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字解集

花間集 訳注解説 (311)回目和凝【字解集】6.薄命女 7望梅花 8.天仙子二首 》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9625

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311)回目和凝【字解集】6.薄命女 7望梅花 8.天仙子二首

 

 

2017124

の紀頌之”6”つの校注Blog

10年のBLOGの集大成

   李白総合案内

 

●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、現在、李白詩全詩 訳注

Ⅰ李白詩

(李白集校注)

767年【字解集】 7.送族弟單父主簿・・・・棲霞山留飲贈之 8.秋日魯郡堯祠亭上宴別杜補闕范侍御 9.陪從祖濟南太守泛鵲山湖三首 Ⅰ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集Blog9637

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10年のBLOGの集大成

●唐を代表する 中唐 韓愈 全500首 

Ⅱ韓昌黎詩集・文集校注

807年元和二年40歳- 巻一-01元和聖德詩 -説文(1)-1 Ⅱ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之韓愈詩集9644

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・李商隠詩 (1) 136首の75

・李商隠詩 (2) 135首の61

韓愈1 ・孟郊・張籍と汴州乱41

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韓愈 哲学・儒学「五原」

孟郊

 

10年のBLOGの集大成

 

 

 

●杜甫の全作品1500首を訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"

Ⅲ 杜詩

詳注

767年-168 復愁十二首其一二(卷二○(四 )頁一七四五)注(1186) Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9582

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767年-集-21 【字解集】 ・寄峽州劉伯華使君四十韻  Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9366

767年-集-20-3 【字解集】  ・秋日夔府詠懷奉寄鄭監審李賓客之芳一百韻(3) Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9267

杜甫詩(1)736~751年  53

杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73

杜甫詩(3)45歳 安史の乱に彷徨う 26

杜甫詩(4)757年、左拾遺 43

杜甫詩(5)758年47歳 左遷 53

杜甫詩(6)759年 三吏三別 44

杜甫詩(7)759年秦州詩 66

杜甫詩(8)759年同谷紀行、成都紀行36

杜甫詩(9)760年、49歳 成都 45

杜甫詩(10)761年、50歳 成都82

杜甫詩(11)762年蜀中転々43

杜甫詩(12)762年 蜀中転々 49

(13)763年蜀中転々 96

 (14)764年 三月成都へ帰る 100

 (15)765年正月幕府を辞す 63

(16-1) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)80

(16-2) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)81

 

杜甫詩 (17-1)767年夔州・西閣・赤甲・瀼西132

杜甫詩 (17-2) 767年・瀼西・東屯 133

杜甫詩 (18)768年江陵・公安縣・岳州 78

杜甫詩 (19)769年・洞庭湖・潭州・衡州 78

杜甫詩 (20)770年・洞庭湖・潭州・衡州。27

杜甫詩 (21)洩れ分(未詳分)・散文

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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている。花間集連載開始。

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花間集 訳注解説 (311)回目和凝【字解集】6.薄命女 7望梅花 8.天仙子二首 》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9625 (12/04)

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10年のBLOGの集大成

 

●花間集全詩●森鴎外の小説の”魚玄機”詩、芸妓”薛濤”詩。唐から五代詩詞。花間集。玉臺新詠連載開始

.唐五代詞詩・女性

・玉臺新詠

玉-巻三-15 爲顧彦先贈婦往反四首其二 -#2(悠悠君行邁) 〔陸  雲〕 Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻二ブログ 9584

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花間集 訳注解説 (311)回目和凝【字解集】6.薄命女 7望梅花 8.天仙子二首 》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9625

 

 

 

【字解集】6.薄命女 

薄命女

1.(妃嬪としての夢も断たれて、誰も訪ねてこない閨で、眠れない夜を過ごす毎日、それでも、妃嬪としての矜持は、寵愛を受ける準備だけはしておかなければと鏡に向かうのであると詠う。)

2. 【解説】 夢途絶えた夜明け間近の女性の孤独な憂愁を詠う。唐より前にあった古曲『西河薄命女』としてしられていたもの。唐大暦年間に張紅紅が、韋靑将軍に見初められて愛姫となり、かって楽工の伝えた古西河薄命女の曲を屏風の陰で聞き、すっかり覚えていた。それを歌い演奏すると宮中で賞賛され、その愛姫名は宮中に知れ渡った。その後愛姫は「記曲娘子」とよばれたという。しかし、その名声もわずかの間であったという。  末尾の「小」の字には、ふさぎ沈む女性の心情も込められている。

3. 唐の教坊の曲名。またの名を薄命女令、長命女と言う。『花間集』には和擬の一篇のみ所収。単調三十九字、七句六仄韻で、❸❼❺6❻❼❺の詞形をとる。

天欲  宮漏穿花聲繚
牎裏星光  冷霞寒侵帳額 殘月光沉 

夢斷空悄 強起愁眉

○●●  ○●△○○△●

○●○△●  △○○△●● ○●△○●

△●△●● ○●○○●

李白 《妾薄命》

漢帝寵阿嬌、貯之黃金屋。咳唾落九天、隨風生珠玉。

寵極愛還歇、妒深情卻疏。長門一步地、不肯暫回車。

雨落不上天、水覆難再收。君情與妾意、各自東西流。

昔日芙蓉花、今成斷根草。以色事他人、能得幾時好。

漢帝 阿嬌 寵【いつく】 しむ、之を黃金の屋に貯【おさ】む。

咳唾(がいだ) 九天に落つ、風隨う 珠玉 生ず。

寵極 愛 還た歇【つきる】、妒み深く 情 卻く疏【うと】んず。

長門 一たび 地を步む、肯って 暫く 回車されず。

雨落 天に上らず、水覆 再び收り難し。

君情 與 妾意、各々自ら 東西に流る。

昔日 芙蓉の花,今成る斷根の草。

色を以て他人に事へ,能く幾時の好【よろし】きを得たりや。

妾薄命 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -238

 

