、「檀郎」は夫や恋い慕う男を意味する。・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。和凝『天仙子二首』其二「洞口春紅飛蔌蔌,仙子含愁眉黛綠。阮郎何事不歸來,懶燒金,慵篆玉。流水桃花空斷續。天仙子二首 其二  和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」情けの強い男を「潘郎」といい、劉郞、阮郎、檀郎、安仁など色町の女が男をそう呼んだ。

24. 蹤 あと足あと。「蹤跡/先蹤・追蹤」

25. 洞 道教における、〈三洞〉すなわち洞神,洞玄,洞真のうち,洞神部の経典群であり,道教経典の中では成立の時期が最も早く,したがってまた道教の神学教理全体の中でも基底的な,もしくは底辺部的な位置を占める。

 

綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。

綵絹の縁取りの筵の敷物の上で宴をして終わった後には、鳳凰の縫い取りのある布団の中に並んで入る。打ち解けた甘州子の楽曲が流れる中、奇麗な顔立ちを見続ける。

26. 款 1 打ち解けた心 。真心。よしみ。「款待・款談/交款」2 取り決めの条項。「条款・定款・約款」3 まとまった 金額。「借款」4 金石にくぼませて彫った文字。また、書画に書きつける文字。

27. 韶容 1.清新的風光。 2.美麗的容貌。  : 古代楽曲名。

 

山枕上,長是怯晨鐘。

女は横になり、ふたり枕をならべる、夜長のこんな時間を過ごしていると朝を告げる鐘の音が聞こえてこないかと怯える。

12. 山枕上 女性が横たわることを山という表現をする。

 

 

 

巻六46甘州子五首其四

  露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。

醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。

山枕上,翠鈿鎮眉心。

(甘州子五首其の四)

露桃 花の裏 小樓深くして,玉盞【ぎょくさん】を持ち,瑤琴を聽く。

醉うて青瑣に歸り 鴛衾に入り,月色 衣襟を照らす。

山 枕上し,翠鈿 眉心を鎮う。

甘州子五首其四

28. (一芸に秀でたものが集まる桃花宴で、甘州子を聞き、月が上にあるうちに、酔いつぶれる前に閨に入ってまじりあうことを詠う)

29. 【解説】 桃花の時節、男女の逢瀬を詠う。「小楼 深く」「青瑣に歸り」の語は、二人の出会いが秘められたものであることを暗示し、酔って女の閏に帰った後の静かな情景描写は、酔う前に布団に入り込み、「翠鈿鎮眉心」と合体することを表す。

甘州子は西域から花街に来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。

30. 【構成】 唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子五首 其一

一爐龍麝錦帷,屏掩映,燭熒

禁樓刁斗喜初,羅薦繡鴛

山枕上,私語口脂

●○○●●○○  △●● ●○○ 

△○○●●○△ ○●●○○

○△● ○●●○○

 

甘州子五首 其二

每逢清夜與良,多悵望,足傷

雲迷水隔意中,寂寞繡羅

山枕,幾點淚痕

●○○●△○○  ○●△ ●△○

○○●●●△○ ●●●○○

○△● △●●○○

 

甘州子五首 其三

曾如劉阮訪仙,深洞客,此時

綺筵散後繡衾,款曲見韶

山枕上,長是怯晨

○△○△●○○  △△● ●○○

●○●●●○○ ●●●○○

○△● △●●○○

 

甘州子五首 其四

露桃花裏小樓,持玉盞,聽瑤

醉歸青瑣入鴛,月色照衣

山枕上,翠鈿鎮眉

●○○●●○△  ○●● △○○

●○○●●○○ ●●●△○

○△● ●△●○○

 

露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。

露桃の花が咲く林に小道があり奥深き所に小さな高殿があり、そこでは玉の杯を手にして、玉を用いた装の琴で甘州子の調べを聴く。

31. 露桃 露井の傍らに植えられた桃。露井は屋根なしの井戸。・桃花:「桃李不言、下自成蹊。」桃や李は口をきいて人を招くことはしないが、良い花や実があるので人々が争って来て、結果として自然に小道ができる。

32. 瑤琴 玉を飾った琴。ここは琴の音で「甘州子」を意識させる。玉を用いた装の琴。 南朝宋照《古詩之七》:「明鏡塵匣中,瑶琴生網。」

 

醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。

酔って帰り、靑扉を閉め、閏の鴛鴦模様の掛け布団に入る。月は真上にあり妃嬪の襟元照らしている。

33. 青瑣 青く塗られ連鎖模様の彫刻が施された扉。青い扉は東の扉であることは西の閨を連想させる。

 

山枕上,翠鈿鎮眉心。

女は横になり、ふたり枕をならべる、緑色の花鈿の化粧した妃嬪と眉もこころも合体する。

34. 鎮眉心 上から押さえる。男の眉と女の眉を重ね、心を重ね合わすこと。

 

 

 

巻六47甘州子五首其五

  紅鑪深夜醉調笙,敲拍處,玉纖輕。

小屏古畫岸低平,煙月滿閑庭。

山枕上,燈背臉波橫。

(甘州子其の五)

紅鑪【こうろ】にして 夜も深く 醉いて笙を調し,敲拍 處にし,玉纖 輕くす。

小屏 古畫あり 岸 低く平かにす,煙月 閑庭に滿つ。

山 枕にり上,燈 背にすれば 臉に波橫にす。

 

甘州子五首其五

 35. (管弦の調べに、拍子木が合わせて、酒宴に音楽が響き、寵愛を受けたものだが、いつしか、まだ若くて美しい女なのに、閨に一人で過ごしてしまう寂しさを詠う)

 

36. 甘州子は西域から花街に来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。

 

