花間集 訳注解説 (256)回目毛文錫巻五31訴衷情二首其二》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9163

 256)回目毛文錫巻五31訴衷情二首其二》

 

2017103

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花間集 訳注解説 (256)回目毛文錫巻五31訴衷情二首其二》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9163

(寵愛を受けることはどんなに素晴らしいことか、しかし、過ぎ去ってみれば、それは浮草のように儚い。それでも、妃嬪は、寵愛を待ち続けると詠う)

鴛鴦のように、頭を絡み合わせ、刺繍の衣も軽く薄いもの身に着ける、その池のふちの緑の澄んだ水に浮ぶ蓮の葉のように揺れ、蓮の花の香りに満たされる。縁の奥まったところに浮ぶ水草とじゅんさいのように、水際の蘭の花の様に水面に影を映し、雨はその場に調和し、浮遊の白蘋を水浴させている。男が女を思う気持ちというのは浮草のようなもので驚いている、いま、想うのは、鴛鴦が遊び、蓮の葉のように揺れたあの水辺の庭出来事。何時になったらまた帯をといて、雲母の絵屏風に囲まれて過ごすことができるのやら、あの人に愛されたい、うそいつわりのない心をわかってほしい。

 

酒宴 02

 妓女について(3

教坊の曲の詩として宮女・妓優が恋心を抱いたこと、自由恋愛をイメージさせるものである。

 

宮妓は後代の娼妓を意味するものではなく、専門に宮廷に奉仕する女芸人であった。彼女たちは歌舞や楽器を習い、縄・竿・球・馬などを操る曲芸を学んだ。その職責は皇室が挙行する各種の祝祭・式典・宴会などの儀式に出演したり、また平生にあっては天子の耳目を楽しませることであった。

 

宮妓の大部分は直接民間から選抜された芸、容貌ともに秀でた楽戸、侶優などの女子、それに少数の一般平民出身の女子であった。

 

選ばれて宜春院に入った「内人」は身分が最も高かった。彼女たちが演舞する時に

は、雲藷院で訓練中の宮人とは衣服や装飾品に高低の区別があり、「内人」 には凧魚(五品以上の貴人が身に着けることを許されていた魚形のバッジ)が許されていた。

 

宮妓は芸術家であり、原則として芸は献じるが身は献じないということになっていたにせよ、そしてまた一般の宮人に比べれば高い礼遇を受けていたにせよ、所詮彼女たちも皇帝の慰み物にすぎず、その漁色の対象になるものも少なくなかった。

 

宮妓はまたしばしば皇帝の御下賜品として大臣や貴族に与えられた。唐の各時代に、某人に「女楽」幾組を下賜するといった記録があるが、この「女楽」とはよく訓練された宮中の楽妓のことである。

 

長く宮中に住む宮妓の他に、玄宗の時代から長安と洛陽の宮殿にほど近い街区に、左右二つの芸妓養成のための外教坊が設けられた。ここでも多数の芸妓が養成されたが、この芸妓は宮廷の専用に充てられ、官官によって管理された。彼女たちが宮妓と異なるのは、宮中には住まず、必要な時に呼び出され宮中の御用に供された点にある。

 

教坊妓は彼女たち独特の一風変った生活の仕方と考えを持っていた。彼女たちは仲間同士で意気投合すると、「香火兄弟」(神仏の前で香火をたき義姉妹の契りを結んだ仲)となった。多いものは十四、五人、少ないものでも八、九人がそれぞれ集団をつくった。もし、その中の一人が嫁に行くと、香火兄弟たちは彼女の夫を女仲間にみたてて、「媛捜」とか「新婦」などとよんだ。また同時にその夫に睦み親しむことができたが、妻となった妓は決して嫉妬することはなかった。彼女たちはそれを突蕨の習俗にならったものであるといっていた。

また、香火兄弟でない人々の間でも、男女関係は比較的自由であった。

 

彼女たちはいったん年老いて容色が衰え、婚期を逸すると、宮中を退いてから嫁に行くのは容易でなく、また芸を売るのはさらに難しかった。それでひじょうに多くの宮

妓が尼か女道士となって、孤独と貧寒の中で残生のけりをつけなければならなかった。

薛濤 02

 

 

 

