花間集 訳注解説 (172)回目牛嶠二十六首《巻四02女冠子四首其二》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8600
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2017年4月26日 | の紀頌之5つの校注Blog | |||||||
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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、現在、李白詩全詩 訳注 | ||||||||
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集 不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている。花間集連載開始。 | ||||||||
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●花間集全詩●森鴎外の小説の”魚玄機”詩、芸妓”薛濤”詩。唐から五代詩詞。花間集。玉臺新詠連載開始 | ||||||||
Ⅴ.唐五代詞詩・女性 | ・玉臺新詠 | |||||||
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花間集 訳注解説 (172)回目牛嶠二十六首《巻四02女冠子四首其二》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8600
(後蜀の後宮に美女がそろい、この春、寵愛を受ける妃賓に最高の飾り身支度に包まれ、それが久しく続くと詠う。)
錦江の水面は春の煙がただよい、卓文君をおもわせる宮女がならび、温む燒春の新酒の美酒が用意され、宮女はきれいに紫紅色の化粧をととのえる。鸞の刺繍の帯、芙蓉の帳、金の簪、芍薬の花、限りの無いほどの寵愛を受けているさまでいっぱい。そのうえ、生え際までの黄色の額に花鈿の化粧をして、紅色の紗の袖に腕輪が透けて見える。柳が緑色濃く繁り、陰を暗くする頃、鶯が囀るあたり、愛しき君の邸宅が見える。
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| 花間集 巻四 | |
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女冠子四首 其一
綠雲高髻,點翠勻紅時世。月如眉。淺笑含雙靨,低聲唱小詞。
眼看唯恐化,魂蕩欲相隨。玉趾迴嬌步,約佳期。
其二
錦江煙水,卓女燒春濃美。小檀霞。繡帶芙蓉帳,金釵芍藥花。
額黃侵膩髮,臂釧透紅紗。柳暗鶯啼處,認郎家。
其三
星冠霞帔,住在蘂珠宮裏。佩叮噹。明翠搖蟬翼,纖珪理宿粧。
醮壇春艸綠,藥院杏花香。青鳥傳心事,寄劉郎。
其四
雙飛雙舞,春晝後園鶯語。卷羅幃。錦字書封了,銀河鴈過遲。
鴛鴦排寶帳,荳蔻繡連枝。不語勻珠淚,落花時。
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| 花間集 教坊曲《巻四02女冠子四首其二》薛昭蘊 | |
| 花間集 訳注解説 | |
| 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8600 | |
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女冠子四首其一
女冠子四首其の一(若くてアイドルのような女冠が初め恋をした有様を詠う)
綠雲高髻,點翠勻紅時世。月如眉。