37. 【構成】唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子五首 其一

一爐龍麝錦帷,屏掩映,燭熒

禁樓刁斗喜初,羅薦繡鴛

山枕上,私語口脂

●○○●●○○  △●● ●○○ 

△○○●●○△ ○●●○○

○△● ○●●○○

 

甘州子五首 其二

每逢清夜與良,多悵望,足傷

雲迷水隔意中,寂寞繡羅

山枕,幾點淚痕

●○○●△○○  ○●△ ●△○

○○●●●△○ ●●●○○

○△● △●●○○

 

甘州子五首 其三

曾如劉阮訪仙,深洞客,此時

綺筵散後繡衾,款曲見韶

山枕上,長是怯晨

○△○△●○○  △△● ●○○

●○●●●○○ ●●●○○

○△● △●●○○

 

甘州子五首 其四

露桃花裏小樓,持玉盞,聽瑤

醉歸青瑣入鴛,月色照衣

山枕上,翠鈿鎮眉

●○○●●○△  ○●● △○○

●○○●●○○ ●●●△○

○△● ●△●○○

 

甘州子五首 其五

紅鑪深夜醉調,敲拍處,玉纖

小屏古畫岸低,煙月滿閑

山枕上,燈背臉波

○○△●●△○  △●● ●○△

●△●●●○○ ○●●○○

○△● ○●△○△

 

紅鑪深夜醉調笙,敲拍處,玉纖輕。

妃嬪は紅いたたらのような火照った体、夜も更けてくると酔いはかなり回るが、それに合わせて笙の笛は「甘州子」の調も佳境になる。そこでは拍子木と鼓も敲かれていて、月に照らされ、肌は黄金のように輝くようにうつくしい。

38. 紅鑪 女の紅いたたらのような火照った体のことをいう。

39. 調笙 笙の笛は「甘州子」の調も佳境になる

40. 敲拍 拍子木と鼓も敲れている

41. 玉纖 黄金のように輝くような肌。

 

小屏古畫岸低平,煙月滿閑庭。

閨の牀の傍におかれた小さな屏風には古代の絵が描かれていて、窓の外に低く平らかに池の岸辺が広がる。靄にかすむ月は真上にあり静かな庭を満面に照らしている。

42. 小屏古畫 閨の牀の傍におかれた小さな屏風。

43. 岸低平 窓の外に低く平らかに岸辺が広がる。

44. 煙月 靄にかすむ月。

45. 滿閑庭 静かな庭を満面に照らしている。

 

山枕上,燈背臉波橫。

妃嬪は横になり、ふたり枕をならべたものだったが、横たえた女の向うに燈火が揺れ、一人寝る夜にまぶたに涙があふれ、燈火に紛れて涙が零れ落ちて、額から顎のかけてぬれよこにながれおちる。

46. 臉 (話し言葉に用い;頭の前面,額 からあごまでの部分を指し)顔.

330)回目顧【字解集】河傳 三首・甘州子五首

 

 

花間集 訳注解説 (330)回目顧【字解集】河傳 三首・甘州子五首》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9779

 

【字解集】

河傳 三首其一 

河傳 三首其二 

河傳 三首其三 

河傳 三首其一              

鷰颺,晴景。小屏暖,鴛鴦交頸。菱花掩卻翠鬟欹,慵整。

海棠簾外影。繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。

東風,春正濃。愁紅,淚痕衣上重。

(河傳三首 其の一)

鷰颺【まいあが】り,景を晴らす。

は、屏は、暖かに,鴛鴦 頸を交わす。

菱花 卻を掩い翠鬟 欹【そばだ】つ,整を慵く。海棠 簾外の影。

繡幃 香斷し 金の鸂鶒【けいちょく】たり,消息無ければ,心事 空しく相い憶う。

東風あるも,春 正に濃ゆ。

紅に愁い,淚痕 衣の上 重る。

河傳三首 其の一

1.(水辺の娼屋の女が帰ってこない男を思って詠う。)(河を題材にした悲しい三つの逸話 其の一)

河傳三首

2. 【構成】『花間集』には顧夐の作が三首収められている。河傳三首 其一 双調五十一字、前段三十三字八句六仄韻、後段二十字六句四平韻二仄韻で、2❷47❷❼/❸②③②⑤の詞形をとる。

鷰颺   屏暖  鴛鴦交
●△  ○● ●?△●  ○○○△

菱花掩卻翠鬟  
○○●●●○○  ○●

海棠簾外  繡幃香斷金鸂
●○○●●  ●○○●○○?

無消  心事空相
○○●  ○●△△●

  春正   淚痕衣上

○△  ○△○ ○○  ●○△●△

【溫庭筠】

温庭筠の作は三首収められている。双調五十五字、前段二十七字七句二仄韻五平韻、後段二十八字七句三仄韻四平韻で、❷❷③⑥⑦②⑤/❼❸❺③③②⑤の詞形をとる。

   曉妝  仙景箇女採

○●  △● ●○○  ○●●●●△

請君莫向那岸  少年 好花新滿【セン】

△○●●△●○  ●○ ●○○●○

紅袖搖曳逐風 垂玉  腸向柳絲

○●○●●△● ○●●  ○●●○●

浦南  浦北 莫  晚來人已

●○○  ●●○ ●○  ●△○●○

 

【韋莊】

韋莊の作が三首収められていて双調五十三字、前段二十五字七句三仄韻三平韻、後段二十八字六句三仄韻二平韻で❷❷❹④4⑥③/❼❸❺4⑥③詞形をとる。

韋荘105《巻3-05 河傳三首 其一》
   隋堤春  柳色蔥
△●  ○● △△○●  ●●○▲

畫橈金縷  翠旗高颭香風 水光

●△○●  ●○○●○△ ●△○ 

青娥殿春妝 輕雲  綽約司花
○○●●○○● △○●  ●●○○△

江都宮闕  清淮月映迷 古今

○○○●  ○○●●○○ ●○○

 

鷰颺,晴景。

春の盛りの景色、燕が舞い上がる季節が訪れる。

3. 颺 風で舞い上がる.