玉臺新詠 巻二

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲『訴衷情』 十三首

 

 

作者

初句7字

 

 

溫庭筠(溫助教庭筠)

巻一

()訴衷情一首

鶯語花舞春晝午

 

 

韋莊(韋相莊)

巻二

()訴衷情二首 其一

燭燼香殘簾半卷

 

 

巻二

()訴衷情二首 其二

碧沼紅芳煙雨靜

 

 

毛文錫(毛司徒文錫)

巻五

()訴衷情二首其一

桃花流水漾縱橫

 

 

巻五

()訴衷情二首其二

鴛鴦交頸繡衣輕

 

 

(顧太尉

巻七

訴衷情二首 其一

香滅簾垂春漏永

 

 

巻七

訴衷情二首 其二

永夜人何處去

 

 

魏承班(魏太尉承班)

巻九

訴衷情五首 其一

高歌宴罷月初盈

 

 

巻九

訴衷情五首 其二

春深花簇小樓臺

 

 

巻九

訴衷情五首 其三

銀漢雲晴玉漏長

 

 

巻九

訴衷情五首 其四

金風輕透碧

 

 

巻九

訴衷情五首 其五

春情滿眼臉紅綃

 

 

 

 

 

 

 

 

訴衷情二首

 訴衷情二首其一

桃花流水漾縱橫,春晝彩霞明。

劉郎去,阮郎行,惆悵恨難平。

愁坐對雲屏,算歸程。

何時攜手洞邊迎,訴衷情。

訴衷情二首其二

鴛鴦交頸繡衣輕,碧沼藕花馨。

隈藻荇,映蘭汀,和雨浴浮萍。

思婦對心驚,想邊庭。

何時解珮掩雲屏,訴衷情。

 

 

 

花間集 教坊曲《訴衷情二首其一》毛文錫

 

 

花間集 訳注解説

 

 

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ9156

 

 

 

 

訴衷情二首其一

(春の日、寵愛を一手に受けていたが、劉郎や阮郎がしたように、妃嬪は寵愛を失った。しかし、何時か再び寵愛を受けることを願って毎日準備している、と誠意を訴えると詠ったもの)

桃花流水漾縱橫,春晝彩霞明。

桃の花が咲き、落ちた花弁は流れに乗ってゆきゆらゆら揺れて流れてゆく。春の昼下がりをのんびりと過ごし、夕焼けが明るく綺麗である。

劉郎去,阮郎行,惆悵恨難平。

久しぶりに来ていた劉郎みたいに去り、出たら帰ってこない阮郎みたいに行ってしまう、恨み嘆いているばかりで、寵愛を失ってそれを和らげようとしても、それはどうしようもない。

愁坐對雲屏,算歸程。

愁いはつのり、所縁の雲母の屏風の前に坐る、帰ってくれる日程を計算し、唯、それを繰り返す。

何時攜手洞邊迎,訴衷情。

そして、何時か、この奥まった冷宮の閨から手を携えて迎えてくれるだろうか、うそいつわりのない心をわかってほしい。

(訴衷情二首其の一)

桃花 流水 縱橫に漾し,春晝 霞明を彩す。

劉郎去って,阮郎行き,惆悵して 難平を恨む。

愁坐して 雲屏に對し,歸程を算す。

何の時にか 手を攜えて 洞邊に迎わん,訴衷の情。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花間集 教坊曲『訴衷情』 十三首

 

 

作者

初句7字

 

 

溫庭筠(溫助教庭筠)

巻一

()訴衷情一首

鶯語花舞春晝午

 

 

韋莊(韋相莊)

巻二

()訴衷情二首 其一

燭燼香殘簾半卷

 

 

巻二

()訴衷情二首 其二

碧沼紅芳煙雨靜

 

 

毛文錫(毛司徒文錫)

巻五

()訴衷情二首其一

桃花流水漾縱橫

 

 

巻五

()訴衷情二首其二

鴛鴦交頸繡衣輕

 

 

(顧太尉

巻七

訴衷情二首 其一

香滅簾垂春漏永

 

 

巻七

訴衷情二首 其二

永夜人何處去

 

 

魏承班(魏太尉承班)

巻九

訴衷情五首 其一

高歌宴罷月初盈

 

 