曹植《妾薄命二首其一》 

攜玉手喜同車,比上雲閣飛除。

釣台蹇清虛,池塘靈沼可

仰泛龍舟綠波,俯擢神草枝柯。

想彼宓妃洛河,退詠漢女湘娥。

玉手を携え 車を同じくするを喜び、此びて 雲闇 飛除に上る。

釣台は蹇として清虚、池塘 霊沼 娯しむ可し。

仰ぎて竜舟を緑波に汎べ、併しで神草の枝村を擢く。

彼の 宓妃の洛河を想い、退きて 漢女と湘蛾を詠ず。

妾薄命二首 其一 曹植 魏詩<71> 女性詩740 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2248

曹植《妾薄命二首 其二》

日月既逝西藏,更會蘭室洞房。

華燈步障舒光,皎若日出扶桑。

促樽合坐行觴,主人起舞娑盤。

能者冗觸別端,騰觚飛爵闌干。

同量等色齊顏,任意交屬所歡。

妾薄命二首 其二 曹植 魏詩<72-#1> 女性詩741 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2253

朱顏發外形蘭,袖隨禮容極情。

妙舞仙仙體輕,裳解履遺纓。

俯仰笑喧無呈,覽持佳人玉顏。

齊舉金爵翠盤,手形羅袖良難。

腕弱不勝珠環,坐者嘆息舒顏。

妾薄命二首 其二 曹植 魏詩<72-#2> 女性詩742 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2258

御巾裛粉君傍,中有霍納都梁,

雞舌五味雜香,進者何人齊姜,

恩重愛深難忘。召延親好宴私,但歌杯來何遲。

客賦既醉言歸,主人稱露未晞。

妾薄命二首 其二 曹植 魏詩<72-#3> 女性詩743 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2263

(妾薄命二首其二)

日月既に逝きて西に藏【かく】る、更に 蘭室の洞房に会す。

華鐙 歩障に光を舒べ、皎として日の扶桑より出づるが若し。

樽を促し坐を合せて觴を行る、主人 起ちて舞うや婆盤たり。

能者は冗にして別端に触る、觚を騰げ爵を飛ばして闌干たり。

量を同じくし色を等しくし顔を斉しくす、意に任せて交ごも歓ぶ所に属ぐ。

 

朱顔 外に発【あらわ】れて 形 蘭たり、袖は礼容に随いて情を極め。

妙舞 仙仙として体軽し、裳 解け履遣りで纓を絶ち。

俯仰し笑喧して呈無し、佳人の玉顔を覧持ち。

斉しく金爵と翠盤を挙ぐ、手 羅袖より形わるるは良に難く。

腕 弱くして珠環に勝えず、坐する者 嘆息して顔を舒ぶ。

 

巾を御し粉を裛う君が傍、中に有り霍納と都梁と。

鶏舌と五味の雑香と、進む者は何人ぞ 斉姜なり。

恩は重く愛は深く 忘れ難し、親好を召延して宴私す。

但だ歌う 杯の来る何んぞ遅きやと、客は賦す 既に酔う言に帰らんと、主人は称す 露未だ晞【かわ】かずと。

 

天欲曉,宮漏穿花聲繚繞。

朝まだ期の空が白んで、暁になろうとしている。後宮の漏刻の聲が、寝殿庭の花の間を通り抜け、耳にまとわりつくように聞こえてくる。

4. 天欲暁 空が明けかかる。欲は今にも〜しそうだ、の意。

5. 宮漏 宮中の水時計。ここでは時を告げる鐘や太鼓の音を言う。015「更漏子」 の 「漏声」 の注参照。・更漏(夜の時を知らせる漏刻)を取材している。詞には詞詞の本意を詠ずるもの(初期の詞詞には比較的そういうものが多い)、およびただ詞調を借るものがある。更は五更、夕方から、夜明けまで時を告げることを示す。特に秋以降、待ち侘びる夜が長いことを強調する

6. 穿花 花を穴を掘るようにつつく。また、つつき回して中の物を出す。ほじる。隠されているわずかなものを、ことさらに追及する。ほじる。

7. 声繚繞 音がまつわりつくように巡る。ここでは音が長く響くことを言う。声は音の意で、待ち侘びる夜が長いことを強調する語。

 

牎裏星光少,冷霞寒侵帳額,殘月光沉樹杪。

天窓から見える星のきらめきは暁にけされて次第に少なくなる、冷たい朝霧の寒気が戸張と窓額に張った絹布を抜けて閨に浸透してくる。名残月は、樹梢の向こうに沈んで、月影も消えてしまう。

8. 牎裏 天窓の内側。

9. 冷霞 放射冷却で外に冷たい霞がかかっており、閨に隙間風のように冷気が入ってきたことを云う。

10. 冷霞寒侵帳額 この句は、2月末に、一日中冷たいものを食べる。前後3日間、火を焚くこと、夜間に灯りをつけることを禁じられた、寒食節を連想させるもので、これが終わると清明節で、初冬まで行楽の季節、行事がある。

