花間集 訳注解説 (284)回目歐陽烱巻六南鄉子八首其八》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9408
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花間集 訳注解説 (284)回目歐陽烱巻六南鄉子八首其八》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9408
(きまぐれな男に春から夏に架けてはあいされていたが、秋には棄てられ、今は何処の宿で男を相手にするのか、女妓を詠う。)
春のころ、翡翠のように飾られ、ごいさぎのように仲睦ましく暮らし、夏のころ、水草の白蘋のように可憐で、かおりにかこまれた中のよい鷺のような渚の波打ち際のような小さな住まいで幸せに暮らしていたのです。
それが秋になると、その島の上にも雲がかかり暗き影を落とし、秋の長雨が降り暗い景色になったのです。そしてアシの花穂は、打ちひしがれたのです。今は、数々の漁師の船が浮かぶところで生きていて、何処の宿に泊まる事やら。
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| 花間集 巻六 | |
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欧陽烱
欧陽炯 【おうようけい】(896-971) 中国,五代の詞人。初め前蜀に仕えたが,滅亡後,洛陽に出る。後蜀が建って蜀に帰り,滅亡後は宋に仕えた。詞は《花間集》《尊前集》に収める。
益州の華陽、今の四川省成郡の人。若くして前蜀の王衍に仕えて中書舎人となり、後唐に前蜀が滅ぼされると、王衍に従って洛陽に行った。その後、孟知祥が後蜀を建てたので、欧陽烱は蜀に移り、中書舎人、翰林学士、礼部侍郎、陵州の刺史、吏部侍郎等に任じられた。後蜀が宋によって亡ぼされると、宋朝に帰した。欧陽烱は笛に長じていたので、末の太祖超匡胤は常に彼を召し出し笛を演奏させたと伝えられる。欧陽烱は音楽に明るかったということで、『花間集』の編者、後蜀の趙崇祚に請われて『花間集』の序文を書いた。序文の日付は、後蜀の広政三年(940年)夏四月になっている。欧陽烱の詞は、『花間集』には十七首が収められている。
1 巻五47浣溪沙三首其一
落絮殘鶯半日天,玉柔花醉只思眠,惹䆫映竹滿爐煙。
獨掩畫屏愁不語,斜欹瑤枕髻鬟偏,此時心在阿誰邊。
2 巻五48浣溪沙三首其二
天碧羅衣拂地垂,美人初著更相宜,宛風如舞透香肌。
獨坐含嚬吹鳳竹,園中緩步折花枝,有情無力泥人時。
3 巻五49浣溪沙三首其三
相見休言有淚珠,酒闌重得敘歡娛,鳳屏鴛枕宿金鋪。
蘭麝細香聞喘息,綺羅纖縷見肌膚,此時還恨薄情無。
4 巻五50三字令
春欲盡,日遲遲,牡丹時。羅幌卷,翠簾垂。
彩牋書,紅粉淚,兩心知。人不在,鷰空歸,負佳期。
香燼落,枕函欹。月分明,花澹薄,惹相思。
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5 巻六01南鄉子八首其一
嫩草如煙,石榴花發海南天。
日暮江亭春影淥,鴛鴦浴。水遠山長看不足。
6 巻六02南鄉子八首其二
畫舸停橈,槿花籬外竹橫橋。
水上遊人沙上女,迴顧,笑指芭蕉林裏住。
7 巻六03南鄉子八首其三
岸遠沙平,日斜歸路晚霞明。
孔雀自憐金翠尾,臨水,認得行人驚不起。
8 巻六04南鄉子八首其四
洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。
紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。
9 巻六05南鄉子八首其五
二八花鈿,胸前如雪臉如蓮。
耳墜金鐶穿瑟瑟,霞衣窄,笑倚江頭招遠客。
10 巻六06南鄉子八首其六
路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。
兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。
11 巻六07南鄉子八首其七
袖斂鮫綃,採香深洞笑相邀。
藤杖枝頭蘆酒滴,鋪葵席,豆蔻花間趖晚日。
12 巻六08南鄉子八首其八
翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。
島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。
13 巻六09獻衷心
見好花顏色,爭笑東風。雙臉上,晚粧同。
閑小樓深閣,春景重重。三五夜,偏有恨,月明中。
情未已,信曾通,滿衣猶自染檀紅。
恨不如雙鷰,飛舞簾櫳。春欲暮,殘絮盡,柳條空。
14 巻六10賀明朝二首其一
憶昔花間初識面,紅袖半遮粧臉。
輕轉石榴裙帶,故將纖纖玉指,偷撚雙鳳金線。
碧梧桐鏁深深院,誰料得,兩情何日教繾綣。
羨春來雙鷰,飛到玉樓,朝暮相見。
15 巻六11賀明朝二首其二
憶昔花間相見後,只憑纖手,暗拋紅豆。
人前不解,巧傳心事。別來依舊,辜負春晝。
碧羅衣上蹙金繡,睹對對鴛鴦,空裛淚痕透。
想韶顏非久,終是為伊,只恁偷瘦。
16 巻六12江城子
晚日金陵岸艸平,落霞明,水無情,六代繁華,暗逐逝波聲。
空有姑蘇臺上月,如西子鏡照江城。
17 巻六13鳳樓春鳳
髻綠雲叢,深掩房攏。錦書通,夢中相見覺來慵,勻面淚臉珠融。
因想玉郎何處去,對淑景誰同。小樓中,春思無窮。
倚欄顒望,闇牽愁緒,柳花飛起東風。
斜日照簾,羅幌香冷粉屏空。海棠零落,鶯語殘紅。
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| 花間集 教坊曲《巻六 南鄉子八首其七》歐陽烱 | |
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南鄉子
南鄉子八首其一
(長江下流域のあたりか、浙江省会稽・紹興辺りを連想させ、大江に面した樓亭に若い芸妓を侍らせた状況を詠う。)
嫩草如煙,石榴花發海南天。
若々しく柔らかい草原に陽炎が経つ頃も過ぎ、石榴の花は開き始める南国の海辺の郷に居る。
日暮江亭春影淥,鴛鴦浴。
日暮れ近くの水辺の樓亭は春景色の中きれいな水に影を落とす。そばには鴛鴦が水浴びをしている。
水遠山長看不足。
江水のはるか遠くに山並みが長く連なり、ここの春景色は飽きることがない。
(南鄉子八首 其の一)
嫩草【わかくさ】煙の如く,石榴の花發く海南の天【そら】。
日暮れて江亭は淥に春影し,鴛鴦 浴す。
水 遠く 山 長【はる】かにして 看れど足るなし。
南鄉子八首其二
(昔は、蝶よ、花よと下にも置かない生活をしていたが、今では芭蕉の林の中で粗末な生活をしている女の悲哀を詠うものである。)
畫舸停橈,槿花籬外竹橫橋。
すこし長い旅をしてきたきれいな塗り舟のさおをとめておりてみる。儚い思いを見てきたむくげの花が籬の外に顏を出していて、少し進むと、その横には、竹の橋が架かっている。
水上遊人沙上女,迴顧,笑指芭蕉林裏住。
船旅で港ごとに遊んできた男は、渚に佇む女に目をやる。そして尋ねる。女は振り向き、微笑んで芭蕉の林を指さして、「あそに住んでいます。」と答えを返してくれる。
(南鄉子八首 其の二)
畫舸 橈を停め,槿花 籬の外 竹 橋を橫たう。
水上の遊人 沙上の女,迴顧して,笑み指し「芭蕉林の裏 住む」と。
南鄉子八首其三
(南国の夕暮れ時に水辺近くの女館についたものの、なじみのおんながいなくてなんにもできないと詠う。)
岸遠沙平,日斜歸路晚霞明。
故郷に帰る船は港を目指すが、岸は遠く砂濱は平らかに広がる。やがて、日は傾きて舟を降りて、帰り路を行けば、空は夕焼けに染まり、夕霞が漂う。
孔雀自憐金翠尾,臨水,認得行人驚不起。
昔馴染みの女妓がいなくて男らしさを示すものの、どうしようもないことで自らを憐れむいがいにない、それは帰る路に孔雀は自分の羽を広げて美しさを示すことしかできず、その美しさゆえに、その尾をあわれにおもうしかないのだ、そしてただどうしようもなく江水を臨むだけ、だから、ここの女たちが旅人のわたしを見てもなにもできなくて飛び立つこともしない。
