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花間集巻五・六 歐陽烱

花間集 訳注解説 (289)回目 歐陽烱 巻六 《鳳樓春鳳》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9443

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 289)回目 歐陽烱 巻六 《鳳樓春鳳》

 

2017119

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 (15)765年正月幕府を辞す 63

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(16-2) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)81

 

杜甫詩 (17-1)767年夔州・西閣・赤甲・瀼西132

杜甫詩 (17-2) 767年・瀼西・東屯 133

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花間集 訳注解説 (289)回目 歐陽烱 巻六 《鳳樓春鳳》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9443

(寵愛は若いときだけのもので、また春から初夏になっても連絡がない、次から次へと咲く海棠の花散る時節にいたってもただ寵愛を待つだけと閨怨を詠う。)

豊かな黒髪を両鬢の雲型に後ろの髻の鳳凰の結び目、髪に結い降ろし、宮殿深くの房閏の帳をたらし、向こうに連子窓がある。練り絹の書は何度も届く。夢中ではたがいに会えたが覚めたらけだるさが残る、涙の後を化粧で整えても、珠の涙は頬紅を溶かしてしまう。誰からも愛される高貴なお方に手紙は届いているはずなのに合いには来てくれない、何処に行かれているのか、春の美しい景色を誰とともに過ごしているのか。小樓に登って眺める、春にあのお方と過ごすという思いは果てない。手すりにもたれて臨む、知らぬ間にまた愁いのなかにひきこまれる。柳絮は春風がおこるたびに舞い散る。やがて日が傾き、簾越に牀を照らし、寝牀を覆う薄絹の帳にはお香の火も消えてつめたい、ただ空しく鳳凰の屏風が立つ。やがて海菜の花も凋んで落ち、春を告げていた鶯の啼き声も残った紅の花の中に消える。美しかった妃賓も美しさを失う。

 

 

 

花間集 巻六

 

 

 

欧陽烱

欧陽炯 【おうようけい】(896-971)              中国,五代の詞人。初め前蜀に仕えたが,滅亡後,洛陽に出る。後蜀が建って蜀に帰り,滅亡後は宋に仕えた。詞は《花間集》《尊前集》に収める。        

益州の華陽、今の四川省成郡の人。若くして前蜀の王衍に仕えて中書舎人となり、後唐に前蜀が滅ぼされると、王衍に従って洛陽に行った。その後、孟知祥が後蜀を建てたので、欧陽烱は蜀に移り、中書舎人、翰林学士、礼部侍郎、陵州の刺史、吏部侍郎等に任じられた。後蜀が宋によって亡ぼされると、宋朝に帰した。欧陽烱は笛に長じていたので、末の太祖超匡胤は常に彼を召し出し笛を演奏させたと伝えられる。欧陽烱は音楽に明るかったということで、『花間集』の編者、後蜀の趙崇祚に請われて『花間集』の序文を書いた。序文の日付は、後蜀の広政三年(940年)夏四月になっている。欧陽烱の詞は、『花間集』には十七首が収められている。

 

1            巻五47浣溪沙三首其一

落絮殘鶯半日天,玉柔花醉只思眠,惹映竹滿爐煙。

獨掩畫屏愁不語,斜欹瑤枕髻鬟偏,此時心在阿誰邊。

 

2            巻五48浣溪沙三首其二

天碧羅衣拂地垂,美人初著更相宜,宛風如舞透香肌。

獨坐含嚬吹鳳竹,園中緩步折花枝,有情無力泥人時。

 

3            巻五49浣溪沙三首其三

相見休言有淚珠,酒闌重得敘歡,鳳屏鴛枕宿金鋪。

蘭麝細香聞喘息,綺羅纖縷見肌膚,此時還恨薄情無。

 

4            巻五50三字令

春欲盡,日遲遲,牡丹時。羅幌卷,翠簾垂。

彩牋書,紅粉淚,兩心知。人不在,鷰空歸,負佳期。

香燼落,枕函欹。月分明,花澹薄,惹相思。

 

-------------------------------------------------------------------------

5            巻六01子八首其一

嫩草如煙,石榴花發海南天。

日暮江亭春影淥,鴛鴦浴。水遠山長看不足。

 

6            巻六02子八首其二

畫舸停橈,槿花籬外竹橫橋。

水上遊人沙上女,迴顧,笑指芭蕉林裏住。

 

7            巻六03子八首其三

岸遠沙平,日斜歸路晚霞明。

孔雀自憐金翠尾,臨水,認得行人驚不起。

 

8            巻六04子八首其四

洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。

紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。

 

9            巻六05子八首其五

二八花鈿,胸前如雪臉如蓮。

耳墜金鐶穿瑟瑟,霞衣窄,笑倚江頭招遠客。

10          巻六06子八首其六

路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。

兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。

 

11          巻六07子八首其七

袖斂鮫綃,採香深洞笑相邀。

藤杖枝頭蘆酒滴,鋪葵席,豆花間晚日。

 

12          巻六08子八首其八

翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。

島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。

 