黒髪が輝き両鬢の雲型に高くした髷のもとどり姿、翡翠が鏤められた髪飾り、若い人に流行の赤くきれいな頬紅の化粧をする、それに新月のような眉を書いている。
淺笑含雙靨,低聲唱小詞。
恥しがってすこし笑うと両の頬にえくぼができる、低い声で短冊に書き込んだ短篇詞譜をうたっている。
眼看唯恐化,魂蕩欲相隨。
鏡を見るとただ変わっていくのが恐ろしいし、落ち着かず蕩心であってもいい、連れ立って歩きたいと思っている。
玉趾迴嬌步,約佳期。
耀く歌を謡って庭をいっしょに歩いてまわればその声は余韻として広がり、また、逢瀬の期日約束をする。
(女冠子四首 其の一)
綠雲の高髻,點翠 勻紅しく 時世なり。月 眉の如し。
淺笑 雙靨を含み,低聲 小詞を唱う。
眼看 唯だ化を恐れ,魂蕩 相い隨わんと欲す。
玉趾して嬌步迴り,佳期を約す。
女冠子四首其二
(後蜀の後宮に美女がそろい、この春、寵愛を受ける妃賓に最高の飾り身支度に包まれ、それが久しく続くと詠う。)
錦江煙水,卓女燒春濃美。小檀霞。
錦江の水面は春の煙がただよい、卓文君をおもわせる宮女がならび、温む燒春の新酒の美酒が用意され、宮女はきれいに紫紅色の化粧をととのえる。
繡帶芙蓉帳,金釵芍藥花。
鸞の刺繍の帯、芙蓉の帳、金の簪、芍薬の花、限りの無いほどの寵愛を受けているさまでいっぱい。
額黃侵膩髮,臂釧透紅紗。
そのうえ、生え際までの黄色の額に花鈿の化粧をして、紅色の紗の袖に腕輪が透けて見える。
柳暗鶯啼處,認郎家。
柳が緑色濃く繁り、陰を暗くする頃、鶯が囀るあたり、愛しき君の邸宅が見える。
(女冠子四首其二)
錦江の煙水,卓女の燒春 濃美なり。小檀霞【しょうだんか】。
繡帶【しゅうたい】芙蓉の帳,金釵 芍藥の花。
額黃【がくこう】膩髮【じはつ】を侵し,臂釧【ひせん】紅紗【こうさ】に透ける。
柳 暗く 鶯 啼く處,郎が家を認む。
女冠子四首其三
星冠霞帔,住在蘂珠宮裏。佩叮噹。
明翠搖蟬翼,纖珪理宿粧。
醮壇春艸綠,藥院杏花香。
青鳥傳心事,寄劉郎。
其の三
星の冠 霞の帔,住むは蘂珠【ずいしゅ】宮裏に在る。佩し、叮し、噹す。
翠を明し 蟬翼搖れ,纖珪 宿粧を理す。
醮壇【しょうだん】 春艸【しゅんそう】の綠,藥院【やくいん】 杏花の香。
青鳥 心事を傳へ,劉郎に寄す。
女冠子四首其四
雙飛雙舞,春晝後園鶯語。卷羅幃。
錦字書封了,銀河鴈過遲。
鴛鴦排寶帳,荳蔻繡連枝。
不語勻珠淚,落花時。
(其の四)
雙ながら飛び 雙ながら舞い,春の晝 後園 鶯 語る。羅幃を卷く。
錦字 書 封じ了し,銀河 鴈 遲れて過る。
鴛鴦 寶帳に排し,荳蔻 繡 枝を連る。
語らずして珠淚に勻し,落花の時。
《女冠子四首》 現代語訳と訳註
(本文)
女冠子四首其二
錦江煙水,卓女燒春濃美。小檀霞。
繡帶芙蓉帳,金釵芍藥花。
額黃侵膩髮,臂釧透紅紗。
柳暗鶯啼處,認郎家。
(下し文)
(女冠子四首其の二)
錦江の煙水,卓女の燒春 濃美なり。小檀霞【しょうだんか】。
繡帶【しゅうたい】芙蓉の帳,金釵 芍藥の花。
額黃【がくこう】膩髮【じはつ】を侵し,臂釧【ひせん】紅紗【こうさ】に透ける。
柳 暗く 鶯 啼く處,郎が家を認む。
(現代語訳)
(後蜀の後宮に美女がそろい、この春、寵愛を受ける妃賓に最高の飾り身支度に包まれ、それが久しく続くと詠う。)
錦江の水面は春の煙がただよい、卓文君をおもわせる宮女がならび、温む燒春の新酒の美酒が用意され、宮女はきれいに紫紅色の化粧をととのえる。
鸞の刺繍の帯、芙蓉の帳、金の簪、芍薬の花、限りの無いほどの寵愛を受けているさまでいっぱい。
そのうえ、生え際までの黄色の額に花鈿の化粧をして、紅色の紗の袖に腕輪が透けて見える。
柳が緑色濃く繁り、陰を暗くする頃、鶯が囀るあたり、愛しき君の邸宅が見える。