11. 帳額 帳の向こう側、窓額に張った絹布。

12. 残月 この詩の語句から、二月の二十日過ぎの月、名残月、夜明けの空に懸かる月と考えられる。もうすぐ、寒食節が来るという期待感を言う。

13. 樹杪 冷気。なお、冷たい夜明こずえ、枝先。

 

夢斷錦幃空悄悄,強起愁眉小。

いまは、妃嬪としての夢も断たれてしまうし、ただひとり、錦のとばりの内に、悄悄と落ち込んでひっそりとしているが、こんなことではいけないと、思い切って起きて、朝化粧をしようと鏡を見ると愁眉はふかまり、ちいさくなっている。

14. 錦幃 錦のとばり。宮女・妓女の閨。

15. 悄悄 ひっそりとするさま。

16. 強起 妃嬪は、どんな場合っでも寵愛を受ける準備をしておかないといけない、後宮に入ることも、数千人の中から選抜されているのである、妃嬪の矜持として寵愛を受けなくても凛としなくてはいけないというのをあら合わす語である。

17. 愁眉小 眉間のしわ、眉間のしわが深まって、眉が小さくなることを言う。

 

 

 

【字解集】7望梅花 

望梅花

1. (春が来ることは若賓に年齢を重ねていくのみ、香草もすぐ枯れ凋み、その上に足跡残してゆく、古楽府の題名を受け継ぎ、梅花が落ち、香草が枯れ、あしあともきえ、笛の音も消えてゆくと悲哀を詠う。)

2. 人々は、梅の花の散りゆく風景を目にすることで、今年もまた春か巡ってきたことに気づかされる。悪人にとって春は決して喜ばしい季節ではない。春かただ。同性のものを言うのでなく、幾度となく巡りくるものを言うのであれば、それはただ自分が「撫しみを燧すを得」ることのできない状態のままいたずらに、また若賓に年齢を重ねていくのみであることを象徴するものである。

 また、この作品も漬價格と換韻とが組み合わさった箇所で場面の韓換か見られる。時聞か移ろうにつれ荒れ亀れていく同房、あるいはそれを守るべき思婦の儒悴しきった姿を描く後本部か、涜者の心に頒く訴えかけてくるのは、前半部に描かれた『春草全無消息』という美的感慨と、「時間の推移」より生まれた思婦の悲哀とか呼恵すればこそであろ元・

 

3. 唐の教坊の曲名。『花間集』には和擬と孫光憲のそれぞれ一篇の二篇所収。単調三十八字、六句四仄韻で、6❻❼❻7❻の詞形をとる。

春草全無消息,臈雪猶餘蹤

○●○○○●  ●●△○○●

越嶺寒枝香自,冷豔奇芳堪

●●○○○●●  △●○○○●

何事壽陽無處覓,吹入誰家橫

△●●○○●●  △●○○△●

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孫光憲 巻八46望梅花

數枝開與短牆  見雪萼紅跗相映 引起誰人邊塞

●○○△●○○  ●●●○△△● ●●○○○●○

簾外欲三更 吹斷離愁月正  空聽隔江

○●●△△ △●△○●△○  △△●○○

 

春草全無消息,臈雪猶餘蹤跡。

春になって芳草が生い茂っていたがいつしか全部萎れ、枯れたのも消えていくと、12月も暮れて雪が積もり根雪として残り、進んだ足跡もそこに残る。

4. 臈雪【ろうせつ】 陰暦12月に降る雪。臘雪・臈雪・﨟雪.

5. 蹤跡 1 事が行われたあと。事跡。踪跡(そうせき)2 あとを追うこと。追跡。また、行方。踪跡。

 

越嶺寒枝香自拆,冷豔奇芳堪惜。

秦嶺山脈を越えると落葉して寒々とした枝には新たな息吹がその枝から出ていて、手折ってみると萌えの香りがしてくる。冷ややかな色気というのはその中に秘めているもので、とてもすてきな香は我慢するに堪えない。

6. 越嶺 秦嶺山脈を越えること。

7. 冷豔 【れいえん】冷艶。冷ややかな美しさ。

8. 堪惜 おしむにたえる。

 

何事壽陽無處覓,吹入誰家橫笛。

なにごとが起こったのだろう、あれほど寵愛を受けていたお方が、洛陽の上陽宮のどこにいるのであろうか、ただ、今、どこからか、耳に聞こえてきたのは、梅の花はどんなに妖艶に咲いても直に落花すると歌われてきた「横笛曲」にある「梅花落」の曲である。

9. 壽陽 ここは洛陽をいう。江蘇、南から秦嶺山脈を越えて行く、妓女が若くて華やかな頃、男の旅に同行して洛陽の早春を楽しんだのだろう。楽しい思い出の残る「洛陽」ということ。壽陽には、壽陽縣(山西省晋中市に位置する県)、明穆宗の壽陽公主(名朱堯娥,明穆宗之女)・壽:(1)めでたいこと。 (2)めでたいことを祝うこと。また、祝いの言葉や儀式。ことほぎ。

10. ・陽:① 日。日の光。「陽光/斜陽・春陽・夕陽・太陽・朝陽・落陽」② ひなた。山の南側。川の北側。「山陽・洛陽(らくよう)」③ 明るく暖かい。「陽春」④ うわべをいつわる。

