主に基本となる詩集を訳注解説 漢詩~唐詩 研究   〔現在〕 花間集五百首訳注解説

7年漢詩の訳注解説のブログを続けていますが、16年五月に死線をさまよい5回の大手術により、やっと11月より復帰、過去のブログ資料紛失のため、新規ブログ名にて開始。玉臺新詠を全詩、訳注解説していきます。毎日20000文字をノルマにしているので、ブログコミニュケーションがほとんどできません。ご容赦!        李白集校注・韓昌黎集・杜詩校注・花間集・玉臺新詠 連載中

花間集 訳注解説 (200)回目張泌 《巻四27浣渓沙十首 其一》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8768

 200)回目張泌巻四27浣渓沙十首 其一》 

 

 

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、現在、李白詩全詩 訳注

Ⅰ李白詩

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745-021-#4巻169-05 訪道安陵遇蓋寰為予造真籙臨別留贈(卷十(一)六七二)Ⅰ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之 李白詩集8765

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●唐を代表する 中唐 韓愈 全500首 

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・李商隠詩 (1) 136首の75

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韓愈 哲学・儒学「五原」

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●杜甫の全作品1500首を訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"

Ⅲ 杜詩

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767年-112 寄韓諫議汯 杜詩詳汯((卷一七(四)一五○八))Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8749

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767年-集-13 【字解集】・a.-第五弟豐獨在江左近二首 ・b.-秋風二首 ・c.-送李功曹之荊州 ・d.-送王十六判官 Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8660

杜甫詩(1)736~751年  53

杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73

杜甫詩(3)45歳 安史の乱に彷徨う 26

杜甫詩(4)757年、左拾遺 43

杜甫詩(5)758年47歳 左遷 53

杜甫詩(6)759年 三吏三別 44

杜甫詩(7)759年秦州詩 66

杜甫詩(8)759年同谷紀行、成都紀行36

杜甫詩(9)760年、49歳 成都 45

杜甫詩(10)761年、50歳 成都82

杜甫詩(11)762年蜀中転々43

杜甫詩(12)762年 蜀中転々 49

(13)763年蜀中転々 96

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(16-1) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)80

(16-2) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)81

 

杜甫詩 (17-1)767年夔州・西閣・赤甲・瀼西132

杜甫詩 (17-2) 767年・瀼西・東屯 133

杜甫詩 (18)768年江陵・公安縣・岳州 78

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花間集 訳注解説 (200)回目張泌 《巻四27浣渓沙十首 其一》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8768 (05/24)

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花間集 訳注解説 (200)回目張泌 《巻四27浣渓沙十首 其一》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8768

(西に向かう旅人との別れを題材にしたよくある別れを詠う)

螺鈿の車は柳の堤の道を西に向い過ぎて行く。樺の灯火の煙は漂い、最後の別れの朝には旅立つ馬もしきりに噺く。朝早く旅立つにあたって、酔いが醒めていなければ、不覚なので、夕べの宴会では深酔いすることはないものなのだ。駅亭をめぐって、花は咲き満ちていて、香しき夜の露は細やかなものである。杜鵑の声途絶え、名残の月は傾きてみえない。思いを秘めて言葉なく西にむかったひとを高殿に身を寄せておもう。

海棠花 05 

 

 

 

 

花間集 巻四

 

 

 

 


大明宮正面 003 

后妃と宮人

一たび深宮の裏に入れば、年年 春を見ず〃

唐の宮人

 

 杜甫はかつて「先帝の侍女八干人」《2099 觀公孫大娘弟子舞劍器行 并序》(公孫大娘が弟子の剣器を舞うを観る示」)と詠い、白居易もまた「後宮の佳麓三干人」(「長恨歌」)と言った。これらは決して詩人の誇張ではなく、唐代の宮廷女性は、実際はこの数字をはるかに越えていた。唐の太宗の時、李百薬は上奏して「無用の宮人は、ややもすれば数万に達する」(『仝唐文し巻一四二、李。白薬「宮人を放っを請うの封事」)といった。『新唐書』の「宦者伝」上に、「開元、天宝中、宮娘はおおよそ四万に至る」と記されている。後者は唐代の宮廷女性の人数に関する最高の具体的な数字であり、まさに盛唐の風流天子玄宗皇帝時代のものである。宋代の人洪邁は、この時期は漢代以来、帝王の妃妾の数が最も多かった時代であるといっている(『容斎五筆』巻三「開元宮噴」)。うまい具合に、この時期の女性の総人ロは先に紹介した数字おそ二千六百余万であるから、四万余人とすれば、じつに仝女性人口の六百分の一を占める。つまり、女性六百人ごとに、人が宮廷に入ったことになる。唐末になり、国土は荒れ、国勢は衰えたが、いぜんとして「六宮(後宮)の貴・賤の女性は一万人を減らない」(『資治通鑑』巻二七三、後唐の荘宗同光三年)という状態だった。この驚くべき数字の陰で、どのくらい多くの「啖夫怨女」(男やもめと未齢の老女)を造り出したことか計り知れない。唐末の詩人曹郡が慨嘆して「天子 美女を好み、夫婦 双を成さず」(「捕漁謡」)と詠ったのも怪しむに足りない。

 

 

花間集 張泌 《浣溪沙十首》

浣溪沙十首其一

鈿轂香車過柳堤,樺煙分處馬頻嘶,為他沉醉不成泥。

花滿驛亭香露細,杜鵑聲斷玉蟾低,含情無語倚樓西。

(浣溪沙十首 其の一)
鈿轂【でんこく】香車 柳堤を過ぐ,樺煙【かえん】分かるる處 馬 頻りに嘶く,他が為に沉醉するも泥を成さず。
花は驛亭に滿ち 香露 細やかなり,杜鵑 聲 斷え 玉蟾【ぎょくぜん】低し,情を含んで語ること無く 樓西に倚る。

浣溪沙十首其二

馬上凝情憶舊遊,照花淹竹小溪流,鈿箏羅幕玉搔頭。

早是出門長帶月,可堪分袂又經秋,晚風斜日不勝愁。

(浣溪沙十首其の二)馬上 凝情 舊遊を憶い,照花 淹竹 小溪の流れ,鈿箏 羅幕 玉として頭を搔く。早に是こに出門 月も長帶たり,堪える可し 袂を分ち 又た秋も經るを,晚風 斜日 愁に勝らず。

浣溪沙十首其三

獨立寒堦望月華,露濃香泛小庭花,繡屏愁背一燈斜。

雲雨自從分散後,人間無路到仙家,但憑魂夢訪天涯。

(浣渓沙 十首 其の三)独り寒堦【かんかい】に立ちて 月華を望む、露 濃く 香り 泛く 小庭の花、繍屏【しゅうへい】に 愁い背きて 一灯 斜めなり。雲雨 分散してより後、人間 路の仙家に到る無く、但だ魂夢を憑【たの】みて 天涯を訪ぬ。

浣溪沙十首其四

依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。

閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

(浣溪沙十首 其の四)約に依り眉を殘し舊黃を理し,翠鬟【すいかん】擲【ほうてき】一簪【いちしん】長じ,暖風 晴日 朝粧を罷む。閑にして海棠を折り 看 又た撚じ,玉纖 力無く 餘香に惹かる,此の情 誰れに會うのか 斜陽に倚る。

浣溪沙十首其五

翡翠屏開繡幄紅,謝娥無力曉粧慵,錦帷鴛被宿香濃。

微雨小庭春寂寞,鷰飛鶯語隔簾櫳,杏花凝恨倚東風。

(浣渓沙 十首 其の五)翡翠 屏開き 繡幄【しゅうあく】の紅,謝娥 力無く 曉粧の慵,錦帷 鴛被 宿香濃く。微雨 小庭 春 寂寞たり,鷰飛 鶯語 簾櫳を隔ち,杏花 凝恨 東風に倚る。