13          巻六09獻衷心

見好花顏色,爭笑東風。雙臉上,晚粧同。

閑小樓深閣,春景重重。三五夜,偏有恨,月明中。

情未已,信曾通,滿衣猶自染檀紅。

恨不如雙鷰,飛舞簾櫳。春欲暮,殘絮盡,柳條空。

 

14          巻六10賀明朝二首其一

憶昔花間初識面,紅袖半遮粧臉。

輕轉石榴裙帶,故將纖纖玉指,撚雙鳳金線。

碧梧桐鏁深深院,誰料得,兩情何日教繾綣。

羨春來雙鷰,飛到玉樓,朝暮相見。

 

15          巻六11賀明朝二首其二

憶昔花間相見後,只憑纖手,暗紅豆。

人前不解,巧傳心事。別來依舊,辜負春晝。

碧羅衣上蹙金繡,睹對對鴛鴦,空裛淚痕透。

想韶顏非久,終是為伊,只恁瘦。

 

16          巻六12江城子

晚日金陵岸艸平,落霞明,水無情,六代繁華,暗逐逝波聲。

空有姑蘇臺上月,如西子鏡照江城。

 

17          巻六13鳳樓春鳳

髻綠雲叢,深掩房攏。錦書通,夢中相見覺來慵,勻面淚臉珠融。

因想玉郎何處去,對淑景誰同。小樓中,春思無窮。

倚欄顒望,闇牽愁緒,柳花飛起東風。

斜日照簾,羅幌香冷粉屏空。海棠零落,鶯語殘紅。

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲《巻六 鳳樓春》歐陽烱

 

 

花間集 訳注解説

 

 

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9443

 

 

 

 

 

289)回目 歐陽烱 巻六 《鳳樓春鳳》 ブログ9443 

鳳樓春 一首

(寵愛は若いときだけのもので、また春から初夏になっても連絡がない、次から次へと咲く海棠の花散る時節にいたってもただ寵愛を待つだけと閨怨を詠う。)

鳳髻綠雲叢,深掩房攏。

豊かな黒髪を両鬢の雲型に後ろの髻の鳳凰の結び目、髪に結い降ろし、宮殿深くの房閏の帳をたらし、向こうに連子窓がある。

錦書通,夢中相見覺來慵,勻面淚臉珠融。

練り絹の書は何度も届く。夢中ではたがいに会えたが覚めたらけだるさが残る、涙の後を化粧で整えても、珠の涙は頬紅を溶かしてしまう。

因想玉郎何處去,對淑景誰同。

誰からも愛される高貴なお方に手紙は届いているはずなのに合いには来てくれない、何処に行かれているのか、春の美しい景色を誰とともに過ごしているのか。

小樓中,春思無窮。

小樓に登って眺める、春にあのお方と過ごすという思いは果てない。

倚欄顒望,闇牽愁緒,柳花飛起東風。

手すりにもたれて臨む、知らぬ間にまた愁いのなかにひきこまれる。柳絮は春風がおこるたびに舞い散る。

斜日照簾,羅幌香冷粉屏空。

やがて日が傾き、簾越に牀を照らし、寝牀を覆う薄絹の帳にはお香の火も消えてつめたい、ただ空しく鳳凰の屏風が立つ。

海棠零落,鶯語殘紅。

やがて海菜の花も凋んで落ち、春を告げていた鶯の啼き声も残った紅の花の中に消える。美しかった妃賓も美しさを失う。

 

 

『鳳樓春』 現代語訳と訳註

(本文)

鳳樓春

鳳髻綠雲叢,深掩房攏。

錦書通,夢中相見覺來慵,勻面淚臉珠融。

因想玉郎何處去,對淑景誰同。

小樓中,春思無窮。

倚欄顒望,闇牽愁緒,柳花飛起東風。

斜日照簾,羅幌香冷粉屏空。

海棠零落,鶯語殘紅。

 

(下し文)

(鳳樓春【ほうろうしゅん】

鳳髻【ほうけい】綠雲 叢【そう】とし,深く房攏を掩う。

錦書 通し,夢中 相い見 覺め來りて慵【ものう】き,面を勻い 臉に淚し 珠融く。

因りて想う 玉郎 何處にか去らん,淑景に對し誰か同じうすと。

小樓に中【あた】って,春思 窮り無し。

欄に倚り顒望【ぎょうぼう】し,闇牽するは愁緒【しゅうちょ】を,柳花 東風に飛び起つ。

日斜むけば簾を照し,羅の幌には香 冷めて 粉しても屏は空し。

海棠も零落し,鶯語も殘紅す。

 

(現代語訳)

(寵愛は若いときだけのもので、また春から初夏になっても連絡がない、次から次へと咲く海棠の花散る時節にいたってもただ寵愛を待つだけと閨怨を詠う。)