11. 橫笛 橫笛:漢代の「横笛曲」にある「梅花落」という笛曲。中国古代音楽於いての楽器は、竪箜篌・琵琶・五絃・笙・橫笛・簫・篳篥・羯鼓・. 腰鼓・荅臘などがある。

 

鮑照  梅花落

中庭雜樹多、偏為梅咨嗟

問君何獨然、念其霜中能作花

露中能作實、搖蕩春風媚春日

念爾零落逐寒風、徒有霜華無霜質

中庭は雜樹多きも、偏へに梅のために咨嗟す。

君に問う「何ぞ濁り然るか」と、其の霜中に能く花を作すを念へばなり。

霧中に能く賓を作し、春風に揺蕩として春日に媚ぶ。

爾の零落して寒風を逐ひ、徒らに霜華有りて霜質無きを念う。

 

 

 

 

後宮と妃嬪

日常的に危険と不安が潜伏している後宮のなかで、気の弱い者、能力のない者は、ただ唯々諾々と運命に翻弄されるしかなかった。しかし、ちょっと勇敢な者は、他人から運命を左右されることに甘んぜず、自分の力をもって自分の運命を支配し変革しょうとし、さらに進んでは他人をも支配しょうとした。これは高い身分にいることから激発される権力欲ばかりではなかった。彼女たちの特殊な生活環境もまた、彼女たちを一場の激しい 「生存競争」 の只中に投げ入れずにはおかなかったのである。

 

彼女たちは身を九重(天子の宮殿)に置き、はなはだ高貴であるように見えるが、じつはただの皇帝家の家碑に過ぎず、衣食の心配がなくたいへん幸福のように見えるが、じつは人間性を最も残酷に破壊された人々であった。

 

宮廷においては、少数の地位の高い后妃の他は、万単位で数えられる普通の宮人であり、唐代では「宮女」「宮娥」「宮婢」などとも呼ばれていた。彼女たちは長安にあった三大皇宮(太極宮、大明宮、興慶宮、)と東都洛陽にあった大内(天子の宮殿)と上陽の両宮殿、及び各地の離宮〔芙蓉苑〕、別館、諸親王府、皇帝陵、宗廟にそれぞれ配属されていた。

 

心は黄蓮の如く〔苦く〕、身は紅葉の如く〔はかなし〕

「三千宮女胭脂面,幾個春來無淚痕。」(三千の宮女 胭脂の面、幾箇か春来りて涙の痕無からん)《白居易「後宮詞」》。

 

白居易 :

後宮詞其一

 

淚濕羅巾夢不成,夜深前殿按歌聲。

淚 羅巾を濕し 夢 成ず,夜 前殿に深し 歌聲を按ずるに。

紅顏未老恩先斷,斜倚薰籠坐到明。

紅顏 未だ老恩 先ず斷ぜず,斜に倚る 薰籠 坐して明到る。

 

後宮詞其二

雨露由來一點恩,爭能遍布及千門。

雨露 由來す 一點の恩,爭 能く遍布 及び千門。

三千宮女胭脂面,幾個春來無淚痕。

三千の宮女 胭脂の面、幾箇か春来りて涙の痕無からん。

 

古来、宮人は女性のなかで最も人間性を踏みにじられた人々であり、宦官とともに君主専制制度の直接の犠牲者であった。一方は生殖器をとられ身体を傷つけられた者、一方は人間性を踏みにじられた者である。宮人は奥深い後宮の中に幽閉されて永遠に肉親と別れ、青春と紅顔は葬り去られ、愛情と人生の楽しみは奪われ、生きている時は孤独の苦しみに、また死んだ後は訪れる人もない寂しさの中に置かれた。それで多くの知識人が、彼女たちの境遇に心を痛め嘆息してやまなかったのである。

 

彼女たちの痛苦の生活と心情を理解しょうとすれば、白居易の「上陽の白髪の人」ほど真実に迫り、生々と彼女たちの人生を描写したものはない。

 

上陽白髮人白居易

天寶五載已後,楊貴妃專寵,後宮人無復進幸矣。六宮有美色者,輒置別所,上陽是其一也。貞元中尚存焉。

 

上陽人,紅顏暗老白髮新。

綠衣監使守宮門,一閉上陽多少春。

玄宗末初選入,入時十六今六十。

同時采擇百餘人,零落年深殘此身。

 

憶昔吞悲別親族,扶入車中不教哭。

皆雲入便承恩,臉似芙蓉胸似玉。

未容君王得見面,已被楊妃遙側目。

妒令潛配上陽宮,一生遂向空房宿。

 

秋夜長,夜長無寐天不明。

耿耿殘燈背壁影,蕭蕭暗雨打窗聲。

春日遲,日遲獨坐天難暮。

宮鶯百囀愁厭聞,梁燕雙棲老休妒。

 

鶯歸燕去長悄然,春往秋來不記年。

唯向深宮望明月,東西四五百回圓。

今日宮中年最老,大家遙賜尚書號。

小頭鞋履窄衣裳,青黛點眉眉細長。

 

外人不見見應笑,天寶末年時世妝。

上陽人,苦最多。

少亦苦,老亦苦。少苦老苦兩如何?

君不見昔時呂向《美人賦》,【【天寶末,有密采艷色者,當時號花鳥使。呂向獻

《美人賦》以諷之。】〉

又不見今日上陽白髮歌!

