花間集 訳注解説 (328)回目顧敻巻六46甘州子五首其四 》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9765
(328)回目顧敻巻六46甘州子五首其四》
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花間集 訳注解説 (328)回目顧敻巻六46甘州子五首其四 》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9765
(一芸に秀でたものが集まる桃花宴で、甘州子を聞き、月が上にあるうちに、酔いつぶれる前に閨に入ってまじりあうことを詠う)
露桃の花が咲く林に小道があり奥深き所に小さな高殿があり、そこでは玉の杯を手にして、玉を用いた装饰の琴で甘州子の調べを聴く。
酔って帰り、靑扉を閉め、閏の鴛鴦模様の掛け布団に入る。月は真上にあり妃嬪の襟元照らしている。
女は横になり、ふたり枕をならべる、緑色の花鈿の化粧した妃嬪と眉もこころも合体する。
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玉臺新詠 巻六 | ||
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花間集 顧夐 巻六 甘州子五首
巻六43甘州子五首其一 一爐龍麝錦帷旁,屏掩映,燭熒煌。 禁樓刁斗喜初長,羅薦繡鴛鴦。 山枕上,私語口脂香。 |
巻六44甘州子五首其二 每逢清夜與良晨,多悵望,足傷神。 雲迷水隔意中人,寂寞繡羅茵。 山枕上,幾點淚痕新。 |
巻六45甘州子五首其三 曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。 綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。 山枕上,長是怯晨鐘。 |
巻六46甘州子五首其四 露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。 醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。 山枕上,翠鈿鎮眉心。 |
巻六47甘州子五首其五 紅鑪深夜醉調笙,敲拍處,玉纖輕。 小屏古畫岸低平,煙月滿閑庭。 山枕上,燈背臉波橫。 |
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| 花間集 教坊曲《甘州子五首其三》顧敻 | |
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甘州子五首 其一
(西域地方から来た娘が初めて寵愛をうける、龍涎香と麝香の香りが閨にひろがり、秋の夜長を過ごすのをうたう。)
一爐龍麝錦帷旁,屏掩映,燭熒煌。
香炉より龍涎香と麝香の二つの香が一筋になって立ち上り、錦の帳の傍ら、屏風に照り映えて浮びあがり、招かれた閨に灯火きらめきあかるい。
禁樓刁斗喜初長,羅薦繡鴛鴦。
宮中で時刻を知らせるためにならせる鈴音が、今、初更の時を告げる。一緒に過ごす夜はまだこれからで長いから、嬉しくおもう。ベッドのうえには薄絹の鴛駕の縫い取り模様の敷物の上にまねかれる、
山枕上,私語口脂香。
女は横になり、ふたり枕をならべる、耳元にささやく時に口紅の香がする。
(甘州子五首 其の一)
一爐の龍麝【りょうじゃ】錦帷【きんい】の旁ら,屏 掩て映し,燭 熒煌【けいこう】たり。
禁樓の刁斗【ちょうと】 初めて長きを喜び,羅薦【らせん】繡りの鴛鴦あり。
山 枕の上に,私語 口脂の香。
甘州子五首 其二
(清々しい夜がくるといつも寵愛を受けた、どんなに素晴らしく過ごしても心配で仕方なかったのが、現実になり、一年に一度の河を渡ってくることもなくなってしまった妃賓を詠う。)
每逢清夜與良晨,多悵望,足傷神。