浣溪沙十首其六

枕障燻鑪隔繡幃,二年終日兩相思,杏花明月始應知。

天上人間何處去,舊歡新夢覺來時,黃昏微雨畫簾垂。

(浣渓沙 十首 其の六)枕障 燻鑪 繡幃を隔つ,二年 終日 兩つながら相い思い,杏花 明月 始めて應に知る。天上 人間 何處に去り,舊歡 新夢 時に來るを覺ゆ,黃昏 微雨 畫簾垂る。

浣溪沙十首其七

花月香寒悄夜塵,綺筵幽會暗傷神,嬋娟依約畫屏人。

人不見時還暫語,令纔後愛微嚬,越羅巴錦不勝春。

(浣渓沙 十首 其の七)花月 香り 寒く 夜塵 悄まり、綺筵の幽会 傷神を暗にし、嬋娟 依約として画屏の人。人 見ざる時 還た暫く語り、纔かにたしむるの後 愛みて微かに嚬み、越羅、巴錦も春に勝えず。

浣溪沙十首其八

偏戴花冠白玉簪,睡容新起意沉吟,翠鈿金縷鎮眉心。

小檻日斜風悄悄,隔簾零落杏花陰,斷香輕碧鏁愁深。

(浣渓沙 十首 其の八)偏戴 花冠 白玉の簪,睡容 新起 意沉吟,翠鈿 金縷 鎮眉心。小檻 日斜 風悄悄たり,簾を隔てて零落 杏花の陰,斷香 輕碧 鏁愁深。

浣溪沙十首其九

晚逐香車入鳳城,東風斜揭繡簾輕,慢迴嬌眼笑盈盈。

消息未通何計是,便須佯醉且隨行,依稀聞道大狂生。

(浣渓沙 十首 其の九)晚 香車を逐い 鳳城に入る,東風 斜に揭げ 繡簾輕し,慢く迴り 嬌眼 笑み盈盈【えんえん】たり。消息 未だ通わず 何ぞ是を計る,便ち須らく佯醉し 且く隨行し,依稀に聞道【きくなら】く大狂生なり と。

浣溪沙十首其十

小市東門欲雪天,眾中依約見神仙,蘂黃香畫貼金蟬。

飲散黃昏人草草,醉容無語立門前,馬嘶塵烘一街煙。

(浣渓沙 十首 其の十)小市 東門 雪天に欲し,眾中 依約 神仙を見,蘂黃 香畫 金蟬を貼る。飲散 黃昏 人草草たり,醉容して語る無し 門前に立ち,馬嘶き 塵烘【じんこう】一街の煙。

 大明宮含元殿02

 

 

 

花間集 教坊曲《巻四27 浣渓沙十首 其一》張泌

 

 

花間集 訳注解説

 

 

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8768

 

 

 

(改訂版Ver.2.1

浣溪沙十首其一

(西に向かう旅人との別れを題材にしたよくある別れを詠う)

鈿轂香車過柳堤,樺煙分處馬頻嘶,為他沉醉不成泥。

螺鈿の車は柳の堤の道を西に向い過ぎて行く。樺の灯火の煙は漂い、最後の別れの朝には旅立つ馬もしきりに噺く。朝早く旅立つにあたって、酔いが醒めていなければ、不覚なので、夕べの宴会では深酔いすることはないものなのだ。

花滿驛亭香露細,杜鵑聲斷玉蟾低,含情無語倚樓西。

駅亭をめぐって、花は咲き満ちていて、香しき夜の露は細やかなものである。杜鵑の声途絶え、名残の月は傾きてみえない。思いを秘めて言葉なく西にむかったひとを高殿に身を寄せておもう。

 

(浣溪沙十首 其の一)

鈿轂【でんこく】香車 柳堤を過ぐ,樺煙【かえん】分かるる處 馬 頻りに嘶く,他が為に沉醉するも泥を成さず。

花は驛亭に滿ち 香露 細やかなり,杜鵑 聲 斷え 玉蟾【ぎょくぜん】低し,情を含んで語ること無く 樓西に倚る。

 

 

(改訂版Ver.2.1

『浣溪沙十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙十首 其一

鈿轂香車過柳堤,樺煙分處馬頻嘶,為他沉醉不成泥。

花滿驛亭香露細,杜鵑聲斷玉蟾低,含情無語倚樓西。

 

(下し文)

(浣溪沙十首 其の一)

鈿轂【でんこく】香車 柳堤を過ぐ,樺煙【かえん】分かるる處 馬 頻りに嘶く,他が為に沉醉するも泥を成さず。

花は驛亭に滿ち 香露 細やかなり,杜鵑 聲 斷え 玉蟾【ぎょくぜん】低し,情を含んで語ること無く 樓西に倚る。

 

(現代語訳)

(西に向かう旅人との別れを題材にしたよくある別れを詠う)

螺鈿の車は柳の堤の道を西に向い過ぎて行く。樺の灯火の煙は漂い、最後の別れの朝には旅立つ馬もしきりに噺く。朝早く旅立つにあたって、酔いが醒めていなければ、不覚なので、夕べの宴会では深酔いすることはないものなのだ。

駅亭をめぐって、花は咲き満ちていて、香しき夜の露は細やかなものである。杜鵑の声途絶え、名残の月は傾きてみえない。思いを秘めて言葉なく西にむかったひとを高殿に身を寄せておもう。

 

(訳注) (改訂版Ver.2.1

1.『花間集』と張泌、《浣溪沙》

張泌(生平年未詳)は、五代、前蜀の人。字、出身地ともに未詳。『花間集』では牛嶠と毛文錫の間に置かれていることから、前蜀に仕えて舎人になったことが知れるだけである。晩唐から五代にかけて、張泌という名の人物が三人いたことが分かっており、このため同名異人のこの三者がしばしば混同されてきた。『花間集』 には《浣溪沙》二十七首の詞が収められていて、張泌の「浣溪沙」作が十首収められている。浣溪沙は早春の川に染めた布地を晒し、その後、河原で一枚づつ並べて乾す様子をいうものであったが、寒食、清明節のころから、初夏にかけて、行楽で、川縁や野原に、万幕を張る様子を、言うようになった。春の絶頂期、人生の絶頂期、恋愛のの絶頂期を示すものが多い。舟を出して花いっぱいの渓谷に入って遊んだものが、今では砂ばかりの渓谷しか見られない、ということを象徴にして女、女妓の侘しさ、寂しさを詠うものである。

 

当時の貴族や官僚は外出には車を使わず、馬に乗り、牛車に乗るのは女性が多かった。

幹線道路沿いは、民家や商店が多く、民間の旅人でも食糧に不足はしなかった。民営の旅舎や逆旅と呼ばれる旅館も多数存在した。9世紀の唐代を旅行した円仁の『入唐求法巡礼行記』によると、円仁は長期間の旅行をほとんど危険もなく行っている。

宿屋は寝具持参で自炊が原則であった。相部屋が多く、その時は、寝床だけを借りることになる。寝床は大きいのを牀、小さいのを榻といった。使用しない時は寝床は壁に立てていたが、宿では常時、設置していたところもあった。食店という食堂を兼ねた宿も存在したが、安宿は自炊が一般的で、飯だけはつける宿もあった。旅行は遠距離なものが多く、長期間に渡るため、馬車や馬、ロバ、ラクダで荷を運ぶことが多かった。相部屋には炉があり、部屋で煮炊きを行い、外から食糧や酒も持参できた。宿屋の中に馬小屋があることもあった。宿は貸し切りもあり、小房という個室もある宿も存在した。

 

浣溪沙十首 其一

2.(西に向かう旅人との別れを題材にしたよくある別れを詠う)