 

屏暖,鴛鴦交頸。

小さな高窓に日が射し、屏風の閨も暖かくなり、園内の池の鴛鴦が頭を交わして喜んでいる。

 

菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。

菱の花が垂れる簪が翠鬟に欹て、覆っている、物憂げに整えると、海棠の花が簾に、日影を落とす。

4. 慵 なんとなく心が晴れ晴れしない。だるくておっくうである。苦しい。つらい。

5. 翠鬟 若いみどりの黒髪のもとどり 

牛嶠

巻四22酒泉子記得去年,煙暖杏園。花正發,雪飄香,江艸綠,柳絲長。鈿車纖手捲簾望,眉學春山樣。鳳釵低裊翠鬟,落梅粧。

張泌

巻四31浣溪沙十首其四依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

毛文錫

巻五11中興樂豆花繁煙豔深,丁香軟結同心。翠鬟女,相與共淘金。紅蕉葉裏猩猩語,鴛鴦浦,鏡中鸞舞。絲雨隔,荔枝陰。

和凝

巻六16臨江仙二首其一  海棠香老春江晚,小樓霧縠濛。翠鬟初出繡簾中,麝煙鸞珮蘋風。碾玉釵搖鸂鶒戰,雪肌雲鬢將融。含情遙指碧波東,越王臺殿蓼花紅。

顧夐

巻六40河傳三首其一鷰颺,晴景。小屏暖,鴛鴦交頸。菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。東風,春正濃。愁紅,淚痕衣上重。

毛熙震

《巻九45女冠子二首其一》  碧桃紅杏,遲日媚籠光影,彩霞深。香暖薰鶯語,風清引鶴音。翠鬟冠玉葉,霓袖捧瑤琴。應共吹簫侶,暗相尋。

張泌

巻四31浣溪沙十首其四依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

和凝

巻六16臨江仙二首其一海棠香老春江晚,小樓霧縠濛。翠鬟初出繡簾中,麝煙鸞珮蘋風。碾玉釵搖鸂鶒戰,雪肌雲鬢將融。含情遙指碧波東,越王臺殿蓼花紅。

顧夐

巻六40河傳三首其一鷰颺,晴景。小屏暖,鴛鴦交頸。菱花掩卻翠鬟欹,慵整。海棠簾外影。繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。東風,春正濃。愁紅,淚痕衣上重。

毛文錫

巻五11中興樂豆花繁煙豔深,丁香軟結同心。翠鬟女,相與共淘金。紅蕉葉裏猩猩語,鴛鴦浦,鏡中鸞舞。絲雨隔,荔枝陰。

毛文錫

巻五11中興樂豆花繁煙豔深,丁香軟結同心。翠鬟女,相與共淘金。紅蕉葉裏猩猩語,鴛鴦浦,鏡中鸞舞。絲雨隔,荔枝陰。

張泌

巻四31浣溪沙十首其四依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

張泌

巻四31浣溪沙十首其四依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

和凝

巻六16臨江仙二首其一海棠香老春江晚,小樓霧縠濛。翠鬟初出繡簾中,麝煙鸞珮蘋風。碾玉釵搖鸂鶒戰,雪肌雲鬢將融。含情遙指碧波東,越王臺殿蓼花紅。

6. 海棠 バラ科の落葉小高木。枝は紫色で垂れ下がり、葉は楕円形。4月ごろ、紅色の花が下向きに咲き、実は丸く、黄褐色に熟す。中国の原産で、庭木などにする。垂枝(すいし)海棠。花(はな)海棠。

 

繡幃香斷金鸂鶒,無消息,心事空相憶。

刺繍のとばりの閨にお香は断たれるも、金糸の鸂鶒が残される。いまも音沙汰なく、心に思うことは、その時の事が、空しく思い出す。

7. 鸂鶒(オシドリに似た水鳥)が描かれている。オスは凛とした様子で岸辺に立ち、メスは地面に伏せている。風に揺れるガマの葉、枯れて萎びた蓮、水面にうっすらと影が映っていることを連想させる。

 

東風,春正濃。

また、春風が吹き始め、春はまさに緑濃くなっていく。

 

愁紅,淚痕衣上重。

また、悲愁の秋にその葉が赤く色づく、涙の後は頬に残り、流れた涙は上衣に重なって残る。

 

 

河傳 三首其二              

曲檻,春晚。碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,枝繁鶯囀,野蕪似剪。

直是人間到天上,堪遊賞,醉眼疑屏障,對池塘,惜韶光,斷腸為花須盡狂。

(河傳三首 其の二)

曲の檻,春の晚に。

碧の流れ 紋細やかに,綠の楊 絲軟らかに,露の花,鮮やかな杏に,

枝繁り 鶯囀く,野の蕪 剪に似る。

直ちに是れ人間 天上に到り,遊賞に堪える,

醉眼 屏障【びょうしょう】を疑い,池塘に對す,

韶光を惜み,花の為に斷腸し須らく盡く狂う。

河傳三首其二

8. (池のほとりにある奥まったところにある御殿に、はるの景色は広がるが、寵愛を失った妃賓は酔いつぶれてしまっている、もう長いこと寵愛を受けることないので苦しく春の日を過ごす。)