清々しい夜がくるといつもお逢いできた、それにともなって、素晴らしい夜明けを迎えた。それでも、将来のことが心配して遙か先を眺めたり、立ち直れないほど深く心を傷めたりした。
雲迷水隔意中人,寂寞繡羅茵。
天の雲が迷えば、お慕いする人とは天の川の水に隔てられてしまう。鳳凰の刺繍の敷物の牀の上は寂寞としてさびしい限り。
山枕上,幾點淚痕新。
いつものように牀の枕に横になる、はらはらと落ちた涙の模様ができる、そして今宵もまた新しい模様が加わる。
(甘州子五首 其の二)
逢う每に 清夜と良晨【りょうしん】となり,悵望すること多く,神を傷ましむに足りたり。
雲 迷えば 水 隔つもの 意中の人も,寂寞【せきばく】たり 繡の羅茵【らいん】には。
山 枕の上,幾ばくの點【てん】淚痕【るいこん】新たにせん。
甘州子五首 其三
曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。
綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。
山枕上,長是怯晨鐘。
(劉郎・阮郎といわれるものは仙郷にゆき、夢のようなひと時をすごす、その様子を詠う。)
かつて劉郎とか、阮郎のようにすごし、仙界に訪れた。仙郷の三洞の奥深い所に案内され、この時出逢ったのである。
綵絹の縁取りの筵の敷物の上で宴をして終わった後には、鳳凰の縫い取りのある布団の中に並んで入る。打ち解けた甘州子の楽曲が流れる中、奇麗な顔立ちを見続ける。
女は横になり、ふたり枕をならべる、夜長のこんな時間を過ごしていると朝を告げる鐘の音が聞こえてこないかと怯える。
(甘州子五首 其の三)
曾て劉阮の如く仙を訪ねた蹤あり,洞を深くし客あり,此の時逢う。
綺筵 散後 繡衾 同じゅうし,曲を款めて韶を見て容く。
山 枕の上,是を長くして 晨鐘に怯る。
甘州子五首其四
(一芸に秀でたものが集まる桃花宴で、甘州子を聞き、月が上にあるうちに、酔いつぶれる前に閨に入ってまじりあうことを詠う)
露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。
露桃の花が咲く林に小道があり奥深き所に小さな高殿があり、そこでは玉の杯を手にして、玉を用いた装饰の琴で甘州子の調べを聴く。
醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。
酔って帰り、靑扉を閉め、閏の鴛鴦模様の掛け布団に入る。月は真上にあり妃嬪の襟元照らしている。
山枕上,翠鈿鎮眉心。
女は横になり、ふたり枕をならべる、緑色の花鈿の化粧した妃嬪と眉もこころも合体する。
(甘州子五首其の四)
露桃 花の裏 小樓深くして,玉盞【ぎょくさん】を持ち,瑤琴を聽く。
醉うて青瑣に歸り 鴛衾に入り,月色 衣襟を照らす。
山 枕上し,翠鈿 眉心を鎮う。
其五
紅鑪深夜醉調笙,敲拍處,玉纖輕。
小屏古畫岸低平,煙月滿閑庭。
山枕上,燈背臉波橫。
《甘州子五首其四》 現代語訳と訳註
(本文)
甘州子五首其四
露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。
醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。
山枕上,翠鈿鎮眉心。
(下し文)
(甘州子五首其の四)
露桃 花の裏 小樓深くして,玉盞【ぎょくさん】を持ち,瑤琴を聽く。
醉うて青瑣に歸り 鴛衾に入り,月色 衣襟を照らす。
山 枕上し,翠鈿 眉心を鎮う。
(現代語訳)
(一芸に秀でたものが集まる桃花宴で、甘州子を聞き、月が上にあるうちに、酔いつぶれる前に閨に入ってまじりあうことを詠う)
露桃の花が咲く林に小道があり奥深き所に小さな高殿があり、そこでは玉の杯を手にして、玉を用いた装饰の琴で甘州子の調べを聴く。
酔って帰り、靑扉を閉め、閏の鴛鴦模様の掛け布団に入る。月は真上にあり妃嬪の襟元照らしている。
女は横になり、ふたり枕をならべる、緑色の花鈿の化粧した妃嬪と眉もこころも合体する。