男の旅立ちを見送る女性の情を詠う。前段は、彼女が車に乗り、一駅までの道すがら、柳の堤を進み、一駅である駅亭で別れを交わし、後段、朝まだきから旅の支度をはじめ、暗いうちに出発する様子と、楼閣の窓辺でいつまでもみおくりつづけるようすをうたったものである。高殿に身を寄せて思いを馳せるが、杜鵑(ホトトギス)の声も途絶え、名残の月は西に低く傾いてしまい、何もかも終ったという。

3.【解説】『花間集』に描かれる男女の別れは、残月(二十日頃の夜明けの月)が空に懸かる、当時の生活習慣で仕事に出る、旅に出るのは夜の明けきらぬ時であること、男が女のもとを去るという形が多い。しかし、この詞は女性が夜、男性を駅亭まで見送る形をとる。明瞭に書かれていないが、後段第一句の「玉蟾低し」からすれば、二人は駅亭で一夜をともにし、男性は翌日の明け方に旅立ったのであろう。こうした送別は、王維の「元二が安西に使いするを送る」詩に「渭城の朝雨 軽塵を泥す、客舎 青青 柳色 新たなり」とあるように、男同上の間では広く行われていた。けれども、男女間にあってほ例が少ない。なお、後段末句の「楼西に倚る」から男は西に向かって旅立ったことが分かる。

4.【構成】唐の教坊の曲名。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦.の詞形をとる。韋荘は同名の詩五首載せている。

浣溪沙十首 其一

鈿轂香車過柳,樺煙分處馬頻,為他沉醉不成

花滿驛亭香露細,杜鵑聲斷玉蟾,含情無語倚樓西

△●○○△●△  △○△●●○○ ○△○●△○△

○●●○○●● ●○○●●○○  ○○○●△○○

 

 

鈿轂香車過柳堤,樺煙分處馬頻嘶,為他沉醉不成泥。

螺鈿の車は柳の堤の道を西に向い過ぎて行く。樺の灯火の煙は漂い、最後の別れの朝には旅立つ馬もしきりに噺く。朝早く旅立つにあたって、酔いが醒めていなければ、不覚なので、夕べの宴会では深酔いすることはないものなのだ。

5. 鈿轂香車 螺釦や香木をあしらった高貴な人用の車。

6. 柳堤 この頃の柳は、区画の境、堤の維持保護に官費で飢えられたものが多い。東、南に向かう別れには長安から30里一駅目の㶚水橋の駅亭まで行って別れの宴会をして翌朝旅立つ。西、北に向かう場合は、西渭水橋の駅亭で宴会をした。通常は馬による旅立ちであった。

7. 樺煙 蝋を樺の木の皮で巻いた灯火の煙。

8. 沉醉 深酔い。

9. 不成泥 泥酔しない、正体を失わない。

 

花滿驛亭香露細,杜鵑聲斷玉蟾低,含情無語倚樓西。

駅亭をめぐって、花は咲き満ちていて、香しき夜の露は細やかなものである。杜鵑の声途絶え、名残の月は傾きてみえない。思いを秘めて言葉なく西にむかったひとを高殿に身を寄せておもう。

10. 玉蟾 月の別称。月は蟾が中に住むことで、性描写の一つである。「天仙子」の「蟾彩」の注参照。夜明けまで月が残る、20日前後の、名残月である。

11. 驛亭 長安を中心とした各地方につながる道路、水路が整備されていった。道路には、30里(約17km)ごとに駅站(駅館、公営の宿)が置かれ、公文書を運ぶ政府の使者や地方へ赴任し、帰ってくる官僚が利用した。駅站の近くには、往々において民間の宿が存在した。宿の名称の最後には、『駅』、『館』、『店』とつくことが多かった。唐全土には1,639もの駅站が存在し、水駅が260、水陸駅が86か所設置されていた。駅站を利用できる政府関係者は、食糧、運送、宿泊が無料であった。また、道路の五里ごとに『里隔柱』という標識が置かれ、十里ごとに別の標識を立てられた。幹線道路沿いには多数の店舗が建ち並び、交通は大いに発達した。

12. 楼西 西楼を押韻のために倒置したもの。

○この三句、「香露細」「杜鵑聲斷」「玉蟾」「含情」は、送別の夜の性交を連想させる語句である。

後世、別離の際に歌われるようになった。近代以降の我が国でいえば『蛍の光』のような使われ方をしたしである。

唐 王維 《送元二使安西》

渭城朝雨裛輕塵,客舍靑靑柳色新。

勸君更盡一杯酒,西出陽關無故人。

(元二の 安西に使するを 送る)

渭城の朝雨  輕塵を 裛し,客舍 靑靑 柳色 新たなり。

君に勸む 更に盡)せ 一杯の酒,西 陽關を 出づれば 故人 無からん

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花間集五百首訳注解説

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花間集 訳注解説 (199)回目巻四 牛嶠-3 【字解集】 a.菩薩蠻七首  b.酒泉子 c.定西番 d.玉樓春 e.西溪子 f.江城子二首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8762

 199)回目巻四 牛嶠-3 【字解集】 a.菩薩蠻七首  b.酒泉子  c.定西番  d.玉樓春  e.西溪子  f.江城子二首

 

 

 

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の紀頌之5つの校注Blog

10年のBLOGの集大成

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、現在、李白詩全詩 訳注

Ⅰ李白詩

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●唐を代表する 中唐 韓愈 全500首 

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・李商隠詩 (1) 136首の75

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韓愈 哲学・儒学「五原」

孟郊

 

10年のBLOGの集大成

 

 

 

●杜甫の全作品1500首を訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"

Ⅲ 杜詩

詳注

767年-111 別崔、因寄薛據、孟雲卿 杜詩詳注(卷一八(四)一五九六)Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8743

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767年-集-13 【字解集】・a.-第五弟豐獨在江左近二首 ・b.-秋風二首 ・c.-送李功曹之荊州 ・d.-送王十六判官 Ⅲ 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8660

杜甫詩(1)736~751年  53

杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73

杜甫詩(3)45歳 安史の乱に彷徨う 26

杜甫詩(4)757年、左拾遺 43

杜甫詩(5)758年47歳 左遷 53

杜甫詩(6)759年 三吏三別 44

杜甫詩(7)759年秦州詩 66

杜甫詩(8)759年同谷紀行、成都紀行36

杜甫詩(9)760年、49歳 成都 45

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杜甫詩(11)762年蜀中転々43

杜甫詩(12)762年 蜀中転々 49

(13)763年蜀中転々 96

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(16-1) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)80

(16-2) 766年雲安、暮春、夔州 168首 の(1)81

 

杜甫詩 (17-1)767年夔州・西閣・赤甲・瀼西132

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杜甫詩 (18)768年江陵・公安縣・岳州 78

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杜甫詩 (21)洩れ分(未詳分)・散文

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花間集 訳注解説 (199)回目巻四 牛嶠-3 【字解集】 a.菩薩蠻七首  b.酒泉子 c.定西番 d.玉樓春 e.西溪子 f.江城子二首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8762 (05/23)

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花間集 訳注解説 (185)回目牛嶠二十六首《巻四 牛嶠-2 【字解集】 a.女冠子四首 B.夢江南二首 C.感恩多二首 D. 應天長二首 e. 更漏子三首 f.望江怨》 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8678 (05/10)

 

 

 

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●花間集全詩●森鴎外の小説の”魚玄機”詩、芸妓”薛濤”詩。唐から五代詩詞。花間集。玉臺新詠連載開始

.唐五代詞詩・女性

・玉臺新詠

玉-巻二16 樂府二首其一昭昭素明月 -#3〔魏明帝〕 Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻二ブログ 8763

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玉集-013【字解集】  樂府三首 ・樂府 棄婦篇の【字解集】   〔曹植〕 Ⅴ漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の玉臺新詠巻二ブログ 8746