(其の三)
岸 遠くして 沙平らなり,日 斜めにして歸路の晚霞は明かなり。
孔雀 自ら金翠の尾を憐れみ,水に臨む,認めて行人を得しも驚き起たず。
其四
(つぼみの先が必ず北を向く木蘭のように思い続けてくれる女妓と花さく中、睦まじく過すさまを詠う)
洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。
聖女祠の所に来たけれどこの洞口は誰が住んでいる家なのか、ここまでの水路の岸辺に木蘭がつづき、舟を繋いで進むと木蘭の花のように私だけを見てくれているように迎い入れてくれる。
紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。
紅い木蘭の花の中に紅い袖の女祠を携えて此処を去る。ここ南の港町で遊んだ時の事。微笑み合い、倚りそいあう、情を交わす時節になる春かぜが抜け、互いに見交わして語り合う。
(南鄉子其の四)
洞口あり 誰が家ぞ,木蘭あり 舡繫して木蘭の花。
紅袖の女郎 相い引き去る,南浦に游び,笑み倚り 春風 相い對して語らう。
其五
(十六になった女妓が初めてのお化粧したが、何時しか恋しい男を待つ身になったことを詠う。その五)
二八花鈿,胸前如雪臉如蓮。
十六歳になって初めて花鈿の化粧をしました。着物の胸のあたりにはゆきのもようでかざってもらい蓮の花のようなお顔にしてもらいました。
耳墜金鐶穿瑟瑟,霞衣窄,笑倚江頭招遠客。
抱かれると、細黄金の耳飾りは耳から落ちて床に落ちてシャリン、シャリンとなり、ふたりは霞のような薄いころもの中に蕾のようになりました。微笑み合い、寄り添い合う、大江のほとり立って、待ちに待った人をお迎えした時の事でした。
(其の五)
二八 花鈿し,胸前には雪のく如くし 臉 蓮の如し。
金鐶を耳から墜し 瑟瑟と穿つ,霞衣 窄【つぼ】み,笑み倚りて 江頭 遠客を招く。
其六
(嶺南山脈を越え、南国の街にはいると異なる樹木の景色のなか、女妓との行楽のようすを詠う。)
路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。
街道を通って南国地方の街に入った。黒つげの木樹は大きく育ち、葉影が十分にある、こちらには赤い花を咲かせた蓼の花が眩しい。
兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。
河川の両岸には人家があり、小雨が少し降ったのちにはもう晴れあがり、唐アズキを収穫している、「くろつぐ」の大樹のもとで若い女の華奢な白い手がもたげて体に回してくる。
(南鄉子其の六)
路 南中に入り,桄榔 葉暗くして蓼の花 紅なり。
兩岸 人家は微【かすか】な雨の後,紅豆を收め,樹の底【もと】には纖纖として素手を擡【もたげ】る。
其七
(南国田舎のがさつな感じの女が南国特有の花に囲まれた中での宴席を詠う)
袖斂鮫綃,採香深洞笑相邀。
南国田舎の女はざらついた肌と薄絹を袖でかくしている。お香をたいてその部屋に漂わせて、微笑を浮べてお相手を迎い入れる。
藤杖枝頭蘆酒滴,鋪葵席,豆蔻花間趖晚日。
藤の編み込みの敷物をひろげ、枝が頭上に屋根のように広げられているその下で、蘆酒の安い酒を酌み交わす。葵の花で区分けされた宴席があり、ナツメグの花のような女妓はその花の間にいて、夕方から翌日まで一緒に食をとっていた。
(南鄉子其の七)
鮫綃を袖で斂【かく】くし,香を採めて洞に深く笑いて相い邀【むかえ】り。
藤杖枝頭して蘆酒滴り,鋪葵席,豆蔻 花間 晚日に趖す。
其八
(きまぐれな男に春から夏に架けてはあいされていたが、秋には棄てられ、今は何処の宿で男を相手にするのか、女妓を詠う。)
翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。
春のころ、翡翠のように飾られ、ごいさぎのように仲睦ましく暮らし、夏のころ、水草の白蘋のように可憐で、かおりにかこまれた中のよい鷺のような渚の波打ち際のような小さな住まいで幸せに暮らしていたのです。
