花間集 訳注解説 巻一20 (26)回目温庭筠 《更漏子六首其六》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ7718

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、現在、李白詩全詩 訳注

 

 

Ⅰ李白詩

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韓愈 哲学・儒学「五原」

孟郊

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●杜甫の全作品1500首を訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"

 

 

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暮春題瀼溪新賃草屋五首【字解集】と住まいと夔州での農業

 

 

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杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73

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杜甫詩(4)757年、左拾遺 43

杜甫詩(5)758年47歳 左遷 53

杜甫詩(6)759年 三吏三別 44

 

 

杜甫詩(7)759年秦州詩 66

杜甫詩(8)759年同谷紀行、成都紀行36

杜甫詩(9)760年、49歳 成都 45

杜甫詩(10)761年、50歳 成都82

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杜甫詩(12)762年 蜀中転々 49

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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花間集 訳注解説 巻一20 (26)回目温庭筠 《更漏子六首其六》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ7718 (11/26)

 

 

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花間集 巻一 (27)回目温庭筠 《更漏子六首 【字解集】》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ7724 (11/27)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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.唐五代詞詩・女性

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玉-021 古詩八首其七 無名氏  Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠ブログ 7719

 

 

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花間集 訳注解説 巻一20 (26)回目温庭筠 《更漏子六首其六》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ7718

(寵愛を失っても、降り注ぐ雨音を聴きながら、あの時の寵愛を思い出し、これから生きていくと心に誓う。更漏子の其一から其四は寵愛を失った妃嬪の生き方を詠う。)

宝玉のように輝いている香炉に焚いた香のよいかおりが宮殿の閨内にただよう。夜もふけ、紅い蝋燭の蝋がとけ、かなしみの涙をながす。秋の夜長、綺麗に輝いた宮殿だけに、ひたすらさびしい悲愁にとざされた座敷を、蝋燭のひかりだけがぼんやりと照らされている。緑の眉は薄い黛で、鬢の雲型はしっかりと残り、若く美しい、夜が長い、眠られないままにかけ布も、枕も一人で過ごすには寒さがしみてくる。庭園のあおぎりの樹は今も茂り、そこに真夜中の雨がふりそそぐ、寵愛を失うことが、ほんとうに辛い苦しいものであっても、決して口に出さずに、ちょうあいをうけたことをこころのよりどころとしていきていこうと心に思うのである。一葉と一葉は二つに揃い、一の葉に落ちる雨音と寄り添う葉の雨音がひとつに響く。だれもいない宮殿の階段にしたたりおちる雨の音は夜明けまでもつづいている。妃嬪もこの苦しみに耐えて生き続けるのだ。

 

 

 

花間集 巻一 更漏子六首  <温庭筠>

 

 

 

 

唐代三百年間の女性の人数を正確に測る方法はない。しかしある時期の人数はだいたい計算できる。記録によると、唐代の最大の人口は天宝十三載(七五四年)の五二八八万四八八人であり、この数字で計算すれば、半分が女性と仮定した場合、女性が最も多かった時、二千六百余万人に達したことになる。

二千数百万人の女性は、それぞれ異なった階層に属していた。彼女たちはおよそ次の十種に分けることができる。①后妃、②宮人、③公主(附郡主・県主)、④貴族・宦門婦人、⑤平民労働婦人、⑥商家の婦人、⑦妓優、⑧姫妾・家妓、⑨奴碑、⑩女尼・女冠(女道士)・女巫 - 以上である。

 

宮妓、教坊妓

宮妓は後代の娼妓を意味するものではなく、専門に宮廷に奉仕する女芸人であった。彼女たちは歌舞や楽器を習い、縄・竿・球・馬などを操る曲芸を学んだ。その職責は皇室が挙行する各種の祝祭・式典・宴会などの儀式に出演したり、また平生にあっては天子の耳目を楽しませることであった。

