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巻六 和凝 二十首

花間集 訳注解説 (296)回目和凝巻六20山花子二首其二 》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9492

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 296)回目和凝巻六20山花子二首其二 》

 

 

20171118

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花間集 訳注解説 (296)回目和凝巻六20山花子二首其二 》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9492

その日は私の為に書いてくれた書があり、笙の笛はその調べはまさに長く吹かれると心寂しく思いました。水琴に水紋は広がり、簟も一層冷たく感じられ、鳳凰の画かれた屏風がなお更涼しく感じられたものです。あの別れた日の約束は私をもてあそぶもので素振りだけ、紅い糸で結ばれているといった、その赤い糸で蠅を打ち拂う「払子」を作って、あの恋しい「檀郎」を打ちたたいてやりたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花間集 巻六 和凝 二十首

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1

和凝

巻六14小重山二首其一  春入神京萬木芳,禁林鶯語滑,蝶飛狂。曉花擎露妬啼粧,紅日永,風和百花香。煙鏁柳絲長,御溝澄碧水,轉池塘。時時微雨洗風光,天衢遠,到處引笙篁。

2

和凝

巻六15小重山二首其二  正是神京爛熳時,羣仙初折得,郄詵枝。烏犀白紵最相宜,精神出,御陌袖鞭垂。柳色展愁眉,管絃分響亮,探花期。光陰占斷曲江池,新牓上,名姓徹丹墀。