(訳注) (改訂版Ver.2.1)
女冠子四首
17. 其二
(後蜀の後宮に美女がそろい、この春、寵愛を受ける妃賓に最高の飾り身支度に包まれ、それが久しく続くと詠う。)
蜀の都、成都の酒舗の女性から吹きになった卓文君を思わせる妃嬪について詠う。冒頭、舞台は蜀の都の成都、春には、新酒、蜀の名酒の燒春が用意され、続いて、女は薄紅色の化粧、鸞刺繍の帯、蓮の花模様の帳を垂れた部屋に住み、髪には芍薬の花飾りの金簪を挿して、最高の身繕いをしいることを述べる。後段は、花鈿の額の黄色い塗り化粧と、紅色の紗の袖から透けて見える腕輪を描く。最後の二句は何時までも寵愛が続いていることを描く。
『花間集』には牛嶠の作が四首収められている。
温庭筠、韋荘、女冠子参照。
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其二
(女の立場に立ち、男に寄せる思いを描く。)
18.【構成】唐の教坊の曲名。女冠は女道士の意。『花間集』 には牛嶠の作が四首収められている。双調四十一字、前段二十三字五句二仄韻二平韻、後段十八宇四句二平韻一仄韻で、❹❻③5⑤/❺⑤❺③の詞形をとる。
女冠子四首 其一
綠雲高髻,點翠勻紅時世。月如眉。
淺笑含雙靨,低聲唱小詞。
眼看唯恐化,魂蕩欲相隨。
玉趾迴嬌步,約佳期。
●○○● ●●○○○△ ●△○
△●○○● ○○●●○
●△△●● ○●●△○
●●△△● ●○○
双調四十一字、前段二十二字五句二灰韻二平韻、後段十八宇四句一平韻で、❹❻③5⑤/5⑤5③の詞形をとる。
女冠子四首其二
錦江煙水,卓女燒春濃美。小檀霞。
繡帶芙蓉帳,金釵芍藥花。
額黃侵膩髮,臂釧透紅紗。
柳暗鶯啼處,認郎家。
●○○● ●●△○○● ●○○
●●○○● ○○●●○
●○△●● ●●●○○
●●○○● ●○○
錦江煙水,卓女燒春濃美。小檀霞。
錦江の水面は春の煙がただよい、卓文君をおもわせる宮女がならび、温む燒春の新酒の美酒が用意され、宮女はきれいに紫紅色の化粧をととのえる。。
19. 錦江 成郡を流れる川。織り上げた錦をこの川で濯ぐと色が鮮やかになることから、この名がついた。
20. 卓女 前漢の卓王孫の娘、卓文君。司馬相如と駆け落ちして酒屋を開き酒のお燗に当たった。ここでは卓文君を借りて成都の洒舗の女を言う。
21. 燒春 蜀の名酒の名。
22. 濃美 味の濃く美味しいこと。芳醇。
23. 小煙霞 若く映しい女性がきれいに紫紅色の化粧をする。指女妆紫红鲜麗,如彩霞一片。檀:紫红色。
繡帶芙蓉帳,金釵芍藥花。
鸞の刺繍の帯、芙蓉の帳、金の簪、芍薬の花、限りの無いほどの寵愛を受けているさまでいっぱい。
24. 繡帶 帳に付けられた帯状の飾りを言う。
額黃侵膩髮,臂釧透紅紗。
そのうえ、生え際までの黄色の額に花鈿の化粧をして、紅色の紗の袖に腕輪が透けて見える。
25. 額黃 化粧法の一つ。女の額にほどこす黄色の化粧法。額黄ともいい、古く漢代からあったといい、六朝時代をへて唐代までずっと行なわれていた。
『菩薩蠻 三』
蕊黃無限當山額,宿妝隱笑紗窗隔。
相見牡丹時,暫來還別離。
翠钗金作股,钗上蝶雙舞。
心事竟誰知?月明花滿枝。
『菩薩蠻 三』温庭筠 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-3-3-# 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1628
26. 臂釧 腕輪。
柳暗鶯啼處,認郎家。
柳が緑色濃く繁り、陰を暗くする頃、鶯が囀るあたり、愛しき君の邸宅が見える。
27. ・春を告げる鶯が春が終わろうとするのに、何時までもなく、錦水、池のほとりの宮殿にこの春は、何時までも、寵愛が続く。