●薛濤の全詩

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●魚玄機全詩

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花間集 訳注解説 (199)回目巻四 牛嶠-3 【字解集】 a.菩薩蠻七首  b.酒泉子  c.定西番  d.玉樓春  e.西溪子  f.江城子二首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ8762

 

花間集04 

【字解集】 a.菩薩蠻七首  

菩薩蠻七首 其一

1.(寵愛を受ける時は短く、ツバメが来て、しばらくヒナがうるさくし始める頃にはすでに寵愛を失う。そのごは、毎日、寵愛を受けていた時と同じようにただ、待ち続ける毎日が繰り返される。まるでどこか北の遠くの遼陽に送り出した人を待つ寡婦と同じようになってしまうと詠う)

2. 【解説】こんなにも寵愛を受けられないのは、辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情のようである。それでも妃嬪は、寵愛を失っても、ひたすら待つしかない。この詩は「愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。」と愁いがすべてをくずれてゆくという表現に象徴される。この詩が、辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情であり、遙かな男へ思いを馳せ、屏風の陰に引き籠もり、遅々として進まぬ春の日長の所在なさについて語るというだけの詩であるはずはなく、毎日労働もせず、豪華な着物を見に着け、大きな部屋に住まい出来る、富貴の者の愛妾か、踊りなどを担当する、美人身分の妃嬪と推察できる。宮中の内官制度で妃嬪は皇后を補佐し、六儀は。九卿に四徳を教え、皇后の儀礼を讃える。美人は、女冠を率いて祭礼接客を事とし、才人は宴会、寝所の世話、絲枲をおさめ、織り上がった反物を帝に献ずる。何もしなくて生活できる女性は、限られた地位の者だけである。

3.【構成】唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

菩薩蠻七首 其一

舞裙香暖金泥,畫梁語鷰驚殘

門外柳花,玉郎猶未

愁勻紅粉,眉剪春山

何處是遼,錦屏春晝

●○○●○△●  ●○●●○○△

○●●○○  ●○△●○

○○○●●  ○●○○●

△●●○○  ●△○●△

4. 春暖 薫きしめた香の香りが暖かく感じられる。この頃の香炉は、暖房も兼ねていたから、この事で着る服は外套のものではなく踊用の薄手の服をイメージさせる。

5. 舞裙 妃嬪、宮女妓優などの演舞の際のスカート。牛嶠《巻三50柳枝五首其五》「裊翠籠煙拂暖波,舞裙新染麴塵羅。」翡翠の髪飾りが妖艶に揺れ、香煙は香炉の網を抜けて細く揺れ起ちあがり、暖かな風波に払われて揺れている。舞い踊る女たちの裙はみだれ、その下のあらたに麴塵色に染められたうす絹が見えて奇麗だ。

牛嶠《巻三50 柳枝五首 其五》『花間集』151全詩訳注解説(改訂版)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5957

6.  金泥鳳 鳳凰が巣作りをする画を金絲で刺繍されている。舞踊担当の妃嬪(美人)。

唐:李存勖(885年-926年)《陽臺夢》

薄羅衫子金泥鳳,困纖腰怯銖衣重。笑迎移步小蘭叢,嚲金翹玉鳳。

嬌多情脈脈,羞把同心捻弄。楚天雲雨卻相和,又入陽臺夢。

①金泥鳳:這裏指羅衫的花色點綴。②銖衣:衣之至輕者。多指舞衫。③嚲:下垂。金翹、玉鳳:皆古代婦女的首飾。④同心:即古代男女表示愛情的“同心結”。⑤陽臺:宋玉《高唐賦序》:楚襄王嘗遊高唐,夢一婦人來會,自雲巫山之女,在“高臺之下”。舊時因稱男女歡會之所爲“陽臺”。

7. 柳花 綿毛の生えた柳の種。柳絮の飛ぶのは春の一時期であることから、春が過ぎてゆく憂いを表現する。

8. 玉郎 美男。ここでは愛しい男の意。古代女子對其夫、或所歡愛的男子的暱稱。唐.牛嶠〈菩薩蠻.舞裙香暖金泥鳳〉詞:「門外柳花飛,玉郎猶未歸。」道教中的仙官名。唐.李商隱〈重過聖女祠〉詩:「玉郎會此通仙籍,憶向天階問紫芝。」對男子的美稱。

恋愛詩人・李商隠 6 重過聖女詞

韋莊《巻三11天仙子五首其四》「夢覺雲屏依舊空,杜鵑聲咽隔簾櫳,玉郎薄倖去無蹤。」

花間集』全詩訳注解説(改訂版)-33韋荘111《巻3-11 天仙子五首 其四》三巻11-111漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5757

9. 愁勻 愁いは~にあまねし。朱松 太康道中二首其二 「一色春勻萬樹紅,坐愁吹作雪漫空。誰知莢楊花意,只擬春殘卷地風。」

10. 春山 女件の美しい眉を言う。愁いに染まり、眉には愁いに曇る女性を表現するがそれがとても美しく見えることをいう。

李商隠《代贈二首 其二》 「總把春山掃眉黛、不知供得幾多愁。」(あなたのいない今、あまたの男を相手にしてきたが眉墨でまゆを画く、自分も年を取ってきた、幾多の愁いを伴ってここまで来たのだがどこまで知ってくれているだろう。)○総把 全てを束にして握る。

11. 春山 男女の情欲の気持ちのかたまり。○掃眉 まゆをかく。 ・眉黛眉毛を剃って墨で描いたまゆ。眉には年を取ってくるという意味を含む。

代贈二首 其二 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 98

溫庭筠《菩薩蠻十四首 其十二》「繡簾垂簌,眉黛遠山綠。」(この生き方も仕方ないこととし、刺繍をした簾には道教のお札を張り、涙が垂れる様に、すだれを止める房が垂れ下っている。そのすだれをかかげて、遠い山々をながめるとみどりのまゆずみを掃いたかのようにうすくかすんで、近い所におわすお方も遠い存在となってしまった。)

『花間集』全詩訳注解説(改訂)-1溫庭筠12《菩薩蠻十四首 其十二》溫庭筠66首巻一12-〈12〉漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-5257

12. 遼陽 遼寧省南部遼陽。古代より軍事上の重要都市であったため、なかなか帰ってこれないということの表現として使う。実際に行ってはいないと思われる。

13. 春晝長 季節の移ろいを表現するのと、怠惰になってゆくことを表現する。

宮島0017
菩薩蠻七首 其二

14. (旅に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)その二

15. 【解説】東門から旅出つ高官の男をみおくる女の情を詠う。末句は、遙かな男を忘れ、いっそほかの男に抱かれてしまおうかという思いを詠う。一夫多妻制のころである旅立つ男に、「早く帰ってくれなければ別の男に抱かれてしまいますよ」と云っているもの。

16. 【構成】唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

菩薩蠻七首 其二

柳花飛處鶯聲,暗街春色香車

金鳳小簾,臉波和恨

今宵求夢,難到青樓

贏得一場,鴛衾誰並

●○○●○○●  ●○○●○○●

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○○○△●  △●○○●

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17. ・柳花飛處鶯聲急 柳絮は晩春にうつっていくから鶯の啼き声さえ、どうやら急ぎ始めたようだというほどの意。

18. ・暗街 暗い街。くらがりの街。よるの街。くろずむ町、街の深いところ。暗に、ひそかに。ここは日が落ち、街を暗くして行くようすをいう。

19. ・香車立 朝廷の高官の旅立ちの御車を云う。

20. 小簾 車の小窓の簾。

21. 臉波 清らかな目のような波。唐·白居易·《天津橋》詩:「眉月晚生神女浦,臉波春傍窈娘堤。」唐·韋莊·《漢州詩》:「十月醉眠金雁驛,臨岐無恨臉波橫。」張泌《巻五02江城子其二》浣花溪上見卿卿,臉波秋水明,黛眉輕。