豊かな黒髪を両鬢の雲型に後ろの髻の鳳凰の結び目、髪に結い降ろし、宮殿深くの房閏の帳をたらし、向こうに連子窓がある。

練り絹の書は何度も届く。夢中ではたがいに会えたが覚めたらけだるさが残る、涙の後を化粧で整えても、珠の涙は頬紅を溶かしてしまう。

誰からも愛される高貴なお方に手紙は届いているはずなのに合いには来てくれない、何処に行かれているのか、春の美しい景色を誰とともに過ごしているのか。

小樓に登って眺める、春にあのお方と過ごすという思いは果てない。

手すりにもたれて臨む、知らぬ間にまた愁いのなかにひきこまれる。柳絮は春風がおこるたびに舞い散る。

やがて日が傾き、簾越に牀を照らし、寝牀を覆う薄絹の帳にはお香の火も消えてつめたい、ただ空しく鳳凰の屏風が立つ。

やがて海菜の花も凋んで落ち、春を告げていた鶯の啼き声も残った紅の花の中に消える。美しかった妃賓も美しさを失う。

 

(訳注)

鳳樓春一首

1.(春から初夏になっても連絡がない、次から次へと咲く海棠の花散る時節にいたる閨怨を詠う。)

2. 鳳樓春 宮中における妃賓の、寝殿の楼閣における恋愛模様を言う。

3. 唐の教坊の曲名。『花間集』には欧陽烱の一首のみ所収。双調七十七字、前段三十七字七句六平韻、後段四十字九句五平韻で、⑤❹③⑦⑥7⑤/❸④❹4❻4⑦4④の詞形をとる。

鳳髻綠雲叢  深掩房 
錦書通  夢中相見覺來 勻面淚臉珠融  

因想玉郎何處去 對淑景誰同  

小樓中 春思無窮 

 “/”

 倚欄顒 闇牽愁緒  柳花飛起東風 
斜日照簾  羅幌香冷粉屏 
海棠零落  鶯語殘紅 

  
  
   

  

  

  
  
  

 

鳳髻綠雲叢,深掩房攏。

豊かな黒髪を両鬢の雲型に後ろの髻の鳳凰の結び目、髪に結い降ろし、宮殿深くの房閏の帳をたらし、向こうに連子窓がある。

4. 鳳髻綠雲叢 全体は雲型で後ろに背に向けて鳳の羽の形に結い上げた豊かな黒髪。宮妓の髪。

5. 房攏 房は宮女の部屋の前のたたき廊下の連子窓。攏は、獣を入れておく「おり、」。連子窓。

 

錦書通,夢中相見覺來慵,勻面淚臉珠融。

練り絹の書は何度も届く。夢中ではたがいに会えたが覚めたらけだるさが残る、涙の後を化粧で整えても、珠の涙は頬紅を溶かしてしまう。

6. 錦書通 練り絹に書いてかれた妃嬪への手紙。前秦の竇滔の妻蘇氏が錦を織って廻文の詩二百余首を題して任地に行ったままで消息の分からない夫の滔におくって愛情を取り戻したという故事にならっている。手紙の美称。(夫は趙明誠) 

7. 慵 けだるさだけが残ってしまう。虚無感。

8. 勻 均等に整える。ここでは拭い払うこと。

9. 腺珠融 頬の涙の滴が (紅白粉を) くずす。涙で紅白粉が溶けることを言う。

 

因想玉郎何處去,對淑景誰同。

誰からも愛される高貴なお方に手紙は届いているはずなのに合いには来てくれない、何処に行かれているのか、春の美しい景色を誰とともに過ごしているのか。

10. 玉郎 玉の様に輝かしい男。ここでは若くて輝いている、誰からも愛される高貴な男の意。

11. 淑景 春の美しい景色。

 

小樓中,春思無窮。

小樓に登って眺める、春にあのお方と過ごすという思いは果てない。

12. 春思 万物が子作りを始め、成長するのが春。冬の間にたくわえられて春に開花する、人の思いも思い続けていたものが春には遂げられるという五行思想をいう。

 

倚欄顒望,闇牽愁緒,柳花飛起東風。

手すりにもたれて臨む、知らぬ間にまた愁いのなかにひきこまれる。柳絮は春風がおこるたびに舞い散る。

13. 顒望 じっと動かず遠くを眺める

14. 闇牽 闇に牽く。知らぬ間に誘い込まれる、あるいは一つの考えに引き込まれることを云う。

 

斜日照簾,羅幌香冷粉屏空。

やがて日が傾き、簾越に牀を照らし、寝牀を覆う薄絹の帳にはお香の火も消えてつめたい、ただ空しく鳳凰の屏風が立つ。

15. 羅幌香冷粉麻空 寝台を覆う薄絹の帳は香炉の火も消え、白く塗り飾った屏風の中には人影(夫の姿) のないことを言う。女性の悲しみを言ったもの。

 

海棠零落,鶯語殘紅。

やがて海菜の花も凋んで落ち、春を告げていた鶯の啼き声も残った紅の花の中に消える。美しかった妃賓も美しさを失う。

16. 海棠 紫色の枝から数㎝の花柄を伸ばし、淡いピンク色の花を次つぎと咲かせ、花の美しさから美女を形容するときにも登場する、晩春から初夏にかけて咲く。女盛りをいう。

17. 零落 落ちぶれること。草木の枯れ落ちること。

18. 鶯語殘紅 ここは、海棠の花が咲き誇っている時に鶯が啼いていたのが記憶として残っていること、海棠花が零落しているのであるから夏が来ているのであるから、鶯は啼いてはいない。

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