 

(上陽白髮人)

上陽の人、紅顏暗く老いて白髪新たなり

綠衣の監使宮門を守る、一閉上陽多少春  一たび上陽に閉ざされてより多少の春。

玄宗の末 初めて選ばれて入る、入る時十六今六十。

同時に採擇す百余人、零落して年深く 此の身を殘す。

憶ふ昔 悲しみを吞みて親族に別れ、扶けられて車中に入るも哭せしめず。

皆云ふ 入すれば便ち恩を承くと、臉は芙蓉に似て胸は玉に似たり。

未だ君王の面を見るを得るを容れざるに、已に楊妃に遙かに側目せらる。

妒(ねた)みて潛かに上陽宮に配せられ、一生遂に空房において宿す。

 

 

秋夜長し、夜長くして寐ぬる無く天明けず。

耿耿たる殘燈 壁に背く影、蕭蕭たる暗雨 窗を打つ聲。

春日遲し、日遲くして獨り坐せば天暮れ難し。

宮鶯百たび囀ずるも愁へて聞くを厭ふ、梁燕雙び棲むも老いて妒むを休む。

 

鶯は歸り燕は去って長へに悄然たり、春往き秋來して年を記さず。

唯だ深宮に明月を望む、東西四五百回 圓かなり。

今日 宮中 年最も老ゆ、大家遙かに賜ふ尚書の號。

小頭の鞋履 窄(せま)き衣裳、青黛 眉を點ず 眉細くして長し。

 

外人は見ず 見れば應に笑ふべし、天寶の末年 時世の妝ひ。

上陽の人、苦しみ最も多し。

少くして亦苦しみ、老いて亦苦しむ

少くして苦しむと老いて苦しむと兩つながら如何せん。

君見ずや 昔時 呂向の美人の賦を、又見ずや 今日 上陽白髪の歌を。

 

上陽の人は、紅顏暗く老いて白髪が新たである、(以下、上陽の人の言葉)

綠衣の監使が宮門を守っています、ここ上陽に閉ざされてどれほどの年月が経ったでしょうか、玄宗皇帝の末年に選ばれて宮廷へお仕えしましたが、その時には16歳でしたのが今は60

 

同時に100人あまりの女性が選ばれましたが、みなうらぶれて年が経ちわたしばかりがこうして残りました

 

思い起こせば悲しみを呑んで親族と別れたものでした、その時には助けられて車の中に入っても泣くことを許されませんでした

 

皆は入内すれば天子様の寵愛をうけられるといいました、あの頃のわたしは芙蓉のような顔と玉のような胸でした、だけれどもまだ天子様にお会いできる前に、楊貴妃に睨まれてしまい、妬みからここ上陽宮に押し込められて、一生を遂に空しく過ごしました

 

秋の夜は長い、夜が長くて眠ることもできず空もなかなか明けません、ちらちらと揺れる灯火が壁に影を写し、しとしと降る雨が窓を打つ音がします、

 

春の日は遅い、日が遅い中一人で坐し得いますが空はいつまでも暮れません、

 

宮殿の鶯が百度囀ってもわたしは悲しくて聞く気になれません、梁の燕がつがいで巣くっても老いた私には妬む気にもなれません、

 

 

 

鶯は故郷へ帰り燕は去ってもわたしは悲しい気持ちのまま、季節が移り変わってもう何年になるでしょうか

 

ここ深宮で月の満ち欠けを見てきましたが、満月はすでに四・五百回も東西を往復しました、おかげで宮中第一の年寄りになってしまいました、天子様はそんなわたしに尚書の號を賜ってくださいました、

 

そのわたしときたら先のとがった靴を履いてぴったりとした衣装を着て、黛で眉を描きますがその眉は細くて長いだけ、

 

もしよその人に見られたら笑われるでしょう、これは天宝の昔に流行った御化粧なのです

 

上陽の人は、苦しみが最も多い、若くしても苦しみ、老いてもまた苦しむ、若くして苦しむのと老いて苦しむのとどちらが辛いだろうか、

 

どうかご覧あれ、昔は呂向の美人の賦、またご覧あれ、いまは上陽白髪の歌を。

 

* 呂向は玄宗の派遣した花鳥使を題材にして「美人賦」を詠み、宮女の悲しみを詠った。

 

この白髪の詩一首は、今日でも後宮の不幸な女性たちに一掬の同情の涙を流させる。

 

九重の深宮は宮人たちの身体を鎖で縛っているが、彼女たちの若い心を縛ることはできなかった。

 

彼女たちは憂え恨み悲しんだが、しかしなおも愛情と幸福を渇望していた。現世がすでに秒茫たるものであったから、希望と夢を来世に託すはかなかったのである。永く後世に伝わった次の 「紅葉に詩を題す」 の物語は、生々と彼女たちの心情を伝えている。

 

 

【字解集】8.天仙子二首

天仙子二首 其一

1. (春のころあれほど熱く愛してくれていたのに、今度は春が来てもちょうあいをうけることはない、、桃の花一輪のような妃嬪は、「今宵は、どなたと過ごされるのか」と、それだけを思うようになって愁えて過ごすようになったと詠う。)

 