22. 和恨 うらむことをなごませる。

23. ・青樓 青く塗った高殿で、身分に高い人の家。高貴な女性の住む家。遊女の入るところ。妓楼。

旅立つ人は東、青の門から出る。見送りはその門からさらに東にある高楼で最後の夜を過ごすのである。

24. ・贏得 利益を得ること。獲得すること。

25. ・鴛衾 鴛鴦の模様の布団は一緒に過ごすベットに架けられている。

菩薩蠻七首 其三

26. 菩薩蠻七首 其の三:(寵愛を受ける春の日々は最高の思いで過ごすが、寵愛を失っても、準備だけはしておくのがさだめだと詠う)

27. 唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

菩薩蠻七首 其一

舞裙香暖金泥,畫梁語鷰驚殘

門外柳花,玉郎猶未

愁勻紅粉,眉剪春山

何處是遼,錦屏春晝

●○○●○△●  ●○●●○○△

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△●●○○  ●△○●△菩薩蠻七首 其二

柳花飛處鶯聲,暗街春色香車

金鳳小簾,臉波和恨

今宵求夢,難到青樓

贏得一場,鴛衾誰並

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菩薩蠻七首 其三

玉釵風動春幡,交枝紅杏籠煙

樓上望卿寒新雨

薰爐蒙翠,繡帳鴛鴦

何處有相,羨他初畫

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28. ・玉釵 こがねにかがやく天子からの贈り物の簪。

溫庭筠 巻一02 菩薩蠻十四首其二「雙鬢隔香紅,玉釵頭上風。」

溫庭筠 巻一25 酒泉子四首其三 「玉釵斜篸雲鬟髻,裙上金縷鳳。」

牛嶠  巻四10 應天長二首其二 「玉釵橫,山枕膩,寶帳鴛鴦春睡美。」

牛嶠  巻四11 更漏子三首其一 「收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。」

牛嶠  巻四17 菩薩蠻七首其三 「玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。」

牛嶠 巻四25 西溪子 「捍撥雙盤金鳳,蟬鬢玉釵搖動。」

和凝 巻六16 臨江仙二首其一 「碾玉釵搖鸂鶒戰,雪肌雲鬢將融。」

孫光憲 巻八16 臨江仙二首其二 「玉釵低壓鬢雲橫,半垂羅幕,相映燭光明。」

29. ・春幡 春旗。 古代における迎春と立春日までに旗を立てたり、或は春幡を樹梢に掛けたりする。

30. ・籠煙 竹かごの中の香の煙をいう。池端の柳が、冬の間に枝だけで垂れさがった様子を籠と表現し、香炉の上の籠と対比させて表現する。それが、これから草木が生繁る頃がすなわち匂うがごとき春の緑の煙霞に包まれた風景なのだろう。そこには陰陽判じがたい中に宿る生命の気配を感じることができる。

31. ・卿卿 卿卿 妻が夫を呼ぶ称。閨褥での言葉。南朝宋·劉義慶《世新語·惑溺》:“親卿愛卿,是以卿卿,我不卿卿,誰當卿卿?”貴人と逢ってうれしい状況を云う。男女の情事の際の声を意味する。

32. ・ は窗、窓で晩秋の窓を云う。窓を寒いと感じ愧じるころの窓を云う。

33. ・薰爐 香と暖炉が一体となったもので、部屋が暖かくなることをいう。

34. ・蒙 1 おおう。かぶさる。こうむる。「蒙塵(もうじん)・蒙霧」2 くらい。物知らずで道理が わからない。「

35. ・翠被 (或繡)有翡翠紋飾的被子。以翠羽飾被。被子:掛け布団.

36. ・畫眉 ①まゆずみでまゆをかくこと。②まゆずみでかいた美しい眉。転じて、美人をいう。③ほおじろ鳥。

菩薩蠻七首 其四

37. 菩薩蠻七首その四:(巫山の地に立って昔の「巫山の雲雨」を思われる、しかし、今ここには、山月、山花、燈燭の影、それもこれもなにごともなくときはながれていると詠う。)

38. 唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

菩薩蠻七首 其一

舞裙香暖金泥,畫梁語鷰驚殘

門外柳花,玉郎猶未

愁勻紅粉,眉剪春山

何處是遼,錦屏春晝

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△●●○○  ●△○●△菩薩蠻七首 其二

柳花飛處鶯聲,暗街春色香車

金鳳小簾,臉波和恨

今宵求夢,難到青樓

贏得一場,鴛衾誰並

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菩薩蠻七首 其三

玉釵風動春幡,交枝紅杏籠煙

樓上望卿寒新雨

薰爐蒙翠,繡帳鴛鴦

何處有相,羨他初畫

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菩薩蠻七首 其四

畫屏重疊巫陽,楚神尚有行雲

朝暮幾般,向他情漫

風流今古,虛作瞿塘

山月照山,夢迴燈影

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39. ・畫屏重疊 以前、寵愛を受けているころはあたりまえに使っていた屏風を折りたたんでかたずける、積み重ねる。

40. ・巫陽 『楚辭』「招魂」に出てくるみこの名。巫女。ただし性別不詳。蘇軾『歴代絶句類選』二 第八葉 『澄邁驛通潮閣二首 其二』「 餘生欲老海南村, 帝遣巫陽招我魂。 杳杳天低鶻沒處, 青山一髮是中原。」(澄邁驛の通潮閣   餘生老いんと欲す海南の村,帝巫陽をして  我が魂を招か遣【し】む。 杳杳たる天低【た】れて鶻沒するの處,青山一髮是れ中原。)

宋玉の「神女賦」に、「且に朝雲となり、碁に行雨となる」「朝雲暮雨。」の句がある。結句の「雲雨」に応じている。神女と雲雨は、雨が宋玉「高唐の賦」にある巫山神女の故事によるもので、懷王と交わった後、神女が「暮には行雨とならん」とどんな時でも一緒にいるといった意味を持つ雨である。楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事を連想させる。

41. ・楚神 巫山神女。

42. ・行雲意 戀意。行雲想:《桃花扇·訪翠》:“誤走到巫峰上,添了些行雲想,匆匆忘卻仙模樣。

43. ・朝暮 巫山の雲雨【ふざん‐の‐うんう】「朝雲暮雨。」

《宋玉の「高唐賦」の、楚の懐王が昼寝の夢の中で巫山の神女と契ったという故事から》男女が夢の中で結ばれること。また、男女が情を交わすこと。巫山の雲。巫山の雨。巫山の夢。朝雲暮雨 男女が愛し合い、片時も離れていられないほどの深い仲であることのたとえ。男女の情交のことも。中国の故事による。楚(そ)の懐王(かいおう)が夢の中で情を交わした女神が立ち去る時に、「朝は雲に、日暮れには雨となり、朝な夕なあなたのそばにおります」といったことから。

44. ・向他 他の情の方に向かう。

・漫 [訓]すずろそぞろ一面に満ちて覆うさま。「漫漫/瀰漫(びまん)・爛漫(らんまん)むやみに広がって締まりがない。「漫然/散漫・冗漫・放漫」何とはなしに。気のむくまま

45. ・風流 なごり、遺風。美風の名残。高尚な趣。風雅。態度。様子。品格。歌舞。

46. ・虛作 むなしく~となる。才能のないものがむなしく作る。虚語。虚詞。虚想。虚辭。

47. ・瞿塘 瞿塘峡のこと。 瞿塘峡は三峡のもっとも上流にあり、西は重慶市奉節県の白帝城から、東は重慶市巫山県の大溪鎮までの区間である。四川盆地の東部では、東西方向に伸びる細長い褶曲山脈が多数平行に走っているが、その山脈のうち高さ1,000mを超える一本を長江本流が北西から東南へ貫通するところが瞿塘峡である。巫峡(ふきょう)、西陵峡(せいりょうきょう)と並び、三峡を構成する。別名は夔峡(ききょう)。