宮妓の大部分は直接民間から選抜された芸、容貌ともに秀でた楽戸、侶優などの女子、それに少数の一般平民出身の女子であった。たとえば、著名な宮廷歌妓の永新は、もともと吉州(江西省吉安県)の楽戸の娘であり、歌が上手だったため選ばれて宮中に入った。辞填壇はもとは色町の妓女であったが、挙が上手だったため宮中に入って仕えることになった。平民女性で選抜されたものは、玄宗時代には特に「摘弾家」(演奏家)と称された(以上は、段安節『楽府雑録』「歌」、『古今図書集成』閏媛典閏艶部、雀令欽『教坊記』による。以下『教坊記』を出典とするものは一々注記しない)。

* 楽戸とは、楽籍という賤民身分の戸籍に属し、宮中の官妓、在野の楽人などが登録されていた。

 

溫庭筠《更漏子六首の其の六》
玉爐香、紅蝋涙。偏照畫堂秋思。
眉翠薄、鬢雲殘。夜長衾枕寒。

梧桐樹。三更雨。不道離情正苦。
一葉葉、一聲聲。空階滴到明。

玉の爐 香り、紅の蝋 涙す、偏【ひたす】らに畫堂を照らす秋の思い。
眉の翠 薄れ、鬢の雲 殘【ほつ】る。夜 長くして  衾枕 寒し。

梧桐【ことう】の樹に、三更の雨し、道【い】わず 離情正に苦なるを。
ひと葉ひと葉、ひと聲ひと聲。空しく階【きざはし】に滴りて明【あけ】に到る。

 

 

1溫庭筠15. 更漏子六首其一
(たとえ何だって良い、「謝家池閣」のように愛され続けたいと願っているのに、孤独に夜を過ごす悲しみを詠うもの。)

柳絲長,春雨細,花外漏聲迢遞。
柳絲はほそくながく枝をたれ、春の雨はこぬかあめ、眠れぬまま一人侘しく庭の花を見ていると、花のむこうから水時計のしたたる音が耳を澄ませばきこえてくる。
驚寒雁,起城烏,畫屏金遮
季節も変わり北に向かう雁の鳴き声で目をさまし、城内の烏もおきだしてくる、枕のほとりの絵屏風にはむつまじいすがたの金の鷓がえがかれている。
香霧薄,透簾幕,惆悵謝家池閣。
香のたちこめた薄霧が、花の香りを漂わせて、簾を通して忍び込んでくる。ただひとりで妃嬪にも謝安の妓女のように池のほとり春草の萌えはじめる頃に座敷で過ごしたものだし、謝秋娘が池のほとりの楼閣でかわいがられたようにおもっているのに、此処の閨には愁いと悲しみに溢れている。
紅燭背,繡簾垂,夢長君不知。
紅い蝋燭を背にしたまま、刺繍のすだれをたらしたままだし、夢の中では一緒で長くすごしていることを、あのおかたは知らない。
柳絲【りゅうし】は長く,春雨は細【こまやか】く,花外は漏聲【ろうせい】迢遞【しょうてい】なり。
寒雁を驚かし,城烏を起し,畫屏 金の遮

香霧は薄し,簾幕【れんまく】は透け,惆悵して謝家の池閣。
紅燭の背,繡簾【しゅうれん】垂れ,夢長じて君 知らず。

 

2.更漏子
(ことしもまた春の終わり、昔の寵愛を思い出すことだけで生きていく儚い妃嬪の情を詠う。)

星鬥稀,鍾鼓歇,簾外曉殘月。
北斗七星が瞬き夜明け近くなってきて、時を告げる鐘鼓の音も終わる。宮殿の閨にかかるすだれの外には、暁の鶯が春の盛りに移ると告げている、そしてあのお方を返したくない有明の名残月がかかっている。
蘭露重,柳風斜,滿庭堆落花。
あの宵も蘭の花はしっとりと露にぬれ、柳が風に吹かれて揺れまじりあう、離れがたい逢瀬を重ねる。庭の満開に咲いていた花が散り一面に厚く敷いている。
虛閣上,倚欄望,還似去年惆
空虚な思いでひとけのない楼閣にのぼり、欄干にもたれてなんとなくかなたを眺める。去年の春も、情けなくかなしみを抱えて過ごしたが同じようにまた今年の春も悲しい思いをしている。
春欲暮,思無窮,舊歡如夢中。
そして、春は暮れて行こうとしている、だけど、あの方への思いは尽き果てることはない。あの方とのたのしい夜は、いまは夢の中の出来事のようになってしまった。でも今はそれだけが生きるすべなのだ。