2. 『花間集』には和擬の作が二首収められている。天仙子二首其一は、単調三十四字、六句二平韻、四仄韻で、❼❼⑦❸❸⑦の詞形をとる。

天仙子二首 其一

柳色披衫金縷,纖手輕拈紅豆弄,翠蛾雙斂正含

桃花,瑤臺,一片春愁誰與

●●△○○●●  ○●△○○●● ●△○●△○○

○○△ ○○△  ●●○○○△△

天仙子二首其二は、単調三十四字、六句四仄韻で、❼❼73❸❼の詞形をとる。

洞口春紅飛蔌,仙子含愁眉黛

阮郎何事不歸來,懶燒金,慵篆

流水桃花空斷

△●○○○●●  ○●○○○●●

△○△●△○△  ●△○

○●●  ○●○○△●●

 

皇甫松の「天仙子」作は二首収められている。単調三十四字、六句五仄韻で、❼❼7❸❸❼の形をとる。

晴野鷺鷥飛一  花發秋江
劉郎此日別天仙  登綺
淚珠  十二晚峯高歷

  
  
  

 

 

皇甫松

巻二17天仙子二首其一 晴野鷺鷥飛一隻,水花發秋江碧。劉郎此日別天仙,登綺席,淚珠滴,十二晚峯高歷歷。

皇甫松

巻二18天仙子二首其二 躑躅花開紅照水,鷓鴣飛遶青山觜。行人經始歸來,千萬里,錯相倚,懊惱天仙應有以。

韋莊

巻三08天仙子五首其一 悵望前回夢裏期,看花不語苦尋思。露桃花裏小腰肢,眉眼細,鬢雲垂,唯有多情宋玉知。

韋莊

巻三09天仙子五首其二 深夜歸來長酩酊,扶入流蘇猶未醒。醺醺酒氣麝蘭和,驚睡覺,笑呵呵,長道人生能幾何。

韋莊

巻三10天仙子五首其三 蟾彩霜華夜不分,天外鴻聲枕上聞,繡衾香冷嬾重熏。人寂寂,葉紛紛,才睡依前夢見君。

韋莊

巻三11天仙子五首其四 夢覺雲屏依舊空,杜鵑聲咽隔簾櫳,玉郎薄倖去無蹤。一日日,恨重重,淚界蓮腮兩線紅。

韋莊

巻三12天仙子五首其五 金似衣裳玉似身,眼如秋水鬢如雲,霞裙月帔一羣羣。來洞口,望煙分,劉阮不歸春日曛。

和凝

巻六25天仙子二首其一 柳色披衫金縷鳳,纖手輕拈紅豆弄,翠蛾雙斂正含情。桃花洞,瑤臺夢,一片春愁誰與共。

和凝

巻六26天仙子二首其二 洞口春紅飛蔌蔌,仙子含愁眉黛綠。阮郎何事不歸來,懶燒金,慵篆玉。流水桃花空斷續。

皇甫松、韋荘の詩、天仙子参照。

『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-67-2皇甫松1《巻2-17 天仙子二首其一》皇甫松12首巻二17-〈67〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5537

『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-68-2皇甫松2《巻2-18 天仙子二首其二》皇甫松12首巻二18-〈68〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5542

 

『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-30韋荘108《巻3-08 天仙子五首 其一》三巻8-〈108〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5742

『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-31韋荘109《巻3-09 天仙子五首 其二》三巻9-〈109〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5747

『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-32韋荘110《巻3-10 天仙子五首 其三》三巻10-〈110〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5752

花間集』全詩訳注解説(改訂版)-33韋荘111《巻3-11 天仙子五首 其四》三巻11-〈111〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5757

『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-34韋荘112《巻3-12 天仙子五首 其五》三巻12-〈112〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5762

 

 

柳色披衫金縷鳳,纖手輕拈紅豆弄,翠蛾雙斂正含情。

柳も緑こくなって繁れば、その陰に着物のように隠れ、それは金紫の鳳凰の上服のようである、そしてかぼそい手の軽くそろえて愛撫し、軽くたたいて胸を愛撫する。翠濃い柳葉の眉、眉間に二筋の皺を寄せて、まさにもっと寵愛を受けたいと思い続ける。

4. 柳色 柳が芽吹き、茂ることは春の盛りを云う。柳は男性自身のことであり、おとこの浮気心をさすもの。

5. 披衫 単衣の上衣に柳の枝に覆われて隠れる。

6. 金縷鳳 黄金の糸で刺繍された鳳凰。

7. 纖手 か細い容姿で繊細な手。

8. 輕拈 かるくひねる。

9. 紅豆弄 あずきをもてあそぶ。女の乳首をもてあそぶ。

10. 翠蛾 柳の眉の美しい女。

11. 雙斂 眉間にしわを寄せる。

12. 正含情 このまま会えずに、この春が過ぎていきそうなので愁いに沈んでいる様子。

 

桃花洞,瑤臺夢,一片春愁誰與共。

妃嬪の寝所の前の桃の花は咲き乱れて、玉で飾った美しい御殿での寵愛を受けたこともいまはただの夢、この桃の花びら一片のような妃嬪の春心の愁いは、「此の夜を誰と共に過ごすのだろう」と心配なのだ。

13. 桃花洞 仙女(聖女祠)のいる洞の入口には春の桃の紅い花。妃嬪の寝所の前の桃の花。

14. 瑤臺夢 政治をつかさどるところ。瑤台 李白「古朗月行」「清平調詞其一」につかう。崑崙山にある神仙の居所。『拾遺記』に「崑崙山……傍らに瑤台十二有り、各おの広さ千歩。皆な五色の玉もて台の基と為す」というように十二層の楼台。十二は道教の聖数に由来する。ここでは李白、謝朓の「玉階怨」のイメージを重ねているように見える。『楚辞·離騒』第十一段「望瑶臺之偃蹇兮,見有娥之佚女。」(瑤台の偃蹇たるを望み、有娀の佚女を見る。)