 

48. ・山月・山花 今何も変化なく過ぎてゆく遠くの景色、そこのある小さな花をいう。

49. ・夢迴 巫山の地にまつわる夢が廻る。

50. ・燈影斜 自分の間直にある、何の変化もない景色を指す。

  

参考 三首

巫山一段雲二首と別一首

李珣

巫山一段雲二首其一

有客經巫峽,停橈向水湄。

楚王曾此夢瑤,一夢杳無期。

塵暗珠簾卷,香消翠幄垂。

西風迴首不勝悲,暮雨灑空祠。

(長江の巫峡を過ぎる際の懐古の情と祠を訪ねて思い浮んだことを詠う。)

ここに旅人がいて、三峡・巫峡をくだろうとすると、棹を止め、楫を止めて、祠に停泊し、その後、水に臨む岸を見ながら、流れに沿って下流に向かうものである。

そこ巫峡の山には楚の懐王と瑤姫との伝説があり、宋玉の「高唐賦」に登場する夢の中で出会い、親しく交わるというものであるが、その夢は一度見ていると、果てしなくその逢瀬の約束は無限につづくのである。

だからその祠では、仮に雲が厚く閨が暗ければ、珠の簾を巻き上げるものであり、閨の香が絶えて消えてしまうと香の香りを逃がさないために、カワセミの雌の緑色のとばりを垂らすものだ。

それでも西風が吹けば、舟は出向できず、首を都の方にめぐらせて悲しい秋を迎えるものだし、巫山神女が雨となって夕暮れに降りはじめれば、何にもなかった祠にも潤いがそそがれるというものだろう。

巫山一段雲二首其一

客有り 巫峽を經て,橈を停め 水湄に向う。

楚王 曾て此れ 瑤を夢み,一び夢むが 杳として期無し。

塵【か】りに暗ければ 珠簾卷き,香消えれば 翠幄垂る。

西風 首を迴らせて悲に勝らず,暮雨 空祠を灑う。

 

巫山一段雲二首其二

古廟依青嶂,行宮枕碧流。

水聲山色鏁粧樓,往事思悠悠。

雲雨朝還暮,煙花春復秋。

啼猿何必近孤舟,行客自多愁。

(長江の巫峡を過ぎる際の懐古の情と祠を訪ねて、ここの景色と気風によって思い浮んだことを詠う。)

楚の懐王が巫山の神女のために建てたとされる古廟は十二の翠の山に寄り添うようにあり、楚の行在所であった宮は碧き流れを臨んで、長江の傍らにたっている。

渓谷に響く水の流れの音とみなもにうつる山の色をふかくし、その中に美しい高殿を包み込んでいる、過ぎ去りし昔のことがこの景色と気風によって果てなく偲ばれてくる。

高唐の賦にいう「朝雲暮雨」となって、陽台の下で待っているといった瑶姫とその懐王の逢瀬、花曇りの春の盛りからまた秋の寒花のかおる時もその時節に応じてしのばれる。

この巫山の山と三峡の流れに、どういうわけか、舟近くに悲しき猿の鳴き声を聞くのは二人の恋は悲恋であったというのであろうか、ここを旅するものたちは、別れてきてことを思い出し、自然と愁いが多くなる。

 

(巫山、一段の雲 二首其の二)

古廟 依青嶂,行宮枕碧流。

水聲山色鏁粧樓,往事思悠悠。

雲雨朝還暮,煙花春復秋。

啼猿何必近孤舟,行客自多愁。

 

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毛文錫『巫山一段雲一首』

雨霽巫山上,雲輕映碧天。

遠峯吹散又相連,十二晚峯前。

暗濕啼猿樹,高籠過客舡。

朝朝暮暮楚江邊,幾度降神仙。

(巫山の一段雲一首)

雨が霽【は】れる巫山の上り,雲は輕く碧天に映ゆ。

遠峯より吹散し又た相い連なる,十二晚峯の前なり。

暗に濕し 猿 樹に啼く,高籠は客舡を過る。

朝朝して暮暮し 楚江の邊,幾度 神仙の降れる。

(巫山十二峯は交わり、別れの場所であり、また、雨が降り交わり、朝が来て別れる。そんな巫山を詠う。)

神女の生まれ変わりの雨が朝には別れたために晴れ、巫山のあたりはすっかり澄み渡る。その空に神女と夜を過ごした雲が軽やかにすみきった青空に映えている。

遠くの峰々をこえて吹く風に雲は散らされ、そしてまた集まり、そして連なる、巫峡は暮れかかって、二人のわかれた十二峰には猿の鳴き声がこだまする。

暗くたれこめた雲があたりをくらくし、暗くなった樹を密かに濡らしたなかに猿がないているのだ。高い籠に揺られ見下ろすようにの巫峡のうえから旅人の乗る船を下に見ている。

朝が来て別れ、また朝になり、夕ぐれて交わり、また夕暮れていく、舟は下って楚の国、長江下流域ののほとり、ここにはここの神仙が幾たびも降りて交わるということだ。

【解説】 巫峡は古くから航行危険の難所であったことで、さしかかる前は娼屋を利用して勇気を奮い立たせて難所に向かった。民妓、道妓の施設があったもので,もしかすると死ぬかもしれないという中での女性が神女という呼び方をされてもおかしくない。こうしたことの前提で巫山の神女の故事ができあがっている。後段、巫山の雲は、長江を行き交う旅の船を下に見ながら、これまで、朝な夕なに、どれほど巫山の峰に降ったことであろうと、坐山の神女の故事に思いを馳せる。

菩薩蠻七首其五

51. 菩薩蠻七首其の五:(春の行楽に街で最も美しいといわれる、高貴な人の娘が門前から出かけようとすると街中の人が一目見ようと集まってくる。そこに白馬に乗った貴公子が、金の鞭をわざと落として気をひこうとしたという詩)

52. 【解説】杜甫や李白の、王維などの少年行の内容である。美しく高貴な女性に、気をひこうとしている貴公子を歌ったもの。

53. 【構成】唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

菩薩蠻七首 其一

舞裙香暖金泥,畫梁語鷰驚殘

門外柳花,玉郎猶未

愁勻紅粉,眉剪春山

何處是遼,錦屏春晝

●○○●○△●  ●○●●○○△

○●●○○  ●○△●○

○○○●●  ○●○○●

△●●○○  ●△○●△菩薩蠻七首 其二

柳花飛處鶯聲,暗街春色香車

金鳳小簾,臉波和恨

今宵求夢,難到青樓

贏得一場,鴛衾誰並

●○○●○○●  ●○○●○○●

○●●○○  △○△●△

○○○△●  △●○○●

○●●○○  ○○○●○

菩薩蠻七首 其三

玉釵風動春幡,交枝紅杏籠煙

樓上望卿寒新雨

薰爐蒙翠,繡帳鴛鴦

何處有相,羨他初畫

●○△●○○●  ○○○●△○●

○●△○○  △○○●○

△○○●●  ●●○○●

△●●△○  ○△○●○

菩薩蠻七首 其四

畫屏重疊巫陽,楚神尚有行雲

朝暮幾般,向他情漫

風流今古,虛作瞿塘

山月照山,夢迴燈影

●△△●○○●  ●○△●△○●

○●△○○  ●△○●△

△○○●●  ○●△○●

○●●○○  △△○●○

菩薩蠻七首 其五

風簾鷰舞鶯啼,粧臺約鬢低纖

釵重髻盤,一枝紅牡

門前行樂,白馬嘶春

故故墜金,迴頭應眼穿

△○●●○○●  ?○●●○○●

○△●○○  ●○○●○

○○△●●  ●●○○●

●●●○○  △○△●△

 