9. 詩題の『河傳』の水際の高楼の盛春から晩春にかけての景色を述べる。この事によって妃嬪の盛りを過ぎることを連想させる。

 

10. 【構成】『花間集』には顧夐の作が三首収められている。双調五十一字、前段二十八字八句六仄韻、後段二十八字六句四平韻二仄韻で、❷❷4❹❻2❹❹/❼❸⑤③③⑦の詞形をとる。

河傳三首 其二

,春

碧流紋細,綠楊絲,露花,鮮

枝繁鶯,野蕪似

直是人間到天,堪遊

醉眼疑屏,對池

惜韶,斷腸為花須盡

●●  ○●

●○○●  ●○○● ●○  △●

○○○●  ●○●●

●●○△●○●  ○○●

●●○△△  ●○○

●○△  ●○○○○●△

河傳三首 其一 双調五十一字、前段三十三字八句六仄韻、後段二十字六句四平韻二仄韻で、2❷47❷❼/❸②③②⑤の詞形をとる。

鷰颺   屏暖  鴛鴦交
●△  ○● ●?△●  ○○○△

菱花掩卻翠鬟  
○○●●●○○  ○●

海棠簾外  繡幃香斷金鸂
●○○●●  ●○○●○○?

無消  心事空相
○○●  ○●△△●

  春正   淚痕衣上

○△  ○△○ ○○  ●○△●△

【溫庭筠】

温庭筠の作は三首収められている。双調五十五字、前段二十七字七句二仄韻五平韻、後段二十八字七句三仄韻四平韻で、❷❷③⑥⑦②⑤/❼❸❺③③②⑤の詞形をとる。

   曉妝  仙景箇女採

○●  △● ●○○  ○●●●●△

請君莫向那岸  少年 好花新滿【セン】

△○●●△●○  ●○ ●○○●○

紅袖搖曳逐風 垂玉  腸向柳絲

○●○●●△● ○●●  ○●●○●

浦南  浦北 莫  晚來人已

●○○  ●●○ ●○  ●△○●○

 

【韋莊】

韋莊の作が三首収められていて双調五十三字、前段二十五字七句三仄韻三平韻、後段二十八字六句三仄韻二平韻で❷❷❹④4⑥③/❼❸❺4⑥③詞形をとる。

韋荘105《巻3-05 河傳三首 其一》
   隋堤春  柳色蔥
△●  ○● △△○●  ●●○▲

畫橈金縷  翠旗高颭香風 水光

●△○●  ●○○●○△ ●△○ 

青娥殿春妝 輕雲  綽約司花
○○●●○○● △○●  ●●○○△

江都宮闕  清淮月映迷 古今

○○○●  ○○●●○○ ●○○

 

曲檻,春晚。

奥まったところの欄干に晩春の夕闇が迫っている。

 

碧流紋細,綠楊絲軟,露花,鮮杏,

碧水は澄み緩やかに波紋が細やかにながれ広がり、緑のしだれ柳は柔らかに枝を揺らす。杏の花が露をためて鮮やかに映える。

11. 詩題の『河傳』の水際の高楼の盛春から晩春にかけての景色を述べる。この事によって妃嬪の盛りを過ぎることを連想させる。

 

枝繁鶯囀,野蕪似剪。

枝が茂れば、鶯は囀り、野の蕪はきれいに切りそろえた様に頭をそろえる。

12. 此の二句は妃嬪は多ければ100人を超える場合もあり、数人、数十人というのはどんな時でも当たり前のことである。春の宴、行楽において妃嬪、美女を並べたことをしめす。妃嬪、美人を常に集めて選ぶというのは、春の一大行事である。それを商売にしているものがいることがうかがえる。

 

直是人間到天上,堪遊賞,

こんな人の世のことが天上でも行われている、そこでは遊び事であっても耐えるだけである。

 

醉眼疑屏障,對池塘,

御殿に対面した池の堤防にびっしり春の草が生えていて、寵愛を失えばいつも酒に酔いつぶれた眼でいて、疑われるので屏風や障子や幔幕で仕切る。

13. 池塘 池の堤防にびっしり春の草が生えている、庭園の柳の梢に鳴いている小鳥たちも冬のものと違って聞こえてくる。謝靈運《登池上樓》「池塘生春草,園柳變鳴禽。」

登池上樓 #2 謝靈運<25>#2  詩集 396 kanbuniinkai紀 頌之漢詩ブログ1005

 

惜韶光,斷腸為花須盡狂。

うららかな春の光がいっぱいなのに、閨で酔い潰れるのは惜しむべきことであり、花が咲けば咲くほどに思いは切なく下腹が痛くなるほどせつなく、何もかも全てのこと、ことごとくのものが狂っているとしか思えない。

14. 韶光 うららかな春の光。また、のどかな春景色。

15. 腸斷 情愛(性欲)に満たされぬ思いを言う場合に断腸という語になる。心に思うことは別の語。

温庭筠『酒泉子 (一)』

羅帶惹香,猶系別時紅豆。

淚痕新,金縷舊,斷離腸。

一雙嬌燕語雕梁,還是去年時節。

綠陰濃,芳草歇,柳花狂。

『酒泉子』四首(一)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-21-3-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1700

李商隠『落花』

高閣客竟去、小園花亂飛。

参差連曲陌、迢遞送斜暉。

腸斷未忍掃、眼穿仍欲稀。

芳心向春盡、所得是沾衣。

高閣 客 竟に去る、小園 花 亂飛す。

参差(しんし)として 曲陌に連なり、迢遞として斜暉を送る。

腸斷れて未だ掃うに忍ばず、眼穿てば 仍 稀ならんと欲す。

芳心 春盡くるに向かい、得る所は 是れ 衣を沾すのみ。

落花 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-92

 