星鬥は稀に,鍾鼓は歇む,簾外 曉鶯【ぎょうおう】月殘る。
蘭露は重り,柳風は斜す,庭に滿つるは落花の堆。
虛閣の上,欄に倚りて望み,似る去年の惆悵なるを還るをや。
春暮なんと欲し,思いに窮まること無く,舊歡は夢に中【あた】るが如し。

 

3. 更漏子六首其三
(寵愛を失っても、生きるためには寵愛を受けている時と同じことを毎日繰り返してすることで生きていくことにした妃賓を詠う)

金雀釵,紅粉面,花裏暫時相見。
雀をかたどった金のかんざし、白粉に紅をさし化粧を整えて、春の盛りに花のなかで、出逢って語りあい、しばらくの時を過ごした。
知我意,感君憐,此情須問天。
あのお方はわたしのこころをよく理解してくれたし、わたしもあのお方がわたしに愛しいと思ってくれ、憐をかけていることをよく感じ取ったものだった。愛しあっているこころは疑う余地のないもので、どんなに天の神様に尋ねるとしても間違いないことであった。

香作穗,蠟成淚,還似兩人心意。
時が過ぎて、今宵も蝋燭の芯が穂のようにもえただようだけ、蝋燭はとけて落ちるのも私の涙と同じこと。香が思うままただようのと、蝋燭が流れるように涙をながしているのは、二人のこころのうちによく似ている。

山枕膩,錦衾寒,覺來更漏殘。
今はいきるためにも身支度だけは整える、枕に赤と脂が付いたままでも横になり、寵愛を受けていた時のままに、錦の薄いかけ布団では寒さをおぼえる。眠れぬままに過ごすと、もう時を水時計の音が聴こえてきて目をさますと明け方になっているのです。
(更漏子六首其三)
金雀の釵【さ】,紅粉の面,花の裏に暫時こそ相い見。
我が意を知り,君の憐を感じ,此の情 須らく天に問う。
香は穗を作し,蠟は淚を成すは,還って兩人の心意に似る。
山が枕して膩【じ】し,錦の衾 寒するは,覺めて更漏の殘【なご】りを來る。

 

 

4. 更漏子六首其四
(天子が訪れない後宮の妃嬪の愁いの極みを経験するも、天子を思い続けて行かないと生きていけない身分であることで生きてゆくことを詠う。)

相見稀,相憶久,眉淺淡煙如柳。
あのお方とは、節供で一同に会してお目にかかるだけになってしまったけれど、あのお方への思いはずっと思い続けている。いまでもうっすらと靄のかかった柳葉のような眉で、若さを失うこともなく身支度をしている。
垂翠幕,結同心,侍郎熏繡衾。
そして、妃嬪の宮殿の閨に、春には緑のとばりを垂れ、「結同心」の飾りをかかげ、あのお方におつかいするために、刺繍をしたかけ布に香をしっかりとしみつけている。
城上月,白如雪,蟬美人愁
秋には、城のうえに月はかかり、雪のように白くさえわたっているお庭を照らしている、蝉の羽のかたちの鬂のうすれたうつくしい妃嬪は眠りもしないで、愁いの限界もないほどにたえている。
宮樹暗,鵲橋橫,玉簽初報明
初秋の宮居の樹々はしげり、影をしてほの暗く、空には、カササギの渡し橋だけは横たわっているのはみえると少しの希望にも思える、玉簽のひびきではじめて明け方になっていることをしる。(来年こそカササギの橋を渡って来てくれると信じていきよう)
 (更漏子六首其の四)
相ひ見ゆること稀に、相ひ憶ふこと久し、眉淺く  淡く烟【かす】むこと柳の如し。
翠幕を垂らし、同心を結ぶ、郎に侍するに 繡衾を燻ず。
城 月上り、白きは雪の如し、蝉の鬢 美人は愁い絶す。
宮の樹は暗く、鵲橋 橫たはる、玉籤初めて明を報ず。