54. ・この二句は待ち遠しい春が来たことを春のアイテムを鏤めている。しかしその中に嬉しさ、楽しさというのは見いだせないのも特徴である。

55. 鷰舞鶯啼 鶯:黃鸝。燕子は飛舞し在し,黃鶯は鳴叫し在する。春光明媚の形容である。

56. 纖手 細くやわらかい手。牛嶠の《菩薩蠻七首其五》は陸機の《擬古詩、擬西北有高樓》にもとづいて作られたものである。 

擬西北有高樓  (宮中で琴を弾じている、若くか細い美人を恋い慕う歌)

高樓一何峻。苕苕峻而安。綺窗出塵冥。飛階躡雲端。 

佳人撫琴瑟。纖手清且閑。芳草隨風結。哀響馥若蘭。 

玉容誰能顧。傾城在一彈。佇立望日昃。躑躅再三歎。 

不怨佇立久。但願歌者歡。思駕歸鴻羽。比翼雙飛翰。

(綺窗は塵冥を出で、飛階は雲端を躡む。佳人は琴瑟を撫し、纖手は清く且つ閑かなり。)

57. ・釵重 この二句は上句は閨の状況。下句は庭のようすを云う。カンザシを挿したままで落ち欠けている。

58. ・盤珊 よろよろすること。盤散、盤姍、盤跚、槃散、蹣跚もおなじ。

59. ・一枝紅牡丹 庭に一本の赤いボタンの花を看る。ここは、若い女を指す。

60. ・行楽 当時は野山に出かけ酒を呑むことを万幕を張って楽しんだ。当時は春には靑姦というのは通常のことであったようだ。

61. ・白馬 しろうま。古くは、盟誓の際に乗る、あるいは。祭祀の犠牲にもちいる。白馬将軍:西涼の龐徳。龐徳が白馬に乗るのを常としていたため、関羽の軍勢は龐徳を白馬将軍と呼んで畏れた。

62. ・故故 ①鳥などの啼き声。白居易 《人定》詩: “誰定教鸚鵡, 故故語相驚。”②しばしば。唐 杜甫 《月》詩之三: “時時開暗室, 故故滿青天。”仇兆鰲 注: 故故, 猶云屢屢。”③わざと。故意。徐鉉《九月三十夜雨寄故人》詩: “別念紛紛起, 寒更故故遲。”

いわれがありそうである。また、趣深くすぐれている。奥ゆかしく気品がある。風格がある。たしなみ深い。

 

64. ・應眼穿 行楽に向かうはずが、ここの座敷の中に入っていった。だから見たくも無い光景を目の当たりにしたというのがこの詩の意味である。

菩薩蠻七首其六

65. 菩薩蠻七首其の六:(はじめて寵愛を受けて、何不自由なく過ごしす、春の日から、咲くなって悪も暮れる頃も、萵苣の組み合わせが織り込まれているかけ布団、翡翠の上かけ、と寒くない高価な布団に包まれるが、やがて寵愛を失うが、それでも待つことが定めの妃嬪であると詠う)

66. 唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

菩薩蠻七首 其一

舞裙香暖金泥,畫梁語鷰驚殘

門外柳花,玉郎猶未

愁勻紅粉,眉剪春山

何處是遼,錦屏春晝

●○○●○△●  ●○●●○○△

○●●○○  ●○△●○

○○○●●  ○●○○●

△●●○○  ●△○●△菩薩蠻七首 其二

柳花飛處鶯聲,暗街春色香車

金鳳小簾,臉波和恨

今宵求夢,難到青樓

贏得一場,鴛衾誰並

●○○●○○●  ●○○●○○●

○●●○○  △○△●△

○○○△●  △●○○●

○●●○○  ○○○●○

菩薩蠻七首 其三

玉釵風動春幡,交枝紅杏籠煙

樓上望卿寒新雨

薰爐蒙翠,繡帳鴛鴦

何處有相,羨他初畫

●○△●○○●  ○○○●△○●

○●△○○  △○○●○

△○○●●  ●●○○●

△●●△○  ○△○●○

菩薩蠻七首 其四

畫屏重疊巫陽,楚神尚有行雲

朝暮幾般,向他情漫

風流今古,虛作瞿塘

山月照山,夢迴燈影

●△△●○○●  ●○△●△○●

○●△○○  ●△○●△

△○○●●  ○●△○●

○●●○○  △△○●○

菩薩蠻七首 其五

風簾鷰舞鶯啼,粧臺約鬢低纖

釵重髻盤,一枝紅牡

門前行樂,白馬嘶春

故故墜金,迴頭應眼穿

△○●●○○●  ?○●●○○●

○△●○○  ●○○●○

○○△●●  ●●○○●

●●●○○  △○△●△

菩薩蠻七首其六

綠雲鬢上飛金,愁眉斂翠春煙

香閣掩芙,畫屏山幾

寒天欲,猶結同心

啼粉,問郎何日

●○●●○○●  ○○●●○○●

○●●○○  ●△○△△

○○○●●  △●○○●

○●○○△  ●○△●○

67. ・この二句 春の季節には男女はとても仲が良かったことを云う

68. 飛金雀 金細工のカンザシにスズメが飛んでいるように細工がしてあるもの。少し動けば揺れる。

69. 愁眉斂翠 翡翠の布団に包まれた様子をいう。

70. ・芙蓉 古くは往々にして蓮(ハス)の花を指した。美女の形容としても多用された表現である。フヨウと区別するために「水芙蓉」とも。ここでははっきりと高閣の中にたくさんの美女がいることを云っている。

71. ・この二句 芙蓉は夏、秋を意味していて、ここまで仲が良かったことを示す。

72. ・この二句 ここでは秋も深まり、夜長を一人さびしく過ごしたいと思っていた波悲しい秋になってしまったことを云っている。でもまた身も心も一体化したいと思っている。

 73. ・結同心苣 萵苣の組み合わせが織り込まれているかけ布団の中で結ばれる。 南朝梁沈約《少年新婚為之詠》「錦履并花紋, 繡帶同心苣。」(錦履 并花の紋, 繡帶 同心の苣。)“錦の履に花の紋様が并べてあり, 刺繍の帶には、萵苣の組み合わせが織り込まれている。”(玉台新詠巻五)に基づいている。・苣:①たいまつ。葦を束ねて焼く。《後漢書、皇甫嵩傳》「束苣乘城。」②ちしゃな。苣叚借爲蒙、今俗以爲萵苣字、菜名。

74. ・この二句  閨の着物にきかえて待っているもののその夜も来なかい。しかし、準備をして待つのが定めであると。

菩薩蠻七首其七

75.  菩薩蠻七首その七:(夏の夜、高貴なものの閨で、寝る間を惜しんで愛し合い、うとうととしている間に短い夜は過ぎて、朝の支度の音が聴こえてきたり、熱帯夜であったのであろう、宮女たちが簾の外に打ち水をする、起きてしまうとどうしようと思ってみると、わが君は、眼を開けた微笑みながら驚いて、もっとこのままでいたいといってくると詠う。)

 

76. 【解説】男と一夜をともにした女の姿態と歓情とを詠う。前段は、寝台の様子と、愛に燃える女性の姿態、そして、外で水を汲む釣瓶の概観の音で目を覚まし、朝の訪れを悲しみながらも、傍らに男のいることを確かめ、男に向かって微笑むさまを描く。最後の女の言葉は、かなり直接的であり官能的である。