15. 一片 花の一片。女妓のこと。

16. 春愁 春になれば来てくれるだろうかと愁うこと。

17. 誰與共 此の夜を誰と共に過ごすのだろう。妃嬪は寵愛を受けるための準備は、毎日欠かさずしなくてはいけない、それでも、寵愛がない、だから、「此の夜を誰と共に過ごすのだろう」ということでむなしさ、閨怨を表しているが、時間とともにその気持ちを失ってゆくのは。柳の茂、桃の花によってやがて枯れ落ちることで表現している。

 

天仙子二其二

18. (仙女といわれる女性を詠う。)

19. 天仙子(仙郷と表現される、皇城、仙女とされる、后妃、妃嬪、宮女たち、道教の女祠、寺の尼などと満たされない女性のつらさ、くるしさ、悲しみを詠う。)

 

20. 【解説】 天台山の仙女が去ったきり帰らぬ阮郎を偲んだ詞。本作は仙女を借りて後宮の人間模様を詠っている。最も幸せであろう女性と、最も人間の尊厳を軽視された女性とが同時に存在する宮中、詩の材料はいくらでもある。

『花間集』には和擬の作が二首収められている。天仙子二首其一は、単調三十四字、六句二平韻、四仄韻で、❼❼⑦❸❸⑦の詞形をとる。

天仙子二首 其一

柳色披衫金縷,纖手輕拈紅豆弄,翠蛾雙斂正含

桃花,瑤臺,一片春愁誰與

●●△○○●●  ○●△○○●● ●△○●△○○

○○△ ○○△  ●●○○○△△

天仙子二首其二は、単調三十四字、六句四仄韻で、❼❼73❸❼の詞形をとる。

洞口春紅飛蔌,仙子含愁眉黛

阮郎何事不歸來,懶燒金,慵篆

流水桃花空斷

△●○○○●●  ○●○○○●●

△○△●△○△  ●△○

○●●  ○●○○△●●

 

皇甫松の「天仙子」作は二首収められている。単調三十四字、六句五仄韻で、❼❼7❸❸❼の形をとる。

晴野鷺鷥飛一  花發秋江
劉郎此日別天仙  登綺
淚珠  十二晚峯高歷

  
  
  

 

 

皇甫松

巻二17天仙子二首其一 晴野鷺鷥飛一隻,水花發秋江碧。劉郎此日別天仙,登綺席,淚珠滴,十二晚峯高歷歷。

皇甫松

巻二18天仙子二首其二 躑躅花開紅照水,鷓鴣飛遶青山觜。行人經始歸來,千萬里,錯相倚,懊惱天仙應有以。

韋莊

巻三08天仙子五首其一 悵望前回夢裏期,看花不語苦尋思。露桃花裏小腰肢,眉眼細,鬢雲垂,唯有多情宋玉知。

韋莊

巻三09天仙子五首其二 深夜歸來長酩酊,扶入流蘇猶未醒。醺醺酒氣麝蘭和,驚睡覺,笑呵呵,長道人生能幾何。

韋莊

巻三10天仙子五首其三 蟾彩霜華夜不分,天外鴻聲枕上聞,繡衾香冷嬾重熏。人寂寂,葉紛紛,才睡依前夢見君。

韋莊

巻三11天仙子五首其四 夢覺雲屏依舊空,杜鵑聲咽隔簾櫳,玉郎薄倖去無蹤。一日日,恨重重,淚界蓮腮兩線紅。

韋莊

巻三12天仙子五首其五 金似衣裳玉似身,眼如秋水鬢如雲,霞裙月帔一羣羣。來洞口,望煙分,劉阮不歸春日曛。

和凝

巻六25天仙子二首其一 柳色披衫金縷鳳,纖手輕拈紅豆弄,翠蛾雙斂正含情。桃花洞,瑤臺夢,一片春愁誰與共。

和凝

巻六26天仙子二首其二 洞口春紅飛蔌蔌,仙子含愁眉黛綠。阮郎何事不歸來,懶燒金,慵篆玉。流水桃花空斷續。

皇甫松、韋荘の詩、天仙子参照。

『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-67-2皇甫松1《巻2-17 天仙子二首其一》皇甫松12首巻二17-〈67〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5537

『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-68-2皇甫松2《巻2-18 天仙子二首其二》皇甫松12首巻二18-〈68〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5542

 

『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-30韋荘108《巻3-08 天仙子五首 其一》三巻8-〈108〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5742

『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-31韋荘109《巻3-09 天仙子五首 其二》三巻9-〈109〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5747

『花間集』全詩訳注解説(改訂版)-32韋荘110《巻3-10 天仙子五首 其三》三巻10-〈110〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5752

花間集』全詩訳注解説(改訂版)-33韋荘111《巻3-11 天仙子五首 其四》三巻11-〈111〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5757

花間集』全詩訳注解説(改訂版)-34韋荘112《巻3-12 天仙子五首 其五》三巻12-〈112〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5762

 

 

 