3

和凝

巻六16臨江仙二首其一  海棠香老春江晚,小樓霧縠濛。翠鬟初出繡簾中,麝煙鸞珮蘋風。碾玉釵搖鸂鶒戰,雪肌雲鬢將融。含情遙指碧波東,越王臺殿蓼花紅。

4

和凝

巻六17臨江仙二首其二  披袍窣地紅宮錦,鶯語時囀輕音。碧羅冠子穩犀簪,鳳皇雙颭步搖金。肌骨細勻紅玉軟,臉波微送春心。嬌羞不肯入鴛衾,蘭膏光裏兩情深。

5

和凝

巻六18菩薩蠻一首  越梅半拆輕寒裏,冰清澹薄籠藍水。暖覺杏梢紅,遊絲狂惹風。閑堦莎徑碧,遠夢猶堪惜。離恨又迎春,相思難重陳。

6

和凝

巻六19山花子二首其一  鶯錦蟬縠馥麝臍,輕裾花早曉烟迷。鸂鶒戰金紅掌墜,翠雲低。星靨笑隈霞臉畔,蹙金開襜襯銀泥。春思半和芳草嫩,碧萋萋。

7

和凝

巻六20山花子二首其二  銀字笙寒調正長,水紋簟冷畫屏涼。玉腕重金扼臂,澹梳粧。幾度試香纖手暖,一迴嘗酒絳脣光。佯弄紅絲蠅拂子,打檀郎。

8

和凝

巻六21河滿子二首其一  正是破瓜年幾,含情慣得人饒。桃李精神鸚鵡舌,可堪虛度良宵。卻愛藍羅裙子,羨他長束纖腰。

9

和凝

巻六22河滿子二首其二  寫得魚牋無限,其如花鏁春輝。目斷巫山雲雨,空教殘夢依依。卻愛熏香小鴨,羨他長在屏幃。

10

和凝

巻六23薄命女一首  天欲曉,宮漏穿花聲繚繞。牎裏星光少,冷霞寒侵帳額,殘月光沉樹杪。夢斷錦幃空悄悄,強起愁眉小。

11

和凝

巻六24望梅花一首  春草全無消息,臈雪猶餘蹤跡。越嶺寒枝香自拆,冷豔奇芳堪惜。何事壽陽無處覓,吹入誰家橫笛。

12

和凝

巻六25天仙子二首其一  柳色披衫金縷鳳,纖手輕拈紅豆弄,翠蛾雙斂正含情。桃花洞,瑤臺夢,一片春愁誰與共。

13

和凝

巻六26天仙子二首其二  洞口春紅飛蔌蔌,仙子含愁眉黛綠。阮郎何事不歸來,懶燒金,慵篆玉。流水桃花空斷續。

14

和凝

巻六27春光好二首其一  紗暖,畫屏閑,嚲雲鬟。睡起四肢無力,半春間。玉指剪裁羅勝,金盤點綴蘇山。窺宋深心無限事,小眉彎。

15

和凝

巻六28春光好二首其二  蘋葉軟,杏花明,畫舡輕。雙浴鴛鴦出淥汀,棹歌聲。春水無風無浪,春天半雨半晴。紅粉相隨南浦晚,幾含情。

16

和凝

巻六29採桑子一首  蝤蠐領上訶梨子,繡帶雙垂,椒閑時,競學樗蒲賭荔枝。叢頭鞋子紅編細,裙窣金絲。無事嚬眉,春思飜教阿母疑。

17

和凝

巻六30柳枝三首其一  軟碧瑤煙似送人,映花時把翠蛾嚬。青青自是風流主,慢颭金絲待洛神。

18

和凝

巻六31柳枝三首其二  瑟瑟羅裙金縷腰,黛眉隈破未重描。醉來咬損新花子,拽住仙郎盡放嬌。

19

和凝

巻六32柳枝三首其三  鵲橋初就咽銀河,今夜仙郎自姓和。不是昔年攀桂樹,豈能月裏索嫦娥。

20

和凝

巻六33漁父一首   白芷汀寒立鷺鷥,蘋風輕剪浪花時。烟冪冪,日遲遲。香引芙蓉惹釣絲。

 和凝898955)字は成績、郭州須昌(山東省東平県)の人。幼少のころから聡明で、学問を好み、一読した書はみなその大義に達していた。十七歳で明経に挙げられ、十九歳で進士に及第した。はじめ後梁に仕えて地方官をつとめたが、つづいて後唐に仕えて、天成年間(926929)に殿中侍御史を拝し、礼部員外即を経て主客員外郎、知制許に改められ、ついで翰林に入って学士となった。また後晋に仕えて、天福五年(940) に中書侍郎同中書門下平車掌(宰相)を拝命した。ついでまた後漢に仕えて、太子大伴を拝し、魯国公に封ぜられた。後周の顕徳二年(955)五十八歳で卒した。のち侍中を贈与された。外見をつくろうことが好きで、平生、乗物や衣服を美しく装飾してりっぱなようすをしていた。また、後進のものを世話するのが好きで、賢不肖にかかわらず、虚心をもってその仕進の道を開きみちびいたので、たいそう評判がよかったという。

文章をつくるにはその分量の多いことが得意であった。文集は百余巻あり、かつて自ら板に訝って、数百状を校印し、人に分かち与えた。短歌艶曲に長じ、「由子相公」というよび名がつけられていた。かれの艶詞をあつめたものに香密集があり、宰相の名を避けて韓樫の名に託してあったというが、今日伝わる韓促の香密集(香散薬)は和顔の作ではないことはすでに明の毛管などがその尤もであることを弁じている(五唐人集)。著述に演論集三十巻、群芸集五十巻、紅薬編五巻(宋史芸文志)があったといぅが、今伝わらない。

かれの詩集に紅葉稿一巻あり、百余首を収めているといぅが(歴代詩余、竜沐勘著唐宋名家詩選に紹介した宋大字本)、この本も明らかではない。紅葉稿は紅薬編のことで、これは制語に関する著述であるといぅ説もある (胡透、詞選)。かれの詞は花間集に二十首収められている。王国経の輯本には二十九首を収めている。

* 旧五代史巻一二七 新五代史巻五六 北夢項言巻パ以歌詞自娯粂 歴代詩余巻一〇二詞人姓氏 全唐詩巻三二 紅葉稿詞一巻 王国稚韓、唐五代二十一家詞輯所収

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲《山花子二首 其一》和凝

 

 

花間集 訳注解説

 

 

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9485

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山花子二首 其一

(楽しく暮らしていた閨はそのままに又春を迎えたが、外に出ない女でも「春の思い」にかられるもの、ましてや旅路のおとこはたのおんなをもとめるものだから、女のもとには帰ってこないのは仕方のないこと)