巻九

訴衷情五首 其二

春深花簇小樓臺

 

 

巻九

訴衷情五首 其三

銀漢雲晴玉漏長

 

 

巻九

訴衷情五首 其四

金風輕透碧

 

 

巻九

訴衷情五首 其五

春情滿眼臉紅綃

 

 

 

 

 

 

 

 

訴衷情二首

 

訴衷情二首其一

(春の日、寵愛を一手に受けていたが、劉郎や阮郎がしたように、妃嬪は寵愛を失った。しかし、何時か再び寵愛を受けることを願って毎日準備している、と誠意を訴えると詠ったもの)

桃花流水漾縱橫,春晝彩霞明。

桃の花が咲き、落ちた花弁は流れに乗ってゆきゆらゆら揺れて流れてゆく。春の昼下がりをのんびりと過ごし、夕焼けが明るく綺麗である。

劉郎去,阮郎行,惆悵恨難平。

久しぶりに来ていた劉郎みたいに去り、出たら帰ってこない阮郎みたいに行ってしまう、恨み嘆いているばかりで、寵愛を失ってそれを和らげようとしても、それはどうしようもない。

愁坐對雲屏,算歸程。

愁いはつのり、所縁の雲母の屏風の前に坐る、帰ってくれる日程を計算し、唯、それを繰り返す。

何時攜手洞邊迎,訴衷情。

そして、何時か、この奥まった冷宮の閨から手を携えて迎えてくれるだろうか、うそいつわりのない心をわかってほしい。

(訴衷情二首其の一)

桃花 流水 縱橫に漾し,春晝 霞明を彩す。

劉郎去って,阮郎行き,惆悵して 難平を恨む。

愁坐して 雲屏に對し,歸程を算す。

何の時にか 手を攜えて 洞邊に迎わん,訴衷の情。

 

 

訴衷情二首其二

(寵愛を受けることはどんなに素晴らしいことか、しかし、過ぎ去ってみれば、それは浮草のように儚い。それでも、妃嬪は、寵愛を待ち続けると詠う)

鴛鴦交頸繡衣輕,碧沼藕花馨。

鴛鴦のように、頭を絡み合わせ、刺繍の衣も軽く薄いもの身に着ける、その池のふちの緑の澄んだ水に浮ぶ蓮の葉のように揺れ、蓮の花の香りに満たされる。

隈藻荇,映蘭汀,和雨浴浮萍。

縁の奥まったところに浮ぶ水草とじゅんさいのように、水際の蘭の花の様に水面に影を映し、雨はその場に調和し、浮遊の白蘋を水浴させている。

思婦對心驚,想邊庭。

男が女を思う気持ちというのは浮草のようなもので驚いている、いま、想うのは、鴛鴦が遊び、蓮の葉のように揺れたあの水辺の庭出来事。

何時解珮掩雲屏,訴衷情。

何時になったらまた帯をといて、雲母の絵屏風に囲まれて過ごすことができるのやら、あの人に愛されたい、うそいつわりのない心をわかってほしい。

 

(訴衷情二首其二)

鴛鴦 交頸して 繡衣輕く,碧沼 藕花の馨。

藻荇を隈にし,蘭 汀に映し,雨に和して浮萍を浴す。

思婦 對心 驚き,邊庭を想う。

何時か 珮を解きて 雲屏に掩い,訴衷の情。

 

 

『訴衷情二首』 現代語訳と訳註

(本文)

訴衷情二首其二

鴛鴦交頸衣輕,碧沼藕花馨。

隈藻,映蘭汀,和雨浴浮萍。

思婦對心驚,想邊庭。

何時解珮掩雲屏,訴衷情。

  

(下し文)

(訴衷情二首其二)

鴛鴦 交頸して 繡衣輕く,碧沼 藕花の馨。

藻荇を隈にし,蘭 汀に映し,雨に和して浮萍を浴す。

思婦 對心 驚き,邊庭を想う。

何時か 珮を解きて 雲屏に掩い,訴衷の情。

 

(現代語訳)

(寵愛を受けることはどんなに素晴らしいことか、しかし、過ぎ去ってみれば、それは浮草のように儚い。それでも、妃嬪は、寵愛を待ち続けると詠う)