 

河傳 三首其三              

棹舉,舟去,波光渺渺,不知何處,岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰。倚蘭橈,無憀。魂消,小爐香欲焦。

(河傳三首 其の三)

棹は舉ぐ,舟は去る,

波光 渺渺たり,何れの處を知らず,

岸の花と 汀の草 共に依依たり,雨微にして,鷓鴣 相い逐いて飛ぶ。

天涯 恨を離れ 江に聲して咽し,啼いて猿は切なし,此の意 誰に向いてく。

蘭橈に倚れば,無憀たり。

魂消れば,爐香を小くし焦さんと欲す。

河傳三首其三

16. (港で見送る、船は天涯に消え、かわのながれ、泣き声に猿の鳴き声などが一緒になって響くと鷓鴣も飛び立って、それからは、もう何もする気にはなれないと詠う。)

 

17. 【構成】『花間集』には顧夐の作が三首収められている。河傳三首 其三 双調五十一字、前段二十六字七句三平韻三仄韻、後段二十五字六句四平韻二仄韻で、❷❷4⑦②⑤/❼❸❺③②⑤の詞形をとる。

,舟

波光渺渺,不知何

岸花汀草共依,雨,鷓鴣相逐

天涯離恨江聲咽,啼猿,此意向誰

倚蘭,無

,小爐香欲

●●  ○●

○△●●  △○△●

●○△●△△△  ●○ ●○△●○

○○△●○○△ ○○●  ●●●○●

△○△  ○○

○○  ●○○●○

 

棹舉,舟去,

棹を挙げて船で去って行く。

18. 棹舉 棹を挙げて出発する。李珣 《南子十首其二》「蘭棹舉,水紋開,競攜藤籠採蓮來。迴塘深處遙相見,邀同宴,淥酒一巵紅上面。」(蘭棹 舉げれば,水紋 開く,競うて藤籠を攜えて 蓮を採る來る。塘の深き處を迴り遙かに相い見て,同宴を邀え,淥酒 一巵 紅上の面。)

 

波光渺渺,不知何處,

波間に日が輝き、船は遠くはるかなさきにすすむ、舟が見えなくなり、その先どこに行くのかわかりはしない。

19. 渺渺 果てしなく広いさま。遠くはるかなさま。

 

岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。

岸辺には花が咲いている、水際にまで草花が咲いてしなやかにゆれている、春の季節は変わりやすく小雨が降り始めて、鷓鴣が啼いて一斉に飛び立っていった。

20. 依依 依依恋恋をいう。恋い慕うあまり離れられないさま。「依依」は、思い慕って離れにくいさま。 また、木の枝などがしなやかなさまを指す。 「恋恋」は、思い焦がれていつまでもあきらめきれないさま。

21. 鷓鴣 『南越志』「常に日に向ひて飛ぶ。飛びて数ば月に随ふ。蓋し正月の如きは一飛して止む()。霜露を畏れ、早晩出づること稀なり。時有りて夜に飛ぶ。飛べば則ち木葉を以て自ら其の背を覆ふ。古牋に云ふ、偃鼠は河に飲むも腹を満たして止み、鷓鴣は葉を銜ふるも才かに能く身を覆ふとは、此れの謂ひなり。臆前に白円点文有り、多く対ひて啼く、志は常に南に嚮ひ、北に徂くを思はず。」、「鷓鴣は東西に回翔すと雖も、然れども開翅の始め必ず先づ南に翥ぶ」とは、亦胡馬は北に嘶くの義なり。『本草』「鷓鴣は形は母雞に似たり。鳴きて鉤輈格磔と云ふ」と。『嶺表異録』「肉は白くして脆なり。味は雞雉に勝る」と。

「早晩出づること稀なり」とあるのは餌をとる姿が観察されたためだろう。「時有りて夜に飛ぶ。飛べば則ち木葉を以て自ら其の背を覆ふ」とは、シャコの地上で生活し樹上で眠るという習性を指していると考えられるが、陸佃は『荘子』の言を引き、シャコの慎み深さを指していると考えている。ここでは、一羽が鳴きはじめると近くにいるものもすぐにこれに加わるというシャコの習性をいう。

 

天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰

天涯の地に離れた恨みは、大江の流れの聲は嗚咽と泣き声がまじっている。それに合わせて猿が泣くと切なさが増す。だからといって、別れたままの気持ちは誰に話したらいいのだろう。

22. 天涯 空のはて。「彗星が―から来って」〈魯庵・社会百面相〉故郷を遠く離れた地。

 

倚蘭橈,無憀。

きれいなお蘭舟の船べりに倚りかかって、ボーっと立つ。

23. 蘭橈 お舟。舟の美称。蘭舟。木蘭で作った、かぢ。

『竹枝』  劉禹錫「日出三竿春霧消,江頭蜀客駐蘭橈。憑寄狂夫書一紙,住在成都萬里橋。」(日は 三竿を出で春霧消え,江頭の蜀客 蘭橈を駐む。狂夫に憑りて 書一紙寄す,成都 萬里橋に  住みて在り。)

 

魂消,小爐香欲焦。

慕う気持ちも何も消え失せ、香炉のお香も消えかかっている、気持ちを切り替えてまた胸を焦がそうかと思う。

 

 

 

 

 

【字解集】

巻六43甘州子五首其一  

一爐龍麝錦帷旁,屏掩映,燭熒煌。

禁樓刁斗喜初長,羅薦繡鴛鴦。

山枕上,私語口脂香。

(甘州子五首 其の一)