洞口春紅飛蔌蔌,仙子含愁眉黛綠。

初夜を迎え、洞房の入口から寝牀に至るまで赤い花を飾り、そこに赤い花びらを飛ばし振りまいてさらさら散っている。この仙郷の閨に仙女である妃嬪は翠の眉を愁いに曇らせる。

21. 洞口春紅 春の紅い花。ここでは桃の花。新婚初夜の閨の洞口に赤い花を飾る、花でいっぱいになる飾り物もすべて赤い色のもの。①洞穴の入り口。聖女祠・道妓女/仙女の住む所、ヤオトンである場合が多かった、房、室という場合もある。同時に妓楼の意も含む。②洞庭湖の入り口。③御殿寝所の内側の丸い穴のような間仕切り。

歐陽炯『南子八首 其四』

洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。

紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。

聖女祠の所に来たけれどこの洞口は誰が住んでいる家なのか、ここまでの水路の岸辺に木蘭がつづき、舟を繋いで進むと木蘭の花のように私だけを見てくれているように迎い入れてくれる。紅い木蘭の花の中に紅い袖の女祠を携えて此処を去る。ここ南の港町で遊んだ時の事。微笑み合い、倚りそいあう、情を交わす時節になる春かぜが抜け、互いに見交わして語り合う。

22. 蔌蔌 【そくそく】 木の葉などががさがさと音を立てるさま。 涙がはらはらと落ちるさま。

 

阮郎何事不歸來,懶燒金,慵篆玉。

恋い慕う阮郎はなにごとだろう、帰って来ない。思うことは阮郎のことばかり、香もたかず、飾ることもせず、玉を刻むのも、なにをするのも億劫になる。

23. 阮郎何事不歸來 後漢の劉郎、阮肇の故事を踏まえる。

皇甫松『天仙子二首其一』

晴野鷺鷥飛一隻,水花發秋江碧。

劉郎此日別天仙,登綺席,

淚珠滴,十二晚峯高歷歷。

天仙子二首其一 皇甫松 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-375-6-#67  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3422

劉郎此日別天仙,登綺席,

ここに來ると皆、劉郎となってこの日、仙女と別れるのだ。それは送別の宴に着くところからだ。

24. 劉郎 別れ去る愛しい男。仙桃を味わった浦島太郎のような人物である劉晨=劉郎である夢心地の状態にある男、何年も訪れてくれなくなっているのでこのようにいう。12年もたっていることと、全く景色が変わって、ここにいる女を含めみんなが全く変わっていたというものだ。 

劉禹錫『再遊玄都觀』

百畝庭中半是苔,桃花淨盡菜花開。

種桃道士今何歸,前度劉郞今又來。

再遊玄都觀 本文 劉禹錫 薛濤関連 唐五代詞・宋詩 薛濤-239--#95 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2742

白居易『贈薛濤』

蛾眉山勢接雲霓,欲逐劉郎北路迷。

若似剡中容易到,春風猶隔武陵溪。

贈薛濤 白居易 全唐詩 巻462  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-131--#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2202

牛嶠『女冠子 其三』

星冠霞帔,住在蘂珠宮裏。佩叮

明翠搖蟬翼,纖珪理宿粧。

醮壇春艸綠,藥院杏花香。

青鳥傳心事,寄劉郎

女冠子四首 其三 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-316-5-#57-7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3127

牛嶠『夢江南二首 其二』

紅繡被,兩兩間鴛鴦。

不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎

夢江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142 

阮郎 別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。・檀郎/安仁/潘郎 晋の潘岳のあざな。彼は美男子であり、詩人であったが、妻の死にあい「悼亡」の詩三首を作った。後世、妻の死をなげいた模擬作が多く作られた。潘岳の幼名が檀奴だったので、「檀郎」は夫や恋い慕う男を意味する。・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。

温庭筠 『思帝郷』

花花、満枝紅似霞。

羅袖画簾腸断、阜香車。

廻面共入閑語、戦箆金鳳斜。

唯有阮郎春尽、不帰家。

思帝郷 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-303-5-#57  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3062

牛嶠『夢江南二首其二』

紅繡被,兩兩間鴛鴦。

不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎

江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142

25. 天仙 天台山の仙女。ここでは道教の寺の尼を指す。

26. 登綺席 素晴らしい酒席に着く。ここでは別離の宴の席に着くこと。

27. 懶燒金,慵篆玉 不老長生の仙薬を作るのに気乗りしない。懶と慵は、億劫、面倒である、の意。焼金は錬金に同じ。篆玉は玉を煉るためにまず土・石を刻んで粉末にすること。なお、焼金、篆玉の語を、金や玉の香炉で香を薫く、あるいは、道家が丹を煉ったり金丹、符を書く、と解する説もある。

 

流水桃花空斷續。

曲水の宴で桃の花を願いを込めて流水に浮べるけれど、願い空しく途切れ途切れに流れてゆくだけ。

28. 桃花 可愛らしい女性、若々しい女性。

29. 流水桃花:艶姚な美しい女性が次第に薄れていくという意味になる。

古い時代から上巳に水辺で禊を行う風習があり、それが33日に禊とともに盃を水に流して宴を行うようになったとされる。 中国古代、周公の時代に始まったとも秦の昭襄王の時代に始まったとも伝えられている。永和9年(353年)33日、書聖と称された王羲之が曲水の宴を催したが、その際に詠じられた漢詩集の序文草稿が王羲之の書『蘭亭序』である。 
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