鴛鴦のように、頭を絡み合わせ、刺繍の衣も軽く薄いもの身に着ける、その池のふちの緑の澄んだ水に浮ぶ蓮の葉のように揺れ、蓮の花の香りに満たされる。

縁の奥まったところに浮ぶ水草とじゅんさいのように、水際の蘭の花の様に水面に影を映し、雨はその場に調和し、浮遊の白蘋を水浴させている。

男が女を思う気持ちというのは浮草のようなもので驚いている、いま、想うのは、鴛鴦が遊び、蓮の葉のように揺れたあの水辺の庭出来事。

何時になったらまた帯をといて、雲母の絵屏風に囲まれて過ごすことができるのやら、あの人に愛されたい、うそいつわりのない心をわかってほしい。

 

(訳注)

訴衷情二首其二

15. (寵愛を受けることはどんなに素晴らしいことか、しかし、過ぎ去ってみれば、それは浮草のように儚い。それでも、妃嬪は、寵愛を待ち続けると詠う)

16. 『花間集』には毛文錫の作が二首収められている。単調四十一字、九句八平韻で、⑦⑤3③⑤ ⑤③⑦③の詞形をとる。

訴衷情二首其一

桃花流水漾縱  春晝彩霞
劉郎去  阮郎 惆悵恨難

愁坐對雲屏   算歸

何時攜手洞邊 訴衷

○○○●●△△  ○●●○○

○○●  △○△  ○●●△○

○●●○△    ●○○

△○○●△○△  ●△○

『花間集』には毛文錫の作が二首収められている。単調四十一字、九句六平韻で、⑦⑤3③⑤ ⑤③⑦③の詞形をとる。

訴衷情二首其二

鴛鴦交頸繡衣  碧沼藕花
隈藻荇  映蘭汀  和雨浴浮

思婦對心  想邊

何時解珮掩雲  訴衷

○○○△●△△  ●●●○○

△●●  ●○△ △●●○○  

△●●○○   ●○○  

△○●●●○△ ●△○

 

鴛鴦交頸繡衣輕,碧沼藕花馨。

鴛鴦のように、頭を絡み合わせ、刺繍の衣も軽く薄いもの身に着ける、その池のふちの緑の澄んだ水に浮ぶ蓮の葉のように揺れ、蓮の花の香りに満たされる。

16. 鴛鴦 鴛鴦の刺繍のかけ布団

17. 交頸 首を交じらわせる。合体する、なかでふたりはむすばれる意。

18. 繡衣輕 心地良く過ごすさまの表現。

19. 碧沼藕花馨 二人が過す楽しいひと時のこと。

 

隈藻荇,映蘭汀,和雨浴浮萍。

縁の奥まったところに浮ぶ水草とじゅんさいのように、水際の蘭の花の様に水面に影を映し、雨はその場に調和し、浮遊の白蘋を水浴させている。

20. 隈藻荇,映蘭汀,和雨浴浮萍 この三句も、二人の閨の様子を表現するもの。

 

思婦對心驚,想邊庭。

男が女を思う気持ちというのは浮草のようなもので驚いている、いま、想うのは、鴛鴦が遊び、蓮の葉のように揺れたあの水辺の庭出来事。

21. 思婦 一夫多妻制、男尊女卑、性の道具としていたころの女性に対する思いと考え。

22. 邊庭 国境附近の平原。杜甫《巻二16兵車行》  「邊庭流血成海水,武皇開邊意未已。」国境附近の戦闘による流血は、海のようになった。漢の武帝のように辺疆を開こうという意図は、まだ終わらない。

通常は、辺境の守りの夫の帰りを待つ妻が思う辺境の様子をいうが、この詩の全体の雰囲気からすると、寵愛を受けておそば近くにあったものが、寵愛を失い寝殿の側、池辺の側の御殿の庭に行くことが無くなったのを再びそこで過ごしたいということを夢見ているということ。

 

何時解珮掩雲屏,訴衷情。

何時になったらまた帯をといて、雲母の絵屏風に囲まれて過ごすことができるのやら、あの人に愛されたい、うそいつわりのない心をわかってほしい。

23. 解珮 帯を解く。

24. 掩雲屏 寝牀のまわりに屏風を立てること、性行為の別表現。
茘枝001

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