一爐の龍麝【りょうじゃ】錦帷【きんい】の旁ら,屏 掩て映し,燭 熒煌【けいこう】たり。

禁樓の刁斗【ちょうと】 初めて長きを喜び,羅薦【らせん】繡りの鴛鴦あり。

山 枕の上に,私語 口脂の香。

甘州子五首其一

1.(西域地方から来た娘が初めて寵愛をうける、龍涎香と麝香の香りが閨にひろがり、秋の夜長を過ごすのをうたう。)

2. 長い夜の共寝の喜びを詠う。末尾、愛しの女のささやく口許から口紅の香りが漂うという表現、夜の濃密な男女の愛の姿を描き出している。

3. 甘州子は西域から来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

4. 甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。

5. 唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子五首 其一

一爐龍麝錦帷,屏掩映,燭熒

●○○●●○○  △●● ●○○ 

禁樓刁斗喜初,羅薦繡鴛

△○○●●○△ ○●●○○

山枕上,私語口脂

○△● ○●●○○

 

一爐龍麝錦帷旁,屏掩映,燭熒煌。

香炉より龍涎香と麝香の二つの香が一筋になって立ち上り、錦の帳の傍ら、屏風に照り映えて浮びあがり、招かれた閨に灯火きらめきあかるい。

6. 龍麝 龍涎香と麝香。龍涎は鯨の内分泌物が固まってできた動物性の香料。高貴な香料で大食国(サラセン国)の近海から採れる。麝香は麝香鹿から採れる香料。なお龍を龍脳香と解する説もある。

7. 掩映 屏風全体を掩い映える。

8. 熒煌 きらきらする、輝く。

 

禁樓刁斗喜初長,羅薦繡鴛鴦。

宮中で時刻を知らせるためにならせる鈴音が、今、初更の時を告げる。一緒に過ごす夜はまだこれからで長いから、嬉しくおもう。ベッドのうえには薄絹の鴛駕の縫い取り模様の敷物の上にまねかれる、

9. 禁楼刁斗 宮中で時刻を知らせるためにならせる鈴。刁斗は鈴。

10. 喜初長 夜の最初の時刻の知らせがあったばかりなのに、一緒にいる夜が長いのが嬉しいという意。

11. 羅薦 うす絹の床敷。

 

山枕上,私語口脂香。

女は横になり、ふたり枕をならべる、耳元にささやく時に口紅の香がする。

12. 山枕上 女性が横たわることを山という表現をする。

 

 

 

巻六44甘州子五首其二  

每逢清夜與良晨,多悵望,足傷神。

雲迷水隔意中人,寂寞繡羅茵。

山枕上,幾點淚痕新。

(甘州子五首 其の二)

逢う每に 清夜と良晨【りょうしん】となり,悵望すること多く,神を傷ましむに足りたり。

雲 迷えば 水 隔つもの 意中の人も,寂寞【せきばく】たり 繡の羅茵【らいん】には。

山 枕の上,幾ばくの點【てん】淚痕【るいこん】新たにせん。

甘州子五首其二

13. (出会うきっかけも、逢瀬をどんなに素晴らしく過ごしても心配で仕方なかったのが、現実になり、一年に一度の河を渡ってくることもなくなってしまった女を詠う。)

14. 【解説】出会いの時もほかの女から浮気心であった。だから、素晴らしい夜を重ねてても、心配な気持ちは拭い去られなかった。それが現実になって、何処にいるのかわからなくなってしまい、年に一度も来てくれなくなる。何処にいるのか、遠きにある男を思う女性の恨みを詠う。

甘州子は西域から花街に来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。

 

15. 唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子五首 其一

一爐龍麝錦帷,屏掩映,燭熒

禁樓刁斗喜初,羅薦繡鴛

山枕上,私語口脂

●○○●●○○  △●● ●○○ 

△○○●●○△ ○●●○○

○△● ○●●○○

 

甘州子五首 其二

每逢清夜與良,多悵望,足傷

雲迷水隔意中,寂寞繡羅

山枕,幾點淚痕

●○○●△○○  ○●△ ●△○

○○●●●△○ ●●●○○

○△● △●●○○

 

 

每逢清夜與良晨,多悵望,足傷神。

清々しい夜がくるといつもお逢いできた、それにともなって、素晴らしい夜明けを迎えた。それでも、将来のことが心配して遙か先を眺めたり、立ち直れないほど深く心を傷めたりした。

16. 恨望 将来のことが心配で仕方がない気持ちで遙か先を眺める。

17. 足傷神 深く心を傷める。神は心のこと。

 

雲迷水隔意中人,寂寞繡羅茵。

天の雲が迷えば、お慕いする人とは天の川の水に隔てられてしまう。鳳凰の刺繍の敷物の牀の上は寂寞としてさびしい限り。

18. 雲迷 雲は男で、雨が女。『高唐の賦』ここでは、男の浮気心をいう。多雲雨:多情である。雲雨:男女の交情をいう。楚の襄王が巫山で夢に神女と契ったことをいう。神女は朝は巫山の雲となり夕べには雨になるという故事からきている。宋玉『高唐賦』によると、楚の襄王と宋玉が雲夢の台に遊び、高唐の観を望んだところ、雲気(雲というよりも濃い水蒸気のガスに近いもの(か))があったので、宋玉は「朝雲」と言った。襄王がそのわけを尋ねると、宋玉は「昔者先王嘗游高唐,怠而晝寢,夢見一婦人…去而辭曰:妾在巫山之陽,高丘之阻,旦爲朝雲,暮爲行雨,朝朝暮暮,陽臺之下。」と答えた。「巫山之夢」。婉約の詩詞によく使われるが、千載不磨の契りといった感じのものではなく、もっと、気楽な契りをいう