 

4. 更漏子六首其四
(天子が訪れない後宮の妃嬪の愁いの極みをけいけんするも、天子を思い続けて行かないと生きていけない身分であることで生きてゆくことを詠う。)

相見稀,相憶久,眉淺淡煙如柳。
あのお方とは、節供で一同に会してお目にかかるだけになってしまったけれど、あのお方への思いはずっと思い続けている。いまでもうっすらと靄のかかった柳葉のような眉で、若さを失うこともなく身支度をしている。
垂翠幕,結同心,侍郎熏繡衾。
そして、妃嬪の宮殿の閨に、春には緑のとばりを垂れ、「結同心」の飾りをかかげ、あのお方におつかいするために、刺繍をしたかけ布に香をしっかりとしみつけている。
城上月,白如雪,蟬美人愁
秋には、城のうえに月はかかり、雪のように白くさえわたっているお庭を照らしている、蝉の羽のかたちの鬂のうすれたうつくしい妃嬪は眠りもしないで、愁いの限界もないほどにたえている。
宮樹暗,鵲橋橫,玉簽初報明
初秋の宮居の樹々はしげり、影をしてほの暗く、空には、カササギの渡し橋だけは横たわっているのはみえると少しの希望にも思える、玉簽のひびきではじめて明け方になっていることをしる。(来年こそカササギの橋を渡って来てくれると信じていきよう)
 (更漏子六首其の四)
相ひ見ゆること稀に、相ひ憶ふこと久し、眉淺く  淡く烟【かす】むこと柳の如し。
翠幕を垂らし、同心を結ぶ、郎に侍するに 繡衾を燻ず。
城 月上り、白きは雪の如し、蝉の鬢 美人は愁い絶す。
宮の樹は暗く、鵲橋 橫たはる、玉籤初めて明を報ず。

 

5. 更漏子六首其 其五
(遠く旅立って帰らぬ男を思う女の情を詠う、溫庭筠の港町ブルースというところか。)

背江樓,臨海月,城上角聲嗚咽。
漢江の畔にある樓閣に背を向けて、入り江からのぼる月を眺める女がいる。夜更けて、城郭の傍の軍営から羌笛の悲しい笛の音がすすり愛妾の泣く声とともに聞こえてくる。
堤柳動,島煙昏,兩行征雁分。
大堤の柳も芽を吹き風に揺れる季節も変わり、向いの魚梁洲の島に霞がかかる夕暮れ時に二列で飛んでいた雁が、別れて飛んでいる。
京口路,歸帆渡,正是芳菲欲度。
又、春が来て京口の別れ道にはのこされた女がいる、わたしは長安に帰る舟の渡し場に立つ、まさにこれでもって春の盛りに情交を重ねた官妓の女と別れて旅立つ。
銀燭盡,玉繩低,一聲村落雞。
そこには、座敷に一人、銀燭台の蝋燭をつけたまま官妓が横たわる、輝く玉縄星も低くなり、蝋燭の芯ももうすでに短くなっていて、夜明けを告げる鶏が一番の時を知らせてくる。
其の五
江樓を背にし,海月に臨む,城の上【ほと】り角聲【かくせい】嗚咽【めいいん】す。
堤の柳は動めき,島の煙【えん】は昏【くら】し,兩行して征雁は分かる。
京口の路,歸帆の渡,正に是れ芳菲【ほうひ】度らんと欲す。
銀燭 盡き,玉繩 低す,一聲するは村落の雞。


更漏子六首其六
(寵愛を失っても、降り注ぐ雨音を聴きながら、あの時の寵愛を思い出し、これから生きていくと心に誓う。更漏子の其一から其四は寵愛を失った妃嬪の生き方を詠う。)