島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。
それが秋になると、その島の上にも雲がかかり暗き影を落とし、秋の長雨が降り暗い景色になったのです。そしてアシの花穂は、打ちひしがれたのです。今は、数々の漁師の船が浮かぶところで生きていて、何処の宿に泊まる事やら。
『南鄉子』 現代語訳と訳註
(本文) 其八
翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。
島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。
(下し文)
其の八
翡翠のごとく、鵁鶄【こうせい】のごとく,白蘋【はくひん】の香の裏【うち】に小さき沙汀す。
島上 陰陰として秋雨の色になり,蘆花 撲し,數隻 漁の舡何處に宿せんか。
(現代語訳)
(きまぐれな男に春から夏に架けてはあいされていたが、秋には棄てられ、今は何処の宿で男を相手にするのか、女妓を詠う。)
春のころ、翡翠のように飾られ、ごいさぎのように仲睦ましく暮らし、夏のころ、水草の白蘋のように可憐で、かおりにかこまれた中のよい鷺のような渚の波打ち際のような小さな住まいで幸せに暮らしていたのです。
それが秋になると、その島の上にも雲がかかり暗き影を落とし、秋の長雨が降り暗い景色になったのです。そしてアシの花穂は、打ちひしがれたのです。今は、数々の漁師の船が浮かぶところで生きていて、何処の宿に泊まる事やら。
(訳注)
南鄉子
57. 唐の教坊の曲名。『花間集』には十八首所収。欧陽烱の作は八首収められている。二十八字、二十七字で、単調二平韻三仄韻である。
58. 其八は、二十八字単調、五句二平韻三仄韻で④⑦❼❸❼の詞形である。
其八
59. (きまぐれな男に春から夏に架けてはあいされていたが、秋には棄てられ、今は何処の宿で男を相手にするのか、女妓を詠う。)
翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。
春のころ、翡翠のように飾られ、ごいさぎのように仲睦ましく暮らし、夏のころ、水草の白蘋のように可憐で、かおりにかこまれた中のよい鷺のような渚の波打ち際のような小さな住まいで幸せに暮らしていたのです。
60. 鵁鶄 【コウセイ】水鳥、ごいさぎ。ごいさぎ. 水鳥の一種。即ち「池鷺」。頭は細く身は長い,身には花紋を披い,頸は白毛で有り,頭には紅冠が有り,能く水に入って魚を捕り,分佈は中國南方である。鳬に似て脚高く毛冠あり、高木に巣くひ、子を穴中に生む。子其の母の翅を銜へ飛びて上下す。
*この二句は、鷺のように仲睦まじく過ごしたのに、鷺のように南に飛んで行ってしまった。船で降ったあの人の旅路は航路困難な場所があってとても心配だということをいう。
牛嶠『江城子二首 其一』
鵁鶄飛起郡城東,碧江空,半灘風。
越王宮殿,蘋葉藕花中。
簾捲水樓魚浪起,千片雪,雨濛濛。
(鵁鶄【こうせい】 起きて郡て城東に飛び,江空を碧とし,半灘の風。越王の宮殿,蘋葉 藕花 中【あつま】る。簾捲 水樓 魚浪 起き,千片の雪,雨 濛濛たり。)
61. 白蘋 夏から秋にかけて白い花をつける浮草。
62. 沙汀 砂浜と海・湖などの、波が打ち寄せる所。波うちぎわ。みぎわ。
島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。
それが秋になると、その島の上にも雲がかかり暗き影を落とし、秋の長雨が降り暗い景色になったのです。そしてアシの花穂は、打ちひしがれたのです。今は、数々の漁師の船が浮かぶところで生きていて、何処の宿に泊まる事やら。
63. 蘆花 アシの花穂。
64. 撲 うつ なぐる打ちたたく。なぐる。「撲殺・撲滅
65. 隻【せき】1 比較的大きい船を数えるのに用いる。「駆逐艦二・」2 屏風など対(つい)になっているものの片方を数えるのに用いる。「六曲一・」3 魚・鳥・矢などを数えるのに用いる。