19. 寂寞 1 ひっそりとして寂しいさま 。じゃくまく。2 心が満たされず にもの寂しいさま。

20. 茵/褥【しとね】座るときや寝るときに下に敷く物。しきもの。ふとん。

 

山枕上,幾點 淚痕新。

いつものように牀の枕に横になる、はらはらと落ちた涙の模様ができる、そして今宵もまた新しい模様が加わる。

12. 山枕上 女性が横たわることを山という表現をする。

 

 

 

巻六45甘州子五首其三

  曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。

  綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。

山枕上,長是怯晨鐘。

(甘州子五首 其の三)

曾て劉阮の如く仙を訪ねた蹤あり,洞を深くし客あり,此の時逢う。

綺筵 散後 繡衾 同じゅうし,曲を款めて韶を見て容く。

山 枕の上,是を長くして 晨鐘に怯る。

甘州子五首其三

21. (劉郎・阮郎といわれるものは仙郷にゆき、夢のようなひと時をすごす、その様子を詠う。)

4. 甘州子は西域から花街に来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

5. 甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。

22. 【構成】唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子五首 其一

一爐龍麝錦帷,屏掩映,燭熒

禁樓刁斗喜初,羅薦繡鴛

山枕上,私語口脂

●○○●●○○  △●● ●○○ 

△○○●●○△ ○●●○○

○△● ○●●○○

 

甘州子五首 其二

每逢清夜與良,多悵望,足傷

雲迷水隔意中,寂寞繡羅

山枕,幾點淚痕

●○○●△○○  ○●△ ●△○

○○●●●△○ ●●●○○

○△● △●●○○

 

甘州子五首 其三

曾如劉阮訪仙,深洞客,此時

綺筵散後繡衾,款曲見韶

山枕上,長是怯晨

○△○△●○○  △△● ●○○

●○●●●○○ ●●●○○

○△● △●●○○

 

 

曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。

かつて劉郎とか、阮郎のようにすごし、仙界に訪れた。仙郷の三洞の奥深い所に案内され、この時出逢ったのである

23. 劉阮 劉郎、阮郎 ○劉郎 別れ去る愛しい男。仙桃を味わった浦島太郎のような人物である劉晨=劉郎である夢心地の状態にある男、何年も訪れてくれなくなっているのでこのようにいう。12年もたっていることと、全く景色が変わって、ここにいる女を含めみんなが全く変わっていたというものだ。 劉禹錫『再遊玄都觀』「百畝庭中半是苔,桃花淨盡菜花開。種桃道士今何歸,前度劉郞今又來。」○阮郎 別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。・檀郎/安仁/潘郎 晋の潘岳のあざな。彼は美男子であり、詩人であったが、妻の死にあい「悼亡」の詩三首を作った。後世、妻の死をなげいた模擬作が多く作られた。潘岳の幼名が檀奴だったので、「檀郎」は夫や恋い慕う男を意味する。・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。和凝『天仙子二首』其二「洞口春紅飛蔌蔌,仙子含愁眉黛綠。阮郎何事不歸來,懶燒金,慵篆玉。流水桃花空斷續。天仙子二首 其二  和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」情けの強い男を「潘郎」といい、劉郞、阮郎、檀郎、安仁など色町の女が男をそう呼んだ。

24. 蹤 あと足あと。「蹤跡/先蹤・追蹤」

25. 洞 道教における、〈三洞〉すなわち洞神,洞玄,洞真のうち,洞神部の経典群であり,道教経典の中では成立の時期が最も早く,したがってまた道教の神学教理全体の中でも基底的な,もしくは底辺部的な位置を占める。

 

綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。

綵絹の縁取りの筵の敷物の上で宴をして終わった後には、鳳凰の縫い取りのある布団の中に並んで入る。打ち解けた甘州子の楽曲が流れる中、奇麗な顔立ちを見続ける。

26. 款 1 打ち解けた心 。真心。よしみ。「款待・款談/交款」2 取り決めの条項。「条款・定款・約款」3 まとまった 金額。「借款」4 金石にくぼませて彫った文字。また、書画に書きつける文字。

27. 韶容 1.清新的風光。 2.美麗的容貌。  : 古代楽曲名。

 

山枕上,長是怯晨鐘。

女は横になり、ふたり枕をならべる、夜長のこんな時間を過ごしていると朝を告げる鐘の音が聞こえてこないかと怯える。

12. 山枕上 女性が横たわることを山という表現をする。

 

 

 

巻六46甘州子五首其四

  露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。

醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。

山枕上,翠鈿鎮眉心。

(甘州子五首其の四)

露桃 花の裏 小樓深くして,玉盞【ぎょくさん】を持ち,瑤琴を聽く。

醉うて青瑣に歸り 鴛衾に入り,月色 衣襟を照らす。

山 枕上し,翠鈿 眉心を鎮う。

甘州子五首其四

28. (一芸に秀でたものが集まる桃花宴で、甘州子を聞き、月が上にあるうちに、酔いつぶれる前に閨に入ってまじりあうことを詠う)

29. 【解説】 桃花の時節、男女の逢瀬を詠う。「小楼 深く」「青瑣に歸り」の語は、二人の出会いが秘められたものであることを暗示し、酔って女の閏に帰った後の静かな情景描写は、酔う前に布団に入り込み、「翠鈿鎮眉心」と合体することを表す。

甘州子は西域から花街に来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。

30. 【構成】 唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子五首 其一

一爐龍麝錦帷,屏掩映,燭熒

禁樓刁斗喜初,羅薦繡鴛

山枕上,私語口脂

●○○●●○○  △●● ●○○ 

△○○●●○△ ○●●○○

○△● ○●●○○

 