玉爐香、紅蝋涙。偏照畫堂秋思。
宝玉のように輝いている香炉に焚いた香のよいかおりが宮殿の閨内にただよう。夜もふけ、紅い蝋燭の蝋がとけ、かなしみの涙をながす。秋の夜長、綺麗に輝いた宮殿だけに、ひたすらさびしい悲愁にとざされた座敷を、蝋燭のひかりだけがぼんやりと照らされている。
眉翠薄、鬢雲殘。夜長衾枕寒。
緑の眉は薄い黛で、鬢の雲型はしっかりと残り、若く美しい、夜が長い、眠られないままにかけ布も、枕も一人で過ごすには寒さがしみてくる。

梧桐樹。三更雨。不道離情正苦。
庭園のあおぎりの樹は今も茂り、そこに真夜中の雨がふりそそぐ、寵愛を失うことが、ほんとうに辛い苦しいものであっても、決して口に出さずに、ちょうあいをうけたことをこころのよりどころとしていきていこうと心に思うのである。
一葉葉、一聲聲。空階滴到明。
一葉と一葉は二つに揃い、一の葉に落ちる雨音と寄り添う葉の雨音がひとつに響く。だれもいない宮殿の階段にしたたりおちる雨の音は夜明けまでもつづいている。妃嬪もこの苦しみに耐えて生き続けるのだ。


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『更漏子六首其六』現代語訳と訳註
(
本文)
更漏子六首其六

玉爐香、紅蝋涙。偏照畫堂秋思。
眉翠薄、鬢雲殘。夜長衾枕寒。
梧桐樹。三更雨。不道離情正苦。
一葉葉、一聲聲。空階滴到明。


(下し文)
(更漏子六首其の六)

玉の爐 香り、紅の蝋 涙す、偏【ひたす】らに畫堂を照らす秋の思い。
眉の翠 薄れ、鬢の雲 殘【ほつ】る。夜 長くして  衾枕 寒し。
梧桐【ことう】の樹に、三更の雨し、道【い】わず 離情正に苦なるを。
ひと葉ひと葉、ひと聲ひと聲。空しく階【きざはし】に滴りて明【あけ】に到る。


(現代語訳)
(寵愛を失っても、降り注ぐ雨音を聴きながら、あの時の寵愛を思い出し、これから生きていくと心に誓う。更漏子の其一から其四は寵愛を失った妃嬪の生き方を詠う。)

宝玉のように輝いている香炉に焚いた香のよいかおりが宮殿の閨内にただよう。夜もふけ、紅い蝋燭の蝋がとけ、かなしみの涙をながす。秋の夜長、綺麗に輝いた宮殿だけに、ひたすらさびしい悲愁にとざされた座敷を、蝋燭のひかりだけがぼんやりと照らされている。緑の眉は薄い黛で、鬢の雲型はしっかりと残り、若く美しい、夜が長い、眠られないままにかけ布も、枕も一人で過ごすには寒さがしみてくる。
庭園のあおぎりの樹は今も茂り、そこに真夜中の雨がふりそそぐ、寵愛を失うことが、ほんとうに辛い苦しいものであっても、決して口に出さずに、ちょうあいをうけたことをこころのよりどころとしていきていこうと心に思うのである。
一葉と一葉は二つに揃い、一の葉に落ちる雨音と寄り添う葉の雨音がひとつに響く。だれもいない宮殿の階段にしたたりおちる雨の音は夜明けまでもつづいている。妃嬪もこの苦しみに耐えて生き続けるのだ。


(訳注)

更漏子六首其六

(寵愛を失っても、降り注ぐ雨音を聴きながら、あの時の寵愛を思い出し、これから生きていくと心に誓う。更漏子の其一から其四は寵愛を失った妃嬪の生き方を詠う。)