77. 【構成】唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

菩薩蠻七首 其一

舞裙香暖金泥,畫梁語鷰驚殘

門外柳花,玉郎猶未

愁勻紅粉,眉剪春山

何處是遼,錦屏春晝

●○○●○△●  ●○●●○○△

○●●○○  ●○△●○

○○○●●  ○●○○●

△●●○○  ●△○●△菩薩蠻七首 其二

柳花飛處鶯聲,暗街春色香車

金鳳小簾,臉波和恨

今宵求夢,難到青樓

贏得一場,鴛衾誰並

●○○●○○●  ●○○●○○●

○●●○○  △○△●△

○○○△●  △●○○●

○●●○○  ○○○●○

菩薩蠻七首 其三

玉釵風動春幡,交枝紅杏籠煙

樓上望卿寒新雨

薰爐蒙翠,繡帳鴛鴦

何處有相,羨他初畫

●○△●○○●  ○○○●△○●

○●△○○  △○○●○

△○○●●  ●●○○●

△●●△○  ○△○●○

菩薩蠻七首 其四

畫屏重疊巫陽,楚神尚有行雲

朝暮幾般,向他情漫

風流今古,虛作瞿塘

山月照山,夢迴燈影

●△△●○○●  ●○△●△○●

○●△○○  ●△○●△

△○○●●  ○●△○●

○●●○○  △△○●○

菩薩蠻七首 其五

風簾鷰舞鶯啼,粧臺約鬢低纖

釵重髻盤,一枝紅牡

門前行樂,白馬嘶春

故故墜金,迴頭應眼穿

△○●●○○●  ?○●●○○●

○△●○○  ●○○●○

○○△●●  ●●○○●

●●●○○  △○△●△

菩薩蠻七首其六

綠雲鬢上飛金,愁眉斂翠春煙

香閣掩芙,畫屏山幾

寒天欲,猶結同心

啼粉,問郎何日

●○●●○○●  ○○●●○○●

○●●○○  ●△○△△

○○○●●  △●○○●

○●○○△  ●○△●○

菩薩蠻七首 其七

玉樓冰簟鴛鴦,粉融香汗流山

簾外轆轤,斂眉含笑

柳陰煙漠,低鬢蟬釵

須作一生,盡君今日

●○○●○○●  ●○○△○○△

○●●○○  ●○○●○

●○○●●  ○●○○●

○●●△●  ●○○●○

 

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

美しい宮殿の高楼には、寝牀にひんやりとの竹筵の簟がしかれ、鴛鴦の錦がかけられる、白粉は汗に溶けても香しきもので山形状の枕に流れおちる。

78. 氷簟 ひんやりとした竹筵。簟は竹の皮を蒔くはいで編んだ夏用の敷物。氷の上で寝るほどの涼しい簟で編んだしきもの。高級品で庶民の手にするものではない。

鄭羣贈簟 #1 Ⅱ韓退之(韓愈)詩307 紀頌之の漢詩ブログ998

李商隠『可歎』
幸會東城宴末廻、年華憂共水相催。
梁家宅裏秦宮入、趙后樓中赤鳳來。
冰簟且眠金鏤枕、瓊筵不酔玉交杯。
宓妃愁坐芝田館、用盡陳王八斗才。
可歎 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-96

温庭筠『瑤瑟怨』 

冰簟銀床夢不成,碧天如水夜雲輕。

雁聲遠過瀟湘去,十二樓中月自明。

79. 駕駕錦 オシドリ模様の錦の掛布。

80. 山枕 枕のこと。山形をした枕で、真ん中が窪み、両端が山の形で高い凹形の枕をいう。温庭筠の更漏子詞に「山枕蹴、錦余寒」、顧鼻の甘州子詞に山枕上、長是怯農鐘」とある。閨情詩の場合の山は女性がベットで横たわることをいい、屏風の山の画とかさなりあうことをれんそうさせ、枕に横たわる裸体の女性を思い浮かべて読んでみると状況がよくわかる。この語を花間集の中で以下のように使用している。

花間集「山枕」の語について

溫庭筠

巻一14

菩薩蠻十四首其十四

山枕隱穠粧,綠檀金鳳凰。

溫庭筠

巻一17

更漏子六首其三

山枕膩,錦衾寒,覺來更漏殘。

牛嶠

巻四10

應天長二首其二

玉釵橫,山枕膩,寶帳鴛鴦春睡美。

牛嶠

巻四21

菩薩蠻七首其七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

顧夐

巻六43

甘州子五首其一

山枕上,私語口脂香。

顧夐

巻六44

甘州子五首其二

山枕上,幾點淚痕新。

顧夐

巻六45

甘州子五首其三

山枕上,長是怯晨鐘。

顧夐

巻六46

甘州子五首其四

山枕上,翠鈿鎮眉心。

顧夐

巻六47

甘州子五首其五

山枕上,燈背臉波橫。

顧夐

巻七13

酒泉子七首其五

雲鬟半墜懶重篸,淚侵山枕濕。

顧夐

巻七18

獻衷心

金閨裡,山枕上,始應知。

 

温庭筠『菩薩蠻十三』 
竹風輕動庭除冷,珠簾月上玲瓏影。山枕隱濃妝,綠檀金鳳凰。
兩蛾愁黛淺,故國宮遠。春恨正關情,畫樓殘點聲。

『菩薩蠻十三』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-13-13-#13 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1668

 

81. 轆轤 釣瓶井戸の壇櫨。滑車。情事の際の声を云う。「斂眉含笑驚」もエクスタシーを表現するもの。

82. 斂眉 眉をひそめて怪訝な顔をする。

83. 含笑驚 笑いを含んだ顔つきをして驚いているという顔つきの表現。

84. 蟬釵 蝉の飾りの付いた簪。

温庭筠『菩薩蠻 五』

杏花含露團香雪,綠楊陌上多離別。

燈在月朧明,覺來聞曉鶯。

玉鈎褰翠幕,妝淺舊眉薄。

春夢正關情,鏡中蟬輕。

『菩薩蠻 五』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-5-5-#5 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1636

85. 一生拚 一生を捨てる。ここでは我が身がどうなっても構わないことを言う。情事のエクスタシーでいう言葉として理解する。

86. 盡君今日歡 逐語訳すれば、あなたの今日の歓びを尽くしなさい。今日は私を思う存分に愛して下さいということ。こういう表現は、酒を酌み交わす語句として使われるが、実際の生活の中では、閨の言葉として使われていたのであろう。

 

 

 

 

【字解集】 b.酒泉子 

酒泉子一首

1. (去年科挙に及第して、杏園での祝宴に招かれ、妃嬪の美しさを初めて見て以来、女性を見る目、人生観が変ったことを詠う。)

2. 【解説】牛嶠は、878年進士に及第している。合格発表の日は、長安の街全体で祝ってくれ、無礼講であったが、その時、見た妃嬪の美しさに倚り、人生観が変わったということ、そうした経験を思い出してこの詩を作ったものだ。

4. 【解説】『花間集』には牛希濟の作は一首収められている。双調四十三字、前段二十字五句二平韻、後段二十三字五句一平韻、三仄韻で、46③3③/❼❺❼③の詞形をとる。

酒泉子一首

記得去,煙暖杏園花發。

雪飄,江艸綠,柳絲

鈿車纖手捲簾,眉學春山

鳳釵低裊翠鬟,落梅

●●●○ ○●●○○●

●○○ ○●● ●○△

△○○●△○△ ○●○○●

●○○?●○● ●○○

韋荘124《巻3-24 酒泉子一首》 

月落星沉、樓上美人春

綠雲、金枕、畫屏深。
子規啼破相思、曙色東方纔
柳煙輕、花露、思難

雙調四十一字、前段十九字五句二平韻二仄韻、後段二十二字五句二平韻二仄韻で、④❻3❸③/⑦❻3❸③の詞形をとる。

 

花間集 『酒泉子一首』