鶯錦蟬縠馥麝臍,輕裾花早曉烟迷。

鶯によって春を思い、蝉の羽柄の錦のように鮮やかで美しい服を着ている、麝香の香りは閨に漂う。春景色に心も浮かれて暁のうすあかりのなか燈火がゆれるとあの人かと迷ってしまう、花をすばやく見つけようと軽やかに裾をうごかして庭に出てゆく。

鸂鶒戰金紅掌墜,翠雲低。

川辺にはツガイのおしどりは翅の金模様を激しく動かして交尾している、紅い色を上げたり下げたりしていて、春の霞が低く漂い、若い女がそこに佇んでいる。

星靨笑隈霞臉畔,蹙金開襜襯銀泥。

女は微笑を隠しながら、その顔には星のような可憐なえくぼがあり、はるかすみにその河畔にかおをだす。金の翅をとじたり、前掛けを開いたり、下半身、足には銀泥の下着をつけている。

春思半和芳草嫩,碧萋萋

男というものは春景色のなかで一緒に過ごしたいと思う気持ちはこの若草の萌えるかぐわしい香となかば一緒になっていくので、旅立った男が旅先で春草のような女に心奪われて帰って来ないのです。

 

 

其二

(あれほど愛してくれたあの人は送り出す時にたくさんの思い出を残してくれ、約束の書面を遺して行った。それなのに約束の日が過ぎても帰ってこない。)

銀字笙寒調正長,水紋簟冷畫屏涼。

その日は私の為に書いてくれた書があり、笙の笛はその調べはまさに長く吹かれると心寂しく思いました。水琴に水紋は広がり、簟も一層冷たく感じられ、鳳凰の画かれた屏風がなお更涼しく感じられたものです。

玉腕重金扼臂,澹梳粧。

あの人のたくましい、輝くような腕に抱かれ、体には金のような重たさを感じ、そして腕枕をしてもらいました。髪をゆっくり梳き、お化粧をするものたのしいことでした。

幾度試香纖手暖,一迴嘗酒絳脣光。

何度も何度もお香に火をつけ、このかぼそい指をあたためてくれました。一度愛し合って、お酒を注いでもらって飲むと、口紅で紅い唇にお酒で潤い光っていました。

佯弄紅絲蠅拂子,打檀郎。

あの別れた日の約束は私をもてあそぶもので素振りだけ、紅い糸で結ばれているといった、その赤い糸で蠅を打ち拂う「払子」を作って、あの恋しい「檀郎」を打ちたたいてやりたいものです。

 

 

『山花子二首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

其二

銀字笙寒調正長,水紋簟冷畫屏涼。

玉腕重金扼臂,澹梳粧。

幾度試香纖手暖,一迴嘗酒絳脣光。

佯弄紅絲蠅拂子,打檀郎。

 

(下し文)

(山花子二首 其の二)

銀字 笙 調べは正に長ずるに寒し,水紋 簟冷く 畫屏も涼し。

玉腕 金を重くし 臂を扼く,梳き粧すを澹く。

幾度 香を試【さぐ】りて纖手暖む,一たび迴れば 酒を嘗め 絳脣光る。

佯弄【ようろう】 紅絲【こうし】 蠅の拂子【ほっす】,檀郎を打つ。

 

(現代語訳)

(あれほど愛してくれたあの人は送り出す時にたくさんの思い出を残してくれ、約束の書面を遺して行った。それなのに約束の日が過ぎても帰ってこない。)

その日は私の為に書いてくれた書があり、笙の笛はその調べはまさに長く吹かれると心寂しく思いました。水琴に水紋は広がり、簟も一層冷たく感じられ、鳳凰の画かれた屏風がなお更涼しく感じられたものです。

あの人のたくましい、輝くような腕に抱かれ、体には金のような重たさを感じ、そして腕枕をしてもらいました。髪をゆっくり梳き、お化粧をするものたのしいことでした。

何度も何度もお香に火をつけ、このかぼそい指をあたためてくれました。一度愛し合って、お酒を注いでもらって飲むと、口紅で紅い唇にお酒で潤い光っていました。

あの別れた日の約束は私をもてあそぶもので素振りだけ、紅い糸で結ばれているといった、その赤い糸で蠅を打ち拂う「払子」を作って、あの恋しい「檀郎」を打ちたたいてやりたいものです。