68. 【解説】 寵愛を失った妃嬪の苦しみ、雨降る秋の長夜を独り過ごす妃嬪の思いを詠う。

前段は、まだ十分に若さと美しさを持っている妃嬪の様子を詠う。眉墨の色は薄れ、髪も形を崩さない、ひたすら灯火の光に照らされて物思いにふける。

後段は、夜半、梧桐の葉は、後宮のような場所でないと植えられないもの。夫唱婦随を象徴するもので、雨は高都賦で、契りを結びあうものである。降り注ぐ雨音を聴きながら、あの時の寵愛を思い出し、これから生きていくと心に誓うとういのが、妃嬪の位というものである。

花間集には《更漏子》が十六首所収されている。溫庭筠の作は六首収められている。雙調四十六字、前段二十三字六句両仄韻両平韻、後段二十三字六句三仄韻両平韻(詞譜六)3❸❻3③⑤/❸❸❻3③⑤の詞形をとる。

玉爐香、紅蝋。偏照畫堂秋
眉翠薄、鬢雲
。夜長衾枕
梧桐
。三更。不道離情正
一葉葉、一聲
。空階滴到

   

   
   

   


玉爐香、紅蝋涙。偏照畫堂秋思。
宝玉のように輝いている香炉に焚いた香のよいかおりが宮殿の閨内にただよう。夜もふけ、紅い蝋燭の蝋がとけ、かなしみの涙をながす。秋の夜長、綺麗に輝いた宮殿だけに、ひたすらさびしい悲愁にとざされた座敷を、蝋燭のひかりだけがぼんやりと照らされている。
69.  玉爐香 玉製の香炉から香の薫りが上北ち上る。

70. 紅蝮涙 赤い蝋燭が燃えて蝮を滴らすことを言う。

71. 偏 ひたすら、一途に。

72. 偏照畫堂秋思 偏はひとえに。かたよってそればかりする意。照らしてばかりいる。蟻燭のひかりが画堂をじっと照らしてばかりいる。画堂は彩色されたうつくしい座敷。


眉翠薄、鬢雲殘。夜長衾枕寒。

緑の眉は薄い黛で、鬢の雲型はしっかりと残り、若く美しい、夜が長い、眠られないままにかけ布も、枕も一人で過ごすには寒さがしみてくる。
73. 眉翠薄 黛がおちて、薄らいできて。
74.
 鬢雲殘 鬢の雲型の髪が乱れてきた。
75.
 衾枕寒 蒲団や枕辺が寒い、寒々しい。独り寝を暗示している。

76. 屑翠蒔 眉墨の色が薄れる。

77. 贅雲残 贅の毛が乱れる。ここでは 「眉翠蒋」 の句とともに、眠れぬままに纏転反側して粧いのくずれたことを表す。残は損なわれる、さびれる。0余枕 夜具。会は掛けふとん。


梧桐樹。三更雨。不道離情正苦。
庭園のあおぎりの樹は今も茂り、そこに真夜中の雨がふりそそぐ、寵愛を失うことが、ほんとうに辛い苦しいものであっても、決して口に出さずに、ちょうあいをうけたことをこころのよりどころとしていきていこうと心に思うのである。
78. 梧桐樹 アオギリやキリの木。後宮の天子と皇后・妃嬪夫唱婦随の木の象徴であることをのべることで、一人寝の寂しさを強調する。
79.
 三更雨  日没から日の出までの時間を五等分した第三の時刻をいう。十二時から二時ごろまでの真夜半。
80.
 
不道離情正苦 梧桐に真夜中の雨が降り注ぐことを言い、眠れぬ夜の苦しみを示す。別離の悲しみがこれほど幸いとは思いもかけなかった。・不道 想像もなかったの意。 いわない。だまっている。・離情 別れる気持ち。・正苦 別れていることはとても辛いことだ。


一葉葉、一聲聲。空階滴到明。
一葉と一葉は二つに揃い、一の葉に落ちる雨音と寄り添う葉の雨音がひとつに響く。だれもいない宮殿の階段にしたたりおちる雨の音は夜明けまでもつづいている。妃嬪もこの苦しみに耐えて生き続けるのだ。

81. 空階 宮殿の人けのない砌の石階段。

甘粛省-嘉峪関0051
 

 

 

 

 

温庭筠 《更漏子六首 【字解集】》 

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