甘州子五首 其二

每逢清夜與良,多悵望,足傷

雲迷水隔意中,寂寞繡羅

山枕,幾點淚痕

●○○●△○○  ○●△ ●△○

○○●●●△○ ●●●○○

○△● △●●○○

 

甘州子五首 其三

曾如劉阮訪仙,深洞客,此時

綺筵散後繡衾,款曲見韶

山枕上,長是怯晨

○△○△●○○  △△● ●○○

●○●●●○○ ●●●○○

○△● △●●○○

 

甘州子五首 其四

露桃花裏小樓,持玉盞,聽瑤

醉歸青瑣入鴛,月色照衣

山枕上,翠鈿鎮眉

●○○●●○△  ○●● △○○

●○○●●○○ ●●●△○

○△● ●△●○○

 

露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。

露桃の花が咲く林に小道があり奥深き所に小さな高殿があり、そこでは玉の杯を手にして、玉を用いた装の琴で甘州子の調べを聴く。

31. 露桃 露井の傍らに植えられた桃。露井は屋根なしの井戸。・桃花:「桃李不言、下自成蹊。」桃や李は口をきいて人を招くことはしないが、良い花や実があるので人々が争って来て、結果として自然に小道ができる。

32. 瑤琴 玉を飾った琴。ここは琴の音で「甘州子」を意識させる。玉を用いた装の琴。 南朝宋照《古詩之七》:「明鏡塵匣中,瑶琴生網。」

 

醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。

酔って帰り、靑扉を閉め、閏の鴛鴦模様の掛け布団に入る。月は真上にあり妃嬪の襟元照らしている。

33. 青瑣 青く塗られ連鎖模様の彫刻が施された扉。青い扉は東の扉であることは西の閨を連想させる。

 

山枕上,翠鈿鎮眉心。

女は横になり、ふたり枕をならべる、緑色の花鈿の化粧した妃嬪と眉もこころも合体する。

34. 鎮眉心 上から押さえる。男の眉と女の眉を重ね、心を重ね合わすこと。

 

 

 

巻六47甘州子五首其五

  紅鑪深夜醉調笙,敲拍處,玉纖輕。

小屏古畫岸低平,煙月滿閑庭。

山枕上,燈背臉波橫。

(甘州子其の五)

紅鑪【こうろ】にして 夜も深く 醉いて笙を調し,敲拍 處にし,玉纖 輕くす。

小屏 古畫あり 岸 低く平かにす,煙月 閑庭に滿つ。

山 枕にり上,燈 背にすれば 臉に波橫にす。

 

甘州子五首其五

 35. (管弦の調べに、拍子木が合わせて、酒宴に音楽が響き、寵愛を受けたものだが、いつしか、まだ若くて美しい女なのに、閨に一人で過ごしてしまう寂しさを詠う)

 

36. 甘州子は西域から花街に来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。

甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され27県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。

 

37. 【構成】唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。

甘州子五首 其一

一爐龍麝錦帷,屏掩映,燭熒

禁樓刁斗喜初,羅薦繡鴛

山枕上,私語口脂

●○○●●○○  △●● ●○○ 

△○○●●○△ ○●●○○

○△● ○●●○○

 

甘州子五首 其二

每逢清夜與良,多悵望,足傷

雲迷水隔意中,寂寞繡羅

山枕,幾點淚痕

●○○●△○○  ○●△ ●△○

○○●●●△○ ●●●○○

○△● △●●○○

 

甘州子五首 其三

曾如劉阮訪仙,深洞客,此時

綺筵散後繡衾,款曲見韶

山枕上,長是怯晨

○△○△●○○  △△● ●○○

●○●●●○○ ●●●○○

○△● △●●○○

 

甘州子五首 其四

露桃花裏小樓,持玉盞,聽瑤

醉歸青瑣入鴛,月色照衣

山枕上,翠鈿鎮眉

●○○●●○△  ○●● △○○

●○○●●○○ ●●●△○

○△● ●△●○○

 

甘州子五首 其五

紅鑪深夜醉調,敲拍處,玉纖

小屏古畫岸低,煙月滿閑

山枕上,燈背臉波

○○△●●△○  △●● ●○△

●△●●●○○ ○●●○○

○△● ○●△○△

 

紅鑪深夜醉調笙,敲拍處,玉纖輕。

妃嬪は紅いたたらのような火照った体、夜も更けてくると酔いはかなり回るが、それに合わせて笙の笛は「甘州子」の調も佳境になる。そこでは拍子木と鼓も敲かれていて、月に照らされ、肌は黄金のように輝くようにうつくしい。

38. 紅鑪 女の紅いたたらのような火照った体のことをいう。

39. 調笙 笙の笛は「甘州子」の調も佳境になる

40. 敲拍 拍子木と鼓も敲れている

41. 玉纖 黄金のように輝くような肌。

 

小屏古畫岸低平,煙月滿閑庭。

閨の牀の傍におかれた小さな屏風には古代の絵が描かれていて、窓の外に低く平らかに池の岸辺が広がる。靄にかすむ月は真上にあり静かな庭を満面に照らしている。

42. 小屏古畫 閨の牀の傍におかれた小さな屏風。

43. 岸低平 窓の外に低く平らかに岸辺が広がる。

44. 煙月 靄にかすむ月。

45. 滿閑庭 静かな庭を満面に照らしている。

 

山枕上,燈背臉波橫。

妃嬪は横になり、ふたり枕をならべたものだったが、横たえた女の向うに燈火が揺れ、一人寝る夜にまぶたに涙があふれ、燈火に紛れて涙が零れ落ちて、額から顎のかけてぬれよこにながれおちる。

46. 臉 (話し言葉に用い;頭の前面,額 からあごまでの部分を指し)顔.

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