 

(訳注)

山花子

15. 唐の教坊曲、花間集には和凝の二首のみ所収。単調四十七字、前段二十三字三平韻、後段二十四字二平韻⑦⑦6③/7⑦7③の詞形をとる。

 

山花子二首 其二

16. (あれほど愛してくれたあの人は送り出す時にたくさんの思い出を残してくれ、約束の書面を遺して行った。それなのに約束の日が過ぎても帰ってこない。)

17. 前段は閨情詩の愛し合う二人の思い出の品の数々が並べられている。後段、約束の日に二人で過ごすことを過去のものを思い出すことで、一人さびしいことを強調し、最後に、悔しいから蝿払いでたたいてやりたいという、男目線で男を待つ女を詠う教坊曲、和凝のハイセンスな詩である。

 18. 

銀字 笙寒 調正長,水紋 簟冷 畫屏涼。

その日は私の為に書いてくれた書があり、笙の笛はその調べはまさに長く吹かれると心寂しく思いました。水琴に水紋は広がり、簟も一層冷たく感じられ、鳳凰の画かれた屏風がなお更涼しく感じられたものです。

 18. 銀字 色紙、屏風など手紙より比較的大きなものに書かれた文字。ここでは仲の良い時期に書かれたもの。

 19.  雅楽で用いられる笙は、その形を翼を立てて休んでいる鳳凰に見立てられ、鳳笙(ほうしょう)とも呼ばれる。匏(ふくべ)とも呼ばれる。

20. 水紋簟冷 水滴が堕ち広がる模様が入った簟の敷物がもう冷たすぎる。夏には帰って來ると約束したのに秋になって涼しすぎる。ということであろうが、詩の全体から見ると、二人が楽しく過ごしたアイテムを羅列ととらえた方が最後の「檀郎を打つ」が強調されるということで、夏の涼感を得るための水琴とした。

 

玉腕 重金 扼臂,澹梳粧。

あの人のたくましい、輝くような腕に抱かれ、体には金のような重たさを感じ、そして腕枕をしてもらいました。髪をゆっくり梳き、お化粧をするものたのしいことでした。

21. 扼臂 扼:強く押さえる。締めつける。要所を占める。臂:うで。方から手首まで。

22. 澹梳 澹:風や波によってゆったりと動くさま。梳:くしけずる【梳る】櫛で髪の毛をとかして整える。けずる。すく。

 

幾度 試香 纖手暖,一迴 嘗酒 絳脣光。

何度も何度もお香に火をつけ、このかぼそい指をあたためてくれました。一度愛し合って、お酒を注いでもらって飲むと、口紅で紅い唇にお酒で潤い光っていました。

23. 絳脣 点絳唇「口紅を塗る」

 

佯弄 紅絲 蠅拂子,打檀郎。

あの別れた日の約束は私をもてあそぶもので素振りだけ、紅い糸で結ばれているといった、その赤い糸で蠅を打ち拂う「払子」を作って、あの恋しい「檀郎」を打ちたたいてやりたいものです。

24. 佯弄 佯:振りをする,見せ掛ける佯死死んだ振りをする.弄:もてあそぶ。思うままに操る。「策を―・する」「諧謔(かいぎゃく)を―・する」あざける。からかう。なぶりものにする。

ほっす【払子】とは。意味や解説。《唐音》獣毛や麻などを束ねて柄をつけたもの。もとインドで蚊・ハエやちりを払うのに用いたが、のち法具となって、中国の禅宗では僧が説法時に威儀を正すのに用いるようになり、日本でも真宗以外の高僧が用いる

25. 檀郎 ・檀郎/安仁/潘郎 晋の潘岳のあざな。彼は美男子であり、詩人であったが、妻の死にあい「悼亡」の詩三首を作った。後世、妻の死をなげいた模擬作が多く作られた。潘岳の幼名が檀奴だったので、「檀郎」夫や恋い慕う男を意味する。・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。

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