(訳注)
甘州子五首其四
28. (一芸に秀でたものが集まる桃花宴で、甘州子を聞き、月が上にあるうちに、酔いつぶれる前に閨に入ってまじりあうことを詠う)
29. 【解説】 桃花の時節、男女の逢瀬を詠う。「小楼 深く」「青瑣に歸り」の語は、二人の出会いが秘められたものであることを暗示し、酔って女の閏に帰った後の静かな情景描写は、酔う前に布団に入り込み、「翠鈿鎮眉心」と合体することを表す。
甘州子は西域から花街に来た娘をいう。 唐の長安は当時世界最大の都市で、国際交流都市であった。そこには青い目の娘がいた。特にペルシャ系、トルコ系の美女が詩に登場している。雅楽に「甘州子」がある。中国の雅楽は,〈雅正の楽〉の意で俗楽に対立し,儒教の礼楽思想に基づいて成立,発展したために狭義には天地宗廟の祭祀楽を意味するが,広義には国家,宮廷の儀式や宴饗の楽も含める。狭義の雅楽は古来の雅楽器を用い,堂上登歌(どうじようとうか),堂下楽懸(どうかがくけん)の2種の楽を奏し,八佾(はちいつ)の舞を舞うという一定の形式を有する。
甘州(かんしゅう)は中国にかつて存在した州。現在の中華人民共和国甘粛省張掖市に比定される。南北朝時代には西魏により西涼州が設置され、553年(廃帝3年)に甘州と改称された。その後、隋代は、隋朝が成立すると当初は甘州が設置され2郡7県を管轄した。607年(大業3年)には郡制施行に伴い武威郡と改称された。
30. 【構成】 唐の教坊の曲名。『花問集』には顧夐の五首のみ所収。単調三十三字、七句五平韻で、⑦3③⑦⑤3⑤の詞形をとる。
甘州子五首 其一
一爐龍麝錦帷旁,屏掩映,燭熒煌。
禁樓刁斗喜初長,羅薦繡鴛鴦。
山枕上,私語口脂香。
●○○●●○○ △●● ●○○
△○○●●○△ ○●●○○
○△● ○●●○○
甘州子五首 其二
每逢清夜與良晨,多悵望,足傷神。
雲迷水隔意中人,寂寞繡羅茵。
山枕上,幾點淚痕新。
●○○●△○○ ○●△ ●△○
○○●●●△○ ●●●○○
○△● △●●○○
甘州子五首 其三
曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。
綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。
山枕上,長是怯晨鐘。
○△○△●○○ △△● ●○○
●○●●●○○ ●●●○○
○△● △●●○○
甘州子五首 其四
露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。
醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。
山枕上,翠鈿鎮眉心。
●○○●●○△ ○●● △○○
●○○●●○○ ●●●△○
○△● ●△●○○
露桃花裏小樓深,持玉盞,聽瑤琴。
露桃の花が咲く林に小道があり奥深き所に小さな高殿があり、そこでは玉の杯を手にして、玉を用いた装饰の琴で甘州子の調べを聴く。
31. 露桃 露井の傍らに植えられた桃。露井は屋根なしの井戸。・桃花:「桃李不言、下自成蹊。」桃や李は口をきいて人を招くことはしないが、良い花や実があるので人々が争って来て、結果として自然に小道ができる。
32. 瑤琴 玉を飾った琴。ここは琴の音で「甘州子」を意識させる。玉を用いた装饰の琴。 南朝宋鲍照《擬古詩之七》:「明鏡塵匣中,瑶琴生網羅。」
醉歸青瑣入鴛衾,月色照衣襟。
酔って帰り、靑扉を閉め、閏の鴛鴦模様の掛け布団に入る。月は真上にあり妃嬪の襟元照らしている。
33. 青瑣 青く塗られ連鎖模様の彫刻が施された扉。青い扉は東の扉であることは西の閨を連想させる。
山枕上,翠鈿鎮眉心。
女は横になり、ふたり枕をならべる、緑色の花鈿の化粧した妃嬪と眉もこころも合体する。
34. 鎮眉心 上から押さえる。男の眉と女の眉を重ね、心を重ね合わすこと。
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